昨年のプラムは、早く咲きすぎた。
大丈夫かなあ・・と思っていたところに遅い雪が降り、
わずかに結んだ実も青いうちに落ちてしまい、
結局、ひとつも収穫できなかった。
今年は蜂も飛んでいるし、まずまず順調のように見えるけれど。
酸味の効いたルビー色のジャムを、また作れるかな。
近くの村の人が来て、蜜蜂の巣箱を2つ、
崖の上の日当たりのいい草むらに置いていった。
これはよくある養蜂業者の巣箱とは違って、
蜂は入っていない、ただのからっぽの木の箱だ。
置いておいて、野生の蜜蜂が勝手に入るのを待ち、
適当なところで回収して蜂蜜をいただくという
きわめて原始的な仕掛けらしい。
それは小鳥だって巣箱をつくってやれば毎年入るけれど・・。
蜜蜂がほんとうに入るかどうか、ぜひ見てみたい。
以前、木こりのおじさんに聞いた話では、
野生の蜜蜂は木の洞のようなところに巣をつくる。
おじさんは、蜂が出入りするのを見て目星をつけておき、
巣が大きくなったころ、蜂の機嫌のよさそうな日を見計らって
バケツを持って採りに行く。
「機嫌の悪い日に行ったら刺されるから」だそうだ。
誰にでも見分けのつくものじゃないと思うけど。
アマゾンの奥地に暮らす少数部族のドキュメンタりーを見たら、
狩りに行く途中、ジャングルで蜂の巣を採っていた。
わいわいと分け合ってその場でみんな食べてしまう。
弓矢だけを身につける彼らは、とれたときに、
とれたものを食べるのが基本で、当然、貯えておくとか、
売って儲けるとかいう発想はないのだった。
それこそが本当にシンプルでエコだろう。
ぽたぽたと蜜をたらして、子どものように笑って。
これが蜜蜂の巣箱。
蜜蜂しか入れない小さい穴があけてあります。