レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

月の夜は暗く

2016-04-01 09:35:49 | 
アンドレアス・グルーバー『月の夜は暗く』

 ハヤカワ文庫。
 ミュンヘンの若い刑事ザビーネ・ネーメスの母が行方不明になり、惨殺死体で発見、離婚した父に容疑がかかる。ほかにも、奇妙な状態の他殺体が発見される。オランダから招かれた分析官、マールテン・S・スナイデルは優秀だが傲岸不遜な態度で摩擦を起こしまくり。やがてザビーネは、一連の殺人が「もじゃもじゃペーター」を模したものであることに気づく。
 『もじゃもじゃペーター』は、19世紀にフランクフルトの医師ハインリヒ・ホフマンによって描かれた絵本で、ヴィルヘルム・ブッシュ『マックスとモーリッツ』と共に古典である。悪い子がこっぴどい罰を受ける話の束で、確かにこれは見立て殺人のタネに恰好であろう。
 これはシリーズ化されていて、ほかの作品も文学作品が素材になっているということで、続く紹介が楽しみである。
 ところで、読書家設定のスナイデルが「もじゃもじゃペーター」を知らなかったのは意外だった。オランダでは子供はほかの本で育つと言っていたけどオランダでは有名じゃないのだろうか。英国で大戦中に『もじゃもじゃヒトラー』というパロ本が出ていたという話はこのブログの2007.9.16に話題にしている。


トーマス・ブレツィナ『男の子おことわり、魔女オンリー』 さ・え・ら書房 2006
 児童書をたくさん出している作家で3つのシリーズが邦訳されている。この4冊シリーズがいちばん面白かった。
 犬猿の仲だったティンカ(カタリーナ)とリッシ(ルイーザ)は、親の再婚で義理の姉妹になる。おまけに、学校の課題として近所の年寄りに話をききにいく際にペアにされた。そのばあさんに「魔女」仲間として認定されたけど、その魔女力は二人が一緒でないと発揮できないという。そういうわけで和解の成り行きに。
 ほかに『タイガーチーム』『冒険ふしぎ美術館』のシリーズが出ている。
 『~美術館』のレオナルドの巻にはサライが出てはくるけど、・・・美少年じゃない!絵もむしろデブってるし。レオナルドがこんなの弟子にしておくわけないだろ、けしからん!

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大好きだった!少女マンガ ... | トップ | 今日は好天 »

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事