閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

ほうれん草の謎

2008-01-07 10:32:08 | 

七草の朝。曇り空だけれど風がなく暖かい。
ほうれん草を摘みにいく。

…このように書くとまるで野草のように見えますね。
ほうれん草は、野菜なのに「菜」の字がつかない。
なぜだろう。

最近のほうれん草は、根元が赤くなく、
葉も切れ込みが浅く幅が広いのが主流のようです。
畑に植えたまま、大きい葉っぱを一枚ずつ選んで摘んできます。
片手に持てるだけ。
両手に抱えられるだけ。
ゆでるまえに、しばらくボウルにいけておく。
台所にこんもりと濃い緑の森ができる。

ポパイの食べるほうれん草は、子どものころ、大きな謎でした。
ピンチになると、どこからともなく缶詰を出して、
(あれ、どうやって開けるのだったかな?
缶切りも持っていたっけ?)
中身を一気に喉に流し込む。ごくごく。
そうするとたちまち勇ましいテーマ曲が鳴り響き、
ポパイは悪党を海のかなたへ投げ飛ばしてしまう。

ほうれん草で力がわいてくるものかどうか、ということよりも、
ほうれん草が缶詰になっているということのほうが謎だった。
いまだによくわからない。
ペースト状らしいけれど、味はついているんだろうか。
アメリカでは他の野菜もこういう缶詰になっているんだろうか。

スピルバーグの「A. I.」という映画は、未来社会だけれど、
子どもがほうれん草あえのスパゲッティを食べさせられている。
それもぐちゃぐちゃな緑色のペースト状のほうれん草。
ロボットの子が、人間の子の真似をして同じものを食べて
故障してしまうのでした。
(でもあれはひどく後味の悪い映画だったな…)

ほうれん草をゆでて、ブロッコリをゆでて、
大根、かぶ、白菜、水菜、春菊と、
畑にあるものでざっと七種類は揃うけれど、
さてこれをどのように取り合わせようか。
迷う七草。

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