Con Gas, Sin Hielo

細々と続ける最果てのブログへようこそ。

今年の17館(2011)

2011年12月31日 09時23分57秒 | 映画(2011)
今年も、最後は映画館に通った記録です。

TOHOシネマズ海老名(神奈川)28回

全体と同様に、ホームグラウンドに通った回数もほぼ半減。時間がとれなかったと同時に、あまり観たい映画がなかったことも事実でした。

シネマート新宿(東京)3回

今年初めて行った映画館。秋から集中的に行きました。シアター2の片側からしか座席に入れないあの狭さはどうにかならないでしょうか。

新宿ピカデリー(東京)2回
TOHOシネマズ六本木ヒルズ(東京)2回
新宿バルト9(東京)2回
シアターN渋谷(東京)2回

今年のトピックは、あのシアターNに初めて行ったこと。いつもおどろおどろしいラインナップで、どんなお客さんが来るのかと思っていましたが、ついに自分もそんな客の仲間入りができました。

MOVIX仙台(宮城)1回
TOHOシネマズシャンテ(東京)1回
シネマライズ(東京)1回
シネリーブル池袋(東京)1回
TOHOシネマズ日劇(東京)1回
ヒューマントラストシネマ渋谷(東京)1回
TOHOシネマズみゆき座(東京)1回
109シネマズ川崎(神奈川)1回
ワーナーマイカルシネマズ新百合ヶ丘(神奈川)1回
ワーナーマイカルシネマズ海老名(神奈川)1回
ワーナーマイカルシネマズつきみ野(神奈川)1回

今年後半は、仕事で仙台を訪れることが増えました。12月20日、MOVIXのサービスデイということもあって「リアルスティール」を観てきました。仙台市内は、気をつけないと震災の影を見つけることができないくらい元に戻っています。聞いた話では、復興関係も含めバブル景気状態になっているとか。来る年は、その景気が沿岸の被災地にも明るい話題を届くよう期待せずにはいられません。
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今年の47作(2011)1位→30位

2011年12月31日 02時34分28秒 | 映画(2011)
2011年は何と言っても東日本大震災の年として永遠に歴史に残る一年となりました。

物事の価値観が変わり、実際に生活様式を変えざるを得なかった方も多かったと思います。

映画の関係においても、公開が延期されたり、節電により営業形態の変更を余儀なくされたり。個人的には観た本数が激減しました。

しかし、被災地の映画館こそ再開までに時間を要したものの、今では見かけ上は震災前とほぼ変わらぬ状態まで戻ったようです。少なくとも12月の仙台はそうでした。

もちろん未だ復興の入口にさえ入れずにいる被災者がいることも分かっています。

ただ誰の元でも時間は流れていきます。

映画を観て笑ったり泣いたりした後で、ふと不公平な残酷さを感じますが、嘆いても憤ってもすぐに何かが変わるわけじゃありません。

自分の最善を尽くすしかない。そんな当たり前の努力をこれからも続けていくしかないのでしょう。ときどき映画館に通えるという幸せをかみしめながら。

まずは1位から30位まで。

1.「ラブアゲイン」(12月3日)

今年最も心の底から楽しめた作品だった。どの登場人物も愛おしい。どうしてこういう作品が拡大公開されないのかが唯一の不満。S.カレルは外れが少ない。「デート&ナイト」という作品も観たかったんだけど、未公開のままDVDへスルーされてしまったらしい。

2.「塔の上のラプンツェル」(4月3日)

震災直後で、節電の関係から予告やCMなどが大幅にカットされた状況の映画館で観たと記憶している。その中でディズニーが強く語りかける夢の大切さがまっすぐに伝わってきた。ヒロインもかわいかったし、何より気持ちが明るくなれた。

3.「127時間」(6月20日)

一人の男性の生還を撮るといえば、それはドラマティックな光景を想像するが、動くことができないという映画にとっては手足を縛られたような設定の中で、心の葛藤や成長までをよく描き切ったものである。J.フランコも今年は飛躍の年だった。アカデミー賞の司会は黒歴史になるかもしれないが。

