ヒヨドリバナ。
秋の七草フジバカマの近縁であるこの草のことは
前にもこの季節に書いたのだけれど、
また書くというのは、書き足りない気持ちがあるからで。
このように地味な花で、写真うつりもぱっとしないし・・
つぼみがひらくと、ぽそぽそと糸くずのようで、よけい良くない。
(いや、そもそも撮り方が下手なのよ、ね・・)
何よりも、この草の一番の特徴である香りを、伝える手段がない。
これが「バラの花のような甘い香り」とかいうなら
なんとなく想像していただくこともできそうだけれど・・。
なにしろ、生えている状態では、花にも葉にも香りはない。
摘んできて、そのまま置いておくと、しおれるころにほんのり香りはじめる。
翌日にはもっとはっきりわかる。
こういう植物は他に知らない。
何に一番近いかといえば、えーと、桜餅の葉っぱ?・・と思っていたら、
大島桜と同じ「クマリン」という成分を含んでいるとか。
あ、そうなのか。
じつは、本家フジバカマは、ずっと前に植物園で見たきりなので、
ヒヨドリバナとどれくらい同じか違うかは確かめていない。
(自生地は少ないそうだし、よそのお庭のは摘めませんしね)
でも、これでも「気分は平安時代」を、しばらくの間は楽しめる。
何に使う、というのでもないけれど。
からからになって時間がたつと香りはしだいに失せていく。
名前は、ヒヨドリが来て鳴く頃に咲くから、と。
ヒヨドリはいわゆる渡り鳥ではなく、このあたりでは年じゅう見るし、
キーキーと騒がしいのもいつものことで、意識することが少ないけれど、
地域によっては、秋になると山から里に、あるいは寒冷地から暖地に、
群れになって移動するそうだ。
そういえば、「ピーチルチュクチュ」と艶のあるさえずりが聞こえる。
草むらではさまざまに鳴く秋の虫。
遠くでツクツクボウシの声もしている。
こちらも写真ではお伝えできない・・
アケビ島、いえ、北海道から届いたラヴェンダーのサシェ。
(美雪さん、ありがとうございます!)
ハンカチのひきだしや、レターセットの箱にしのばせておくと、
ほんのり優しい香りがうつります。
思い出という名の猫とすれ違う
日ざしも甘いラヴェンダーの午後
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(「ラヴェンダーの」は6連符だよね?とか考えるから
いつも「字余り」になるんだな・・笑)