閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

包丁男の謎

2010-04-17 08:39:03 | 

日々、いろんな事件が起こり、報道される。
たくさんありすぎて、端から忘れてしまう。
路上で包丁を振り回して逮捕された。
という、少し前のニュースの見出しが書きとめてあった。

この種の事件、よく「包丁男」と報道されるけれど、
それってどうなんだろう、と思ったから。

狼男。ねずみおとこ。ミイラ男。ドラキュラ。
いやドラキュラまで出てこなくてもいいが、
「包丁男」と「狼男その他」は分類が別だ。
顔が包丁に似てるわけでもないし、
手が包丁になるわけでもないし。
普通の人間が、普通の包丁を持ってるだけ。
なのに、言葉上は、狼男と同列になってしまう。
そのことが、気分的にひっかかる。

ナイフを持てばナイフ男。
爆弾持てば爆弾男。
(あ、「女」に言い換えてもかまいませんよ)
ハンカチ男とかボールペン女とかは絶対言わない。
もっと危ないものを持ってないと。
猟銃。カッター。かみそり。はさみ。バリカン。
のこぎり。かなづち。くぎ。ねじまわし。ホッチキス。
しっくりくるのと、こないのがある。
何が凶器で、何が道具か。
車だって立派な凶器になるけれど、悪い奴が
車に乗って来てもクルマオトコとは絶対言わない。
はて。

ニュースの包丁男は、両手に1本ずつ包丁を持ち、
その他に果物ナイフも持っていたそうだ。
両手に持ってしまうと、どっちもうまく使えないのに、
さらにもう1本持とうとするところがすでに普通でない。
「包丁男」が妖怪扱いになるのは、そこだろうか。

持っていたのが1本だけだったら。
場所が路上でなく、室内だったら。
台所の流し台の前だったら。
まな板の上にネギがのっていたら。
それなら誰も「包丁男」とは呼ばない。
ただの「料理人」じゃないですか。
シチュエーションと用途を誤った人が「○○男」になるのか。
ふうむ。
(この項、ひきつづき考察中)

コメント
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