雲に乗る馬の雲。
立春を過ぎて、暦は「芽の月」に入る。
と書きたいところだけれど、昨日は一日じゅう強風が吹き荒れて、とても寒かった。
関東地方では「春一番」だったとか。このあたりは西風だったから、まだ「春」ではないのかしら。
風の強い日が多い。海に近い駐車場では、みんな車を風上に向けて停めている。降りるときはドアが風に押し返されて開けるのに苦労するが、これが逆向きだと、ばあん!といきなり開いてしまって、隣の車を傷つけるばかりか、最悪の場合ドアがもぎとられることもあるので気をつけないといけない。
風の力というのは、ときには走っている大型トラックを横転させるくらいだから、このエネルギーを有効利用できればいいに決まっている。残念ながら、風力発電の現状は決して良いことばかりではない。コストがかからず、長持ちして、生活や景観の妨げにもならないような発電装置が早くできるといい。
久しぶりに銀行に行く。ATMの機械の前に立つと、足元に「それは詐欺ではありませんか?」という派手な注意書きがあってぎょっとする。なんとなくカウンターのほうから、あのヒト大丈夫かしらね、と疑いの目で見守られている気がする。なるべく落ち着いて自信ありげにふるまおうとするものの、マスクで眼鏡は曇るし、バッグのジッパーがひっかかって通帳がなかなか取り出せなかったり、指が冷たくてそのページがうまくめくれなかったりと、どんどん挙動不審になっていく閑猫。
記帳がいっぱいになったので「通帳繰り越し」をしたら、表紙のデザインを選ぶ画面が表示された。一方はあっさりした幾何学模様。もう一方は「干物通帳」とある。
干物…?
海辺の町の銀行らしいといえばらしいけれど、通帳なんてふだん人に見せるものでもないし、変なキャラクターでなければわたしは何でも良いんですが。
「干物」をバッグに入れて持ち帰るのは何か違和感があり、ここで考え込むとまた心配されそうで、とっさにそれじゃないほうを選んでしまったが、あとで考えたら干物の図柄も可愛かったなと、小さな後悔をする。次回の繰り越しはいつのことやら。その前に通帳はみんなペーパーレスになってしまうかも。
夕方、西の森陰から、不穏な雲がもくもくとわきあがってくる。
夕焼けの色が消えかかる頃、ひときわ怪しげな雲のかたまりの中から、黒い大きな鳥が6羽あらわれ、風とともにかなりの速度で頭上を横切っていった。
たぶんカラスだろう。カラスらしい羽ばたきをせず、黒い翼をまっすぐに伸ばして、まるで6機のグライダーのようだった。
強い風にもうまく乗ってしまえば、自転車から新幹線に乗り替えたようなもので、らくらくとどこまでも行けるだろう。逆に風上に向かって飛ぶのは困難かもしれない。でも鳥だから、勤務先が決まっているわけでもないし、繁殖期以外はどうしても帰らねばならぬ家があるわけでもない。吹く風にさからわず、行けるところまで行き、降りられるところで降りる。それで新たな運が開ける…ということも、きっとあるのだろうと思う。
本日のクレボーイ。
2階でおやつタイム。
出窓の見張り場へ移動。
真鈴さんに、ご挨拶のひとなめ。
クレちゃんは小さいときから挨拶がじょうずにできる子です。
真鈴から「十倍返し」のぺろぺろ。そのままグルーミングタイムに。
ベンチ使用中。良い子だね~。
(わたしの膝掛け毛布とられました)
本日の「いいね!」
FROSTYLAPSE
霜ができるまで