Con Gas, Sin Hielo

細々と続ける最果てのブログへようこそ。

今年の19館(2012)

2012年12月31日 10時33分57秒 | 映画(2012)
今年も最後の記事になりました。

2年ぶりのTOHOシネマズパスポートを獲得したので、行ったことがないTOHOシネマズまで足を伸ばしてみました。

TOHOシネマズ海老名(神奈川)42回

パスポート効果もあって対前年比5割増。でも、これだけ行っていながら、9番スクリーンでは1度も観なかったことが判明。分からないものです。

TOHOシネマズシャンテ(東京)5回

W.アレンを引き受けることになったのか、シャンテ。職場からも近く、ここでしか上映していない作品も多いので、増えるのは必然。

ワーナーマイカルシネマズ海老名(神奈川)4回

昨年よりは増えた。TOHOで抜けた作品をかけてくれることもあるのだが、今度は時間が合わないということが多かった。レイトショーにしてくれれば、ということが数回。

ヒューマントラストシネマ渋谷(東京)3回

渋谷も映画館が少しずつ減り始めており、残された劇場には是非踏ん張ってほしいところ。

TOHOシネマズ日劇(東京)2回
TOHOシネマズ六本木ヒルズ(東京)2回
シアターN渋谷(東京)2回
TOHOシネマズららぽーと横浜(神奈川)2回

シアターNが閉館。あの系統が引き継がれるとすると、新宿武蔵野館あたりだろうか。TOHOシネマズばっかりだとちょっと味気ない。

チネラヴィータ(宮城)1回
TOHOシネマズ西新井(東京)1回
ヒューマントラストシネマ有楽町(東京)1回
TOHOシネマズ有楽座(東京)1回
TOHOシネマズスカラ座(東京)1回
Bunkamuraル・シネマ(東京)1回
TOHOシネマズ渋谷(東京)1回
TOHOシネマズ府中(東京)1回
TOHOシネマズ川崎(神奈川)1回
109シネマズ川崎(神奈川)1回
109シネマズMM横浜(神奈川)1回

また仕事の内容が少し変わって、今年はほとんど出張がなくなりました。べったり首都圏に張り付き、だからこそのパスポート獲得でもあるのですが、たまには旅行でも行ってのんびりしたいというのが正直なところです。でも収入も減りつつあるから、やっぱりしばらくは近所の映画館通いが続くのでしょう。1本でも多く、良い映画との出会いがありますように。
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今年の69作(2012)(1位→30位)

2012年12月31日 06時39分04秒 | 映画(2012)
2012年、世界は滅亡しませんでした。

わが国を含め、混沌を極める一方の世の中ですが、それでも日々の暮らしの中に生きていく糧を見出しながら、一歩ずつ進んでいくしかないことを実感しています。

映画も生きていくことも、過剰な期待をしないことがうまくいくための秘訣かなと思いはじめています。

少なくとも、得られた結果を他者の責任として不満を言い続けるのは、何の解決策にもならないし、何より楽しくない。

悪い結果の中にも、次へと進むための何かを見つけられるような生き方をしていきたいと思うのです。

まずは1位から30位まで。

1.「アルゴ」(11月14日)

物語のおもしろさ、臨場感を引き立たせる演出、何をとっても群を抜いて素晴らしいの一言。今年観た中で、時間を割いてでももう一度観たいと思った作品は、95点の2作品のみだった。B.アフレックの作品にはこれからも注目である。

2.「桐島、部活やめるってよ」(8月17日)

今年の上位作品のキーワードは、恥づかしながら「懐古思想」である。学校にべったりと張り付く抵抗しようのない差別社会をまざまざと、そしてある意味では活き活きと描き切った快作。このクラスにいたら自分はどの立場になるのか、考えただけでもおそろしい。

3.「アーティスト」(4月7日)

いろいろな意味において巧い。企画が巧い、演出が巧い、そして演者が巧い。犬までも巧いから、さりげなく温かく、そして楽しい。年末にヨーロッパ関連の作品を多く観たけど、五輪を含めて今年は存在感があったということかな。

