閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

ふくろねこ

2013-02-10 21:27:25 | 日々

あれ?・・と思ったのは水曜の朝。
茶々さんが台所に来なかった。

いつも朝食のあと、Mが2人分のコーヒーをいれてくれる。
わたしはコーヒーにミルクを入れないけれど、Mは入れるのを
グルメ猫のお茶々は知っていて、小さい容器に残ったミルクを
もらってなめるのが毎朝の日課になっているので、
コーヒーをいれ始めると必ず台所のテーブルに陣取り、
「みゃーっ、みゃーっ」とひときわ高い子猫声で催促をする。

それが、水曜の朝は来なかった。
探すと2階で寝ていた。
この時点で、異変に気づくべきでしたが、
気まぐれな猫のことだし、たまにはそういうこともあるかと、
心配しなかったのです。

そこから、ぱたっと、食べなくなりました。
いつもの食卓での強引なおねだりがない。
2階ですももにごはん(すもも用の小粒フード)をあげるとき、
必ず「だだだっ!」とお相伴しに来るのに、それも来ない。
「いらないの?」と鼻先に出すと、ちょっと反応はするけれど、
においをかぐだけで、離れてしまう。

木曜、金曜、食べず、飲まず、動かず、ひたすら眠る。
その間、4度ほど吐いた。
胃は空っぽなので、黄色い液体を吐く。毛玉も混じっている。
脱水症にならないよう、水を少しずつ何度もスポイトで口に入れる。
猫用のふわふわ寝袋に入れてやると、そのままずーっと寝ている。
寒いのでペットボトル2本にお湯を入れて湯たんぽにする。
(そのあと、小さい湯たんぽを買ってきた。容量900ml。
手軽に使えて、ペットボトルより丈夫で安心)

ときどき触って確かめる。朝も昼も夜も夜中も。
身体が柔らかいときと、がちがちにかたいときが交互にある。
かたいのは、どこか痛かったり苦しかったりしているんだと思う。
耳を持って熱いときと、冷たいときも交互に。
耳が熱いのは、発熱しているとき。
でも、熱があるということは、体内の免疫系細胞が
細菌などの侵入者と戦っているということだから、
熱だけ下げればいいとは限らない。
(と、先日TVで人間のお医者さんも言っていました)

猫に限ったことではなく、わが家ではヒトも同じで、
体調の悪いときは、あったかくしておとなしく寝ていれば
治ることが多いものです。
特に猫の場合、具合の悪いときに、わけもわからず連れ出され、
知らない人や動物のいっぱいいる場所に置かれるというのは、
非常に大きなストレスになり、治るものも治らない、だけでなく、
下手すると他の病気までもらってきてしまうおそれがあるため、
極力避けたい。

とはいえ、「寝れば治る」ものか、そうでないものか、見極めは難しいです。
お茶々は過去に2度こういうことがあり、2度とも寝て治しました。
(ただ、この子はFLUTDという猫によくある病気の常連さんでもあり、
その症状が出たときは、有無を言わさず即お医者行きとなる)
一番安心な場所で、安静にする。
治ろうとする身体の自然の力を邪魔しない。
ヒトも猫も基本は同じだと思います。

土曜日。吐かなくなった。
すももにあげるフードの音に反応して、目が動く。
でもまだ自分からは何も食べようとしない。
切手の半分ほどのマグロの赤身を口に押し込む。
ごっくん。よしよし。
1時間後、猫缶(いつものより2ランク上!)のゼリー状のところを
口に押し込む。ごっくん。舌を出してスプーンをなめた。
さらに1時間後、ヨーグルト。起き上がって大さじ半分なめた。

日曜日。
おすわりしてお皿から自分で食べようとする意欲をみせる。
窓の前にすわってぼーっとしているので、裏庭におろしてやると、
貯水タンクの横に行って、パイプの継ぎ目からぽたぽた落ちる水を
長いことかかって飲んだ。
タンクに入る前の「お山の天然水」が飲みたかったのかな。
ぴちゃぴちゃなめる舌の動きに勢いが戻ってきている。
南天のしげみに入ってご用をすませると、
そのへんにころがっている古材木でバリバリと爪とぎ。

猫の場合、「顔洗い」「爪とぎ」「大あくび」ができれば、
とりあえず危機は脱したとみていいでしょう。
お昼に食卓でチーズを切ったら、気配を察して2階から
トテントテンと降りてきたのには驚きました。
実際にはちょっぴりしか食べられませんが、これは良い兆候。
午後、庭に出て、あじさいの根元の陽だまりに
しばらくぺったり座っていました。

猫が好んで座る場所には、地磁気だか何だかの流れがあり、
それが身体に良いことを猫は本能で知っている・・
という話を昔どこかで読んだけれど、ほんとかなあ。
そのあと、ふたたび「寝袋・湯たんぽつき」にもぐって、
こんこんと眠る。
なんだか有袋類の赤ちゃんになったみたい。
新種の「フクロネコ」だ。

まだかなりむらがあり、油断はできませんが、
その調子、ちょっとずつ、元気になろう、茶々さん。

 

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