山いっぱいの若葉があちこち黄金色に光って眩しい。
文字どおりのゴールデンウィーク。
長靴をはいて蕗採りに行く。
今年の蕗はすんなり長くのびてみずみずしい。
こういうのが採りやすいし、味も香りもよい。
非番の真鈴がにゃあにゃあいいながらついてくるけれど、
例によって何ひとつ手伝うわけではない。
黒猫なので、これからの季節は見るからに暑そうだ。
するりと日陰に入っては寝そべる。
猫が寝ている日陰は、また見るからに涼しそうだ。
蕗1キロ余り、塩でごしごし洗い、皮はむかずに切りそろえ、
下ゆでしてから醤油でじっくり煮る。
一晩おいて煮返して、きゃらぶき風に黒く仕上げる。
この佃煮は毎年おなじレシピで作って迷わない。
ノートのそのページに醤油のしみがついている。
以前は沢の奥まで入ってたくさん採って、
たくさん煮て、あちこちに差し上げたりした。
このごろはもうそんなにはりきって作ることもない。
沢の奥は静かできれいなところだが、
昨年、スズメバチに出くわして怖かったので、
用心して今年は行かないことにする。
がさがさと音のするほうを見ると、ムジナさんだ。
何やら夢中で土に鼻先をつっこんでいる。
どうも夜行性とは限らないらしく、朝も昼も夕方も見かける。
このまえ、真鈴とわたしで、ムジナのあとをついていき、
むこうが「は?」と顔をあげると、こっちは止まる…
というのを繰り返して「だるまさんがころんだ」みたいに
だんだん距離を詰めていったら1メートル半まで接近できた。
でも、近づいてもほとんど背中しか見えない動物だ。
しかも草の根元を掘り返しながらちょっとずつしか進まないので、
わたしたちは飽きて途中で帰ってきてしまった。
野生の動物には遊んでいるひまはないね。
ひまなのは人と猫だけだね。
もうじき咲きだすジャスミン。鈴蘭。
どこかでオオルリの声。
このごろ聴いている音楽。
Sleepthief 「The Dawnseeker」
Secret Garden 「Once in a Red Moon」
SION 「20th Milestone」
Youssou N'dour「JOKO」
傾向がつかみにくいがランダムというわけでもない取り合わせ。