Con Gas, Sin Hielo

細々と続ける最果てのブログへようこそ。

(新規)「最後の決闘裁判」

2021年12月31日 09時05分44秒 | 映画(2021)
雉も鳴かずば撃たれまい。


恥づかしいことに甚だ不勉強で、過去の名作と言われる作品でも観たことがないものがたくさんある。

特に邦画。世界の巨匠が讃える黒澤作品も例外ではなく、「羅生門」の概要も今回Wikipediaで見て初めて触れた。

一つの事象を異なる3人の登場人物の視点から描く手法を初めて採用したのが「羅生門」だとのこと。本作の構成はまさにそれ。

タイムスリップ的に過去に戻って同じできごとを体験する「バタフライエフェクト」や「ハッピーデスデイ」もある意味この系譜に属すると言えるだろう。反復は観る側の記憶に強く残る効果もあり、この手法を生み出した黒澤監督はやはり偉大である。

14世紀末のフランス。中世の欧州では、裁判の裁定を原告と被告の決闘で決する制度が長く存在したと言う。

騎士ジャン・ド・カルージュは、妻であるマルグリットが旧知の従騎士ジャック・ル・グリに強姦されたと訴えを起こす。ル・グリはこれを完全否定。カルージュは国王に決闘で決着を付けることを直訴する。

ここでポイントとなるのは、この決闘がカルージュとル・グリだけでなくマルグリットの命までも俎上に載せることである。カルージュが敗れた場合、マルグリットは偽証の罪で火あぶりに処されるのだ。

何故マルグリットはそんな危険な賭けに臨まなければならなかったのか。遥か昔の話だけに、謎が深い一方でいかような解釈も可能という、映画の題材としては実はおいしいネタである。

マルグリットと共に暮らす義母(つまりカルージュの実母)は言う。「私も過去にレイプされたが何も言わずにやり過ごした」。

道徳的に正しくなくても生きるために取る選択肢がある。決闘は現代の価値観から見ればとんでもない制度であるが、普通に暮らす人たちにとってはまず無関係な世界の話でもある。理不尽な話はどの時代にも(現代にだって)あり、わざわざ首を突っ込む必要はないでしょというのはまさにそのとおりである。

今回、R.スコット監督は、カルージュ、ル・グリ、マルグリットの順番で、それぞれが見たこの事件の経緯を描いた。最後のマルグリットの視点には「真実(the truth)」という注釈を付けた。

ネタバレ的になるが、マルグリットの回想が真実であると決め打ちしているように、映画全体のトーンは、カルージュ、ル・グリいずれも問題があって、マルグリットは巻き込まれてしまったということで統一されている。

辻褄は合っているし、現代の価値観からすれば妥当な選択であろう。賛同しないのであれば感想や意見の形で述べればいいし、その意味ではよくできた作品と言える。

ちなみにぼくは、マルグリットはカルージュが勝利する確率は高いと事前に踏んでいたのではないかと思っている。

カルージュが後に、ル・グリがマルグリットを犯したというのは事実ではなく、実は自分がやったものだと証言しているらしいが、誰が嘘をついていたかの真相は藪の中であり、ただ確かなことは、力が強い者が生き残る時代にカルージュがル・グリに勝利したということだけである。

「フリーガイ」で注目したJ.カマーは、凛とした美しさが際立っていた。ル・グリはマルグリットの心が揺らぐような美男という設定だったけど、A.ドライバーってそういう立ち位置だったのね。

(75点)※10月24日9時05分投稿
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作品インデックス(あ~こ)

2021年12月30日 21時51分26秒 | 映画インデックス
○過去(2009年以前)の記録

2009年以前(あ~こ)
2009年以前(さ~と)
2009年以前(な~ほ)
2009年以前(ま~わ)

