Con Gas, Sin Hielo

細々と続ける最果てのブログへようこそ。

「ヴェノム:レットゼアビーカーネイジ」

2022年01月09日 23時02分53秒 | 映画(2022)
マルチバースの夜明け前。


シリーズものの観る順番というのは、やはり守らないといろいろと不都合があるようで。

なかなかタイミングが合わなくて、結局「ノーウエイホーム」より後に観ることになってしまった本作。お楽しみのエンドロール中の映像が「ノーウエイホーム」つながりなのだが、こちらは後の顛末まで知ってしまっているので、どうしても捉え方が変わってしまう。

公開直後にこの映像を見た人たちは1か月間期待を膨らませて待ったのだろうね。それはそれで少し言いたくなる流れなのだが。

大人の事情でコロンビア映画の製作となっているヴェノムシリーズ。マーベルの名前は出てくるが"association with"の文字が頭に付いており、「アベンジャーズ」シリーズで流れる高揚感溢れる音楽も出てこない。

だから今回も基本的にヴェノムは単体でがんばる。今回の敵は連続殺人犯のクレタス。主人公エディの取材対象であったが、取材中にクレタスがエディの腕にかみつき、そこからシンビオートがクレタスの体内に入り、より凶暴な生命体・カーネイジが誕生する。

ヴェノムが「赤はやばい」と少しおじげづくように、カーネイジは相当強い。寄生エイリアン同士の対決は見どころなのだが、ヴェノムが勝利するまでの道行きはもうひとつスッキリしない。

実力ではかなわない相手に、エディ+ヴェノム>クレタス+カーネイジのチームワークで形勢逆転という構図のようになればわかりやすいのだが、一瞬そういう空気を見せるも決定的な逆転には至らない。結局カーネイジとは何だったのか。

もともとヴェノムもスパイダーマンのヴィランとして出てきたキャラクターだし、もっと世界が広がるとおもしろさが増していくのかもしれない。T.ハーディの契約はもう1本あるそうだから、大人の事情をどこまで乗り越えるか期待したい。

(70点)
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「スパイダーマン:ノーウエイホーム」

2022年01月09日 00時49分34秒 | 映画(2022)
マルチバースの夜明け。


ドクターオクトパスを見て「懐かしい!」と思う人ってどのくらいの世代からなのだろう。

A.モリーナが演じた「スパイダーマン2」の公開は2004年。18年前だと公開時に映画館で観たとすれば若くても30代というところか。ただ、USJのスパイダーマンアトラクションで知っている若い人もいるかもしれない。

前作で世界中に正体が知られてしまったピーターパーカー。悪意のある報道によって自分と周りの大切な人たちの人生を狂わせかねない事態に陥ってしまったことから、彼は知人でかつて共に戦った同胞であるドクターストレンジに、世間が自分の存在を忘れる魔法をかけるよう頼む。

しかし、魔法のかかりが中途半端になってしまったことから、こともあろうに他の空間からスパイダーマンの敵たちを呼び込んでしまうことに。

個人的にS.ライミ監督版のスパイダーマンシリーズの印象は非常に強い。バットマンやXメンのシリーズは既に公開されていたが、今につながるアメコミヒーローの流れを作ったのはS.ライミ版だと思うのだ。

特に少年が主役となるスパイダーマンシリーズは、ヒーローとしての苦悩と人間としての成長が上手く重なり合い、観ている側が感情移入しやすい良いストーリーが綴られる傾向にある。

自分の落ち度や至らなさから大切なものを失う体験をし、それでもヒーローとして、そして一人の人間として、果たさなければならない責任を背負い、再び立ち上がる。T.マグワイアA.ガーフィールドもそう演じてきた。

大いなる力には大いなる責任が伴う。

今回のT.ホランド版は、前の二人に比べると明るい高校生という印象が強かったが、「ホームカミング」「ファーフロムホーム」と来て、本作は「ノーウエイホーム」。いよいよ独り立ちの時を迎えることとなる。

懐かしい敵たちが登場する場面ではくすりとさせられるところもあるが、本作は全篇を通して真剣勝負の時間がだいぶ長い。方向性の違いからドクターストレンジとも争うことになる。

上下左右の感覚を超えた異次元の戦闘は見応え抜群であるが、これまでが明るかった分、過去2シリーズの苦悩が一気に押し寄せてきた感じでピーターの顔からは無邪気な笑顔が消える。

子供の成長に必要なのは良き年長者による適切な指導であり、本作ではそこがしっかりと観る側の期待に沿う形で描かれている。ラストにピーターが取る選択は彼の成長の証である。

エンドロール後のおまけ映像で「スパイダーマンは帰ってくる」とは出てこなかった。でも、このまま放っておかれるとも思えない。またマルチバースのどこかで会えるかな。

(85点)
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