Con Gas, Sin Hielo

細々と続ける最果てのブログへようこそ。

「X-MEN : ファーストジェネレーション」

2011年06月28日 23時19分13秒 | 映画(2011)
二人の軌跡こそがX(エックス)。


キャラクターが確立しているから、いちいち説明する必要がないというのはシリーズものの強み。

でも他方で、そのキャラクターに縛られて物語の自由度が狭まる恐れもある。

特に、最近多い過去に遡る話には、辻褄合わせという難題がことごとくのしかかってくる。

前作でもウルヴァリンの過去ものをやった「X-MEN」が、今度はプロフェッサーXとマグニートーで挑んできた。

シリーズは全作品観ているが、おたくというほどでもない。今回復習も特にできず。

でもだろうか。だからだろうか。かなり楽しかった。

近くの席に退屈そうな男女もいたから、やはりそれなりの知識はないとだめなんだろう。

でも楽しめた。プロフェッサーXとマグニートーの大まかな関係や身体的特徴くらいを憶えていれば十分だったのではないかな。

かつては同志だったという二人。しかし、冒頭で描かれる生い立ちの差はあまりに過酷だった。

他のミュータントも(これまでのシリーズに登場したすべてのミュータントが)何かしらの悲しい過去を抱えている。

誰もがプロフェッサーXにもマグニートーにも共感する部分を持ち、しかし自分の判断で道を違えていく。

この物語はまさに「X-MEN」の本質であり起源だと思った。

マグニートーを演じたM.ファスベンダーの厳しくも寂しい表情(ちょっとRobbie Williamsを彷彿)と、対照的に甘さを漂わせるJ.マカヴォイ、いずれもよかった。

そして、健在!K.ベーコンである。まあ憎い役回りなんだけど、最後がなんとも・・・。

普通の憎たらしい悪役は、転落か爆発と相場が決まっているところを、あの展開である。

意外性といい、前の場面とのつながりといい、これだけで点数を加点したくなったくらい。彼でしか成り立たないのではないかな。

(85点)
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「プリンセストヨトミ」

2011年06月25日 01時40分02秒 | 映画(2011)
実際の大阪は、府と市が闘ってるけど。


大阪国。

どだい無理な話である。それでも「大阪ならあるかも・・・」という際どいバランスで観る側を惹き付けているのが本作だと思う。

だから多少のことには目をつぶる。キャストの華やかさにも免じて許してしまう。

それでも、せめて観終わった後にもう少しすっきりさせてほしいというのが正直なところ。

富士山の十字架とは?場面を作って形だけ回収しても意味が分からない。

真田(父)の余命は?廊下を歩いてしまった後で、子はどうすればいいのやら。

鬼の松平。弾丸で講評の結果を変えたと思われかねない流れはどうなのか。大坂夏の陣の行動も意味不明な気まぐれにしか見えない。

ほかに目をつぶった「?」がかなりあった。これは原作の問題なのだろうか。

いずれにせよ、どだい無理な話なのである。キャストと、おとぎ話に迷い込んだ大阪の街を見て楽しむことで、何とか元を取るしかないわけだ。

(60点)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「127時間」

2011年06月21日 00時01分23秒 | 映画(2011)
今までの君は間違いじゃない。


究極の決断により奇跡の生還と聞けば、だいたい展開は分かろうもの。見どころは、主人公の感情の移り変わりとその演出だった。

落石に腕を挟まれるまでの元気が過ぎるほどのアーロンと、一転して表情や口調といった細かい部分に注目が集まる動けなくなってからのアーロン。

対照的であることもさることながら、特に動けなくなってからの方が、常に変化を見せ続けてのめり込まされていくところがおもしろい。

過去の思い出、現実の太陽の光、そしてもうろうとする意識の下の幻想。それは繰り返し訪れる「生きていること」の確認でもあった。

この物語のすばらしいところは、彼が気付き、そして受け入れることにある。

事故直後から、生き延びるためには冷静であらねばと自分に言い聞かせていた彼ではあったが、それでもこの結論に行き着くまでには127時間かかった。

降りかかった不運を恨むのではない。今までの自分にとってそれは必然だった。

運命を受け入れ正面から向き合うこと。結果として彼は生還したが、たとえそうならなかったとしても、この結論にたどり着いた時点で彼の生きてきた道は間違いではなかったと言えるだろう。

少し上でも触れたが、動けなくなってからの見せ方がいい。もちろんJ.フランコの熱演なしには語れないが。

にしても、予想できたとはいえ究極の最終手段は痛かった。特に映像よりも音の強さが意外であり、より痛さを叩きつけられたようだった。

(90点)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする