パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞、未公開DVD、お気に入り自己所有のビデオ・DVDの感想などネタバレ有りで記録しています。

こどもつかい★★★

2017年06月22日 | アクション映画ーカ行
『呪怨』シリーズなどの清水崇監督がメガホンを取った、オリジナルストーリーによるホラー。謎めいた男“こどもつかい”によって子供がさらわれ、やがて帰ってきた子供と会った大人が3日後に亡くなるという怪事件を描く。子供の霊を操り大人に呪いをかけるこどもつかいを、映画初主演の滝沢秀明が熱演。連続不審死事件を追う新聞記者に Hey! Say! JUMP の有岡大貴、その恋人を『愛の渦』『二重生活』などの門脇麦が演じる。
あらすじ:郊外の街で子供たちが姿を消し、さらに帰ってきた子供に遭遇した大人は、3日後に謎の死を遂げるという事件が発生。新聞記者の江崎駿也(有岡大貴)は事件について調査し始める。一方、彼の恋人で保育所勤務の原田尚美(門脇麦)は、ある日母親が迎えに来なかった男の子を預かるが、そこへこどもつかい(滝沢秀明)が近づき……。

<感想>子供たちの呪いを描いたホラー・ファンタジー。17年ぶりの映画出演となる滝沢秀明が映画初主演を務め、「呪怨」シリーズの清水崇監督とタッグを組んだホラー。とある郊外の街で子どもたちが次々と行方不明になり、さらにその周辺で大人たちが、相次いで不審な死を遂げる事件が発生。ネット上では、行方不明になった後に帰ってきた子どもと遭遇した大人が、3日後に謎の死を遂げるという噂がかけめぐっていた。
この監督は独特の境地の、さらなる奥地まで行ったと思う。あのタッキーが、ファンタジックなキャラで出演することは、怖くないということ。ですが、そこから別の次元が展開している。都市伝説としてすでに呪いが知られている設定や、その由来と解決法の調査などの描き方が上手い。

ヒロインの門脇麦が握ったドアノブの向こうでは、人が首を吊り、不意に時空はゆがんで呪いの始まる子供時代が再来するという。やっぱり怖くないと言えばウソになるが、怖さが反射反応であることを超えているのだ。確かに児童虐待も含めて、万引きをした子供を店のオーナーが、幼児に性的な虐待をするのもあります。

「呪怨」シリーズからの主題だったので、理詰めな解釈などは無用でしかないのだが、福祉関係の仕事をしている人たちによれば、子供はどんなに親から虐待されても、親を慕い、親にすがりつくそうな。どんな親でも子供にとっては一番信頼の置ける人なのだから。
この映画の中では、子供たちは自分たちを虐待した大人たちに、取り憑いて恐怖で追い詰め、悪いオトナに「死」を届ける、簡単なおつかい。かなり小気味いいが、けれども過去の因縁話や、ご大層な異様ないで立ちで、「こどもつかい」で登場するタッキーの部分では、逆に恐怖が引いてしまうのではないかしらね。

「親の因果が子に報い」ということも、この作品の中では言っているのだ。保育園の保母をしている門脇麦は、子供の頃、母親に虐待されて育ち、映像によれば母親を殺したような場面がある。それが、大人になっても悪夢として、いつも妄想、幻覚として悩まされる。園児の中で母親に虐待されている男の子を、可愛そうだと自分の家へ泊めて、「私をお母さんだと思っていいよ」なんて優しい言葉をかけてやるから。それを本気にしてしまい、母親に見放された男の子が、福祉事務所の人たちに連れて行かれる時に、「ママになってやるっていったじゃないか」と、門脇麦を責め立てる。だから、彼女も「こどもつかい」によって連れ去られることになる。

門脇麦の恋人である地方新聞の記者・江崎駿也をHey! Say! JUMP の有岡大貴が扮して、「トミーの呪い」事件の真相を追い始めるのだが、事件に関わった子供達の哀しい怨念の数々に、見ていて最近のTVを賑わす子供への親の虐待を見せつけられ、恐ろしくも考えさせられます。

急に音響効果でドーンという恐怖感を浴びせることもなく、安心して観ていられる。子供たちが呟いていた「カンクローさん、カンクローさん」という歌の中にある「かみのこサーカス」という言葉から、三重県の上之郷に辿り着きます。その田舎でサーカスを町に招いた社長の息子に会い、既に老人になっていた彼は、サーカスで腹話術をしていたトミーという外国人の話をし、そのトミーと子供7人が、サーカスの火事で亡くなった事を話します。

そのお爺さんは、サーカスの腹話術のトミーが操っていた人形が、カギになるかも知れないというわけ。このトミーが実は子供さらいで、子供に悪戯をして、それがバレると、サーカスに火をつけて子供たちと共に死んでしまったというのだ。
その腹話術師の人形の呪いか、死んだ7人の子供たちの呪いなのか、それにしても、この物語の中で語られるのは、この世に生まれて愛情を受けられなかった子供たちの悲しい姿でもあるのです。タッキーが出ているから、ファンタジー・ホラーだからと観に行ったものの、子供たちの虐待を描く社会問題とも併せて、考えさせられました。
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レイルロード・タイガー★★★・8

2017年06月21日 | アクション映画ーラ行
『ポリス・ストーリー/レジェンド』のディン・シェン監督と、ジャッキー・チェンが再び組んだアクション。ジャッキー演じる男のチーム「レイルロード・タイガース」が橋の爆破というミッションに挑む姿を活写する。K-POPグループEXOのメンバーだったファン・ズータオや『私の少女時代-Our Times-』のワン・ダールーらが共演。痛快アクションとコメディー要素満載の内容が見どころ。
あらすじ:1941年、中国の鉄道で働くマー・ユエン(ジャッキー・チェン)と仲間たちは、何度も日本軍の目を盗んでは物資の略奪などを行っていた。またたく間にうわさは広がり、彼らは“レイルロード・タイガース”と呼ばれ日本軍から敵視されることになる。ある日、マーは日本軍に追われた負傷兵ダーグオー(ワン・ダールー)を助ける。ダーグオーは、日本軍による物資輸送を妨害すべく橋を爆破しようとして失敗していた。

<感想>アジアを代表するアクション・スターのジャッキー・チェンが、ディン・シェン監督と3度目のタッグを組んだ、痛快アクション・コメディ映画。
ごく普通の庶民たちが、日本軍の物資輸送を阻止するため、橋の爆破計画に挑むという物語。中国では本作を“抗日映画”とジャンル分けする人もいると言うが、私にはただただ、ジャッキーファンということで鑑賞。

この映画でジャッキーは、日本軍の物資を盗み出す義賊“レイルロード・タイガース”のリーダーであるマー・ユエンを熱演。なんとジャッキー・チェンはもう63歳!全く衰えを感じさせないジャッキーに拍手です。彼のキレのあるアクションとユーモアたっぷりの演技で、俳優としての健在ぶりをアピールする。

本作では、息子のジェイシー・チャンとまさかの“兄弟役”で初共演。これもすべて、ジャッキーの若々しさが成せるわざなのかもしれない…。そんな2人は『1911』で親子出演を果たすも、同じシーンで共演するのは今回が初めてだそうです。息子であるジェイシーは“レイルロード・タイガース”のメンバーの1人、マー・ユエンの弟ルイを演じ、“そっくり”な顔で父親との相性も抜群な好演を見せてくれる。それにしても、あれだけ厳しい言葉をかけていた息子ジェイシーを、自身の映画で完全復帰させたジャッキーの親バカっぷりには呆れ返ってしまった。

そうそう、若い女子がたくさん見に来ていたが、K-POPグループEXOのメンバーだったファン・ズータオが出演しているんですね。彼はイケメン青年で、無精ひげをはやしたオジサン軍団に混ざって、主人公の座をかっさらって行きますからね。

他にも中国のイケメン演技派俳優のワン・カイが、凄腕スナイパーという役どころも、アジアのイケメン達を堪能できるのも本作の大きな見どころ。

また、彼らの最大の敵となる日本人指揮官役に池内博之が大抜擢。不気味な演技で存在感を発揮し、ジャッキーとの1対1のアクションシーンにも挑んでいる。というか、コメディ・アクション映画なので、殺伐としたところは無く、和気あいあいと演技をしているのも好感がもてた。女子の憲兵隊長に、日本人女優さんでなかったのが残念でした。

売りである列車アクションもド派手だが、どこが単調でキレがない。観たことのある竹を使っての列車に飛び乗り作戦とか、「シャンハイ・ヌーン」の列車シーンを思い出した。列車の中を右往左往するシーンも、敵に見つかってしまい戦うシーンとか、相手が日本軍のデブ兵隊なので、ギャグ満載での攻防戦だ。

本物の機関車を使った終盤のスペクタクルなアクションは迫力満点であり、倉庫で爆薬を盗む場面でのドタバタや、その前のハシゴのやりとりは前にも観たことのあるいつものコミカル演技でジャッキーらしさがあってとても良かった。

ジャッキーたちが橋を爆破するために、日本軍の爆薬を盗んで爆破するという計画。ところが、その計画も日本軍に知られてしまい、ドタバタ喜劇の橋の爆破のシーンはしどろもどろでつまらなかった。空飛ぶタイガーのマークを置き土産に描いていくのは、面白半分なんですかね。

エンドロールでの、いつものお楽しみNGシーンが、とっても面白くて良かった。そういえば、還暦を過ぎても、俳優のみならず、監督、プロデューサーと多彩な活動を続けているジャッキーが、2016年に映画業界の発展に寄与した人物に贈られるアカデミー賞名誉賞を受賞したというから、これからもますます映画界で活躍し、たくさんの映画を作って、ファンを楽しませてくれるといいですね。
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バイオハザード:ヴェンデッタ★★★

2017年06月20日 | アクション映画ーハ行
カプコンの人気サバイバルホラーゲーム「バイオハザード」シリーズをもとにしたフルCG長編アニメの第3弾。「呪怨」シリーズの清水崇が製作総指揮、「THE NEXT GENERATION パトレイバー」の辻本貴則が監督を務め、歴代シリーズの人気キャラクターやオリジナルの新キャラクターたちが繰り広げる死闘を描く。

あらすじ:武器密売組織の拠点となっている洋館に突入した対バイオテロ組織「BSAA」のクリスは、国際手配犯アリアスと対峙するが、信じられない光景を目の当たりにし、取り逃がしてしまう。一方、特殊部隊「S.T.A.R.S.」の元隊員である大学教授レベッカは、よみがえった死者が凶暴化する謎の現象に新型ウィルスが関係していることを突き止め、治療薬の開発に成功する。その直後、研究所は何者かに襲撃されるが、駆けつけたクリスたちがレベッカを救出。事件を熟知する大統領直轄組織「DSO」のエージェント、レオンに協力を求めたクリスたちは、アリアスの真の目的がバイオテロだと知り、阻止するべく奔走する。

<感想>サバイバル・ホラー「バイオハザード」ファンの注目のフルCG映画です。本作を手掛けたのは「THE NEXT GENERATION パトレイバー」の辻本貴則監督。「バイオハザード」の世界観を基に、歴代主人公で人気の男気溢れるクリスと、イケメンクールなレオンが、謎の武器商人と命がけの戦いを繰り広げるフルCG長編アニメ。
劇場アニメの第3弾となる本作では、W主役のバディぶりや成長したレベッカの参戦、見通しが悪い不気味な洋館や長い通路に部屋が並ぶ研究所など、本作ではザ・バイオハザードなホラーを舞台を多数用意している。

不気味な洋館での激恐怖ホラーが展開して、ゾンビや犬など鉄板の敵、アンデッドとのバトルシーンなど心臓がバクバクして、ファンが納得のバイオ要素が満載でありました。クリス自身も何人もの部下を失うという負荷を、冒頭で味わっているのだ。
クリスは汗臭いやつだけど分かりやすい性格だから嫌いじゃない。色恋沙汰には縁遠く、むしろ部下や後輩たちと絡むことの方が多い。一方のレオンは、逆に優男だから、男でレオンを好きなやつは少ないのじゃないかと思う。実に好対照であり、性格的にも正反対であります。お互いが気に食わないから喧嘩や対立もするけれど、最終的には協力して敵を倒すってことなのよ。だから、この2人のバディムービーになっている。

冒頭ではホラーになっているから、原点では回帰しようという感じは伝わって来る。バディ・ムービーはアクション映画の王道ですものね。だからこそ、辻本監督の手腕が存分に生きた作品になっている。

もし、これが恋愛が絡むエイダやジェイクを出していたら、逆に手に負えなかったかも。ヒロインのレベッカは恋愛対象にはならない女の子だから、彼女を選んだのは結果的に大正解でした。

ゲームでも部隊のアイドル的な妹キャラだから、レベッカを巡ってクリスとレオンが牽制しあったり、どっちがものにするって話にはなり得ないと思う。悪女とも言えるエイダとは真逆ですよね。

アクション映画のヒロインって、守るべき者か、色っぽいお姉さんか、強烈なおばさんか、の3パターンしかないのでね。優しい奥さんとかは、アクション映画にとってはブレーキにしかならないから。

つまり、今作では結果的には、良いキャラクター3人を選んだのではないかと思います。分かりやすい展開で、ホラーではなく王道のアクション映画になっている。
ですが、ホラーの醍醐味でもある人間が噛まれるグロいシーンなど、ゾンビが死肉を食らうという、そのさじ加減はうまくて、少しなのでグロくはなかった。

一番の見せ場は、重火器&肉弾戦満載のバイオ・アクション、3DCGらしくド派手にビジュアル化。特に高層ビルで展開するレオンのバイクアクションと、ガンアクションが最大の見どころといっていいでしょう。やっぱり、レオンのド派手なバイク・アクションでしょうかね。衣装も分かりやすくバイカー・スタイルになっている。2・3匹のゾンビ犬とハイウェイでチェイスさせるシーンです。

そして、新キャラとして登場する武器商人アリアスの切ない過去エピソードや、ヒロイン、レベッカの身体を張った活躍など主要キャラたちのドラマも濃厚であります。何故にレベッカが純白のドレス姿なのかというと、お姫様なのだから。反目しあっていたはずの2人の騎士が、悪魔の城からお姫様を救いだすという話。だからあの白いドレスが効いているのだ。

ラストでアリアスが、進撃の巨人のようなバケモノに変身していくところとか、クリスとレオンがその巨人に向かっていくところなんかも良かった。
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僕とカミンスキーの旅 ★★★

2017年06月19日 | アクション映画ーハ行
『グッバイ、レーニン!』のヴォルフガング・ベッカー監督とダニエル・ブリュールが再び組み、ダニエル・ケールマンの小説を映画化したロードムービー。ヨーロッパを舞台に、美術評論家の青年と老画家が行く先々でトラブルを巻き起こす様子を活写する。有名な画家を『007』シリーズなどのイェスパー・クリステンセンが好演。魅力的な登場人物による型破りな旅の行方に注目。

<感想>『グッバイ、レーニン!』が大ヒットしたヴォルフガング・ベッカー監督、主演がその映画で国際的なスター俳優にのし上がったダニエル・ブリュールであり、なんと12年ぶりの顔合わせというから期待しない方がウソになる。ピカソとも親交のあった盲目の画家マヌエル・カミンスキーの絵は観ていないので知らないが、今度のブリュールの役柄は31歳の美術評論家。とはいえ、評論家とは名ばかりで、無知で無能な一匹おおかみである。

美術史にその名を残す85歳の天才画家カミンスキー、演じているのがイェスパー・クリステンセンで、カミンスキーを引っ張りだして自伝をでっち上げて一儲けを企むお話。
ところでこの天才画家であるマヌエル・カミンスキーとは、いったい何者なのか?・・・ポーランドからパリへ出てマチスの弟子になりピカソらとの交友の後、ニューヨークで「盲目の天才画家」ともてはやされるものの、突然引退してスイスの山に引きこもり、という怪しげなプロフィールが冒頭で紹介されるものの、その後の人生はこの映画が引き継いだかっこうで、スイスで隠遁生活を送るカミンスキーを見つけ出し、接触を試みるゼバスティアン。

スイスまで押しかけ、“招かれざる客”となったセバスティアンが、カミンスキーの娘をはじめとする周囲の人々に煙たがられる様子が描かれる。しかし当のカミンスキーは、セバスティアンの空気の読めなさや図々しい振る舞いを内心面白がっており、一見正反対の2人の相性の良さを感じさせるシーンとなっている。

地下室にあるアトリエから、カミンスキーが描いた油絵を何枚か盗んでいくセバスティアン。最後に、本当に自分の自伝を書いてくれとカミンスキーが、彼が盗んだ絵にサインをしてやるところで終わるものいい。
食えない老人、カミンスキーに振り回されながらも、彼がかつて愛した女性のもとへと一緒に旅に出るセバスティアンだったが…。31歳の美術評論家と85歳の盲目の天才画家の二人三脚の旅が描かれていく。
いうなれば、“うさん臭さもここに極まれり“といった超個性派2人の勝手気ままなロードムービーなのだが、どこまでが本当なのか、何処からがウソなのか、変幻自在に虚実が入り乱れていての連続であり、とにかく85歳の盲目の画家であるカミンスキーが、もしかして認知症でボケが入っているのか、旅行ができない心臓病とか病気はないのか?心配ばかりしてしまった。

それでも、不即不離の2人の関係は、途中で車を盗まれて困ってしまい、セバスティアンの恋人の家まで行き、車を失敬して旅行を続けるという。

その恋人の家が、また贅沢で日本のものが好きと見えて、書道の漢字を書いた額が壁に飾ってあったりと、部屋の備品とか日本贔屓がまた良かった。
やがては化学反応を起こしてカミンスキーの「永遠のミューズ」との再会へと至るのだが、ギャグ満載の巧みな筋運びと、毒の効いたセリフで見事な風刺喜劇に仕上がっている。
だが、何といっても勝因は2人のキャスティングにあると思う。ここのところ、幅広い役柄に挑戦して絶好調のダニエル・ブリュールは言うまでもなく、カミンスキーを演じたイェスパー・クリステンセン爺さんの怪演ぶりは一見の価値がありですから。

もともとはデンマーク出身の「007」シリーズのミスター・ホワイト役で名を馳せたが、頭を丸めてサングラスに蝶ネクタイ姿もピタリと決っているのはさすがでした。他にもチャールズ・チャップリンの実娘のジェラルディン・チャップリンがカミンスキーの元恋人を演じており、かなり老齢ではあるけれど、昔は魅力的だっただろうという感じと、完全にボケている恋人に話を合わせる優しさもある。レオス・カラックス監督作の常連ドニ・ラバンがホームレス役を演じっているのも良かった。

老いと人生の皮肉を描いている、カミンスキーは海辺でたそがれるシーン。そして、唯一彼の哀しみを理解してくれるだろうゼバスティアンが持ち出した作品に、サインをする。ここで描かれるカミンスキーは実在の画家ではないけれど、こんな画家はいそうですよね。
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レストラン「miura」での、ディナータイム★★★★

2017年06月19日 | 日記
久しぶりに娘の誘いで、外食となり嬉しいですよね。
6時の予約なので、5時半に家を出て街へと繰り出して、仙台の繁華街から奥に入ったところです。でも、この辺はオフィス街で、どこの駐車場も満員です。

店は細い一方通行の細い路地を入ったところに、ビルの1階にありました。
miuraは旬の食材にこだわったフレンチレストランです。いつも混んでいるので、要予約制です。
地元の素材にもこだわっており、シェフ自ら市場に出向き、 その日に入った新鮮な魚介や仙台牛、有機野菜を仕入れています。素材を生かしたとびきりおいしい厳選素材のお料理をお出しいたします。シェフ自ら市場に出向き、 その日に入った新鮮な魚介や仙台牛、有機野菜を仕入れています。

素材を生かしたとびきりおいしい厳選素材のお料理をお出しいたします。
4800円のコースで、ワンドリンク付き、メインディッシュ2品(鮭のムニエルと、仙台牛のステーキ)にデザートも2品付での、シェフお薦めの“ディナーコース”です。

初めにパプリカの冷製ジュレ、有機野菜と魚介のカルパッチョ、サーモンに岩ガキの冷製、時鮭のソテー、デザート手造りアイスにケーキ、お土産のクッキー、紅茶。






私は運転手なので、オレンジジュースを頼みました。みんなは、それぞれに、シャンパンから始まって、ビールやらワインとか、いいなぁ、今度はタクシーで来るかな。
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キング・アーサー★★★★

2017年06月18日 | アクション映画ーカ行
アーサー王をめぐる伝説をベースにしたアクション。王であった父を殺されてスラム街で生きてきた男が、聖剣エクスカリバーを手に親の敵である暴君に立ち向かう。メガホンを取るのは、『シャーロック・ホームズ』シリーズなどのガイ・リッチー。出演に、テレビシリーズ「サン・オブ・アナーキー」などのチャーリー・ハナム、『コールド マウンテン』などのジュード・ロウ、『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』などのジャイモン・フンスーらが結集。壮絶なソードバトルの数々に圧倒される。

あらすじ:王の息子として生まれ、その跡を継ぐ者とされていたアーサー(チャーリー・ハナム)。

だが、暴君ヴォーティガン(ジュード・ロウ)によって父と母を殺され、スラム街へと追いやられてしまう。過酷な環境の中、アーサーは生き抜く知恵を身に付け、肉体を鍛える。やがて、無双の力をもたらすとされる聖剣エクスカリバーを手にする。仲間たちと共に圧政を敷くヴォーティガンを倒し、王座に就こうとするアーサーだったが……。

<感想>英国中世の騎士道物語として有名な「アーサー王伝説」を、ガイ・リッチー監督が、ファンタジー・アクションとして大胆にアレンジして映画化。「パシフィック・リム」のチャーリー・ハナムが主人公のアーサー王を演じて、肉体改造にも張り切って取り組み、トレーニングの末9キロの増量をした体で挑む。ボクシングや剣術も習って、役に備えたと言う。

魔術を操る叔父のヴォーティガンに両親を殺され、海に子船で流され売春宿で育ったアーサーが、亡き父ユーサー王が岩に突き立てた聖剣のエクスカリバーを引き抜いたことから、やがて反乱軍を率いて、ジュード・ロウ扮するヴォーティガンと戦うことになる。

合戦シーンから魔術が生み出す怪獣(大きな象)まで、とことん誇張した映像が次から次へと、ノリと気合で突っ走る痛快作品に仕立てている。聖剣エクスカリバーを引き抜いたことにより、叔父のヴォーティガンは、兄のユーサー王の息子だと知り、邪魔者は殺すべしと家来に命じて戦いを仕掛けるのだ。

アーサー王の魔術師マーリンは、痩せっぽっちの女でどうも迫力がない。どうせなら爺さんでもよかったのに。その点では叔父のヴォーティガン王の魔術師は、地下の沼に棲みまるでタコのような足をうねうねとして、両足に綺麗な女を従えている。アーサーを倒す戦術を頼むヴォーティガンは、その代償として綺麗な娘を差し出すことに。

しかし、アーサーは剣術や格闘技に優れているものの、聖剣エクスカリバーを手にすると亡き父王の姿や殺された母親のことが目に浮かび、悪夢に魘されるのだ。つまり、上手に聖剣エクスカリバーを操ることができないのだ。だから、暫くの間は、家来と共に山籠もりをして魔術師の力も借りて稽古に励む。

実際に城へ乗り込みヴォーティガンの軍隊に囲まれた時、両手でエクスカリバーを掴むと、砂煙が舞い上がり軍隊をあっと言う間に倒してしまい覚醒の度合いも増していく。
ですが、直ぐに尻込みして中々前へと進まない。だから家来たちも次々と殺され、数が少なくなっていく。何とかして城を奪還しなければならないのに、こんなふうじゃ何時の事やら。そういう場面が少し長く感じた。

アーサー王に肉体派のチャーリー・ハナムで、対するヴォーティガンに知性派のジュード・ロウを配したのもリッチーらしい。それに、あの元サッカー選手のデーヴィッド・ベッカムが、アーサーがエクスカリバーを引き抜くシーンに登場しているのにも要注意。

同時進行する二つの出来事を交錯させた編集も絶妙。円卓の騎士や、アーサー王伝説ゆかりのものや人物が登場するが、剣と弓と魔術が入り乱れてのバトルシーンは圧巻であるし、大自然を馬で駆け抜ける壮観な映像も美しい。そして、路地裏でのヴォーティガンの軍隊との決死の攻防にもハラハラさせられる。

さらにはアーサーが聖剣エクスカリバーを握りしめた時に、魔法使いマーリンが起こす魔術によって、剣にみなぎる超人的なパワーの凄いことといったらない。聖剣を振るっての死闘はもちろんのこと、大蛇の魔法のスペクタルも圧倒的で良かった。

その映像も含めて、あくまでもリッチー独自の世界を構築しているといっていい。それに、初期の作品と同じく、どこまでも男のワイルドな魅力が際立つように仕上げているのも良かった。
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ピーチガール★★

2017年06月15日 | アクション映画ーハ行
第23回講談社漫画賞を受賞した上田美和の人気コミックを実写映画化。ギャル風な見た目から誤解されやすい女子高生ももと、彼女が中学時代からずっと好きなとーじ、ももに興味を抱く学校一の人気者の浬、ももの気に入ったものを欲しがる小悪魔女子・沙絵が織り成す恋愛模様を描く。ももを『少女』などの山本美月、浬を Hey! Say! JUMP の伊野尾慧、ももの友達で宿敵でもある沙絵を『俺物語!!』などの永野芽郁が演じる。監督は、『モテキ』『バクマン。』などに携ってきた神徳幸治。
あらすじ:以前は水泳部に所属していた高校生の安達もも(山本美月)は、日焼けした肌に赤い髪というギャルのような雰囲気が原因で、周囲から遊んでいると誤解されていた。おまけに、学校で屈指の人気を誇る岡安浬(伊野尾慧)とキスをしたといううわさまで流されてしまう。一方、ももが欲しいものを欲しがる友人の柏木沙絵(永野芽郁)は、ももが中学時代からずっととーじを好きだったことを知ると、さまざまな手段を駆使して横取りしようと画策し……。

<感想>最近の邦画でアメコミを映画化した女子高生ものが大変に多いことといったらない。くだらないと思いつつも、必ず見てしまう私がバカなのかも。
この映画では、まったくタイプの違う男子高生、2人の間で揺れ動く主人公の女子高生のももに、ちょっと大人目な山本美月さんが演じている。もう高校生キャラは似合わないと思うよ。それにももの相手役には、Hey! Say! JUMPの伊野尾慧くんと、真剣佑くんの2人の男子が熱演。

もてもてのももに焼きもちを焼いて、恋路を邪魔をする小悪魔女子高生に永野芽郁が扮して、ついこの間「PARKS パークス」で彼女を見たばかりだったので、その映画では大人しい役柄が、この作品では大変身して意地悪な女の子を演じていましたね。小悪魔女子高生の柏木沙絵が、男に騙されて援助交際をしているのを知り、ももとカイリが助けに行くシーンも良かった。
その他に目についたのが、ももの母親に菊池桃子さんが出ていて、花屋さんを営んでいると言う設定でした。父親がいない設定で、母と娘の二人で暮らしているもも、カイリが学校の校庭に桃ノ木の苗木を植えて、花が咲くのを楽しみにしている様子も、桃栗3年というからね、卒業までは花は咲かないのよね。

物語の内容は、原作は読んでいませんが、漫画ということもありトンデモな何でもありの展開で進んでいきます。海辺で溺れているカイリを救助するももの姿が冒頭でありましたが、これがラストでも出て来るんですよ。中学の時に水泳部で、プールの水の影響で髪の毛が茶髪になってしまって、まるで高校生には見えないギャルふうですからね。

でも、学校内では虐められているような、そんな感じを受けました。特に永野芽郁ちゃん演じる柏木沙絵には、本当に意地悪をされっぱなしで、振り回されます。それでも、中学から大好きだった、真剣佑扮するとーじに片思いで、それを本当はもものことを大好きなカイリが、二人の間を取り持ってあげると言う。でも、そこへ柏木沙絵が邪魔をして引き裂くという関係に。
とにかく、せっかくとーりと付き合うとうになったももに、沙絵が嘘の話を作ってとーりとの間を壊してしまうのだ。これは、見ていて嫌な気持ちになります。落ち込んでしまうもも、それをなだめるカイリと言う、切ない恋物語が、最後には成就するようになるお話です。

物語の途中で、ももはカイリのことを見直しますが、カイリがもものことを以前から好きだったとは気づいていません。あんなにももものことを大事にする男っていませんからね。ももちゃん気づくの遅いわって、思いましたよ。それに、カイリの父親って厳格で兄貴が大学を出て一流企業へ就職という、それで、カイリにも大学へ行くように強要するのだが、カイリはパティシェになりたくて、パリへ勉強に行きたいのだった。

ももの役が山本美月で、カイリが伊野尾慧くんでは、ちょっとこどもっぽい感じがして、大人びた山本美月に振り回されっぱなしって感じがした。物語の展開で、途中から絶対にカイリがもものことを大好きだと叫んでいるような場面もある。気づかないもも、それに、とーりも優柔不断で一度はもものことを振っておいて、後からまた好きだと告白する、夏祭りの浴衣を着ているももちゃんとのシーン。2人から両手を掴まれて悩むももちゃんの気持ちも分からなくはないが、初めっからもものことを大好きだと言っているカイリの方が優勢だと思いましたね。
病院の窓からももが落ちるシーンに、ハラハラさせられて、カイリに助けられたからいいものを、何をしてんだと怒りたくなる。それでも、ラストでカイリの心を信じて海まで助けにいくももに、初めと繋がっていていて、二人で苗字に名前を付け合って笑う微笑ましい恋人同士って感じも良かったです。
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22年目の告白-私が殺人犯です-★★★★

2017年06月14日 | アクション映画ーナ行
未解決のまま時効を迎えた連続殺人事件の犯人が殺人に関する手記を出版したことから、新たな事件が巻き起こるサスペンス。韓国映画『殺人の告白』をベースに、『SR サイタマノラッパー』シリーズなどの入江悠監督がメガホンを取り、日本ならではの時事性を加えてアレンジ。共同脚本を『ボクは坊さん。』などの平田研也が担当。日本中を震撼(しんかん)させる殺人手記を出版する殺人犯を藤原竜也、事件発生時から犯人を追ってきた刑事を伊藤英明が演じる。

あらすじ:阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件が発生した1995年、三つのルールに基づく5件の連続殺人事件が起こる。担当刑事の牧村航(伊藤英明)はもう少しで犯人を捕まえられそうだったものの、尊敬する上司を亡き者にされた上に犯人を取り逃してしまう。その後事件は解決することなく時効を迎えるが、ある日、曾根崎雅人(藤原竜也)と名乗る男が事件の内容をつづった手記「私が殺人犯です」を発表し……。
注意:ネタバレ厳禁だというのに、ネタバレ、バレで書いてしまいました。すみません!

<感想>韓国映画殺人の告白は鑑賞済みです。主人公のイケメン俳優が本当に綺麗な顔をして整形手術すると本当にこんな綺麗な顔に変われるんだと、日本版では、やはりイケメン俳優の藤原竜也さんが演じていて、未解決事件の時効を迎えた殺人犯の内容を本をした男が現れるところなんか、実にそっくりで良かった。刑事の伊藤英明さんは、韓国版でも犯人を捕まえることが出来なかった無能な刑事と烙印をおされたような刑事というイメージでした。

ミステリーものであり、犯人が名乗りをあげたところから、22年前の未解決事件が再び動き出すという進行は、成功しているといっていいでしょう。自信たっぷりに、妙に晴れ晴れしく告白会見をするシーンでの藤原竜也さんには、何か裏があることは誰が見ても分かることだし、そこへ殺されたヤクザの親分の妻の復讐とばかりに、殺し屋が出て来るところもピリピリとしていい。

それに、連続殺人の再現映像や、被害者の遺族、マスコミ関係、そして警察側の動きも、自称“犯人”の目論見通りに進んでいきます。

ここら辺で、主人公の藤原竜也さんが、悪なのか、正義なのかが読めない配役であるのは、もう観客も知ってしまうところも台無しですからね。まさか、整形手術であそこまで美形に変わってしまうところとか、自分の恋人が殺され、確かに婚約指輪をしていた恋人は、担当刑事の伊藤英明の妹であることなども一緒ですから。

まぁそれでも、韓国版の「殺人の告白」よりは、警察、被害者、犯人、マスコミなど事件にかかわる人物たちの背景がより多角的に描かれていて、ミステリ要素も加わっている点では、オリジナルを超えていて良かったのでは。
捜査会議や、イベント会場などのモブ場面や、時代考証に添った美術や小道具の数々はもちろんのこと、劇中の現実と異なる映像素材によって撮影された出来事への、視覚的印象に変化を持たせるなど、細部にわたっての演出も秀でて良かったと思う。