4.「ロックオブエイジズ」(9月21日)

作品の出来はこき下ろされることが多かったみたいだけど、それはまったく関係ない。よみがえるあの頃。80年代中心に流行ったパワーバラードの数々。ああいう曲がまたヒットする時代が来ないかなー、とここでも「懐古思想」なのである。

5.「ディクテーター 身元不明でニューヨーク」(9月12日)

今年は、「ヒューゴ」や「レ・ミゼラブル」など役者としての需要の高さも見せたS.バロン・コーエン。キワモノのように振舞いながら、やっぱりそれなりに賢いということだろう。今回の作風は波長がぴたりと合った。

6.「TIME/タイム」(2月18日)

予想外のヒットとなった本作。時期的にもジャンルとしても、うまく隙間を突いた形になったというところか。そういう意味では年明けの「Looper」にも期待できるかな。J.ティンバーレイクは、今年晴れてJ.ビールとご結婚。おめでとう。うらやましいです。

7.「メンインブラック3」(6月3日)

これはJ.ブローリンにやられたって感じ。「トロン:レガシー」のJ.ブリッジスのような処理を敢えてしないところがよかった。でも、やっぱりこれで最後かな。

8.「ファミリーツリー」(6月27日)

意欲的な活動を続けるG.クルーニーが、ここではちょっと情けないオヤジを演じるのがミソ。娘との付き合い方は少し参考にしてみよう。長女役のS.ウッドリーは今後が期待される。

9.「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」(3月3日)

ファンタジーにはならない、現実を見据えながら生きていかなければいけない少年の運命を真っ直ぐに描いた良作。残された母親が、自分だって辛いのに広い心で見守っていることに深い感動。親は常に子供の幸せだけを考える生きものなのだ。

10.「最強のふたり」(9月1日)

文字通り最強のフランス映画となった。単なるいい話ではなく、楽しい場面がふんだんに盛り込まれており、年齢や性別を問わずすべての人に勧められる作品に仕上がっている。リメイクはしない方がいいと思うけど。

11.「もうひとりのシェイクスピア」(12月22日)

まさかのR.エメリッヒ監督の転身。事実は小説よりも奇なりという言葉があるが、これはその逆。物語を詰めるほど、つくり話の信憑性が増してくる感じがしたところも良かった。

12.「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ(前編)(後編)」(12月1日)

本篇記事でおとなのプリキュアと書いたが、かわいらしい画で過酷な物語を綴るギャップがうまくハマった。大みそかのTOHOシネマズでは年忘れ特別上映をするらしい。ヱヴァンゲリヲンの年越しイベントとどちらが集客力があるかが見もの。

13.「おとなのけんか」(3月10日)

こういうちょっとした作品をさらっと出せてしまうR.ポランスキー監督ってすごいなと思う。達者な4人の俳優陣も良かった。

14.「ヒューゴの不思議な発明」(4月12日)

この邦題は原作どおりだからある意味仕方がないんだけど、思い切って変える手もあったのではないか。春休み公開だと特にそう思う。子供向けじゃないよね。

15.「ロボット」(6月10日)

懐かしのインド映画ブームが再び?と思わされるような快作、いや怪作か。それにしてもまだまだ元気なラジニカーントに驚かされる。大勢でレンタルで盛り上がるのにも向いてる作品。

16.「ドリームハウス」(11月24日)

この映画の騙しは、題名から呪われた家と主人公が対峙するのではないかと思わせといて実は・・・というところ。「主人公が実は」タイプ(勝手に命名)は相当出てきてはいるものの、使いようによってはまだまだいけると思った次第。

17.「ダークナイトライジング」(7月28日)

前作でジョーカーが伝説になってしまったから、それはそれはやりにくいことだったと思う。C.ノーラン監督には、とにかくお疲れ様でしたと言いたい。

18.「君への誓い」(6月8日)

日々できることを積み重ねることで何かが生まれると信じているけれど、それがたった一瞬の事故でフイになってしまうとしたら。無力感の中で立ち上がろうとする主人公に共感するとともに、戸惑いながらも逃げることなく向き合うヒロインに好感。

