転がる石のように。
もはや職人芸とも言えるW.アレンによる懲りないおとなたちの物語。
人間は完璧になれないから、とかく過ちを繰り返す。
でも、過ちにもやり直しが利くものとそうでないものがあって、特に年齢を重ねると柔軟性がなくなり、原点に立ち帰ることができなくなる。
親子・夫妻という関係で繋がっていた主役の4人は、それぞれが本来のパートナーと別の異性と接近する。理由は様々だが、いずれも根底にあるのは夫婦関係の変化である。
「崩壊」ではなく「変化」と敢えて書いたのは、別にこういった現象は劇中の人物に限らないからである。誰もが新婚のままいられるわけはない。当たり前の話。
状況が変わる中で新しい枠組みとして寄り添っていけるのかが問われるのだが、この4人は我慢できなかったんだね。正確に言えば、母・ヘレナは夫に捨てられちゃっただけだから違うけれど。
結果、「変化」を限界と見限って新たな人生へ踏み出したおとなたちは見事なまでに失敗する。
特に男性陣の失敗は目を覆いたくなるほど。茫然自失になりながらも、更なる転落すら予想される未来へ歩を進めることを余儀なくされる。
あれこれ苦心して人生の選択をした人たちが再び苦悩を背負い込む一方で、占い師に洗脳されちゃったヘレナに光が射す展開は強烈な皮肉だ。
下手な考え休むに似たりとはよく言ったものだが、一方で、必ずしも失敗を決して否定しているわけではなく、むしろ失敗する人間を愛すべき対象として描いているように見えるところがアレン作品らしい味わいになっている。
俳優陣は今回も豪華だ。特に、若返りを目指すじいさんにA.ホプキンスを当てた大胆さが光る。
(75点)
もはや職人芸とも言えるW.アレンによる懲りないおとなたちの物語。
人間は完璧になれないから、とかく過ちを繰り返す。
でも、過ちにもやり直しが利くものとそうでないものがあって、特に年齢を重ねると柔軟性がなくなり、原点に立ち帰ることができなくなる。
親子・夫妻という関係で繋がっていた主役の4人は、それぞれが本来のパートナーと別の異性と接近する。理由は様々だが、いずれも根底にあるのは夫婦関係の変化である。
「崩壊」ではなく「変化」と敢えて書いたのは、別にこういった現象は劇中の人物に限らないからである。誰もが新婚のままいられるわけはない。当たり前の話。
状況が変わる中で新しい枠組みとして寄り添っていけるのかが問われるのだが、この4人は我慢できなかったんだね。正確に言えば、母・ヘレナは夫に捨てられちゃっただけだから違うけれど。
結果、「変化」を限界と見限って新たな人生へ踏み出したおとなたちは見事なまでに失敗する。
特に男性陣の失敗は目を覆いたくなるほど。茫然自失になりながらも、更なる転落すら予想される未来へ歩を進めることを余儀なくされる。
あれこれ苦心して人生の選択をした人たちが再び苦悩を背負い込む一方で、占い師に洗脳されちゃったヘレナに光が射す展開は強烈な皮肉だ。
下手な考え休むに似たりとはよく言ったものだが、一方で、必ずしも失敗を決して否定しているわけではなく、むしろ失敗する人間を愛すべき対象として描いているように見えるところがアレン作品らしい味わいになっている。
俳優陣は今回も豪華だ。特に、若返りを目指すじいさんにA.ホプキンスを当てた大胆さが光る。
(75点)
いつも自分を誰かにおきかえるアレン爺ですが
今回は完全にアンソニーホプキンスに託してましたね。
とくに願望を。笑
相変わらず会話劇面白かったです。
あれが願望だとしたら相当ですよ
でも、確かにいろいろやらかしてきたことは事実ですからね。
最近はおとなしいように見えるけど、奥底に潜んでいる願望がつい出てしまった可能性はなくはないと。
いずれにしても、W.アレンはこうじゃないとって作品だったと思います。
今晩は☆彡
いやあ面白かったですね。他人ごとのように見ていますが。
ひょっとしたら自分自身もあんな風に大きな勘違い
したり振り回されているかもしれません。
特に恋というのもはいくつになってもあんな感じなのかも。
色々アレンおじさんから教えて頂いた気がします。
この作品、観るときは他人ごとでいいと思いますよ。
「あんた、他人のこと笑えるの?」と訊かれたら、
その言葉をそのまま返してあげればいいのです
所詮人間そんなもの。不完全だからこそ愛おしい。
歳がいってもそんな恋ができるのは、ある意味幸せなんですよね。
でも、身を滅ぼすのはちょっと・・・と考えてしまう、いつものアレン節なのでした。