それでも肝心の大詰めが、曾根崎雅人が真犯人と見抜く要素も、仙堂(仲村トオル)の別荘へと、藤原竜也が一人で先に行ってしまうところとか、その後で、刑事の伊藤英明が乗り込んでいき、藤原が犯人の仙堂を取り押さえ首を絞め殺そうとしているところ。それでも、日本は法改正で殺人犯の時効は無しになったこともあり、真犯人を法で裁こうと言う刑事魂も分かりますがね。韓国版では、刑事が真犯人を銃殺しますし、そこのところが、甘いなぁと。ですが、全体的には緊迫感があったし、残虐性もそれなりにあって、いいんじゃないですか。
ラストのエンディングでは、曾根崎雅人は海外へと、捕まった刑務所の中での仙堂が、またもや告白本を書き出版するという、しかし、連続殺人事件でヤクザの親分の妻が殺され、その恨みから、親分・(岩城滉一)の子分の早乙女太一が、鉄砲玉として刑務所の掃除夫に化けて、ナイフで突撃するところで終わるという、これも日本らしくて良かったのかもしれませんね。

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昼顔★★★

2017年06月12日 | アクション映画ーハ行
2014年に放映され人気を博したテレビドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち」の劇場版。それぞれ妻、夫がいる身でありながらも激しく惹(ひ)かれ合ってしまった男女が、一度は引き離されるものの再び禁断の愛に身を投じる。テレビ版に続いて、監督を西谷弘が担当し、上戸彩と斎藤工が主人公の二人を熱演。伊藤歩、平山浩行らが共演する。
注意:全篇ネタバレにて書いております。

<感想>TVドラマ観てましたね、それに、再放送まで毎日観てました。どっぷりと浸かってしまって、夫のいる身で不倫はいけないことですが、自然の流れで知り合って、夫にはない男に惹かれてしまうのは誰にでもあると思います。ですが、それを心の中にしまい込んで、子供がいれば尚の事です。確かに、結婚生活ってそんなに夢に描いたように幸福の絶頂とはいえないもので、子供が生まれれば子育てに夫の世話と家事全般。子供の教育にお金が掛かれば昼間はパートで働くのは当たり前です。もともと経済的に夫が稼いでいればパートに行かないで家庭のことと、習い事とか外へ出かけて気晴らしもできるのでしょうがね。

女性の憧れのような昼メロの「昼顔」での物語の展開では、不倫がバレてしまいお互いに二度と会わないことと制約されてしまい、どうしても離婚という結果になるのが当たり前のこと。きっと、TV版を見ていない人には、ただただこの二人は不倫関係なのか、現在TVで賑わしている芸能人たちの夫婦とか、そんな感じで鑑賞してしまう。

しかし、この映画の2人は、理屈では分かっていても本当に心底好きになってしまい、お互いの伴侶に知られてしまって別れることになった時には、まだ二人には肉体関係はしてなかったんですね。

だから、本当に純真に愛してたわけで、その後が描かれていましたが、女性の紗和の方が離婚となり、一人で田舎に引っ越しをして、アパートを借り昼間はパート勤めをしていました。

それが、偶然なのか、ドラマなのか、紗和の引っ越し先に「蛍の研究発表」で、彼の北野裕一郎が講演で訪れるとは思ってもみなかったことであり、それが会場で彼が紗和を見つけてしまう。そこで、再会してもお互いにまた会うことを約束したわけではない。

ところが、紗和のパートの休みの日に、蛍が生息している川へ遊びに行き偶然のごとくまた彼と出会ってしまうんですね。おそるおそる、二人は近づくもまた約束することもなく、同じバスに乗り帰るわけですが、どういう訳か、次の日曜日もまた彼が川にやって来る。

これは、二人の愛がまだ消えてなくて、再びヤケボックリに火が付いてしまい、二人の間は再び燃え上ることになるわけなんですね。そのことを、彼の妻・乃里子に感ずかれてしまい、怪しむ妻は夫の後を付けて行きます。やっぱりあの女とまだ縁が切れてなかったことを知り激怒するわけ。女の嫉妬は怖いですね。

この物語の展開は、その妻の嫉妬により、わざとマンションの上から転落して自殺未遂を起こし、運よくというか片足だけ骨折という。車いすの妻に同情して、休みの日には今度は妻の元へと甲斐甲斐しく通う夫。

そのことを紗和も感づいてか、北野の後を尾行してマンションへ行き、乃里子の車に乗って笑っている北野の顔を見て、悔しさよりも裏切られたと泣きます。

それでも、自分の元へ帰って来る北野に、まだ愛が残っている紗和は信じて部屋でじっと待ちます。

そんな時に、昼間のパートをしているレストランのオーナーが、紗和に近づき「好き」だと、付き合わないかと誘って来る。心が空虚で悲しみにくれていた紗和は、その男と釣りに行ったりして笑顔が戻る。ですが、そのオーナーには、調理場で働く奥さんがいて、他の男と不倫をして出て行ったが、戻って来たという妻がいるんですよ。ちょっと、この男女関係のトラブルは、純愛の物語に水を差しているようなもんでダメでしょうに。

北野は、やはりきちんと離婚届けを出さないとダメだと、妻の元へ帰り離婚届にサインをしてもらう。ですが、その後が悪い。紗和に対しての復讐なのか、車で紗和の住んでいるアパートまで送って行くというのを、馬鹿な夫が乗り込んでいくものだから、途中でスピードを上げて激突事故。

夫の北野裕一郎は死亡、妻の乃里子は軽症ですんでケロっとしている。これは絶対に警察が、きちんと調べなくてはと思いましたね。ですが、警察は愛人である紗和に北野裕一郎の遺体を見せて、まだ離婚の手続きをしていなので、遺骨も葬式も妻の乃里子の元へと。
そして、見も心もボロボロに傷つき死にたい、生きていても辛いから死にたいと、電車の線路にヒールが挟まり、裸足で線路をよろよろと、倒れてそのまま電車が来る。誰も助けてはくれません。ですが、紗和の心に生きたいという希望のようなものが芽生えたのか、ホームに這い上がって助かるのですね。
その後に、妊娠が分かり、お腹に彼、北野裕一郎の子供が宿っていると、これは紗和に北野裕一郎の魂である希望と、勇気を与えてくれた。ですが、肝心の指輪のことは、紗和があの川にある標本箱の中に隠してあることを知らなかった。しかしですよ、私には、二人の想いでの川に紗和がやって来て、標本箱の鍵を壊して、指輪を見つけるという展開の方が良かったと思った。
一途に北野裕一郎を愛する紗和を演じた、上戸彩さんの演技がとても良かった。それに相手の北野裕一郎に扮した斎藤工さんは、いつもはエロっぽい悪な男を演じてましたが、今回は純愛という気弱な男に扮して、これも似合ってました。
ラストは、子供たちが川遊びをしているシーンが、朽ち果てた箱の中から指輪を見つけて、男の子が自分が好きな女の子の指に、裕一郎が紗和にプロポーズをするために買った指輪をはめて上げるという終わり方です。

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パトリオット・デイ ★★★★

2017年06月11日 | アクション映画ーハ行
2013年に発生した、ボストンマラソンを標的にした爆弾テロを題材にした実録サスペンス。世界を震撼(しんかん)させた同事件の解決に奔走した者たちの姿を追う。監督は、『バーニング・オーシャン』などのピーター・バーグ。『ディパーテッド』などのマーク・ウォールバーグ、『COP CAR/コップ・カー』などのケヴィン・ベーコン、『バートン・フィンク』などのジョン・グッドマンらが出演。事件当時の実際の映像も盛り込み、緊迫感をより際立たせている。

あらすじ:2013年4月15日。アメリカ独立戦争開戦を記念して毎年開催されるボストンマラソンで、ギャラリーの歓声を受けながら多くのランナーが疾走していた。そしてすさまじい爆発音がとどろき、煙が吹き上がる。街がパニックに包まれる中、FBIは爆発をテロと断定。ボストン警察のトミー(マーク・ウォールバーグ)は、捜査の指揮を執る捜査官リック(ケヴィン・ベーコン)らFBIとぶつかり合いながらも共に犯人を追う。やがて、黒い帽子の男と白い帽子の男の存在が捜査線上に浮かび……。

<感想>最大の危機は、最大の奇跡を生む――。50万人の観衆で賑わう、ボストンマラソンを襲った爆弾テロ。犯人特定から逮捕までの驚くべき102時間を描く、奇跡の実話もの。実際の事件を描いているので、展開も結末も既に知っているわけだが、それでも始終ハラハラ、ドキドキで観れたので、かなり良く出来ていると言っていいでしょう。

