閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

「ぐいーん! こうしょさぎょうしゃ」

2022-11-02 11:45:38 | お知らせ(新刊)

絵本の新刊です。
『ぐいーん! こうしょさぎょうしゃ』。偕成社の「のりもの絵本」シリーズ11冊目。
(この表紙の微妙なグリーン系の色がどうしても出ない! ちゃんと撮れたら画像入れ替えます)

これはもうタイトルどおり、

ぐいーんと上がって高いところで作業をする車が、

 

こんなところや、

 

あんなところで、

 

いろんなお仕事をするという絵本です。

高所作業車って、道端で電線や電話線の工事をしているのを見かけても、名称までは知らない人が多いかもしれません。
サイレンの鳴る緊急車両や、動きのダイナミックな大型重機にくらべると、やや地味な存在ではありますが、メーカーや用途によっていろんな種類があり、見慣れてくるとおもしろいです。
たとえば上のトンネル点検の場面では、2台の高所作業車がおなじ仕事をしているけれど、左のほうが可動域が広い新型タイプ。とか。
電気工事をする高所作業車は、乗る人が感電しないよう絶縁仕様になっている。とかね。

ところで、高所作業車は、どうやって乗り降りするか、ご存じですか?
わたしは、なぁんとなく、あれが地面すれすれまで下りてくるんだろう…と思っていましたが、そうではありませんでした。

乗るのも降りるのも、この状態から、なんだって。知らなかった!
べつに知らなくてもいいけど、面白いので、ご参考までに。

 


以下は、蛇足。(←長い)

この乗り物絵本シリーズは、最初からシリーズ化の予定があったわけではなく、たまたま気が向いたところ、書きやすいところから書いていったのですが、1冊目の『ピン・ポン・バス』からいつのまにか26年…おもなメンバーはほぼ出そろい、『いそげ! きゅうきゅうしゃ』でちょうど10冊というきりのいいところなので、もういいかな、と思っていました。

1年半ほど前のこと、はたらく車大好き兄弟のお母さんから、「もし次回作があるなら、フォークリフトを」というリクエストをいただき、うーん、フォークリフトか。いろんな場所でいろんなものを運べるし、魚市場でフォークリフトとターレのコンビなんか楽しいかも! と、にわかに考える気になったのです。
しかし、「描く人」と相談する中で、働く場所が市場や倉庫に限定されるから、画面の変化が少なくて1冊もたない、という問題がクリアできず、かわりに浮上してきたのが、公道も走れる高所作業車、でした。
(フォークリフト好きの次男くん、ごめんね~)

わたしは以前『だいすき! はたらくくるま』(PHP研究所 2001年)というアメリカの絵本を翻訳したことがあり、この中にも高所作業車が出てくるのですが、



説明に「A Cherry Picker or aerial bucket truck」とあって、さくらんぼ摘み! 空中バケツ! そうなのか…と、そこだけすごく印象に残っていたのでした。
以来、高所作業車を見かけるたびに、あ、チェリーピッカーだ、あ、空中バケツだ、とひとりでにんまりする怪しいヒトに…(笑)
今回、ほんとに「さくらんぼ摘み」をする高所作業車も登場させることができて、うれしい。

ロシアのウクライナ侵攻が続く中で描かれた絵には、描いた人の気持ちを反映して、「レストラン ウクライナ」の文字や、ウクライナ航空の飛行機も。
のちのち読み返して、そうか、あの時代に描いたんだなーと、感慨深く思い出すかもしれません。

 

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