○当ページ内

<あ行>
「アーティスト」
「アイアムアヒーロー」
「愛、アムール」
「アイアンスカイ」
「アイアンマン2」
「アイアンマン3」
「愛がなんだ」
「哀愁しんでれら」
「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」
「アイフィールプリティ! 人生最高のハプニング」
「青くて痛くて脆い」
「アオハライド」
「アクアマン」
「悪人」
「悪の教典」
「悪の法則」
「アザーガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!」
「アス」
「あと1センチの恋」
「アナと雪の女王」
「ANNIE/アニー」
「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない」
「アバウトタイム~愛おしい時間について」
「アバター」
「アベンジャーズ」
「アベンジャーズ/エイジオブウルトロン」
「アベンジャーズ/インフィニティウォー」
「アベンジャーズ/エンドゲーム」
「アメイジングスパイダーマン2」
「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」
「アメリカンスナイパー」
「アメリカンハッスル」
「怪しい彼女」
「アラジン」
「アリー/スター誕生」
「アリスインワンダーランド」
「アリスのままで」
「アルゴ」
「アンコール!!」
「暗殺教室」
「暗殺教室 卒業編」
「アンストッパブル」
「アントマン」
「アントマン&ワスプ」
「アンフレンデッド」
「イースターラビットのキャンディ工場」
「イエスタデイ」
「怒り」
「イコライザー」
「1917 命をかけた伝令」
「一枚のめぐり逢い」
「IT/イット"それ"が見えたら、終わり。」
「IT THE END/"それ"が見えたら、終わり。」
「イットフォローズ」
「伊藤くん A to E」
「イニシエーションラブ」
「犬ヶ島」
「いぬやしき」
「いのちの停車場」
「イミテーションゲーム エニグマと天才数学者の秘密」
「インクレディブルファミリー」
「インサイド」
「インサイドヘッド」
「インシディアス」
「インセプション」
「インターステラー」
「イントゥザウッズ」
「イントゥザスカイ 気球で未来を変えたふたり」
「ウィンストンチャーチル/ヒトラーから世界を救った男」
「ウーマンインブラック 亡霊の館」
「ヴェノム」
「ウォームボディーズ」
「ウォールフラワー」
「嘘を愛する女」
「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」
「宇宙人ポール」
「ウディアレンの夢と犯罪」
「海街diary」
「裏切りのサーカス」
「ウルヴァリン:SAMURAI」
「映画と恋とウディアレン」
「映画ハートキャッチプリキュア!花の都でファッションショー・・・ですか!?」
「映画プリキュアオールスターズDX2 希望の光レインボージュエルを守れ!」
「映画プリキュアオールスターズDX3 未来にとどけ!世界をつなぐ虹色の花」
「英国王のスピーチ」
「エイプリルフールズ」
「エージェントウルトラ」
「エクスペンダブルズ」
「エクリプス/トワイライトサーガ」
「SP 野望篇」
「SP 革命篇」
「エクスマキナ」
「X-MEN:ファーストジェネレーション」
「X-MEN:フューチャー&パスト」
「X-MEN:アポカリプス」
「X-MEN:ダークフェニックス」
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」
「エリジウム」
「エル ELLE」
「遠距離恋愛 彼女の決断」
「おおかみこどもの雨と雪」
「オールユーニードイズキル」
「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」
「オズ はじまりの戦い」
「オデッセイ」
「男はつらいよ お帰り 寅さん」
「おとなのけんか」
「おとなの恋は、まわり道」
「オブリビオン」
「オリエント急行殺人事件」
「俺物語!!」
「オンザハイウエイ その夜、86分」
「女と男の観覧車」

<か行>
「ガーディアンズオブギャラクシー」
「ガーディアンズオブギャラクシー:リミックス」
「怪盗グルーの月泥棒」
「怪盗グルーのミニオン危機一発」
「怪盗グルーのミニオン大脱走」
「海難1890」
「帰ってきたヒトラー」
「鍵泥棒のメソッド」
「崖っぷちの男」
「かごの中の瞳」
「カフェソサエティ」
「神さまの言うとおり」
「紙の月」
「カメラを止めるな!」
「カラスの親指」
「カラフル」
「カリフォルニアダウン」
「華麗なるギャツビー」
「渇き。」
「完全なる報復」
「カンフーヨガ」
「キス&キル」
「寄生獣」
「寄生獣 完結編」
「北のカナリアたち」
「キックアス」
「キックアス ジャスティスフォーエバー」
「きっと、星のせいじゃない」
「ギフテッド」
「きみがくれた未来」
「君に届け」
「君の名は。」
「君の名前で僕を呼んで」
「君への誓い」
「キャタピラー」
「キャピタリズム~マネーは踊る」
「キャビン」
「キャプテンフィリップス」
「キャプテンマーベル」
「キャロル」
「CURED キュアード」
「教授のおかしな妄想殺人」
「桐島、部活やめるってよ」
「麒麟の翼 劇場版・新参者」
「キングスマン」
「キングスマン:ゴールデンサークル」
「グッモーエビアン!」
「海月姫」
「グラスホッパー」
「グランドイリュージョン」
「クリード チャンプを継ぐ男」
「グリーンブック」
「グリンチ」
「来る」
「クレイジーハート」
「クレイジーリッチ」
「グレイテストショーマン」
「クレヨンしんちゃん 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁」
「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 黄金のスパイ大作戦」
「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス」
「クレヨンしんちゃん バカうまっ!B級グルメサバイバル!!」
「クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」
「クレヨンしんちゃん オラの引越し物語 サボテン大襲撃」
「クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃」
「クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ」
「クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ~拉麺大乱~」
「クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン~失われたひろし~」
「クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者」
「クロニクル」
「クワイエットプレイス」
「GAMER」
「劇場版 SPEC~天~」
「劇場版3D あたしンち 情熱のちょー超能力♪母大暴走!」
「劇場版ポケットモンスターダイヤモンド&パール 幻影の覇者ゾロアーク」
「劇場版ポケットモンスターベストウィッシュ ビクティニと白き英雄レシラム」
「劇場版ポケットモンスターベストウィッシュ キュレムVS聖剣士ケルディオ」
「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ(前編、後編)」
「ゲットアウト」
「ゲティ家の身代金」
「検察側の罪人」
「恋するベーカリー」
「恋とニュースのつくり方」
「恋のロンドン狂騒曲」
「高慢と偏見とゾンビ」
「ゴーストインザシェル」
「コードネームU.N.C.L.E.」
「ゴールデンスランバー」
「ゴーンガール」
「告白」
「GODZILLA」
「GODZILLA 怪獣惑星」
「この世界の片隅に」
「(500)日のサマー」
「コララインとボタンの魔女3D」
「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」
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作品インデックス(さ~と)