2013年4月15日、独立戦争開戦の記念日であり愛国者の日ともいう。そして、ボストンマラソン爆弾テロ事件が起きた日でもある。死者3名、負傷者264名をだした凄惨な事件を、発生後わずか102時間でスピード解決をした捜査の全貌を描いている。
派手さに偏らないで、見せ場の連続も渋いし、「ローン・サバイバー」「バーニング・オーシャン」に続き、3度目のタッグとなるピーター・バーグ監督と主演のマーク・ウォールバーグが、得意の実録ドラマで抜群のコンビネーションを見せている。

大勢の見物客で賑わうボストンマラソンのゴール付近2か所で相次いで起きた大爆発。大切な人と過ごしていた市民の祝日は、一瞬にして悪夢に変わってしまう。再現されたテロ現場の惨状は、息を呑みます。テロリスト側も巨悪ではなくボストンに住む普通の移民として描かれている。それに、警察とテロの攻防を主軸にしながら、実際に起きた事件に巻き込まれた人々のドラマを描いた群像劇にもなっている。ですが、真の主役はボストンの町でもあると感じた。

事件発生から102時間で1000名を超える政府・州・地元の捜査官が投入されたが、生存者や家族、病院スタッフなど、市民ひとりひとりがなすべきことを果たしたヒーローだった。ボストンはアメリカで最も古い歴史を持つ街のひとつだが、地元愛の強さは全米屈指であり、外出禁止令にも市民は素直に応じたが、これは近年のアメリカにおいては異例の出来事であり、同じ思いで、街がひとつになったと言えるでしょう。

監視カメラから犯人像の存在を特定され、後がなくなったテロ実行犯の2人は、パトロール中の警官を襲って拳銃を奪い逃走します。その後、中国系の青年ダンを拉致してダンのベンツで逃走する。車の中で犯人たちは、ニューヨークで新たなテロを画策する。だが、ガソリンスタンドで給油している時に、中国人学生ダンが隙をついで車から逃げるのだ。驚く犯人はダンを追いかけるも諦めて、一人はダンのベンツに乗り、もう一人が別の車を盗んで、それに爆弾を積み込む。中国人のダンがガソリンスタンドの中で、警察に電話をして救助を頼む。

ベンツにはGPSが付いており警察も直ぐにベンツを運転している犯人の一人を見つける。すると、車から降りて来て銃撃戦となり、銃弾と犯人の手製の爆弾が飛び交う中、結局は一人に多数の警官に囲まれて、銃弾に倒れて死んでしまう。この時、犯人をもう一人の男が車で轢いて逃げていくシーンがあった。これが致命傷となったみたい。

思わぬアクシデントから深夜の住宅街へ逃げ込んだもう一人の犯人は、庭のある船の中へ隠れた。朝になり、犯人はニューヨークへタクシーで逃げうせたかと思えたのだが、庭の船に誰かいることに気づいた爺さんが警察へ電話をする。そして、迫りくる警官隊と激突。FBIの狙撃兵もやってきた。このシーンの両者の攻防は圧巻であります。結局は逮捕となったわけで、死刑が確定した。

わずか、4日間で解決したこの事件には、1000人以上の政府や州の関係者が動員され、犯人の特定に協力したと言うのだ。特に爆弾事件、および警察側の視点で描かれたこの映画をきっかけに、イスラム教徒への偏見や憎悪の増加、彼らを“悪”ととらえがちな風潮を懸念する声もあります。

特に、FBI特別捜査官のケビン・ベーコンが、ボストン警察とFBIの合同チームを指揮した立役者でもあります。巨大倉庫に設置した捜査本部。大量の物的証拠品を運び込み、事件現場を完全に再現する。

そこへ、ちょうど爆発現場近くにいたボストン警察のトミーこと、マーク・ウォールバーグが、監視カメラを見て白い帽子を被った男を見つける。もう一人は黒い帽子を被っていた。警視総監には、ジョン・グッドマンが、監視カメラに写った写真を公開捜査にかけるよう主張する。

それに、ベテラン警官のJ・K・シモンズは、犯人が逃げ込んだ住宅街を所轄とするウォータータウン。激しい銃撃戦のさなか、冷静かつ勇敢に行動して一人の犯人を捕らえるのに成功する。

撮影で最も苦労したという50万人を超える群衆であふれるボストンマラソン会場の再現である。実話の映像化に定評のあるバーグ監督は、主催者の許可を得て、2016年のマラソン大会の模様をカメラに収めたという。さらには、2013年の事件の時のアーカイブ映像を独自に入手し、ドキュメンタリー・タッチを随所に効果的に挿入して演出することで、映画全体にリアリティと説得力を与え好感度がアップしている。
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20センチュリー・ウーマン ★★★・5

2017年06月10日 | アクション映画ーナ行
『人生はビギナーズ』などのマイク・ミルズ監督が、自身の母親をテーマに撮ったヒューマンドラマ。1970年代末の南カリフォルニアを舞台に、3人の女性とのさまざまな経験を経て大人へと成長していく少年のひと夏を描く。思春期を迎えた息子を持つシングルマザーを『キッズ・オールライト』などのアネット・ベニングが演じるほか、『フランシス・ハ』などのグレタ・ガーウィグ、『SOMEWHERE』などのエル・ファニングらが共演。
あらすじ:1979年のカリフォルニア州サンタバーバラ、自由奔放なシングルマザーのドロシア(アネット・ベニング)は、15歳の息子ジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)の教育に頭を悩ませていた。そこで、ルームシェアしているパンクな写真家のアビー(グレタ・ガーウィグ)と、近所に暮らすジェイミーの幼なじみジュリー(エル・ファニング)に相談する。

<感想>前作の「人生はビギナーズ」では自分の父親をモデルにして物語を構築したマイク・ミルズ監督が、今度は自身の母親の想い出と自分の話であり、筋立てとしては如何にもこの監督らしいセラピー映画になっている。ですが、正直に言うと、CM的と呼ぶしかないスタイリッシュな画面作りがあまり興味が湧かないのだ。

何といっても、母親のアネット・ベニングが最高の出来で、ついつい彼女ばかりに目がいってしまう。彼女を囲んで同居している写真家のアビーに扮したグレタ・ガーウィグ、彼女は『フランシス・ハ』で有名になった女優さん。それに、「夜に生きる」で演技に芽生えた幼なじみジュリー役のエル・ファニング。
大統領がジミー・カーターで最後の年。翌年からは強いアメリカをスローガンに掲げたロナルド・レーガンが政権を握り、現在の格差社会が生まれる前兆が見え始める。この年は、現在に繋がる最初の年でもあり、パンクロックやニューウェーブが席巻した時代でもあった。
1970年代の後半、この母親は大恐慌時代の生き残りと、思春期の息子に言われているが、当時としては先進的なシングルマザーでもあるのだ。

主人公が55歳の働くシングルマザーのドロシア。15歳の息子ジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)と暮らしていた。抵当流れの物件を安く手に入れた屋敷は、二人で暮らすには広すぎなので、20代半ばの写真家のアビーと、元ヒッピーの便利屋ウィリアムが間借りしている。

40歳でジェイミーを生み、ほどなくして離婚。女手一つで育ててくれた母親を大事に思うものの、頑固すぎて気持ちがかみ合わなくて、ズレてしまうのだ。55歳のドロシアは更年期障害なのか、15歳の息子が反抗期ということもあり、昔のようには母親に接してくれない。それで、息子の将来を案じたドロシーは、2人の女性に自分の息子の助けになって欲しいと頼み込むんですね。

男の子だったら、同居人の男で便利屋ウィリアムがいるのに、どうして女性2人に任せるのだろう。そこが私には分かりませんでした。つまり、15歳なら女性に目覚めて、姉のような存在で年上のアビーに任せればOKではと、パンク・ロックで一緒に踊ったりクラブに連れて行ってくれるなど、大人の世界を覗かせてくれるから。

それとも同じ年頃といっても近所に住む2歳年上の、17歳のジュリーなら、遅かれ早かれセックスに興味を持っているころだし、相手には丁度いいと思っての事なのか。ところが毎晩のように息子の部屋に忍び込み、ですが、一緒に寝るだけでそれ以上は拒否。「セックスをすれば友情は終わる」と言われて悶々とする息子のジェイミー。
「ネオン・デーモン」でも新たな演技を見せてくれるエルちゃんだが、今回も17歳と実年齢に近い役ながら、こじらせ系の女の子を絶妙な感覚で演じきっている。ジェイミーとはセックスはダメと断っても、他の男とは寝ていて、妊娠したかもしれないと、検査器を買ってきて調べる二人。

