Con Gas, Sin Hielo

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「鍵泥棒のメソッド」

2012年09月17日 22時54分06秒 | 映画(2012)
映画で出オチは反則では?


いまや絶好調の堺雅人香川照之が組むというだけで面白そうと思ってしまう。

正反対の性格でまったく違う生き方を歩んできた二人が、あるきっかけで立場を入れ替える。

かつてのヒット作「大逆転」を思い起こすが、こちらの入れ替わりは偶然の事故から。

記憶を失くす殺し屋(?)コンドウのビフォーアフターがコメディーとしての作品の核になっている。香川照之、安心の変質ぶりで着実に笑いを取る。

一方で「鍵泥棒」の主犯、売れない役者・桜井を演じる堺雅人も器用さをいかんなく発揮。この人の場合、見た目の線の細さから元々情けない役は合うが、今回は「売れない」っぷりの出し方がポイント。

とまあ、二人についてはほぼ期待どおりだったのだが、観る前から最も不安だったのがヒロイン役の広末涼子だ。

若くして雑誌の編集長を務め、何でも自分の計画通りに人生を運んできた女子という設定らしいが、冒頭で彼女が部下を前にして「計画的な結婚」を切り出した時点で、まともに観る意欲をそがれた。

敢えて正反対?皮肉としか言いようのない配役は、次々に上塗りされる。「ちゃんと恋をしたい」とか「胸がキュンとする思い」だとか、監督一流の冗談とでも思わない限り先へは進めない。

それに比べれば小さいが、桜井のダメさ加減もなかなか救えない。大金が手に入ったらまず借りた金を返しに行くとか、コンドウのピンチに何か役立てればと立ち上がるとか、いいひとの片鱗を見せるが結果はどれも上手くいかない。コンドウの指摘どおりだ。

そんな中でたった一人頼りになる男が、記憶を取り戻してさあクライマックスへとなるのだが、これまた最後が釈然としなかった。敵役があっさり信じ過ぎでしょう。

笑える場面はそれなりにあったものの、キャスト一人ひとりに不満要素が残ってしまっては、残念ながら観てすっきりというわけにはいかない。

(55点)
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