Con Gas, Sin Hielo

細々と続ける最果てのブログへようこそ。

「トータルリコール」

2012年08月12日 05時37分38秒 | 映画(2012)
通過します。


旧作を観返したわけではないが、観ているうちに「そういえば・・・」と思い出すこと数度。

抱いた感覚の限りでは旧作と結構設定や話の筋が変わっていて、その度に「これは前の方がよかったんじゃないか」と思ってしまった。

と同時に、あのA.シュワルツェネッガーの偉大さを改めて実感した。

それは決して演技の上手い下手ではなくて、存在感というか作品との相性とでも言おうか。

近未来を描く作品にもいろいろあって、この作品というのはあまりリアリティを追求するものではないと思う。

故に、宇宙空間へ放り出されて目玉が飛び出しそうになる「あり得ない」画や、思いも寄らぬ過去の自分に関するサプライズを分かりやすく演じられるシュワ氏がハマっていたのだ。

コリン・ファレルだと、アクションの痛快さを味わうよりも何か考えさせられて胃がもたれる感じだろうか。無論、コリン・ファースより向いていることは確かだが。

舞台を地球上にし独自の世界観を映像で示そうとしたことは、おもしろい試みではあったが、効果が十分に発揮されたとは思えなかった。

特徴的なものは地核を貫いて地球の表と裏を行き来する「フォール」くらいなもので、空中を浮遊する自動車や縦横無尽に走るエレベータは、既視感がある上にアクションを視認しにくい。

そもそも手のひらに埋め込まれた携帯電話を、まるで棘を抜くように簡単に外してしまった時点でこれはダメだと思った。オバマの肖像画がデザインされた紙幣も安っぽさを倍増させるだけ。

更には、登場人物にもあまり魅力を感じなかった。

とにかく偽装妻のK.ベッキンセールが出過ぎ。とことんしつこい割りには最後は拍子抜けするほど簡単に決着がつく。

戦闘部隊はスターウォーズからの借り物のようだし、敵味方とも黒幕があっさりしていて存在が軽い。

「超」のつく大作が目白押しの中で、北米でもわが国でも埋没してしまうのはどうにも避けられないところだろう。

(50点)
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