もう一方のアビーは、子宮に異常があり検査の結果妊娠しない体にと。私には彼女たちの生き方に共感はできないが、それぞれ観客の女性には理解できる人もいるのではないかと。
監督はゲイをカミングアウトした父親と、その息子の物語を描いた「人生はビギナーズ」。本作では自身の母親を題材に「母と息子」のドラマを創造。深い愛情と自由な精神を持っていた母親の姿を、物語に投影しながら、迷いながらも成長していく息子の姿をリアルに描いており、共感と感動を誘います。ちなみに、アビーのモデルは、姉たちであり、ジュリーのモデルは複数のガールフレンドたちだとか。

母親を含め三世代を代表する3人の魅力的な、年上の女性が息子にほどこす男性教育が映画の主題となっているのも事実である。この時代にもかかわらず、男性がみなフェミニストで、マッチョな男が出てこないのも珍しいですよね。

ラストがいいですよね。あんなに息子を溺愛していたドロシーなのに、母親を卒業して若い頃にパイロットになりたかった夢を実現するべく、実業家と再婚して夢を叶えるのだ。それに、アビーも便利屋のウィリアムと恋仲になっていたこともよかった。
ナイーブでミニマムに見えたその世界観だったが、彼を取り巻く人々や、彼自身の身に起こった出来事は、ADHDや同性愛など、いわゆる世間のステレオタイプから外れており、必然的にマイノリティへの考えとなる。それは作品を重ねるごとに、描く対象を女性にフォーカスした本作では、彼女たちに向けた眼差しが、ジェンダーフリー的な女性観となって力強いメッセージを放っているといっていい。
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光 ★★★

2017年06月09日 | アクション映画ーハ行
第68回カンヌ国際映画祭ある視点部門オープニング作品に選ばれた『あん』の河瀬直美監督と永瀬正敏が、再び組んだ人間ドラマ。永瀬演じる弱視のカメラマンと、視覚障害者向けに映画の音声ガイドを制作する女性が、それぞれに光を求めて葛藤しながら心を通わせていくさまを描く。ヒロインには『ユダ』などの水崎綾女。『駆込み女と駆出し男』などの神野三鈴、『東京ウィンドオーケストラ』などの小市慢太郎、『許されざる者』などの藤竜也らが出演する。
あらすじ:視覚障害者向けに映画の音声ガイドを制作している美佐子(水崎綾女)は、仕事を通じて弱視のカメラマン雅哉(永瀬正敏)と出会う。雅哉の素っ気ない態度にイライラする美佐子だったが、彼が撮影した夕日の写真に衝撃を受ける。やがて症状が悪化し、視力を失いゆく雅哉を間近で見つめるうちに、美佐子は……。

<感想>永瀬が演じた主人公が、かつては名の知られた写真家であったこと。病により視力を失いつつある。彼が目の不自由な人が映画を楽しむバリアフリー映画のモニターとして活動していて、そこで音声ガイドの原稿を制作する美佐子と出会うのだが、中森(永瀬)は彼女の技術者としての未熟さをはっきりと口にして、制作過程で互いに強くぶつかるが、その度に距離を縮めていく。

実は、永瀬自身が写真家として活動をしており、そこには写真館を営んでいた祖父の存在が強く関係しているというのだ。その祖父が戦後、カメラを盗まれて廃業に至ったエピソードが今回、映画の中のモチーフとして使われているのだ。中森が大学時代の友達と飲み屋に行き、雑談をして帰る時に、道でつまずき転んでしまう。持っていたカバンに大事なカメラが道に散らかる。映像ではそのカメラを手に取って盗んで行く人間がいることを。

すかさず、中森はカメラを盗んだ犯人を割り出し、その友達の部屋を訪ねると、カメラのフイルムを現像していたのだ。「俺のカメラを返してくれ、それは俺の心臓と同じものだ」と罵声を浴びせる。卑怯な友達もいるもんだ。
と同時に、行方不明となった父の面影を探し続けている美佐子の役には、水崎綾女が扮しており、仕事だけに必死になり過ぎて若さゆえに負けず嫌いな部分も見えて来るのだ。その美佐子には、河瀬直美監督自身の生い立ちが強く投影されていると見て取れるのが分かる。
撮影は河瀬直美監督の故郷である、奈良で行われ、永瀬は「あん」の時と同様に、撮影前から中森のアパートに移り住んだ。前回と違うのは、弱視キットを付け、ほぼ見えない状態で暮らしたことだという。監督はこのような「体験」を俳優に負わせるが、役者にはそれぞれこれまでに培った経験値もあり、そこに信頼は置かなかったのだろうか。

しかし、永瀬は言うのだ、確かにこれまでの経験で身に付いたテクニックがありますから、それで弱視の人を演じようとしたら演じられます。でも、監督は、演技のテクニックって、無駄についた垢に過ぎない。今回の体験で、弱視キットを付けて2週間の間、アパートで暮らしてみて、ほのかに視界が残っているという状態で過ごして、美術部が用意してくれたテーブルと床の色の見分けがつかずに、何度がコップや皿をテーブルの上に置いたつもりが落としてしまう。弱視の人たちの家に行ってみて気が付いたことは、みなさんトイレに大切なものを置いているというのだ。大事なの物をトイレに置くって、もしかして泥棒が入ったら自分はトイレに逃げ込む気なのだろうか?・・・。

今回は特に、視覚障碍者の方たちとの交流が、生半可な気持ちでは演じられないという、真剣に向き合ったというのだ。目線を下に落とした状態の方が、実は見えているとか、何かの音に対して、顔だけ動くのではなく、上半身ごと動かし、耳を傾ける姿などは、綿密なリサーチから出て来る仕草だと感じました。

一番印象に残ったのが、中森が見えなくなる手前の段階を演技しているところ。それは薬を飲んでいるうちは、まだ見えるようになるんじゃないかと希望を持ってしまう。生きるためには今後何か仕事をしなければならず、しかし、どこかでカメラマンとしての仕事の夢も捨てきれない。その葛藤を演じている永瀬さん、電車の中で本当に見えなくなってしまうという場面では、その時がやってきたと怖くなる、隣にいる美佐子の手を握ってしまうのだ。その後は、路上で吐き、苦しむ中森の心境も映し出されます。

音声ガイドを仕事としている美佐子も、父親が失踪し、母親は認知症を患い田舎で一人で住んでいる。近所の人が毎日、母親の面倒を見てくれるが、ある日、徘徊をしていなくなる。その知らせを聞き飛んで帰る美佐子。

もしかして、いつも山の上で、母親と夕焼けを見て父親の帰って来るのを願っていたことを想いだして、そこへ行ってみると、母親はそこに立っていたのだ。まだ朝もやがかかって、太陽が出て来るところだった。美佐子はいまだに父親の疾走を受け入れてはいなかったのですね。どうして、母親を老人介護施設へ入れてやらないのか、一人で田舎で認知症の母親を置いておくなんて、私にはできない。

主人公の中森が、視界がどんどん狭まりつつある状況の中で、必死にカメラを公園で遊んでいる子供たちにカメラを向けシャッターを切る。美佐子の顔を手でなでて、輪郭をイメージしてゆく中森、そしてカメラを覗き込み、わずかに薄く見える美佐子を捕えてシャッターを切る。最後には、中森がふいにカメラを遠くに投げてやるという衝動にかられる。きっと、全盲になった自分には、もうカメラは諦めなければならないと。で、次に生きていくためにには、何か他の仕事を探さないといけない。映画のなかでは、二人が結婚するところまでは描いていない。だが、きっと美佐子と一緒にこれからの生活のために仕事を見つけることだろう。

この映画の中では、窓から差し込む太陽の光、夕日、朝日など、それは何故か弱視の人がそれを見ているような、肌色が黄土色に変わるような、太陽にもやがかかっていて、光は伝わってくるも曇っているのだ。見える健者の人が観る太陽や夕暮れの色とは絶対に違う色。

劇中映画の主演俳優・監督役は、藤竜也さんが演じており、認知症の妻をマフラーで首を絞め殺そうとする場面や、老老介護に疲れたのか、妻を介護するのに自分の心が止んでしまったのか、その主人公に「表現」に関わるヒントを与えるシーンが、強く印象に残りました。そして、音声ガイドというよりも、ナレーターとしての樹木希林さんの映像の中を説明するお話がとても分かりやすくて良かったですね。

