桜の葉はもうだいぶ散った。落ち葉掃きのシーズン到来だ。
坂の上からずーっと掃いていって、道の脇に大きな山をふたつ三つとこしらえる。
よく晴れて、かるく風が吹いているくらいのお天気が望ましい。掃き集めた落ち葉が飛ばされるような風ではいけない。
夕暮れに、山で鹿の鳴く声がする。風情があるなあと思って聞いたのは10年以上前のことで、その後どんどんあつかましくなった鹿が敷地内に侵入してくるようになり、しんみり耳を傾けるどころではなくなった。あの声は繁殖期のオスが1キロメートル四方に自分の存在を知らせるための一種の遠吠えで、たいそうよく響くから、深夜に玄関前で鳴かれると飛び上がってしまう。
わたしのパソコンには、4年前に家のすぐそばで罠にかかった鹿の動画が保存してある。こんな狭い檻にどうしてわざわざ入ったのかと不思議になるような大きな角の鹿だった。おなかの中は大量の緑の植物でぱんぱんだったと、解体した人が言っていた。
晩生の山栗。とても小粒。
でも、たくさん。
夏の長雨で、大株になっていたインパチエンスはみんな駄目になってしまったけれど、その後こぼれ種から勝手に育ったものが、あちこちでちょこちょこと咲いている。
おやあ? クチナシって秋にも咲くんだっけ?
ざくろ。お隣の。
ざくろもあけびも、種が多くて食べにくい。気にせず種ごと呑み込むのがコツだと聞いたけれど、そういう習慣がないのでなかなか難しい。
拾った羽。落ち葉掃きのごほうび。
長さ約95ミリ。細いわりに軸がしっかりしている。
光の加減でグレイに写っているが、室内で見ると焦げ茶に近く、ふちがオレンジがかっている。鳥の羽の色というのは非常に再現しにくい。
左右非対称でプロペラのようなねじれカーブがあることから、ナニカの右の風切羽、ということは一応わかる。ヒヨドリよりは小さい鳥かな。
鳥の巣博士の鑑定では、ガビチョウではないか、とのこと。
ガビチョウはヒヨと同じくらい大きいイメージがあったけれど、実物(剥製)を見たら、身体がぽてっとしているだけで翼の羽は意外と短いのだった。あまり高く飛ばず、やぶの中をごそごそ移動する鳥は、それでいいようだ。
落ち葉と、コマ吉。
本日の「いいね!」
そもそも「普通」って何なんだろうと思う。みんなと同じでありたい。みんな同じでなければならない。特に上でも下でもなく真ん中あたりで目立たずにいるのが良い。真ん中(と思われていそうな位置)にいても、それだけでは安心できず、上を見ては羨み、下を見ては蔑み、無理やり足を引っ張ったり手を引っ張ったりして全員自分と同じ「普通」レベルにもってこないと気が済まない。でもそんなのは実現不可能なことだ。群れで暮らす人間の社会性というのは、「競合」と「助け合い」の両面を持つけれど、ときどき過剰な方向に暴走するのかもしれない。