2021年12月30日 21時47分50秒 | 映画インデックス
<さ行>
「search/サーチ」
「最強のふたり」
「最後の忠臣蔵」
「サイドエフェクト」
「西遊記 はじまりのはじまり」
「サイレントヒル:リベレーション」
「ザウォーカー」
「ザウォーク」
「ザギフト」
「ザサークル」
「ザスイッチ」
「サスペリア」
「ザタウン」
「サバイバルファミリー」
「砂漠でサーモンフィッシング」
「ザファイター」
「サプライズ」
「ザマミー/呪われた砂漠の王女」
「猿の惑星:創世記」
「30年後の同窓会」
「しあわせの隠れ場所」
「シェイプオブウォーター」
「ジェニファーズボディ」
「ジェミニマン」
「シビルウォー/キャプテンアメリカ」
「ジャージーボーイズ」
「シャーロックホームズ」
「シャーロックホームズ シャドウゲーム」
「シャザム!」
「ジャスティスリーグ」
「シャッターアイランド」
「ジャンゴ 繋がれざる者」
「十三人の刺客」
「シュガーマン 奇跡に愛された男」
「シュガーラッシュ」
「シュガーラッシュ:オンライン」
「ジュマンジ/ウェルカムトゥジャングル」
「ジュラシックワールド」
「ジュラシックワールド/炎の王国」
「シュレックフォーエバー」
「少年は残酷な弓を射る」
「女王陛下のお気に入り」
「ジョーカー」
「ジョジョラビット」
「白ゆき姫殺人事件」
「死霊館」
「死霊館 エンフィールド事件」
「死霊のはらわた」
「白いリボン」
「新感染 ファイナルエクスプレス」
「SING」
「シングストリート 未来へのうた」
「シングルマン」
「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」
「シン・ゴジラ」
「人生の特等席」
「人生万歳!」
「シンプルフェイバー」
「スイスアーミーマン」
「スウィート17モンスター」
「ズートピア」
「スーパー!」
「スカイスクレイパー」
「好きっていいなよ。」
「スコットピルグリムVS邪悪な元カレ軍団」
「スターウォーズ フォースの覚醒」
「スターウォーズ/最後のジェダイ」
「スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」
「ストーリーオブマイライフ/わたしの若草物語」
「スノーデン」
「スパイアニマル Gフォース」
「スパイダーマン:ホームカミング」
「スパイダーマン:ファーフロムホーム」
「スパイダーマン:スパイダーバース」
「スプライス」
「スプリット」
「スポットライト 世紀のスクープ」
「スマーフ」
「スマーフ2 アイドル救出大作戦!」
「スマホを落としただけなのに」
「300 帝国の進撃」
「スリービルボード」
「世界にひとつのプレイブック」
「セッション」
「セル」
「ゼログラビティ」
「ゼロダークサーティ」
「ゼロの未来」
「ソーシャルネットワーク」
「ソーセージパーティー」
「ソウルサーファー」
「そこのみにて光輝く」
「ソロモンの偽証 前篇・事件」
「ソロモンの偽証 後篇・裁判」
「ゾンビ処刑人」
「ゾンビランド」
「ゾンビランド:ダブルタップ」

