Con Gas, Sin Hielo

細々と続ける最果てのブログへようこそ。

「ドリームハウス」

2012年11月25日 00時19分17秒 | 映画(2012)
その先の生還と再生。


「ドリームハウス」という題名や女の子2人の後ろ姿のポスターからは、家が呪われているとかそちらの方のジャンルと想像していた。

実際始まってからしばらくの展開は家系ホラーそのものである。

人生の大きな決断を持って購入した新しい家。希望に満ち溢れていた家族に少しずつ不協和音が忍び寄る。

怪しい人影。微妙な態度の隣人や警察。そしてとどめは、住んでいる家がかつて凄惨な殺人事件の現場だったという衝撃の事実。

主人公ウィルは、家族を守るために身を投げ打って闘う・・・となりそうなところで、物語は意外な方向へと舵を切る。

この手の急転回は、物語の最後のどんでん返しで使われて、そういえばあの場面はああだったこうだったと思い返して、はい、おしまいというのが通常だと思うが、本作のおもしろいところは、これをあくまで話の中間点に置いたところにある。

もちろん隣人や警察の態度、勝手に地下室に入り込んでいた若者たち、印象に残る主人公の変わった苗字なんていう不自然な謎が解けるすっきり感も味わえるのだが、それが分かったところで新たに輪郭が表に出る謎を探る物語が始まるのである。

このウィルはどんな男なのか、いいもんかわるいもんかがぎりぎりまで分からない。それは劇中で描かれてきた家族への愛が本物なのかと同義であり、全ての謎が明らかになったときに切なくも温かいラストへとつながる。

D.クレイグは、ジェームズボンドという巨大なキャラクターの現役でありながら、結構他の作品にも出ている印象がある。

特に本作は、善か悪かの境界というヒーローらしからぬ役柄ながら、違和感なく務め上げているのには驚いた。

あとは女の子2人がかわいかったかな。家に帰ってきて一緒の時間が増えると言われてあれだけ喜んでもらえたら、それは父親冥利に尽きるってやつで。まあ、あれも不自然な謎の一つだったわけだけど。

(80点)
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「アルゴ」 | トップ | 「人生の特等席」 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
今晩は☆彡 (mezzotint)
2012-11-29 00:44:55
クラムさん

二転三転するところはちょっと頭がついていけず
あれ~って感じがしました。
手のひらで遊ばれる快感が良いというのも
言われてみるとそうかもしれません。
う~ん観る人によってこうも感じ方が違うのって
面白いですね。
返信する
たまたまの評価 (クラム)
2012-12-02 00:01:02
mezzotintさん、こんばんは。

結局は、観たその時にそれがハマるかどうかなんですけどね。
今回はたまたまいいなと思っただけかもしれません。
あまり同じ鉱脈は掘り続けない方がいいのは確かです。
あとは俳優陣で気に入り度が上がったということもあると思います。
そこまでくると、明らかに観る人でも印象が違ってしまいますよね。
返信する

コメントを投稿

映画(2012)」カテゴリの最新記事