4.「ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える」(7月16日)

前作と同じだからダメという人が多いが、これに関しては前と重なってるからこそおもしろい部分が多いと感じた。さすがに3作めでやったら芸がないと言わざるを得ないが。六本木限定のノーカット版の効果も絶大だった。

5.「アンストッパブル」(1月9日)

珍しくうちの子が観ると言い出して、実際観ておもしろかったらしい。確かに今どき珍しい老若男女OKの健康優良アクション映画。カサンドラクロスばりに存在感を出していた大カーブは鉄道ファン垂涎の的だろう。

6.「恋とニュースのつくり方」(2月25日)

いいよね、R.マクアダムス。うわさが聞こえてこなかった「シャーロックホームズ」続篇にも顔は出すようだし、まだまだ成長を期待してます。H.フォードもいい味出してたと思うけど、あまり評価は上がらなかったみたいで。

7.「X-MEN ファーストジェネレーション」(6月27日)

X-MENに外れなし。第1作へのつながりも周到に考えられていたし、これから出てくるスピンオフ系にも期待大。憎々しげに悪役を演じていたK.ベーコンの何とも言葉の出ない最期もおもしろかった。

8.「ミッション:インポッシブル ゴーストプロトコル」(12月23日)

外れなしと言えばこちらも。まだまだ動く49歳。今回は脇を固める布陣も好みの役者ばかりで、このままシリーズ続行してほしいと思うばかり。初めてIMAXシアターで観てみたけど、確かにこの手の派手な映画には合っている。2,000円もまあそんなものかと。

9.「ソーシャルネットワーク」(1月15日)

昨年の今ごろはこの作品への期待が高まっていた。TOHOの無料パスポートがあったので2回観た。1度だけだと分かりきれないところがあったかも。J.アイゼンバーグはこれで知名度等を伸ばしたはずだけど、今はピザボーイなんだよね。らしいと言えばそれまでだけど、なんかおもしろい。

10.「ミッション:8ミニッツ」(11月5日)

新鮮度が群を抜くというわけではないけれど、好きな世界観を持っているので評価UP。人は意識だけで生きていくことは可能なのか。解釈が分かれる「その後」は、論議を呼ぶように作ったところで技ありと評価したい。

11.「ザファイター」(3月27日)

題名で損をしている映画。家族の困った姿を克明に描いていておもしろかった。C.ベールがようやく面目躍如のオスカー戴冠。一方でM.ウォールバーグは、相変わらず努力の割りに栄誉に恵まれない器用貧乏ぶりを発揮。

12.「インシディアス」(9月17日)

本作がどんな映画かを語る象徴的な画は、なんといってもタイトルばーん!だと思う。行き過ぎると笑いになっちゃいそうだけど、ちゃんと怖い。うわー、やっぱりだめだー!ってなっちゃうラストもいい。

13.「宇宙人ポール」(12月28日)

外見はまんま宇宙人なのに中身はまるで中年のおっさん。そんなポールと宇宙人オタクとの珍道中という設定がまず強い。笑いはほどほどだったが、成長の過程が案外良かった。

14.「スコットピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団」(5月3日)

とても戦いとは縁がなさそうな主人公が結構まともに戦っちゃう。ただヒロインにそれほどの価値があったかは少し疑問。ちょっとウザめの中国系の子の方がいいと思ったんだけど。Beckの曲はいいね。

15.「ブラックスワン」(5月15日)

これからは「オスカー女優」N.ポートマンである。この後にラブコメへの出演を選んだところで、本作への気持ちの入れ用が分かろうというもの。

16.「ニューイヤーズイブ」(12月29日)

いい来年を迎えるために、年が明ける前にやっておかなければならないことがある。何とかこの記事を書き上げないと。

17.「リアルスティール」(12月20日)

本物のスポーツがそこにある。親子の絆がそこにある。熱い感動作は、この正月にはぴったりなのかも。

18.「スプライス」(1月12日)