<た行>
「ダークナイトライジング」
「ターミネーター:新起動/ジェニシス」
「ダーリンは外国人」
「第9地区」
「大統領の執事の涙」
「タイピスト!」
「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」
「TIME/タイム」
「鷹の爪GO 美しきエリエール消臭プラス」
「鷹の爪8~吉田くんのXファイル」
「抱きたいカンケイ」
「007 スカイフォール」
「007 スペクター」
「ダラスバイヤーズクラブ」
「タリーと私の秘密の時間」
「ダンケルク」
「チェイス!」
「チェブラーシカ/くまのがっこう」
「中学生円山」
「超高速!参勤交代」
「ちょっと今から仕事やめてくる」
「沈黙-サイレンス-」
「月に囚われた男」
「綱引いちゃった!」
「TSUNAMI -ツナミ-」
「ツレがうつになりまして。」
「ディクテーター 身元不明でニューヨーク」
「テイクディスワルツ」
「てぃだかんかん~海とサンゴと小さな奇跡」
「テッド」
「テッド2」
「デッドドントダイ」
「デッドプール」
「デッドプール2」
「TENET テネット」
「テルマエロマエ」
「天気の子」
「10 クローバーフィールドレーン」
「デンジャラスラン」
「トイストーリー3」
「トイストーリー4」
「東京島」
「TOKYO TRIBE」
「塔の上のラプンツェル」
「透明人間」
「トータルリコール」
「ドクターストレンジ」
「ドクタースリープ」
「Dr.パルナサスの鏡」
「図書館戦争」
「殿、利息でござる!」
「ドライヴ」
「ドラフトデイ」
「トランス」
「ドリーム」
「ドリームハウス」
「トロン:レガシー」
「トワイライトサーガ/ブレイキングドーンPart1」
「トワイライトサーガ/ブレイキングドーンPart2」
「翔んで埼玉」
「ドントブリーズ」
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作品インデックス(な~わ)

2021年12月30日 21時44分04秒 | 映画インデックス
<な行>
「ナイト&デイ」
「ナイトクローラー」
「ナイブズアウト 名探偵と刃の館の秘密」
「9<ナイン> 9番目の奇妙な人形」
「七つの会議」
「2分の1の魔法」
「ニューイヤーズイブ」
「NY心霊捜査官」
「脳内ポイズンベリー」
「のぼうの城」
「ノルウェイの森」

<は行>
「her 世界でひとつの彼女」
「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」
「ハートロッカー」
「ハーフデイズ」
「バーフバリ 王の凱旋」
「バーレスク」
「はいからさんが通る 前編 ~紅緒、花の17歳」
「はいからさんが通る 後編 ~花の東京大ロマン」
「バイス」
「ハイブリッド刑事」
「バウンティハンター」
「博士と彼女のセオリー」
「バクマン。」
「運び屋」
「パシフィックリム」
「8年越しの花嫁 奇跡の実話」
「パッセンジャー」
「バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生」
「パッドマン 5億人の女性を救った男」
「ハッピーデスデイ」
「ハッピーデスデイ2U」
「パディントン2」
「ハドソン川の奇跡」
「バトルシップ」
「パラサイト 半地下の家族」
「パラレルワールドラブストーリー」
「パレード」
「バレンタインデー」
「ハンガーゲーム」
「阪急電車 片道15分の奇跡」
「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」
「ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える」
「ハングオーバー!!! 最後の反省会」
「半世界」
「PK」
「東のエデン劇場版Ⅰ The King of Eden」
「東のエデン劇場版Ⅱ Paradise Lost」
「ピクセル」
「美女と野獣」
「美女と野獣(2017)」
「ビッグシック ぼくたちの大いなる目ざめ」
「ヒックとドラゴン」
「羊の木」
「ピッチパーフェクト」
「ピッチパーフェクト2」
「ピッチパーフェクト ラストステージ」
「ビフォアミッドナイト」
「秘密結社鷹の爪The Movie 3~http://鷹の爪.jpは永遠に」
「ヒメアノ~ル」
「127時間」
「ヒューゴの不思議な発明」
「ビューティフルボーイ」
「ピラニア3D」
「ビリギャル」
「ひるなかの流星」
「ヒロイン失格」
「ファーザー」
「ファインディングドリー」
「ファミリーツリー」
「ファンタスティックビーストと魔法使いの旅」
「ファンタスティックビーストと黒い魔法使いの誕生」
「フィフティシェイズオブグレイ」
「50/50 フィフティフィフティ」
「フィリップ、きみを愛してる!」
「プーと大人になった僕」
「フェーズ6」
「フォーカス」
「フォックスキャッチャー」
「武士の家計簿」
「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」
「フライトゲーム」
「ブライトバーン/恐怖の拡散者」
「ブラック&ホワイト」
「ブラックウィドウ」
「ブラッククランズマン」
「ブラックスワン」
「ブラックパンサー」
「フラットライナーズ」
「フランケンウィニー」
「プリズナーズ」
「ブリッジオブスパイ」
「プリデスティネーション」
「プリンセスと魔法のキス」
「プリンセストヨトミ」
「ブルー 初めての空へ」
「ブルージャスミン」
「ブレードランナー2049」
「プレシャス」
「friends もののけ島のナキ」
「プロミシングヤングウーマン」
「プロメテウス」
「ヘイトフルエイト」
「ベイマックス」
「ベストキッド」
「ヘルプ 心がつなぐストーリー」
「ヘレディタリー/継承」
「ペンタゴンペーパーズ 最高機密文書」
「ホイットニー~オールウェイズラヴユー~」
「僕が結婚を決めたワケ」
「ぼくのエリ 200歳の少女」
「僕のワンダフルライフ」
「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」
「星屑の町」
「星の子」
「ボスベイビー」
「ホットロード」
「ボヘミアンラプソディ」

