なぁんて、大げさですが、要するに、植え替えです。
苺は実がなったあと、ランナーという蔓をのばし、親株のまわりに根をおろして子株が増えていく。だから、ほうっておくと、増えすぎてきゅうくつになってしまう。
毎年のように「今年こそは」と思いながら、なんだかんだで時機を逸し、「ま、来年でもいいか」と言ってるうちに、他の草も生えて完全に足の踏み場がなくなり、収穫量も減る一方。というか、どこに実があるかわからない状態。
もうほんとに今年こそは!と思っていたところ、8月に猪さんが乱入して、盛大に掘り返してくださったので、やっと実行する気になった。
なかなかできなかった理由は、「大変だから」の一言に尽きる。
耕運機でやれば早いとMは言うけれど、これは機械では無理なのだ。
見渡す限りぼさぼさの中から、まず背の高い草(マツヨイグサ、オカトラノオ、カラスノゴマ、ヒメジソなどなど)と、中くらいの草(キツネノマゴ、ゲンノショウコ、トウゴマなどなど)と、這い回っている蔓草(アメリカアサガオ、アケビ、ノブドウ、センニンソウなどなど)を抜きとる。
次に苺を拾い出す。
大量のアサツキを球根ごと取り除く。
チドメグサと芝の根、その下に深く深く入り込んでいるドクダミやスギナその他の根を取り除く。
ついでに大量の石も取り除く。
きれいになったところで畝を立て直し、苺をきちんと並べて植える。
おしまい。
と、書けばどうってことはないけれど、これが容易ではないのです。
苺を掘り起こすのはいいが、なるべく早く土に植えてやらないと枯れてしまうので、その植え場所をこしらえる作業を同時進行でやらねばならない。畑とは名ばかりの、ほぼ原野という場所だから、とにかく土がかたいのなんのって、1時間やっても50センチくらいしか進まない。
そして、翌日行ってみると、拾い切れなかったアサツキの根が、もうそこらじゅうで元気よく芽を出しているじゃないですか。
10月中に、終わるのかなあ、これ。
(靴をはいて玄関から出るときは、車で出かけると知っているから、つまらなさそうにうずくまって見送っている。コマは賢いね)
でも、ついてきたって何か手伝うわけではないし、猫だから、じきに飽きる。
飽きると、目の前にきて、じいっと目を見て(帰ろうよォ)と訴える。
「はいはい、ちょっと待って」などと言いながら、なかなか帰らずに作業をしていると、コマちゃんは…
この写真は畑じゃなくて、アトリエの庭のほうですが、自分では自分の背中が見えないので、Mが撮ったのを見て、「ああ、こうなってたんだ」と。
後ろからいきなり「びょん!」と飛び乗って、10秒から20秒くらいそのまま乗っている。これが1回目。
2回目、3回目と、間隔がだんだん短くなり、乗っている時間はだんだん長くなる。頭に乗られることもある。
4回目になると、「降りてくださぁい」と揺らしても降りず、ぺたっと落ち着いてしまって、座り込みに近い。
庭や畑ならまだいいけど、水場で重石のブロックを上げ下ろししている最中にやられると、相当こたえる。
ポケモンのアニメの主人公の男の子は、体重6kgのピカチュウをいつも肩にのっけているけれど、あれは絶対よくない。身体をきたえるためだとしても、リュックのように身体に密着させて中央に背負うようにしなければ、背骨に負担がかかると思う。
コマ吉は4.6kgで、ピカチュウよりは軽いけれど、リュックと違って重心が一定でない生き物はそう長くしょっていられるものではありませんよ。
足元から胸まで駆け上がってくる猫は前にいたけれど、背中に飛び乗る猫というのは、コマが初めてだ。
どういうきっかけでこうなったのか、よくわからないけれど、この子は最初からちょっとひ弱なところがあり、外ではしゃぎすぎるとグッタリしてしまい、抱いて帰るということがたびたびあった。
この「背中に乗る」は、「抱っこで帰ろう」というアピールではないかしら。
しかたないから、抱いて帰ると、とても喜んで、ゴロゴロ、ゴロゴロいっている。
どうも末っ子には甘くなる。困ったコマちゃんだ。
カラスノゴマ。
(似たようなものが多く、調べるのをあきらめた)
これは丈が20~30センチほどで、葉はとても細い。朝の水玉を見るために、花壇の通路わきに残してある。
もうじきここは落ち葉でいっぱいになるんだな。