粘着質の新種誕生。A.ブロディは最近作品を選ばないようになったのかな。

19.「ザタウン」(2月10日)

町で生まれ、町に育てられ。でも、いつかは町を出てみないと本当の良さは分からないし、何より一生縛られてしまう。

20.「モテキ」(10月3日)

モテてもモテなくても苦しんじゃう経験値の低さ。でも、そうやってのた打ち回るほど悩み苦しむのが醍醐味でもあって、最近はそういう経験を経ない人も多いんだろうね。

21.「50/50 フィフティフィフティ」(12月17日)

降水確率50%は高い。悪いことは大きく見えてしまうけど、考え方を変えてみれば意外と出口があるかも。

22.「スマーフ」(9月18日)

青い妖精たち。これも日本公開は微妙なラインだと思うけど、ジャニーズからの声優起用で北米から1か月と遅れない公開。日本版主題歌も歌ってるそうで・・・。

23.「SP 革命篇」(3月21日)

テレビからずっと楽しませてもらったけど、これで本当に終わらせちゃうんだろうか。

24.「チェブラーシカ/くまのがっこう」(1月15日)

くまのがっこうのグッズを結構いろいろなところで見かけるようになった。チェブラーシカもかわいいと思うけど。そういえば、大橋のぞみの引退説はどうなったのだろうか。

25.「ハイブリッド刑事」(1月22日)

ますます拡がる蛙男商会の世界。それにしても小泉鈍一郎ってどんな名前なんだ。

26.「ラブ&ドラッグ」(11月19日)

病気の人や高齢者。常に他人の力を必要とする、というよりも他人の愛が欲しいのだ。

27.「阪急電車 片道15分の奇跡」(4月30日)

先日公開した「RAILWAYS」の続篇は主要舞台が富山県らしい。地方の時代。大阪から日本を変える!と言っている人が話題だが、今津線は兵庫県だね。

28.「バーレスク」(1月7日)

太ってしまう前のC.アギレラが見られる。というより、彼女が太るとは思わなかった。希望に向かってストイックに生きよう。

29.「リミットレス」(10月1日)

薬は使わないに越したことはないと思うのが普通だが、この映画では「薬を制するものが世界を制す」のような考えが透けて見える。不道徳著しい話ではある。

30.「英国王のスピーチ」(3月5日)

言わずと知れたアカデミー作品賞受賞。野田首相は、国民への語りかけが足りないとか言われているが、ここでラジオという媒体を思い出してくれないかな。
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今年の47作(2011)31位→47位

2011年12月31日 01時51分18秒 | 映画(2011)
ここからは後半です。

31.「アザーガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!」

最大の衝撃は、D.ジョンソンS.L.ジャクソンの退場。そしてモテモテW.フェレル

32.「スーパー!」

悲しみのヒーロー。こちらから励ましてあげないと。

33.「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦」

毎年早々におもしろそうな題材を決めるまではいいのだけれど・・・。

34.「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」

竹之内豊はまじめだ。配役は間違いなかったと思う。

35.「ゾンビ処刑人」

ゾンビに遭ったら情けは禁物。これも救いようのない話だったなー。

36.「ツレがうつになりまして。」

いまのあおいちゃんにツレの話は禁句になってしまいまして。

37.「きみがくれた未来」

キラキラしていたZ.エフロン。どこへ向かうか心配と言ったら余計なお世話か?

38.「完全なる報復」

最近外れが多いJ.バトラー。せっかくの素材を浪費しないように。

39.「抱きたいカンケイ」

ラブコメ好きだけど、そればっかりって言うのも物足りなくなるようで。

40.「プリンセストヨトミ」

今でも綾瀬はるかの印象ばかりが残っているのは必然?