19.「テルマエロマエ」(4月28日)

ソース顔としょうゆ顔が流行ったのは、もう20年以上前のことだと思うが。顔の濃さがこんな大ネタに化けるとはびっくり。そのネタに余裕で付き合う面々に感服。

20.「トワイライトサーガ/ブレイキングドーンPart1」(3月3日)

Part2への前座とはいえ、ベラの衰弱ぶりが下手なマンガよりよほど面白い。プライベートではまさかのゴシップで沸かせるも、わが国ではもはやファン以外へのアピールはまったくしないと決めた様子。

21.「砂漠でサーモンフィッシング」(12月8日)

本作の妙味は、鮭を持って来いというアラブ人が人格者として描かれていること。どこか一つ意外性を持たせるだけで作品の印象は大きく変わる。この人のためなら、ちょっと無理してもという思いを抱くことに違和感は感じない。

22.「ヤング≒アダルト」(2月25日)

C.セロンはあれだけ美しいのに、正当な美人の役をなかなか演らないイメージがある。でも、人は誰でも悩みや負い目を持っていると考えれば、それは極めて普通のことなのかもしれない。

23.「崖っぷちの男」(7月14日)

米国がいま直面しているのは財政の崖。本作の主人公が実際に立っているのはビルの外壁。いまの世の中、実はみんな気分は崖っぷちなのかも。中国もね。

24.「レ・ミゼラブル」(12月21日)

ひさしぶりの日劇の大画面。良かった。おそらく舞台とは違う圧倒感を感じることができるのではないか。それにしても、魂のこもった歌は心に真っ直ぐ入ってくる。

25.「恋のロンドン狂騒曲」(12月5日)

恵比寿ガーデンシネマ亡き後、W.アレンを何処が引き継いでくれるのかと心配したが、彼自身のキャリアが上昇しているみたいで心配は無用になった模様。本作もどうしようもないおとながいっぱい。

26.「少年は残酷な弓を射る」(7月18日)

この少年はもはやダミアン。母と子の愛情を考えるにはあまりにも重い物語。でも、コネティカット州の事件なんかがあると、こういうことって決して大げさなつくり話じゃないと思ってしまう。

27.「フランケンウィニー」(12月15日)

これがT.バートンの起点なのかな。最近ちょっと首を傾げる作品が多かったけど、こんな感じの小ネタがいちばん楽しめる。

28.「ミッドナイトインパリ」(5月27日)

学が乏しい故に出てくる著名人が分からないという不利があったが、後になって、この作品の流れって「カイロの紫のバラ」の唐突感に近いかもと思うようになった。目の前に急に広がる夢の世界を描きながら、人生のスパイスを小気味良く効かせることも忘れない。W.アレンの職人芸だ。

29.「カラスの親指」(12月8日)

なんてことない作品なんだけど、能年玲奈石原さとみがね。とにかくいいんだ、これが。来年のNHK朝ドラ、見ちゃおうかなと本気で思っています。

30.「マリリン 7日間の恋」(4月18日)

原題に「恋」の字はありません。マリリン「に」恋したと解すれば、騙されたと責めるほどではないか。L.オリビエも恋しかけてえらい目に遭ったというおはなし。
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今年の69作(2012)31位→69位

2012年12月31日 04時36分08秒 | 映画(2012)
ここからは後半です。

31.「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」(11月25日)

なにしろ社会現象なわけです。うちの子まで劇場に足を運ばせたけれど、陰鬱な展開に半ばトラウマ化して、今はどうも毛嫌いしている感じ。

32.「ドライヴ」(4月1日)

R.ゴズリング演じる寡黙な仕事人が味わい深い。周りの登場人物はほとんど退場しちゃったけど、別の町に行く設定で続篇製作という話もあるかも。

33.「おおかみこどもの雨と雪」(8月14日)

細田守監督が名実ともにビッグネームに。日テレは、ジブリに続く鉱脈を得ることができたという記念作品。このネタでこれほどヒットが拡がるとは正直予想していなかった。

34.「テイクディスワルツ」(9月1日)

