荷物が何もないとき、傘をさすのは楽しい。
見るからに「おとうさんのかさ」という雰囲気の
黒い特大サイズの傘。
これをさすと小さい子どもになった気分。
長靴はいて、ぽこぽこ歩く。
お隣の別荘はしばらくお留守。
見る人が誰もいないのに、こんなに花が咲いている。
なんだか閉鎖された植物園の趣き。
スモークツリーのふわふわけむった灰紫の花には
銀色の水滴がいっぱい。
びん洗いブラシそっくりのカリステモン。
大きなピンクと薄黄のエンジェルトランペット。
黄金色のビヨウヤナギ。
文字どおり「咲き乱れ」ているシモツケ。
からんだつる草をほどいていたらびしょぬれになった。
桔梗のつぼみが、薄緑から薄紫になって、
紙風船のようにふくらみ、咲くかなあ、咲くかなあと
一日に何度も見ていたのに、知らないうちに咲いていた。
桔梗は好きな花。紫のも白いのも。
草の姿も、その名前も。
青じその葉っぱが今年もたくさん出ていてうれしい。
傘をさしたまま、野良コスモスの苗をちょいちょい移したり、
チェリーセージののびすぎた枝先を摘んだり。
窓の中から猫がじいっと見ている。
うらやましそうに、ではなくて。
理解できん、という顔。
猫も傘をさせたら可愛いのにねえ。
(やなこった、という顔)
来月に復刊する『アイヴォリー』の装丁(案)を
このあいだ見せてもらいました。
銀箔を使ったデザインって、わたしの本では初めてですよ。
すごくたのしみ。
本日のタイトルは昔おぼえた歌。
ギターのF♯が弾けなかった。
歌詞はすらすらと出るけど、
今ではBmも忘れちゃった。