41.「イースターラビットのキャンディ工場」

よく劇場公開したと思う。逆にこれ以降、子供向けアニメを公開するハードルが上がった気もする。

42.「猿の惑星:創世記」

期待の高さからの落差でここ。個人的な好き嫌いなので。詳しくは記事を参照。

43.「映画プリキュアオールスターズDX3 未来にとどけ!世界をつなぐ虹色の花」

わが家最後のプリキュア。さすがにちっちゃい子と一緒にライトを振る気にはならない。

44.「劇場版ポケットモンスターベストウィッシュ ビクティニと白き英雄レシラム」

ポケモンもどうやら最後の見込み。ベストウィッシュに変わったのもいい区切りかも。

45.「モンスター上司」

これも結構期待してたんだけど。スベってたよなー。

46.「ピラニア3D」

趣味が悪いの好きなはずなのに、この日は受け付けなかった。

47.「僕が結婚を決めたワケ」

まあ、何もかもが合わなかった映画。もう忘れかけてるからいいけど。
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「ニューイヤーズイブ」

2011年12月30日 05時33分27秒 | 映画(2011)
全部まとめて総決算。


月が変わればツキも変わるなんてことを言いますが、単位が年になると改まり度も半端じゃないわけでして。

大晦日と元日は、良かった人にも悪かった人にも平等に必ず訪れる。そうした点では、前回の「バレンタインデー」よりも対象の幅が広いし、精神的な意味合いも強い。

今回も見事なまでに豪華なメンバーが集結した。知ってる人にとっては、エンドロールでアルファベット順に一人ずつ名前が出てくるだけで楽しい気分になる。

もう一つの醍醐味が、それぞれに描かれる登場人物の話のどことどこが最後に繋がるのかという小さな推理だ。

言い換えれば、ここでどれだけ予想外の回収をするかで評価が変わってくるということ。

「バレンタインデー」では、J.ロバーツの落としどころでほっこりした記憶があるが、今回その役を担ったのはH.スワンクだった。

意味ありげな「0時に間に合わないと」発言を男女2人にさせておいて、街頭の時計の前ですれ違わせるという、よく考えればベタなんだけどそれもご愛嬌。

ほかにもアパートのエレベータが止まってしまうなんてご都合みえみえの話もあったが、大団円に向かうに連れて、細かいツッコミが溶けて温かい気持ちになった。

配役関係でのトピックは、Z.エフロンにオーラがなくて気付かなかったこと、M.ファイファーのイタい役回りが悲しかったこと、A.ブレスリンの垢抜けないお化粧顔はわざとなんだろうけど少し不安、の3本。

とにかく、来年は心から笑えることが少しでも多い1年になりますように。

(80点)
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「宇宙人ポール」

2011年12月29日 02時08分07秒 | 映画(2011)
イギリスから来た男たち。


UFOオタクの男二人と妙に地球慣れした宇宙人・ポールの珍道中。

この設定だけで期待感を抱くが、仕掛け人がS.ペッグN.フロストの「あの」コンビなのだから、もっと何かありそうと思わずにいられない。

主人公のクライヴとグレアムは英国からUFOの聖地・米国へ初めて旅行へ来た。

オタクでも自由が保障されている憧れの地にテンション上がりっ放しの二人。って、英国紳士にもこういう人種いるのかね?と一瞬思ったが、ある程度人口がいれば当然いるはず。当たり前だけど新鮮だ。

そんな二人だったが、UFO関連のレアグッズのために立ち寄ったバーで気まずい思いをする。そう、ポールに出遭う前は、二人こそがエイリアン=異国人だったのだ。

これに男二人連れという違和感が更に周りからの疎外感を助長。エイリアン扱いされてるところで本物のエイリアンに遭うという展開が巧い。

外見と違って中身はコテコテの人間臭さを持つポールは、米国でギャップを持って受け止められる彼ら自身を誇張させたようなもの。

分かってしまったことで異質なものへ勝手に抱いていた憧れは急速にしぼむ。しかし、二人は代わりに、考え次第で自分の世界が大きな広がりを生むことを知る。

世の中、自分と異なる思想を持っているだけで実はエイリアンとなってしまう。途中で同行することになる古い宗教を熱心に信じる女性も同じだ。

構成は典型的なロードムービー。一台のRVに乗り合わせたエイリアンたちは、時折極端なネタを織り交ぜながらそれぞれに成長していく。

道中で拾い上げる様々な追っ手もおもしろい。みんな思惑が少しずつズレていて、関係に若干の謎が含ませつつ話が進んでいく。もったいぶって最後に登場する大御所の効果も大きい。

