夢は夢のままで。
80歳を目前にして、これまでで最高の興行収入を記録したというW.アレン監督作品。
それだけでも驚きだが、この年齢になってNY以外の都市を舞台に新作を作り続ける彼の意欲にも脱帽する。
パリに行ったことはないが、本作で描かれる現代そして1920年代の街並みには、きちんと彼の愛情が感じられた。
物語は、一介の脚本家がタイムスリップして憧れの歴史的芸術家と次々に出会うという、アレン一流の荒唐無稽なファンタジー。
強引なんだけどすんなり入っていけるネタの広げ方と、ドタバタなんだけど決して下品にならない話の運び方は、もはや匠の技の領域である。
何より好感が持てるのは、主人公ギルの立ち止まりだ。
冒頭で共和党を支持する義父に辛らつな言葉を浴びせかけた孤高な人間性が、夢のような時間を過ごす中で少しずつ解きほぐされていく。
知識をひけらかすことは卑しいこと。昔に憧れることは現在を生きることの裏返しである。
冷静で謙虚な主張に何かほっとさせられる思いだった。
ただ、本作で大きな障壁となったのは自分自身の知見のなさだった。
芸術家って・・・知らない。
推測して観続けるも、時折起こる周りの笑い声に焦りを感じていたのであった。
（75点）
80歳を目前にして、これまでで最高の興行収入を記録したというW.アレン監督作品。
それだけでも驚きだが、この年齢になってNY以外の都市を舞台に新作を作り続ける彼の意欲にも脱帽する。
パリに行ったことはないが、本作で描かれる現代そして1920年代の街並みには、きちんと彼の愛情が感じられた。
物語は、一介の脚本家がタイムスリップして憧れの歴史的芸術家と次々に出会うという、アレン一流の荒唐無稽なファンタジー。
強引なんだけどすんなり入っていけるネタの広げ方と、ドタバタなんだけど決して下品にならない話の運び方は、もはや匠の技の領域である。
何より好感が持てるのは、主人公ギルの立ち止まりだ。
冒頭で共和党を支持する義父に辛らつな言葉を浴びせかけた孤高な人間性が、夢のような時間を過ごす中で少しずつ解きほぐされていく。
知識をひけらかすことは卑しいこと。昔に憧れることは現在を生きることの裏返しである。
冷静で謙虚な主張に何かほっとさせられる思いだった。
ただ、本作で大きな障壁となったのは自分自身の知見のなさだった。
芸術家って・・・知らない。
推測して観続けるも、時折起こる周りの笑い声に焦りを感じていたのであった。
（75点）
＞芸術家って・・・知らない。
確かにその作家の作品を読んだり観たりしてたほうがより楽しめますね。
だけど憧れの作家達に、タイムトラベルで会っちゃうって夢のようなストーリー、
いつも理屈っぽいアレンだけど今回ストレートに憧れ表現してて良かった♪
あの年齢でまだまだ夢をかなえようとする意欲が何よりすごいと思います。
実際に会ったことのない人たちですから、
アレン自身の印象を投影させたものになっていたのでしょうね。
そのあたりも思い切ってます。
こんにちは♪
お伺いするのが遅くなりました（汗）
アレンさん、７６歳でしたね。
でも精力的な活躍でこの後も２作品ほど
公開されるようですよ！凄いですよね。
確かに雨＝パリはイメージではなかったですね。おっしゃるようにアレンさんの独自の
イメージかもしれません。
豪華キャストの件ですが、おそらくギャラは
アレン映画かなり他の作品からすると
低いらしいので、皆彼の作品が好きだからＯＫ
したのではないかと思います。
W.アレン、76歳ということは「80歳目前」というのは言い過ぎですね。
作品の中央に出てくることはなくなったものの、
まだまだ精力的に撮り続ける意欲の源はどこにあるのでしょう。
やっぱり彼の場合は色気かな。
作品の舞台や配役の範囲などは近年ますます広がっていますから、
ひょっとすると、まだまだ記録を塗り替えていくのかもしれません。
そんな姿を想像しつつ、まずは次の公開作を待ちたいと思います。
いつも日本公開は遅くなるんですよね・・・。