(後半追記ありますので、上げます)
復刊後、ふたたび品切れ状態になっていた
『星とトランペット』と『アイヴォリー』の2冊が
Amazonのオンデマンド版(ペーパーバック)で
お求めいただけるようになったそうです。
「そうです」と他人事のようになっているのは、
まだ実物を見ていないからで、そもそも、そんな話は
版元からもまったく聞いてないのですが、まあとにかく。
ペーパーバックでも、読めれば。
2冊とも、複数のバージョンがあるので、
(下記のもの以外はすべて絶版か品切れになってますが)
ご注文の際には定価をチェックして、間違えないようご注意くださいませ。
(「復刊ドットコム」は旧「ブッキング」から社名変更しました)
星とトランペット (オンデマンド ペーパーバック) |
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竹下 文子・作 牧野鈴子・絵 |
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復刊ドットコム |
収録作品は講談社文庫版(1984年)と同じ11篇で、解説がないだけです。
表記のこまかい点で、文庫版から多少の変更があります。
本文は復刊ドットコムのハードカバー版とまったく同じです。
アイヴォリー (オンデマンド ペーパーバック) |
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竹下 文子・作 坂田 靖子・絵 |
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復刊ドットコム |
こちらも本文は復刊ドットコムのハードカバーと同一。
理論社版(1994年)の扉の歌詞を削除し、献辞の表記を変えたほか、
本文中のこまかい表記の変更があったかもしれません。(わすれた・・)
さてさて、実物を入手しましたので、追加。
ハードカバー版(下)とくらべると、こんな感じですね。
洋書のペーパーバックと同じスタイルで、
日本の文庫本のようなカバーはついていません。
並べると、ちょっとだけ小さいです。
内容は、まるごと「複製」されているため、
版元も旧社名「ブッキング」のままになっています。
いくら天下のAmazonとはいえ、こういうものを、
著者の承諾もなしに作って販売して、いいの?
とすごく疑問に思うけれど、「いいですか」って聞かれれば
「いいですよ」って言うしかない(そうしないと誰も買えないし読めない)
という実情が、難しいところですよね。
オンデマンドというのは、注文するとそのつど印刷・製本してくれるシステム。
印刷データさえあればいいため、在庫管理の必要がなく、場所もとらない。
古い本でも、いつも「新品」の状態で手に取れる。
品薄だというだけの理由で値がつりあがる古書にくらべれば、
(あるいは、倉庫に置くとこがないという理由で、売れない在庫を
端から捨てねばならない出版社にくらべれば)
こういう形のほうがずっと公平でリーズナブルだとも思えます。
しかし、データというものの扱いの手軽さが逆に、この先、
また何の断りもなしにKindle版になったりするんだろうか、とか、
書籍本来の安定感や信頼感を薄めている気がするのも、事実。
とにかく、本というのは、読めなければ意味がないわけで。
趣をこらした装丁の愛蔵版というものも個人的には大好きだけれど、
よれよれのペーパーバックだろうと半世紀前の文庫本だろうと、
「なかみ」が好きなら、それだって大切な宝物になり得るわけで。
じゃあ読めさえすればテキストデータでも何でもいいか、っていうと、
手のこんだ美味しい料理も紙の皿ではガッカリなのと同じように、
それではあんまりだ、そこまでは譲れませんという部分もあったりする。
う~ん。
自著に限らず、復刊を待っている本はたくさんあるんですけども、
なかなか単純ではないこの世界。
<9月5日追記>
上に書いた「承諾なしに」の件はいちおう(事後承諾ながら)解決いたしました。
どうぞご心配なくお求めくださいませ。
ハードカバーのほうの重版は、残念ながら今のところ予定がないそうです。
<2023年11月さらに追記>
現在は2冊とも電子書籍でお読みいただけるようになっています。
おまけ。
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紙の本がぜんぶ電子書籍になるって、誰が言ったの。