レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

キオスク レディ・モリー 渇きと偽り

2018-08-01 06:32:29 | 
『キオスク』 ローベルト・ゼーターラー
 図書館の「新着図書」の日常点検で見つけたドイツ語作品。
 30年代のオーストリア。田舎の少年フランツは、家庭の事情、いわゆる「大人の事情」でウィーンに働きに出る。母の知人がキオスクをやっているのでそこの店員にしてもらった。客の好みをよく覚えること、扱っている新聞をしっかり読むことなどを教えてくれる雇い主は、実は反骨精神の持ち主。常連客の中にはあのフロイトもいる。博士と言葉をかわして初恋(?)をのりきるフランツ、しかし時代は褐色に染まりつつあった。
 マンガ化ならば山下友美さんにやってほしい。



バロネス・オルツィ『レディ・モリーの事件簿』 論創社
 新刊というわけではなく、いまごろ知っただけ。
 『紅はこべ』が有名な作者だけどミステリーが先にあり、『隅の老人』と並ぶシリーズがこれ、初の女性探偵キャラだそうだ。
 ワトスン役の「私」メアリーの傾倒ぶりも微笑ましく、少女マンガでもやってもらいたいものである。



ジェイン・ハーパー『渇きと偽り』
 ハヤカワミステリ。文庫でも先月出た。
 オーストラリア産という珍しさで読んでみた。
 捜査官のフォーク(35)は、幼馴染のルークの葬儀のために故郷に帰ってきた。ルークは生活苦のために妻子を殺して自殺したーーとされているが、彼の親はそれに不審を抱き、フォークに調べを頼む。
 フォーク自身もかつてGFが不審な死を遂げてその犯人と疑われた過去があった。その際にアリバイを偽証してくれたという借りが故人にはあるのだった。
 




 過去の事件の真犯人がクズすぎる、こちらが明るみに出ないのはすっきりしない。
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2 コメント

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Unknown (サラ)
2018-08-02 20:33:48
>ワトスン役の「私」メアリー

ドクター・ワトスンの奥さんの名前でもありますね。

英語圏ではありふれた名前だから偶然とは思いますが、「ホームズ」シリーズを意識したのかなと考えるのも楽しいです。
あちこちにメアリ (レーヌス)
2018-08-02 21:28:34
 『隅の老人』ではなるべくホームズに似ないキャラをと意識したそうなので、『レディ・モリー』でも逆説的に意識したというふうには考えられますね。ワトスン君は何回結婚したのか、メアリの時は既に再婚なのか?という問題もマニアの話題ではあります。

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