<ま行>
「マイインターン」
「マイティソー バトルロイヤル」
「マイブラザー」
「マイレージ、マイライフ」
「マジックインムーンライト」
「マジックツリーハウス」
「マチェーテ」
「マチェーテキルズ」
「まともじゃないのは君も一緒」
「マネーショート 華麗なる大逆転」
「魔法少女まどか★マギカ[新編]叛逆の物語」
「マリーアントワネットに別れをつげて」
「マリッジストーリー」
「マリリン 7日間の恋」
「マンオブスティール」
「マンチェスターバイザシー」
「万引き家族」
「ミスターガラス」
「Mr.ノーバディ」
「ミッション:インポッシブル ゴーストプロトコル」
「ミッション:インポッシブル ローグネイション」
「ミッション:インポッシブル フォールアウト」
「ミッション:8ミニッツ」
「ミッドウェイ」
「ミッドサマー」
「ミッドナイトインパリ」
「ミニオンズ」
「MIRACLE デビクロくんの恋と魔法」
「ムーンライズキングダム」
「ムーンライト」
「メイズランナー」
「名探偵ピカチュウ」
「メッセージ」
「メリダとおそろしの森」
「メンインブラック3」
「メンインブラック インターナショナル」
「もうひとりのシェイクスピア」
「モテキ」
「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」
「モンスター上司」
「MONSTERZ」
「モンスターズユニバーシティ」

<や行>
「ヤング≒アダルト」
「ユダヤ人を救った動物園~アントニーナが愛した命」
「夢売るふたり」

<ら行>
「ライアーゲーム The Final Stage」
「LION/ライオン 25年目のただいま」
「ライト/オフ」
「LIFE!」
「ラストクリスマス」
「ラストソルジャー」
「ラストレター」
「ラブアゲイン」
「ラブ&ドラッグ」
「ラブリーボーン」
「ラ ラ ランド」
「ランペイジ 巨獣大乱闘」
「リアルスティール」
「リチャードジュエル」
「リトルランボーズ」
「[リミット]」
「リミットレス」
「リメンバーミー」
「LUCY/ルーシー」
「LOOPER/ルーパー」
「ルーム」
「レイニーデイインニューヨーク」
「レヴェナント 蘇えりし者」
「レディプレイヤー1」
「レポゼッションメン」
「レ・ミゼラブル」
「RAW~少女のめざめ~」
「LOGAN/ローガン」
「ローグワン/スターウォーズストーリー」
「ROMA/ローマ」
「ローマでアモーレ」
「ローラーガールズダイアリー」
「6才のボクが、大人になるまで」
「ロケットマン」
「ロストバケーション」
「ロックオブエイジズ」
「ロボット」
「ロマンス」
「ロラックスおじさんの秘密の種」

<わ行>
「ワールドウォーZ」
「わたしに会うまでの1600キロ」
「私の男」
「嗤う分身」
「ワンスアポンアタイムインハリウッド」
「ワンダー 君は太陽」
「ワンダーウーマン」
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「007/ノータイムトゥダイ」

2021年10月10日 13時13分38秒 | 映画(2021)
武力攻撃事態発生。


冒頭の主題歌訳によると、"no time to die"は「まだ死ぬときではない」ということらしい。「死ぬまでに時間がない」ではないのですね。

まだ劇場公開するときではないと言われ続け繰り返し延期されてきた封切がようやくかなった本作。地上波で前作「007 スペクター」の総集編的な放送を流してくれたこともあり、しっかり予習した上で観ることができた。

だいぶ前から各所で予告映像を見ていたからかR.マレックの悪役が初めてに見えなかった。出番はそれほど多くなかったが、威圧感もあるしよくハマっている。

海に、空に、古い町並みに、中米の雑踏に、北欧の森に、全篇にわたってバラエティに富んだ美しい景観で迫力あるアクションシーンが繰り広げられる。D.クレイグのかっこよさはもちろん、前作に続いて重要な役割を担うL.セドゥに初登場の新人CIAエージェントとして登場するA.デ・アルマスと、眼福な顔触れだけでかなりの満足感を得られる。

ストーリーはほどほど。最後の展開にはさすがに驚くが、これまでも何作かごとに主役の交代があることを前提に作られている珍しいシリーズということを考えればアリと言える。