野暮ったいM.ウィリアムスが全開。思い切りの良さが彼女を賞に近付けているのだろうと納得。

35.「ヘルプ 心がつなぐストーリー」(5月2日)

この手の話には珍しく、観ている側が救われた気分になるような明るい場面が多く、好感度が高まった。この時代を経た現代の状況はどうなっているのか気になるところ。

36.「ハンガーゲーム」(10月7日)

本作でJ.ローレンスをようやく認知。わが国ではあまりヒットしなかったような気がするけど、次回作以降もきちんと劇場公開してくれるだろうか。

37.「007 スカイフォール」(12月2日)

まずADELEのテーマが良かった。配役も豪華。完成にはかなり時間がかかってしまったが、興行的には結果オーライというところか。

38.「アベンジャーズ」(8月18日)

「日本よ、これが映画だ」と大上段に構えた宣伝は効果があっただろうか。正確に言えば、「これがアメリカ映画だ」ってところだと思う。3D上映を含めて。

39.「マジックツリーハウス」(1月14日)

北川景子の新しい才能を確認。キレイで頭いいだけじゃないよ。でも、むやみやたらと有名人を声優に使うのはやめましょう。

40.「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」(5月1日)

この邦題は「ハングオーバー」との繋がりを狙っているということか。確かに客層は重なるのかもしれない。タイミングさえわきまえれば下品を許せるという女性は結構多いようだ。

41.「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス」(4月14日)

20周年を迎え、もはや貫禄すら漂う安定感。ひまわりはかわいいです。そういえば、来年の新作には「嵐を呼ぶ」の文字がなかったな。

42.「ソウルサーファー」(6月16日)

そろそろ役者人生の岐路が迫ってきているA.ロブだが、本作では主役。いや、主役は海とサーフィンか。

43.「映画と恋とウディアレン」(11月25日)

W.アレンのファン歴も長くなったもので、振り返るにはちょうどいい時期だったかもしれない。時間があったら、古い作品をゆっくり観てみたいと思った。

44.「人生の特等席」(11月24日)

俳優、C.イーストウッド復活。とはいえ、できる役はすっかりがんこじいさんしかなくなってしまったかもしれないが。共和党は敗れ、銃規制が声高になる中で、次の彼の行動はいかに。

45.「ロラックスおじさんの秘密の種」(10月14日)

邦題や声優の使い方にはまったく好感が持てないが、わが国でヒットさせるには正しいやり方なのだろう。来年はミニオンで盛り上げるようだが、ピクサーが落ちてきているので相対的に見込みありかも。

46.「のぼうの城」(12月14日)

公開延期のアクシデントに拘らずヒットに結び付けたのは、さすが東宝。豪華キャストが見応えあり。

47.「プロメテウス」(9月22日)

ある意味、今年いちばんの問題作かもしれない。レビューの評価は真っ二つ。宣伝の仕方にはほぼ一致してブーイング。

48.「friends もののけ島のナキ」(1月3日)

和製モンスターズインク。本家は来年3Dと新作が公開だから、時期を合わせたらおもしろかったのでは。香取慎吾は悪くなかった。なんだかんだ器用だ。

49.「夢売るふたり」(9月8日)

そろそろ彼女の名前で観客を呼べるようになってきた西川美和監督作品。今回は主役にこの二人を起用したのがヒットだったと思う。

50.「シャーロックホームズ シャドウゲーム」(3月31日)

なんでR.マクアダムスが退場しちゃうの?個人的には、うちの子がヱヴァンゲリヲンで受けたトラウマ並みのショックだったわけで。

51.「バトルシップ」(5月1日)

わが国は再び政権交代し、これからも日米同盟を基軸に、国際貢献に努めて参る所存であります。

52.「デンジャラスラン」(9月14日)

これもね、やっぱり邦題にありきたり感が満ちてるんだよね。D.ワシントンの貫禄で何とか繋いでいる感じ。

53.「麒麟の翼~劇場版・新参者」(2月17日)

飛ぶ鳥を落とす勢いの阿部寛東野圭吾が組めば、それはそれなりにおもしろくなるでしょう。

54.「一枚のめぐりあい」(7月1日)

