レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

ドイツ語で門と塔と扉は紛らわしい

2012-02-12 12:35:09 | ドイツ
 『先生と僕 夏目漱石を囲む人々』by香日ゆら で知った話である。
 漱石は弟子の森田草平に、新連載小説の広告の連絡をすることを言いつけた。内容は決まっておらず、題はテキトーでという。
 森田は困って、弟子仲間の小宮豊隆のところに行く。それで、そのへんにあった本『ツァラトストラ』(小宮はドイツ文学者なので原書だろうな)をぱらぱらとめくって指差したところにあった言葉から「門」にした。

 ところでこの「門」は、das Torだったのだろうか。

 das Tor (ダス・トーァ) 門
der Turm(デァ・トゥルム)塔
die Tür (ディー・テューァ)ドア
 「トーァ」と「塔」とドアがそれぞれ別、うう紛らわしい・・・。
(ついでに言えば、中性名詞das Torは門だけど、男性名詞 der Tor は「愚か者」)

 ドイツ話題でついでに。
 先日、私はいつものように海外旅行の新聞広告をひやかしていた。某ドイツのパックツアー、あちこちの町を慌ただしくまわるもので、ルートじたいはまあまあ妥当で、ケルンとボンがはいっているのは結構である。しかしひっかかるのは、ワイマルとフランクフルトとミュンヘンが、宿泊地にはしてあるけど見物が設けられていない! フランクフルトは初日に泊まるだけというツアーはよくあるので驚きもしないけど。ミュンヘン、せめてビアホールくらい行けるのだろうな(私は飲んでないけど)。酒に注目するならばフランクフルトはリンゴ酒がある。そういう点でヴァイマルは、ゲーテやシラーやリストなんて関心もないならば万人向けのセールスポイントがいま一つなのかもしれない。強いて言えばチューリンガーソーセージか、でもそれはヴァイマルだけではないし。

 リストといえば、『緋色の楽譜』byラルフ・イーザウ は、リストの残した楽譜をめぐって、白・黒の秘密結社が戦う話ーーというとまるでライトノベルのようでもあるな。主人公はフランス人の美人ピアニスト。とある音楽評論家から、リストにそっくりだと言われたので、実は亡母が子孫だと言っていたと語ったらそれがマスコミに評判になってしまったという身の上。ーーあれが先祖だったら遺伝子と戦う必要あるまい、似ていてラッキーだろう。晩年までモテモテ(死語?)だったというし、あちこちに子孫がいてもおかしくない。
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2 コメント

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Unknown (kyoko)
2012-02-14 17:12:36
 ゲーテ、シラー、リスト、みごとに学生は知らないということを知りました。もう驚きも嘆きもしませんが。
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情けない・・・ (レーヌス)
2012-02-15 06:38:04
読んだことなくてもゲーテの名前くらい知られてないと、国際的なドイツ語学校が「ゲーテ・インスティトゥート」であることの意味がないでしょうにね・・・。
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