レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

『修道院の第二の殺人』

2012-07-19 12:57:13 | 
アランナ・ナイト『修道院の第二の殺人』  創元推理文庫

ヴィクトリア時代のエジンバラ。40まえの寡夫の刑事ファロは、二人の娘は母(子供たちには祖母)に預け、医者の卵である継息子ヴィンスと暮らしている。
 妻とその同僚の女を殺した罪で死刑になった男は、第二の殺人は否定したままであり、執行のあとで彼の妹もファロに訴えていた。上部に反対されながら、ヴィンスにせっつかれながらファロは個人的に捜査に乗り出す。

 先週、表紙(正確にはカバー)絵に不満だと書いたばかりである。しかしたいへん読みやすく面白かった。今回は重要キャラが女優でシェイクスピアの引用が多く、2巻目は歴史ネタだという。メアリ・スチュアートかもしれない。

 ファロが美男設定で、継子ヴィンスも母親似の美青年ということになっている。ーー絵がそれには追いついていない点はなぁ・・・。 デザインとしてはいいと思う、このカバー絵。


 ところで、「歴史ミステリー」という場合の「歴史」はなにを意味しているのだろう。実在の事件や人物がからんでくるのは納得しやすいけど、単に舞台が過去の時代であるだけだと多少の抵抗がある。「歴史小説」の定義づけにも関わってくる問題だ。 架空の人々の話であっても、しっかりした考証で時代の空気を感じさせるように描かれているならば歴史小説と言ってもいい気がするし、しかしだいぶ主観にも左右されそうだし。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『ヘタリア』のドイツ語訳 | トップ | 妙に好きなもの:エコバッグ... »

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事