この邦題は日本語がなっていないと怒っている人がいたっけ。文法として間違ってはいないし、イメージを浮かべるには悪くないと思うけど。

55.「ウーマンインブラック 亡霊の館」(12月1日)

亡霊はいるんです。魔法使いもいるんです。迷いがないのはすがすがしい。

56.「劇場版ポケットモンスターベストウィッシュ キュレムVS聖剣士ケルディオ」(7月14日)

ポケモンって何歳まで観る映画なんだろう。でも、アニメにもほとんど興味のないうちの子が観るのは今年が最後かも。

57.「悪の教典」(11月30日)

コネチカット州の事件が封切りのタイミングと重なっていたらどうなっていたんだろう。国が違うからおとがめなしなのかな。

58.「北のカナリアたち」(12月13日)

吉永小百合さんが映画賞を総なめにする勢いです。功労賞的な意味合いがあるのかな。

59.「マリーアントワネットに別れをつげて」(12月19日)

何故か観る作品がことごとくヨーロッパシフトになった年末。厳しい歴史の積み重ねを少し学んだ気がしました。

60.「ハーフデイズ」(8月15日)

結局二つの話に分けた意味は何だったのだろう。J.ゴードン・レヴィットが若い。

61.「鍵泥棒のメソッド」(9月17日)

邦画の賞レースの本命はこの作品らしい。個人的には広末アレルギーが出てしまって残念。

62.「劇場版 SPEC~天~」(5月3日)

いかにも堤幸彦監督だなーという感じ。よくもわるくも。

63.「裏切りのサーカス」(6月29日)

ひとことで言えば不親切。タイトルには誘われるものがあるけど。

64.「トータルリコール」(8月10日)

時間が経つほどにすべての物事が良い方に発展する・・・わけじゃないことを実感。

65.「グッモーエビアン!」(12月23日)

既視感たっぷりの主張では届いてこない。それでも、能年玲奈ちゃんがみられるだけで十分。

66.「アイアンスカイ」(10月5日)

バカでも下品でもいいんだけど、この作品は品性そのものに欠けている。

67.「メリダとおそろしの森」(7月21日)

まさかピクサー作品にがっかりマークを付ける日が来ることになろうとは。何もいいところなし。最下位でもおかしくなかった。

68.「綱引いちゃった!」(12月7日)

言いたくはないが、「これだから日本映画は・・・」がてんこ盛りな感じ。題名も完全に二番煎じ。

69.「ブラック&ホワイト」(5月12日)

最下位にした割りには中身をほとんど憶えていないという。間違いなくだめだめなのは邦題。
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「グッモーエビアン!」

2012年12月24日 01時24分48秒 | 映画(2012)
正しいことを正しいと言うはなし。


名古屋といえば「中学生日記」。今年の春に40年の歴史を閉じたらしいが、意外な後継者(?)を迎えたのかもしれない。

多感な中学3年生・ハツキは、母親のアキと、母の元バンド仲間で半ば公然の父親代わりとなっているヤグと、少し変わった共同生活を送っている。

ヤグを演じるのは大泉洋

この人、あまりじっくり観る機会がこれまでなかったが、天真爛漫なパンクロッカーはハマっていた。初めて会う人の中にもすっと入ってすぐに馴染んでしまうような、誰からも好かれるところが本人の印象と重なる。

そんな人に「自分に正直に」と言われると返す言葉はない。嘘をつかない程度に折り合いを・・・なんて言えない。

進路相談で気になったことを聴きに行って「いい高校に入って、いい大学に入って・・・なんて人生はつまらん!」と言われたら、言葉を失うんじゃなくて理解を示さないといけないんですよ、担任の先生。だって正しいんだから。

