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アイソン彗星(C2012/S1)11/21~12/1

2013年12月01日 | 彗星
 すでに多数のメディアが報じているようにアイソン彗星は太陽の熱と潮汐力に耐えることができなかったようです。非常に残念ですが北半球の12月グレートコメットは幻となりました。

NASA Science Newsには3つのシナリオが載っていましたが…
#1「近日点通過前の自己崩壊」
#2「近日点通過時のサンバーン熱による消滅」
#3「太陽熱と太陽引力に耐えてみごと生き残る」

実際は…
#1「近日点通過前の部分的自己崩壊」
#2「近日点通過時のサンバーン熱によるほぼ消滅」
#3「太陽熱と太陽引力に耐えて生き残った(?)尾の残骸」

…と、ナンバリングのとおりのシナリオを進んだようです。

アイソン彗星に何が起きていたのか、分かる範囲でまとめてみました。

11月21日~11月26日に撮影されたSTEREO衛星の動画には、この段階で何度となく崩壊を繰り返していたと思われる映像が随所に見られます。11月22日に大きな断片が剥がれ落ちるように見えます。

11月21日(木)17時39分01秒(JT)


11月22日(金)04時19分01秒(JT)


11月23日(土)05時39分01秒(JT)→photo


11月24日には、さらに大きな断片が剥がれ落ちていく様子が見られます。

11月24日(日)08時19分01秒(JT)

11月21日(木)9:39:01から11月26日(火)0:19:01までのムービーはこちら→movie(14M)

それでも、SOHO衛星LASCO C3画像からは、アイソン彗星の頭部にブルーミングが発生し、順調に増光していく様子が見られたが、11月28日に急激に減光が始まり…


わずか5時間後にはブルーミングが消えてしまった。


そして、SOHO衛星LASCO C2画像に映し出されたアイソン彗星を見た瞬間、これは消滅する!という絶望感を感じざるをえなかった。なぜなら、そこで見た彗星の様子が2010年1月3日のブログ「SUNGRAZING COMET()」にある「彗星が太陽に接近・消滅するアニメーション()」と全く同じだったからである。1月3日の小彗星はその後、遮蔽板の裏から出てくることはなく、文字通り消滅してしまった。ああ、アイソン彗星も消えてしまったのか…、



と思っていたので…、

アイソン彗星が再び飛び出した映像を見たときは、生き残ったー! と小躍りして喜び、


これで、本体を消滅させながらも2010年12月に素晴らしい姿を見せたラヴジョイ彗星
(C/2011 W3)(*)のようになるかもしれないぞー、と一縷の望みを持ったのですが…

太陽から離れるに従いブルーミングを増したラヴジョイ彗星のようにはならず、アイソン彗星は本当に力尽きてしまったようです。う~ん、残念、この明るさでは20cm反射望遠鏡で写るか微妙なところですが、チャンスがあるときは撮影にチャレンジしてみましょう。

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