一時期の報道で、次の007シリーズの主人公が女性になるという話題を見たことがあるが、本作では引退したボンドに代わって黒人女性のノーミが新たなコードナンバー"007"を継承したという下りが出てくる。当時物議を醸した記憶があるがこの脚本の設定を鵜呑みにして主役交代と勘違いしたのかも。本編ではこの人事を巡る皮肉めいたやりとりがいくつかあって楽しめる。

クライマックスでは突然日本が登場。世界を恐怖に陥れる化学兵器の製造工場が日ロ間で帰属問題がある島にあるという設定だ。R.マレック演じるサフィンもそこにいて、庭園や和服やお茶など日本文化をたしなんでいる様子がうかがえる。最近中国寄りが際立つエンタメ業界において珍しい。

全体的に極めて満足度が高い娯楽作品。映像技術が格段に進歩し様々な競合作品が作られハードルが上がっていく中でも、余裕でその上を超えていく感じがする。「ジェームズボンドは帰ってくる」とマーベル作品みたいなメッセージが最後に出ていたが、期待していいのだろう。ただD.クレイグと一緒に他の出演者たちも一新かな。A.デ・アルマスはもっと見たい気がするけど。

(80点)
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「護られなかった者たちへ」

2021年10月03日 20時52分47秒 | 映画(2021)
ヤジロベエみたいな正しさの中で。


連続テレビ小説「おかえりモネ」の放映が残り1か月となり、舞台は気仙沼へと移った。

東日本大震災から10年という節目の年。本作もあの日を境に大きく人生が変わってしまった人たちを中心に描かれた物語である。

それにしても、重い。

主人公の利根は避難所で知り合った高齢女性の"けい"から笑顔を作るように勧められるが、彼だけではない。避難所の中だけでもない。殺人事件を調査する警察も、区役所で働く人も、本作の登場人物は誰一人として笑うことはない。

いかに被災地でもこれほど重く暗いわけないだろうと思うのだが、この空気は本作のもう一つのテーマから生じている。それは「生活保護」。

映画の中では最初で最後のセーフティネットと呼ばれ、病気などでどうしても働けなくなった人が最低限の社会的生活を送るために公的機関が現金を支給する仕組みは、一見するとよくできているが、その実情は不正受給で蓄財する人がいる一方で、杓子定規な審査基準で手当てが認められない人も多く存在している。

震災後の仙台には、生活困窮者が多数流入してきたと言う。資格審査を担うのは区役所の職員。彼らもまた被災者である。自分のこともままならない中で、処理容量を遥かに上回る事務作業に追われる日々。ひとりひとりの状況を細かく見ていく余裕はとてもなかった。

そこで生まれた悲劇。被害者側から見れば防げたものを職務怠慢で死に追いやったとしか見えない。しかし役所側の人たちは、彼らなりに最善を尽くす努力をしていた。

自分の力ではどうすることもできない困難にぶつかったとき、人はどう振る舞うのか。やり場のない憤りを安易に誰かのせいにしてしまっていないか。

刑事の笘篠から「どうしてそんなに強くいられるのか」と訊かれた区役所職員の円山は、「声を上げること。そうすれば誰かに届く」というようなことを応えていた。

震災は、そこに住む者の居場所を奪いコミュニティを破壊した。一方で、避難所の利根と"けい"たちのように新たな繋がりを得られた人もいるかもしれない。

誰にでも、その人を必要と思ってくれる人がいる。知らない人だって、目の前で困っている様子を見れば助けたいと思う。生きる価値のない人間なんていない。

毎日余裕のない中で生きていかなければいけない現代だからこそ、ことあるごとにそのことを思い返して噛みしめる必要があると切に感じる。

阿部寛佐藤健清原果耶ら俳優陣の演技は非常に重厚で、感情を強く揺さぶられるとともに非常に多くのメッセージを受け取ることができた。

・・・にしても重い。明らかな悪人がいないはずなのに、はっきりと灯る希望が見えないのは辛い。

(75点)
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「シャンチー テンリングスの伝説」

2021年09月05日 16時40分30秒 | 映画(2021)
怪獣大戦争。


シリーズの第1作は、主人公の生い立ちを説明しなければならない分冗長になりがちなのであるが、本作も両親の出会いから始まり、親子の微妙な心のズレを整理するまで、中弛み感からは逃れられなかった。

冒頭、サンフランシスコで平凡なホテルマンとして働いていたショーン=シャンチーが、通勤のバスの中で突然見知らぬ男たちに襲われる。車好きのともだち=パートナーのケイティとともに街なかで繰り広げるアクションは見どころ十分。期待は大きく膨らんだ。

アクションの映像でいえば、父親役のT.レオンが操るテンリングスが美しかった。輪を描いたり十列に連なったりと様々に形を変えて縦横無尽に動き回ると思えば、まるで意志を持っているかのごとく主人の腕の中へ収まっていく。謎の素材でできたこのアイテムが今後のシリーズでも活躍するのだろう。