理想を捨てない、正しいことを自分の中でわきまえる。そのくらいはしたいと思います。

それよりもやっぱり能年玲奈ちゃんである。

今回は影の部分が目立つ「カラスの親指」とはまったく違う。いつも少し空気が抜けたようにけらけら笑っているお嬢様っぽい女の子を的確に演じていた。

93年生まれだからもうすぐ二十歳なんだけど、中学3年生でも違和感なし。来る2013年は飛躍の年、鉄板でしょう。

(50点)
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「もうひとりのシェイクスピア」

2012年12月24日 00時18分08秒 | 映画(2012)
巧みな言葉に乗せられた風の末路。


何が驚きって、あのR.エメリッヒ監督の作品ということである。

世界の終わりにしか興味がないとさえ思えたものが、突然の宗旨替えとも言えるジャンルの作品を出してきたのだから、まずはお手並み拝見となるのだが、これがどうしてなかなか面白い。

これは監督の力量か、それとも題材自体に大きな魅力があったのか。

文学にまったく明るくない立場として関心を持ったのは、この話に関して、真実と噂と創作の境がそれぞれどこにあるかというものである。

まずは真実。登場人物は英国王朝の同じ時代を生きた実在の人物であり、王位の継承、謀反による処罰等の出来事も歴史的事実である。

次に噂。シェイクスピア別人説は18世紀から繰り広げられている論争らしい。その中でも本作で描かれるオックスフォード伯説は最有力と言われているとのこと。

もうひとつ、本作で重要な要素の一つとなるエリザベス1世の醜聞も噂である。生涯独身を貫きながらも、様々な男性とただならぬ関係にあったらしいというのが通説のようだ。

つまり、それ以外の部分が本作の脚色ということになるのだが、それにしても、いかに公然と語られる噂とはいえ、世界に冠たる誇り高き英国王室に対し、現代の大衆芸能さながらの不祥事をてんこ盛りにしてしまうところはすごい。

あまりに昔の話だと特段のこだわりはなくなるのか。関係者の懐が深いのか単にドライなのかは不明だ。しかし、この作業をやり遂げるには、相当の手腕が必要であることは間違いない。

幼い頃から文学好きなオックスフォード伯・エドワードは、若き日に文武双方で国のために役立ちたいと語った。

しかし、劇中で描かれる後年のエドワードは、武力で国に貢献する機会はなく、一家の家計を破たんさせ、挙げ句の果てに、よりによってとんでもない人物と不貞行為を働くという体たらく。主役でありながら実は極めて恥づかしい人物になっている。

それでも文才だけは着実に磨かれていき、曲がった形で世の中に出た彼の言葉は大衆に圧倒的な支持を受けるのだ。

国や家庭を切り盛りする能力がないのに、言葉で人を束ねる力には長けている・・・。気付いた瞬間に背筋が凍りつく思いがした。

いるよね、作家で政治を語る人たち。政治家になった人もいる。もし彼らの能力が欠けているとすれば、その先に待ち構えるのは当然悲劇である。

エドワードが政敵・セシルを追い落とそうと謀った作戦は、人心掌握と見通しの失敗によりもろくも崩れていく。一方で、大衆にはまったく人気がないセシルが、悪役然とした佇まいをしつつも辛抱強く着実に世渡りをこなす様が対照的に描かれる。

そこに監督の思想が込められているかどうかは判断できない。しかし、事実と噂を組み合わせていった結果として生まれた、そこそこ確からしい物語がこのような形になったということが実に興味深いのである。