更に、「E.T」をはじめとする過去の名作を彷彿とさせる場面が数多くあり楽しい。そういえば、スピルバーグ監督がカメオ出演してるって話を聞いたけど、気付かなかったな。

(85点)
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「ミッション:インポッシブル ゴーストプロトコル」

2011年12月25日 03時37分37秒 | 映画(2011)
娯楽ならおまかせ。


「正しい」という形容詞が適当かどうかは分からないが、安心して楽しめるこれぞまさに「お正月映画」という作品。

T.クルーズという中心がどっしりと構えて、奇をてらわずに娯楽路線を貫いているところがいい。

3D等の新しい映像技術を駆使しなくても(IMAX撮影はしているようだけど)、米ロの緊張なんて古典的とも言える要素で物語を作っても、それは映画のおもしろさを損ねることにはまったくならない。その分、T.クルーズが体を張って奮闘したり、他の部分にお金をかけたりしたのかもしれないけど。

そんなお金をかけたであろう今回最大の見せ場は、なんといってもドバイの一連の場面。

ある意味いちばん熱い街だから、派手なアクションの舞台としては最適(今までここまでフィーチャーした作品はあったかな?)。にしても、超高層の屋外(!)で繰り広げるイーサンのアクションはただごとではない。

一方で地上に下りれば今度は街を飲み込むかという巨大な砂嵐。視界のない中で全速力で駆ける、走るって、命いくつあっても足りない。まさにインポッシブル。

それにしても、あんな現象が本当に起きるのだろうか。年に一度でも起きるようなら、都市機能を置くこと自体はばかられると思うのだが。

配役もよかった。

J.レナーが出ることは以前から聞いていて、どんな役なんだろうと想像をめぐらせていたのだが、蓋を開けてみると結構予想外、それもいい意味で予想外の役回りを演じていた。

P.パットンは、「プレシャス」以来かなり気になる存在になっていたが、今回改めて華のある女優さんだと思った。まだまだ伸びることを期待。

そしてS.ペッグ。「宇宙人ポール」も気になるところだが、イーサンの片腕としてもきちんとハマっている。彼は前作も出てたっけ?そもそも「3」って観たかな?

まあ、同様に1年、2年と経った後には、この映画を観たこともあまり憶えていないかもしれないが、娯楽映画はそれでもいいのだと思う。

観ている時間は、他のことを忘れてスクリーンの中のお話をただ楽しむ。原点を外さないかぎり、T.クルーズ印はこれからも安心して観ることができるのだろう。

(85点)
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「リアルスティール」

2011年12月24日 04時27分01秒 | 映画(2011)
スポ根、親子、近未来。


H.ジャックマンがどれだけわが国で国民的ネームバリューがあるかは未知数だと思う。

福山雅治とのダブル起用で始まったスーパードライのCMもいつの間にか乗っ取られてしまったし、何よりこれと言った代表作がない。「X-MEN」はおもしろいが、万人の支持を受けているものではない。

そんな立ち位置の彼を看板に据える本作がいきなり正月映画として参戦してきたのには驚いた。

しかも宣伝の量を見るとかなり本気だ。日本人向けに「感動」を前面に押し出しての物量作戦。果たしてこれが功を奏すのか。

私が観たのは、映画館に行けそうな時間帯にちょうど上映回があったからという決して前向きではない理由からだ。

なぜ前向きになれなかったかというと、ロボットの格闘技という設定に、当初トランスフォーマー的なある種の選民感覚を抱いていたからである。これですんなり物語に入っていけるのかなと。