ただ、ほかに印象に残る場面は少なかった。主役のS.リウはどうだろう。慣れていけば問題ないのかもしれないが、T.レオンの風格に比べるとどうしても見た目が薄味であることは否めない。人の良い国家主席とでも言おうか(これ中国で公開されるんだよね?)。ヒロインのケイティも、新しいヒロイン像としてアリなのかもしれないが、この辺りはもう少し様子を見ないと何とも言えないところ。

そして、本作で何よりも「うーん」と唸ってしまったのは、クライマックスの龍対決であった。中国と言えばドラゴン、そのとおりでしょう。でもマーベルの映画に期待しているのはこれじゃない。

「テンリングスは帰ってくる」と言っていたが、ドラゴンは帰ってくる?こない?

(65点)
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「オールド」

2021年09月02日 23時39分44秒 | 映画(2021)
ジャックニコルソンとマーロンブランドの答えだけは教えてくれなかった。


M.ナイト・シャマラン監督の新作が公開。さっそく北米市場では初登場1位を飾ったと言う。なんだかんだ言われながらも「シックスセンス」から20年以上もヒット作を出し続けるのはすごいことである。

彼の最大の強みは「つかみ」にある。「ハプニング」の大勢が飛び降りる映像なんて実に衝撃的だった。

そういった意味では今回も見せてくれる。トロピカルなビーチを訪れた家族。ちょっと目を離した隙にいなくなった6歳の息子。母親の呼びかけに応えて現れたのは、背が伸び切った一人の青年だった。

何が起きたのか?好奇心を大いにくすぐられ見たくなる気持ちが膨らむ。そして実際に観て「なーんだ」となるまでが1セットというくらい、もう彼の作品は一つの流儀と呼んでもいいレベルに到達した(のかもしれない)。

今回はシャマラン監督のオリジナルではなく、インスパイアされた原作があると言う。しかし不気味な空気に支配された世界観は明らかにシャマラン監督のそれといった感じである。

彼のもうひとつの特徴(と勝手に思っている)は、不思議な現象を題材にしつつ、その不思議の正体を少しの影もない完全体で出現させることにある。

超常現象を前にすると、世の中には科学だけでは説明できないことが・・・などとごまかした方がインテリっぽく見える気がするが、シャマラン監督は宇宙人でも何でもとにかく潔く見せてくれる。

だからB級的な香ばしさが漂うトンデモ作品になりやすいのも当然であり、結局これは彼の親切心から来るものなんだと理解しているところである。

さて、なぜ息子は一瞬で成長してしまったのか。当然理由がある。もちろん解説される。

今回は超常現象の原因のあり得なさはやや低めではあったが、この設定を生かしてビーチに集まった脇役たちは容赦なく処分されていく。血が噴き出すことはないが、スプラッタムービーのように主役の家族以外は次々に退場。わかりやすい。

一方で、主役の家族。ビーチを訪れたのは、離婚を前に家族として最後の旅行のつもりで来ていたのだが、命の危機を前に夫婦の絆が復活し穏やかな老後を迎えることに。いい話にスッキリ。

もちろんツッコミどころは満載だ。何よりおなかから小さいメロンのような腫瘍が出てきた場面は破壊力が大きく、あまりに突っ込んでください的な状況に逆に何も言えないというおかしな事態になっていた。おそらく全編に渡ってツッコミまくるという観方も成立するに違いない。

まとめて言えば、誰もがいろいろな意味で楽しめる。娯楽として極めて正しいことをしている映画だということが理解できた。これからもこの道を究めることを期待してやまない。

(75点)
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「フリーガイ」

2021年08月14日 23時36分04秒 | 映画(2021)
AIライヴズマター。


ゲームの背景キャラが自我に目覚め、一躍ヒーローになっちゃうおはなし。

ゲームキャラクターに生命が吹き込まれるといえば「シュガーラッシュ」を思い出す。

80年代のゲームは1ゲーム当たりに登場する人数が少なく、閉店後のゲームセンターをキャラクターの世界として描いていたが、情報処理能力が格段に向上した現代では描けるキャラクターの数が格段に増加し、一つのゲームの中で大きな世界が完結するようになった。

そして同時に、一般ユーザーには名前すら認識されない背景のような「モブキャラ」が誕生した。

モブキャラのガイは、毎日判で押したような生活を送っていた。朝起きて、金魚にエサをやり、シャツを選び、コーヒーショップでドリンクを頼み、店に客として来ている警官に声をかけてから、銀行へ出社する。

銀行には毎日強盗がやって来る。強盗は現実世界のプレイヤーのアバターだ。このゲーム「フリーシティ」は、架空の街を舞台に暴力や犯罪など力ずくでのし上がっていくことで経験値を上げていくシステムになっているのだ。

ガイはいつも強盗に顔を踏みつけられていた。そういう設定だから何の疑問も持たず、終われば銀行の仕事に戻り、仕事が終わればまた家に帰るだけ。

しかし彼は目覚める。それはバグか?必然か?