(85点)
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「レ・ミゼラブル」

2012年12月23日 03時27分22秒 | 映画(2012)
愛の力、音楽の力。


恥づかしながら、ミュージカルを観てなければ、原作を読んだこともない。でも題名だけは子供の頃から知っている「ああ無情」。

初めて触れたのがこの映画版ということになるのだが、まずもっての印象としては、相当端折ってるなと。

映画としては長いけれども、決して長大な物語をそのまま追っているわけではない。

場面ごとに登場人物の感情を歌とともにぐっと掘り下げる一方で、場面が移り変わる時の展開が速い。

よくいえばメリハリを効かせた脚本。つなぎが粗いのは、ミュージカル舞台のそれと相似なわけだ。

ミュージカルといえば、本作は台詞のほとんどに節がついている。感情を込めて台詞を歌うのも大変だが、観る方も慣れていないせいか結構疲れる。

ただ、メリハリの張りの部分では俳優陣の歌の迫力に圧倒される。

細かいことを拾い上げようとするのが馬鹿らしいと思えるほど、H.ジャックマンA.ハサウェイの歌が心に響いてくる。

悩み苦しみ、それでも愛を貫くことを信じてきたファンテーヌとジャンヴァルジャンが、最後に神の導きにより安らかに天に召される。それだけで十分心が揺さぶられるのだ。

そういう意味では、魂へ直接語りかけるミュージカルという形をとったのは、本作の持つ力を最大限に生かした演出だと改めて思う。

(75点)
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「マリーアントワネットに別れをつげて」

2012年12月23日 02時54分29秒 | 映画(2012)
なかなかはじまらないまま。


「ミッション:インポッシブル/ゴーストプロトコル」の女殺し屋の印象が強いL.セドゥ

美人だけど、下からじとーっと見つめる方が似合っているから、貴族や王族にはならない。

王妃マリーアントワネットお抱えの朗読係・シドニーの熱い視線は、もちろん寝首を狙っているのではなく、心の奥に閉じ込めた王妃への愛情である。

しかし王妃の想いは別の女性にあり、しかもシドニーへはあまりにも過酷な指令が下される。

世界史で聞き覚えのあるバスティーユ襲撃の前後3日間の情景として、平和で穏やかな時間が流れる初日から一転して宮殿全体が重苦しい緊迫感に包まれる様は見応えがある。

しかし、登場人物や時代背景の説明がないので、フランス革命周辺の知識がない者として理解するのにひと苦労した。

シドニーは、王妃への想いを押し殺し忠誠を貫き(当然ではあるが)、命をも危険にさらす旅へと向かう。

旅先には果たして何が待ち構えているのか、期待を膨らませようかというその時に・・・エンドマーク。

そうか、クライマックスはあの場面だったのかと改めて思えば、確かに話の軸は女性たちの感情の絡み合いなわけだが、どこか透かされた気分を残したまま馬車が画面の奥へ消えていった。

(55点)
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「フランケンウィニー」

2012年12月15日 17時56分04秒 | 映画(2012)
生命と科学には早くから触れるべし。


すっかり巨匠となったT.バートンが原点ともいえる作品を長篇としてリメイクした。

例のごとく、お世辞にもかわいいとはいえない登場人物たちなのに、序盤の下りだけで人懐っこいスパーキーに魅了されてしまう。

感情が入ってしまったせいか、蘇っても大手を振って人前に出られない様子には、うれしい気持ちが大きいはずなのに、もの悲しさの方が勝ってしまうほどであった。

物語は、隠し切れない秘密がとんでもない形に膨らんで、町のお祭りを台無しにしてしまうクライマックスへ。

「みんな、みんな、生き返る」のとおり、子供たちはそれぞれ違った生き物を違った形で蘇らせる。それはグレムリンのようであり、ジュラシックパークのようであり、はたまた東宝怪獣映画のようでもある。

そこでスパーキーと主人公の少年ビクターの活躍だ。こちらも様々な手法で難敵を突破していく。

しかし、そんな痛快な展開の後に待ち受けていたのは本来あるべきだった別れであった。

人がペットを飼うことの意味の一つは、生命の大切さを学ぶことだと思う。

愛玩の要素を前面に押し出す自称「どうぶつ番組」があるが、動物の飼育とは生命と正面から向き合うことであり、そこにはやがて必ず別れが、死別が待っている。

それは世の中の摂理であり、早くにそれを体感することで人は一段階成長できるのだと思う。

そして本作でもう一つ語られているのが、科学の重要性である。

今年は、山中教授のノーベル生理学・医学賞受賞でにわかに技術研究が脚光を浴びたが、日常の社会はいわゆる文系の発信者が形作っているため、科学者の考えが採り上げられないことがままある。

しかし人間の発展は技術の探求なしには決して進まない。これはわが国で際立っている問題かと思っていたが、本作を観るとやっぱりどこの国も似たようなものなのかなと考えさせられる。

