閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

2021-05-21 16:48:55 | 日々

玄関とは別に、デッキの端に小さい棚を置き、スニーカー、長靴、サンダルを1足ずつ入れてある。庭に出たり畑に行くときは、居間からデッキに出て靴をはいて行く。(そうしないと玄関が泥だらけになってしまう)
雨が小やみになったので、今のうちに苺を摘んでこようとスニーカーに足を入れたら、左のつま先に「ふわっ」とした感触が。
わッ! とあわてて脱ぎ、逆さまにして振ったら、苔が出てきました。
緑色で、まだ新しい。
コレハナンダ?

そういえば一昨日あたりから、たびたび窓の前を横切る鳥の影があり、物干し竿に止まるのも何度か見た。ふだんあまりないことなので気になっていたけれど、これはもしかして…巣を作ろうとしているのでは?

時期的にみて、2度目の繁殖シーズン。ヤマガラ、シジュウカラ、あるいはミソサザイなど、巣材に苔を使う鳥は何種かいて、それ自体は珍しくない。
しかし、場所がおかしい。人が日に何度も出入りする窓のすぐそばで、猫もしじゅううろついている。デッキ面からの高さはわずか1メートルほどしかない。棚は木製で3段、幅は靴1足分の小さいものだから、雰囲気が巣箱っぽいといえなくもないけれど、出入り口は「穴」ではなくオープンだ。そして靴の中に苔。おかしい。おかしすぎる。

まあ、何かの間違いだろうと、とりあえず靴を逆向きに(かかとを奥に)しておいた。ところが翌朝、やっぱり苔がひとつまみ入っている。かなり無理やりもぐりこんで入れたようだ。お昼に見たら、また新たな苔がひとつまみ。どうしてもここに巣を作ると決めちゃったらしい。

鳥には鳥なりの判断基準があり、地上からの高さ、向き、入口の大きさ、安全性など、条件がそろわないと巣作りをしないものだ。ここはどうみても条件を満たしているとは思えない。特に、安全性。猫がその気になれば簡単にとびつくことができる場所だし、それくらい下見のときにわかりそうなもの。いったい何考えてんの?…と言いたくなる。

とにかく早くあきらめてもらいましょうと、靴を取り出し、室内に移した。
その数時間後…


からっぽの棚に、また苔がひとつまみ。
ごらんのとおり、この棚は背板がない。固定もせず、ただ置いてあるだけ。後ろは家の外壁。そこにちょこんと苔が。
う~ん、謎すぎる。

鳥はみんな本能にみちびかれるまま巣を作り、卵を産み、ヒナを育てる。飽きたからたまには変わったことをしてみようなんて考える奴はいない。本能に外れた行動をすれば繁殖は成功せず、自分の命も危ないからだ。
だけど、家の周囲には毎年いくつも巣箱をかけていて、そこから多くのヒナが巣立っている。このあたりのヤマガラやシジュウカラたちは、何世代にもわたって「板で作られた箱っぽい人工物=安全な空間」と認識しているに違いない。
だから、ほんのちょっとしたボタンのかけ違いというか、本能の小さな暴走で、たまにこんなこともあったりする…んじゃないかなあ。
そして、たまたまイレギュラーなやり方で成功する個体がいて、それがたまたま何世代か続いたとしたら、そこから新たな進化の道が開ける、ということもあったりする…んじゃないかなあ。
というのは閑猫の「根も葉もない」想像です。ひきつづき観察中。

なにしろ、連日の雨だからねえ。雨に濡れない軒下の棚が、この上なく魅力的な物件に見えたのかも。


本日の(寝るしかない)にゃんズ。

寝るコマ。

 

寝るクレ。

 

えーと、コレハ何ダ?(笑)

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