Con Gas, Sin Hielo

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「マリリン 7日間の恋」

2012年04月21日 23時20分44秒 | 映画(2012)
それは本当に恋だったのだろうか。


大スターと普通の青年の奇跡のような恋。

こう書くと、若き心がよみがえるようなロマンスを思い浮かべるが、この映画で強く印象に残ったのは大スター故の厳しい宿命の部分だった。

華やかな表舞台から一歩下がれば、いわゆる大スターの奔放な振舞い。遅刻、不機嫌、職場放棄。

はじめは共演を楽しみにし、あわよくばとまで考えていた様子のローレンス・オリビエが、我慢の限界に到達してしまう辺りなど、いかにもな芸能ゴシップ的エピソードが興味深い。

初めてのプロデュース、慣れない英国のしきたりというプレッシャーがマリリンの精神を蝕んでいく。

周りは、とにかく仕事だけはやり通せるようにすぐに薬を与える。ホィットニーの悲劇を思い起こさせる悲壮感に満ちた環境。

その中で彼女が、違う世界を漂わせる青年に一瞬の救いを求めたのは必然だったのかもしれない。

でも、この時点の彼女が果たして普通の人間としての感覚を持ち合わせていたのかは疑問だ。

既に選択肢もなければ判断力もない。もうろうとしたまま流れる時間の中で無意識に戯れただけなのかもしれないと思った。

時代に選ばれた女性の一生は、幸か不幸か、正しいか正しくないかなどという尺度で測ることはできない。

マリリンを演じたM.ウィリアムスは、決して似せることを中心とするのではなく、ある一人の大スターとして演じている感じが伝わってきて、観る方も違和感なく入ることができた。

ただ、衣装係のルーシーを演じたE.ワトソンがかわい過ぎて、あり得ない格差恋愛へのめり込む主人公に共感できなかったのがやや残念なところ。

(75点)
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