体育の先生が理科を教えるなんて冗談のようだけど、小学校の頃を思い返すと似たような状況だった。それで理科が苦手になったのかもしれないと改めて思い返した。

(75点)
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「のぼうの城」

2012年12月15日 09時20分51秒 | 映画(2012)
芦田愛菜が若い。


東日本大震災の影響で1年以上も公開が先送りになった本作。そりゃ愛菜ちゃんも小さいわけだ。

そのことが結果的にどう影響したか定かではないが、興行成績はまずまずと聞く。

先送りの要因となった水攻めの場面は、確かに刺激が強かったかもしれない。CG自体はちょっとちゃちに見えたけれど。

主役の「のぼう様」こと成田長親を演じるのは野村萬斎

数年振りの映画出演というが、あまり色に染まっていない彼を主役に起用したことで、つかみどころのない長親の人物像がうまく立ったといえる。

敵方としてあいまみえる石田三成の描き方もおもしろい。主君・秀吉をして、理知に富むが戦略には長けていないとの評価を受ける微妙な立場。

一つ結果を得さえすれば能力に関係なく登り詰める者もいる。そういった意味では、やはり本作でも悲運の武将である。

一方で長親の人物像は、決してでくのぼうではないものの、間違っても戦に関しては「能ある鷹」というわけでもなかった。

彼が徹底していたのは人心の掌握に尽きる。

平時は田畑に赴き、いや、赴くというよりは遊びに行っていたのに近いが、民と同じ景色を見て空気を吸った。現代の政治家が口を揃える「現場主義」の実践だ。

そして、関白の巨大軍勢を前にしての開戦の決意も、無謀と承知の上でも民衆の立場を第一に考えたものであった。

彼の周りに戦いの術に秀でた者がいたことは確かだが、それも彼の人徳の成せる技と言えるのかもしれない。

おもしろいのは、これが今語られていることだ。個の能力をそれぞれが追求するよりも、それを組み合わせて最大の力を発揮することこそ、生き抜く術だということである。

それは同時に、たとえ厳しくてもどこかに光明はあるということを教えてくれてもいる。

「のぼう様」の、決して悲壮感の影を見せない姿ってのは、トップとしてまず心得るべきことだと思った。

明日は、国のトップを決める1日である。

(65点)
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「北のカナリアたち」

2012年12月13日 21時51分23秒 | 映画(2012)
離島の情事。


この話はどう考えても賛否両論が沸き起こること必至である。その主演に、「国民的」のレッテルが透けて見える吉永小百合を持ってきたのだから大変だ。

公開が終了に近付いたこともあってか、周りは高齢者の方ばかり。そこにこの半ばインモラルな湊かなえの世界を見せるって、大丈夫なんだろうかと思った。

最後の合唱で力ずくでも感動に持って行こうとしているのかもしれないが、果たしてそれで上書きされるのか。赦してくれるのか。

まあ、柴田恭兵仲村トオルって、雰囲気共通するところあるよね。それだけだとあまりにも薄っぺらな話になってしまうが。

物語はサスペンス仕立てで進む。かつての教え子が殺人を犯した。その教え子の消息を辿るうちに、20年前のある事件の記憶がまざまざと蘇る。

教え子ひとりひとりに焦点を当てていく流れは、おそらく原作どおりなのだろう。

成長した彼らの配役がとにかく豪華だ。6人の児童がこれだけ美男美女ぞろいとは奇跡の分校だねと突っ込んでみたくなるくらいに。

みんなが事件に関して負い目を感じる秘密を持っていて、恩師の訪問は、それを一つ一つ丁寧に解きほぐす旅になる。

次の展開が気になるという点ではよくできている話なのだが、原作を映画の尺に押し込めるには仕方なかったのか、ところどころ乱暴な編集がされているように感じた。

都合よくやってきて不倫の証拠写真を見せる親友とか、必然性も偶然性もないのに車道に飛び出してはねられる交際相手とか・・・。

個人的に嫌悪感を感じるほどではなかったし、配役もいい感じに揃っているとは思ったけど、ちょっとこれでは厳しいかなと。

(55点)
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