閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

ちらかしこびと

2010-05-25 08:26:29 | 日々
「アリクイかたづけサービス社の電話番号を知りたい!」
というご要望をいただいておりますが(笑)
ついでに、おかたづけの話を、もうすこし。

子どものいるおうちでは、毎日のように
「片付けなさーい!」の声が聞かれるでしょう。
うちでも、言ってたと思います。
あ、そんなに言わなかった?
どうでした?(←「元子ども」に聞いてみている)

子どもが何かすれば、必ずモノが散らかる。
これはあたりまえのことであります。
チャーリー・ブラウンの漫画に出てくる、
歩くだけで泥んこになっちゃうピッグペンと同じ。
何も散らかさない子どもがいるとすれば、
その子はまったく何もしていないか、あるいは
ゲーム機ひとつ抱えてずーっと座ってた、ということで、
それはちょっと怖いんじゃないかなあ。

「うわー、散らかしたね! いっぱい遊べたね!」
と本当はほめてあげるべき、なんでしょうけれど、
現実には、なかなかそうもいかないわけで。

わたしの小さい頃は、2DKのアパート住まいで、
子ども部屋というものは別になかったので、
そのへんにおもちゃをひろげて遊ぶ。そして、
「夕ごはん前に片付ける」
というのが鉄則になっていました。

しかし、おかたづけというのは、当然、あまり面白くない。
そこで、わたしと弟で考え出したのが
「ちらかしこびと」という一種のゲーム。

「そろそろ片付けなさーい」という声がかかると、
わたしたちは、台所との境のふすまを閉めてしまいます。
すると、どこからともなく、ちらかしこびとが登場。
「ちらかせ、ちらかせ、ちらかしこびとがやってきた」
とかなんとか、適当な節をつけて歌いながら、
どんどん散らかす…んじゃなくて、片付ける。
(そう、こびとさんの国の言葉では、
片付けることを「チラカス」と言うんですよ!)

そして、すっかり「ちらかし」終わったら、
高らかに叫ぶわけ。
「お母さん、みてー! こんなにちらかしたよ!」
すると、母がふすまをガラッとあけて踏み込んできて、
「もーっ、片付けなさいって言ったのに!」と
鬼のようにおこる。それから、ふとあたりを見回し、
「あれっ? きれいになってる?!」とびっくりする。
わたしたち、喜んできゃあきゃあ笑う。

…というのを、連日、飽きもせずやってましたっけ。
まあ、つきあってくれた母もなかなかの演技で(笑)

「片付けなさい」と言われて「片付ける」。
その現実は少しも変わらないんだけれど、
そこに空想をとりこむことによって
全体を面白い遊びにすりかえることができる。
異次元にジャンプしなくても、ここにいたままで、
自由に別の世界を楽しむことができる。

そうか、ファンタジーって「使える」んだ!
世界って「作れる」んだ!
と味をしめたわたし(当時、小学低学年くらい?)は、
さらにあれこれと「使い方」「作り方」を試しながら
そのまま現在に至り…

相変わらず、何かすりかえたりして、
飽きもせず遊んでいるらしい、ですよ。


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