細かい設定は観ていてもよく分からない。それでも、現実世界で起きている問題とガイの結びつきを集中的に分かりやすく示してくれるので、特に置いてけぼりを食う感覚はなかった。

むしろ不思議な力で惹かれ合う現実世界のゲームデザイナー・ミリーとガイの関係にはほっこりしたし、おふざけの場面には声を出して笑った。複雑な設定にも娯楽の要素をしっかり入れ込むハリウッド映画はさすがである。

プログラムが勝手に成長を始めたなんて言うとロクなことにならないと考えるのが普通の感覚だと思うが、本作は驚くほど終始歓迎ムード、ポジティブである。

楽観バイアスに陥るのも危険だけど、いまのご時世、ふさぎ込んで誰かに文句ばかり言ってるのも考えもの。素直に観ればとてもすっきりする映画となっている。

すっきりしたところで、落ち着いた頭を少し捻ってみる。情報通信技術の進化って本当にプラスなのか?

最近増えたテレワークの会議。不便だよなーと思うことは少なくない。でも人によっては難なく使いこなしている。時代は急激に変化している。プラスもマイナスも結局は受け入れる自分の感覚次第なのかもしれない。

そう思ったときに、自分のいまの立ち位置って、自我の目覚めを自覚しながらも両手を下せないでいたおじさんのレベルなのだろうなと思った。

(80点)
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「映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」

2021年08月01日 13時20分30秒 | 映画(2021)
まさかの青春群像劇。


風間くんの誘いで、私立の進学校である「天下統一カスカベ学園」に一週間の体験入学をすることになったしんのすけたち。勉強だけではなく、スポーツや芸能など幅広い分野に渡る生徒の才能を効率的に引き伸ばすプログラムを有する最先端の教育を特色とする学園の光景に、もともとエリートに憧れを持つ風間くんは瞳を輝かせる。

一方で、誘われたから来ただけでエリートだとか将来のことだとかにはまったく関心がなく、幼稚園や近所の公園にいるときと同じようにお気楽に振る舞う他の4人。どうしてぼくの気持ちが通じないのだろう。風間くんと4人の間に少しずつ溝が生まれる。

そんなときに発生した一つの事件。誰も立ち入ることのない古い時計台で風間くんがお尻をかまれ倒れているところを発見される。命に別状はないものの、目を覚ました風間くんは別人のように変わってしまっていた。

風間くんを元に戻したい4人は、体験入学の世話係である在学生・ちしおと急造の探偵クラブを結成し、事件の真相解明に乗り出す。犯人は誰か、動機は何か。そして事件の背景にはどういった事情が隠されているのか。

分野ごとに秀でた才能を育てるという設定が、そのまま登場人物のバラエティ豊かな個性に繋がり、事件の容疑者として更なる広がりを見せる。

しかし物語は事件の回収の時点で方向転換する。犯人が語った事件の動機、それは「青春の告白」だったのだ。

帰り道に改めて映画のポスターを見ると、「青春の答えはひとつじゃない。」と書いてある(青春に「ミステリー」とルビを振っているが)。主題歌であるマカロニえんぴつの「はしりがき」の歌詞はもっと直接的だ。

分からないことをぜんぶ「青春」と呼ぶことにする。ただ無駄を愛すのだ。

クライマックスで風間くんを乗っ取ったAIが青春について問いかける。「青春とは?」。

それに対して登場人物の回答が様々に返ってくる。コンプレックスや後悔など否定的なものもある。それでも共通しているのは、その愛すべき時間がそれぞれの血肉となっていること。

学園の理事長がつぶやく。徹底的に無駄を排してきたのは間違いだったのかもしれない。圧倒的な敵役がいない最近の「クレしん」らしく好感が持てる。

映画の短い尺の中で、よくここまで個性豊かなキャラクターの掘り下げができたものだ。スーパーランナーだったけど突然走れなくなったちしお、仮面を被った33代目番長など、それぞれの謎がストーリーの展開と巧く絡んでくる。

そして事件の真相とともに明らかになった彼らの個々の物語が「青春とは?」の畳みかけへ一気に流れ込み、大きな力を持って迫ってくるのだ。

よく考えれば5歳児のしんのすけたちにまだ青春も何もあったものじゃないけれど、これまで幾度となく家族や友情の物語で感動を呼んできた「クレしん」映画だからこそできる技。今回も楽しませてもらいました。

(85点)
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