でも、いざ観てみるとこれはこれで結構おもしろい。熱くなれる。

監督は「ボクシング映画へのオマージュ」といったことを言っているようだが、そういえば最近こういった直線的な熱血モノってなかったという気がした。

そして人生の落伍者になりそうな父親を救う賢くてかわいい子供。これも鉄板。

確かにこのデキなら正月で勝負しようと思っても不思議ではないと思った。

しかしまた一方で、デキが悪くないからこそ宣伝が難しいのは残念なところである。

いまの世の中、「リアルスティール」発祥の背景と同じく、人々はより強い刺激を求めている。

単なるスポ根、単なる感動だけでは多くのお客は集まらない。ロボット、近未来というスパイスの効果も限定的だろうなと思ってしまう。おもしろいんだけどね。

個人的な感想を述べれば、ロボット登場に対する懸念はほぼ杞憂に終わった。

トランスフォーマーシリーズでいちばん難があった画面の見づらさはまったくない。単純な殴り合いのほかは高速で動くこともないし、むしろ単体でコミカルなシーンが多く、和みすら与えている。

お話はまさに鉄板だが、それも今の時代にはそれなりに新鮮でよい。H.ジャックマンがキレイ過ぎてダメ父に見えなかったり、ATOM以外のロボット戦士がヒールしかいないのってどうなのよと思ったりはしたが。

あと、あれほど健気でかわいい姿を露出しちゃったら、息子のマックスはもう国民的アイドルで普通の人生には戻れないと思う。もちろん余計なお世話ではあるが。

(80点)
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「50/50 フィフティフィフティ」

2011年12月18日 00時10分14秒 | 映画(2011)
少し道に迷っただけ。


ごく普通の青年アダムは、ある日ガンを告知される。

はっきりと自覚ができずに、病院の他の患者を他人事の目でしか見られない。あまりに予想外で笑いすら浮かんでくる。

しかし周りから少しずつ明らかに変わり始める日常。

突然行き止まりとなった道。戸惑う彼に何が道標となるのか。

2011年の日本は、震災の年として歴史に刻まれることとなった。

一年の締め括りが行われる中で、震災の被害とともに大きくクローズアップされたのが、普段見えることのなかった人と人との絆であった。

情けないけれども、進む道が見えなくなって初めて分かる親子の絆。同様に、本当に支えとなってくれる人が誰だったかに気付くこととなったのは、本作のアダムも一緒だ。

穏やかな展開の中でもシアトルの空は雲が厚く立ち込め、映画の全体の雰囲気づくりに一役買っている。

ばたばたしながらも周りの助けを得つつ新しい道へ出たアダム。病気だからではない、あくまで人生の岐路を一つ越えた成長の記録である。

今回のJ.ゴードン・レヴィットは、あの堺雅人的な悲しみを湛えた微笑が印象的。

S.ローゲンは、ちょっと雑だけど友達思いの友人を好演。主役を食ったりすることもなく、安定感をもって観られた。

新米役がよく似合うA.ケンドリックは今回も前向きでまじめ。かわいい。

(75点)
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「ラブアゲイン」

2011年12月03日 23時29分04秒 | 映画(2011)
だから希望は捨てない。


ときどきCRAZYなことがあるから、人生は楽しい。

もともとSTUPIDだと思っていれば、ゆとりが生まれる。

そして、あふれ出る愛の感情にはできるだけ正直に生きよう。必ずうまくいくとは限らないけれど。

愛があって、笑いがあって、気持ちが温かくなる。期待しつつも、これは!と思える作品に出会えるのは稀だったが、今日は完璧。

配役。

主役のキャル。S.カレルは、いい人そうだし、見かけだって悪くないのに、どこかが欠けているという、「40歳の童貞男」で証明済みの役回りを期待通りの好演。

イケてないときは、身なりだけでなくしゃべりのノリもピントが外れている。これって出るだけで笑いを呼んでしまうコメディアンとしては難しい気がするのだが、まあ見事だった。

モテ方を指南するプレイボーイ・ジェイコブ役のR.ゴズリング。「ラースとその彼女」で人形しか愛せなかった彼が!と驚くも、嫌みなく育ちのよさそうなところも含めて意外とハマった。

妻エミリーはJ.ムーア。ただ身勝手に離婚を切り出したわけではない、人の気持ちを思いやれる美しい妻かつ母で、これも文句なし。

脇も充実。今回は理知的なE.ストーン、またまた思い切った役のM.トメイ、登場場面で「あ、この役か!」と思わず笑ってしまったK.ベーコン

子役たちも含めて、出過ぎずに的確に存在感を生み出すことに成功していた。

おはなし。

キャルとエミリー夫妻を話の軸としながらも、息子やシッターといった周りの人たちの思いが随所に散りばめられる。

それがまた、長い夫婦生活を経た40代、社会をある程度経験した30代、足を踏み出したばかりの20代、年上にあこがれる10代と、実にバランスがいい。

これなら観る側もどこか引っ掛かるだろうし、ぼくなどはすべての恋愛感情に共感してしまった。

更にそれらのエピソードは単なる添え物には終わらず、ある時点で1箇所に集合して大きな成果を生み出すことに成功している。

特に、冒頭から並行して描かれながらなかなか本筋に絡んでこなかった弁護士の卵・ハンナの話。

おそらく勘のいい人は気付いていたのかもしれないが、「やられた!」と思った。

まあ、悔しいというより、おかげで一層楽しめたという満足感の方が強かったので、結果オーライなのであるが。

繰り返しになるが、かなり笑えるし、共感もできて、最後には温かい気持ちになれる。これだから映画館通いは止められないという1本である。

減点するとすれば、少し残念な邦題と、僅かの数の映画館でしか公開されていないという現状に対してくらいか。

(98点)
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「ゾンビ処刑人」

2011年11月26日 15時19分12秒 | 映画(2011)
少し笑えて、ひたすら悲しいグロ。


ゾンビはかつて、人々に恐怖をもたらす存在だった。

いや、もちろん大前提は変わっていないのだが、その存在が意味するところの深さからか、PVで踊ったりコメディー作品を彩ったりと、ゾンビの活躍は大きな広がりを見せている。

本作のゾンビは、いわゆるゾンビとは少し設定が異なる。

頭の機能は極めて正常に近く、本能に任せて人肉を食らうなどということはしない。太陽の光が出ると活動が停止するなど、ややヴァンパイア的な要素が取り入れられている。

ヴァンパイアも特に北米では根強い人気を誇る。「トワイライト」シリーズに代表されるように、堂々と大恋愛叙情詩の主役を務めるほどだ。

ゾンビの外形にヴァンパイアの儚さを加えたのが、本作の"Revenant"=「亡霊」である。

HP等の紹介では、思わぬ形でヒーローになってしまったゾンビと書かれているので、コメディーを期待してしまったのだが、主人公であるバートと、その友人たちが辿る道は救いようがないほどに悲しい。

バートの葬儀では、誰もが突然の死を悲しみ、恋人だったジャネットは「もう少し二人でいられる時間があったなら」と悔やむ。

そこへ姿は変わったとはいえバートが帰ってきたのだから、それはもう願ったり叶ったりとなるはずなのだが、実際はまったくそうはならない。

看護士の友人ただ一人が「迷える亡霊は正しく成仏させるべき」と助言するが、親友のジョーイは手を下すことができない。せっかく親友が帰ってきたのにと。

そのうちに彼らは、取り返しのつかない坂道を転げ落ちていく。まあ、首も腕も飛んでちぎれて。さすがシアターNである。

頭と最後を飾るのは中東での戦争である。

良かれと思ったことが、どうにもコントロールできずに余計に多くの大切な人たちを巻き込んでいくという図式がぴたりと当てはまる。

この「亡霊」は、いまこの時間も戦地で戦い続けている現実の存在ということなのだ。

(70点)
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