確かに美佐子の音声ガイドの仕事も、目の見えない人のために映画の映像を言葉で説明するところ。その人にもよるが、余りにも明確に言葉でいうのではなく、やんわりと脚色して、弱視の人たちが言葉を聞き、頭で想像するようにと。しかし、視覚障碍者の方には、映画を観ながら音に集中して、音声ガイドを聞き映画のなかへと自分が入っていくような感じがするのがいいと言うのだ。全盲の人たちは、音に敏感であり、映画でも話す言葉に音響と、その他の雑然とした風の音とかを感じとって、映画を耳と心で愉しむという。そんな映画の楽しみ方も素敵だと感じた。

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夜明け告げるルーのうた ★★★

2017年06月08日 | アクション映画ーヤ行
「MIND GAME マインド・ゲーム」「ピンポン THE ANIMATION」「夜は短し歩けよ乙女」の鬼才・湯浅政明監督が、自身初の完全オリジナルで描く長編青春ファンタジー・アニメーション。田舎の港町を舞台に、塞ぎがちな少年が歌が大好きな人魚の少女との出会いを通して少しずつ心を解き放ち、やがて町に訪れた大きな危機に立ち向かっていく姿を、丁寧な日常描写と躍動感あふれるアクションで描き出していく。声の出演は人魚ルーに谷花音、少年カイに下田翔大。ほかに篠原信一、柄本明、斉藤壮馬、寿美菜子。
あらすじ:寂れた漁港の町、日無町。両親の離婚で東京からここに移り住み、いまは父と祖父との3人暮らしをしている中学生のカイ。鬱屈した毎日を送る彼にとって唯一の楽しみが、自作の曲を匿名でネットにアップすること。そんなある日、正体を知ったクラスメイトの国夫と遊歩に彼らのバンド“セイレーン”に誘われる。仕方なく練習場所の人魚島へ向かったカイは、そこで3人の音楽に合わせて楽しそうに踊る不思議な人魚の少女ルーと遭遇する。やがてそんなルーとの交流が、カイの凝り固まった心に変化をもたらしていくのだったが…。

<感想>本作は「夜は短し歩けよ乙女」に続くその2作目である。酔いと宵の京都ファンタジー・アニメを描いた前作にたいして、本作の舞台は、寂れた漁港の町、日無町。本来なら出会うはずの無い人間の少年と人魚の出会いと別れの物語を、巨大な岩で影ができる日無町という舞台でそれができる。そしてそれはカイの心の中も表している。斎藤和義の名曲である「歌うたいのバラッド」をはじめとする楽曲に乗せて、色彩豊かにつづっているのもいい。

心を閉ざした少年カイが、町の危機に巻き込まれながらも、歌が大好きな人魚の少女ルーと、絆を育む様子を躍動感たっぷりに描き出しているのがいいですよね。本作のテーマは、「心から好きなものを、口に出して“好き”と言えているか?」という疑問がこの物語の出発点だったそうですが、「好き」を隠さないこと。

目にするすべてに「好き」と言うのをためらうカイと人魚のルーの二人を軸に、好きなものにもすぐに「嫌い」と言ってしまうカイの友人、遊歩。昔の思い人への想いを断ち切れない、老婆などが抱くそれぞれの「好き」が、町の危機を通して解放されてゆく。
だが、やがて災いをもたらすとされている人魚の存在が、町の人々に知られてしまう。町の商工会議所である遊歩の父親は、その人魚を町おこしのために使って盛大に祭りをやろうと提案する。高校生の青春ものとは違っていて、何処かダークでバイオレントだった将来へのオリジナル作品と比べ、格段に明るく優しい本作であります。

しかし、その人魚がもたらす災いとは、それは宮崎駿さんの「崖の上のポニョ」とそっくりの作りで、海の母親がここでは父親のクジラ?だと思うのだが、娘を心配して港町へ出て来てびっくりさせるし、父親も大きな傘をさして太陽に当たらないように日陰を探して歩く姿は、まるで人間のように洋服を着ているのだ。

それに、人魚は太陽に弱くて死んでしまうというのだ。だから人魚島は、手前にある御蔭岩で日陰になっていて太陽にさえぎられている。人魚のルーも日傘をさして、いつも日陰を探して歩くというか踊っているのだ。

本作の見どころでは、港町に大嵐のような津波のような大波が押し寄せてきて、大洪水になり、人々は船に逃げたり高台へと逃げたりして大騒ぎになる。この辺なんて「崖の上のポニョ」とそっくりでありますからね。

最後が、波は引いていくのですが、クライマックスで日無町が日陰になっていた大きい御蔭岩はなくなるが、それは素直になったカイの心境でもあるように見えた。カイはルーと出会って素直になり、切なさよりも心地よさが感じられる。人魚島の手前の島が大波で削られて無くなり、だから、ルーと会えなくても寂しくは無い。人魚島は太陽に照らされて人魚が住めなくなるというお話。
それでも、監督特有の奇妙な空気感や、何よりよく動く映像と精巧な脚本で生み出されるクライマックスなどは、しっかり健在であります。これからも素晴らしい妄想や空想の世界を魅せてほしいものですよね。
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武曲 MUKOKU★★★・5

2017年06月07日 | アクション映画ーマ行
『日本で一番悪い奴ら』『怒り』などの綾野剛を主演に迎え、芥川賞作家・藤沢周の「武曲」を基に描く人間ドラマ。鎌倉を舞台に、境遇の違う2人の男が剣士として鍛錬を積み、本気でぶつかり合う姿を活写する。『私の男』や『ディアスポリス』シリーズなどの熊切和嘉が監督を務め、綾野と相対する高校生を、『2つ目の窓』などの村上虹郎が熱演。綾野の鍛え上げられた肉体も見どころ。
あらすじ:剣道5段の矢田部研吾(綾野剛)は、ある出来事により酒に溺れ、警備員をしながら何とか暮らしていた。彼の母親はすでに他界し、以前は“殺人剣の使い手”として名をはせた父親も入院中で植物状態だった。ある日、研吾はラップに夢中の高校生・羽田融(村上虹郎)と出会い、彼の中に父と同様の剣士としての素質を見いだす。

<感想>冒頭部分で、幼い頃より警察官の父親、小林薫による非情な剣道の教えで、一目置かれる存在となった矢田部研吾。成長した矢田部研吾の綾野剛が、警備員となって酒浸りの日を送っている。それには訳があり、父親の小林薫との親子関係が、かなり重く絡んで来る。つまり、父殺しの罪悪感をどう克服するかというところに、高校生、羽田融という若い好敵手が現れる話なのだが。

綾野剛と村上虹郎との対決が軸になっているのだが、熊切和嘉監督の作品は、映像効果があざといとして嫌う人もいるらしいが、今回では、その側面で、抑え気味であった。トラウマを抱えた若者二人の、剣道による対決がメインであります。

台風の洪水で溺死寸前の体験をしたチャラい若者、ラップに夢中の高校生・羽田融を演じる村上虹郎。そんな融の秘めたる剣の才能を見抜いた師匠、光邑師範は、研吾を立ち直らせるきっかけになるかもしれないと、彼のもとに融を送り込むのだったが…。

ですが、何といっても父親を植物人間にしてしまった、主人公の矢田部研吾の綾野剛が凄いのだ。悪いのは真剣勝負を強要する父親なのだが、虐待まがいの指導を受け剣道を教えられた研吾は、父親との確執の果てに罪を背負ってしまった。こういう無茶な身内を持つと子供は苦労をするという見本のようなもの。父親も自分の性格を見抜いて、息子にわざと負けて死んでやろうとでも思っていたのかどうか知らないが。それとも、剣道の達人となって強くなっている息子の腕の方が、父親よりも一歩上だったのだろうか。

剣を捨てて酒におぼれていく毎日を送り、病院へ父親の見舞いにいく息子。過去から逃げられずに苦しむ男。全身が傷口のような彼の生々しい色気に、息が詰まりながらも画面から目が離せなかった。彼女に前田敦ちゃんがちょい役で出演、酔っぱらった研吾にいいようにされている女の役で悲しい。

一番の見どころは、台風が接近してきたのか、夜の暴風雨の中での2人が対峙するところ。斜めに吹き付ける大雨の中、強烈な光が放つ綾野剛の顔である。

暗闇の中での二人の果し合いは、張り詰めた空気感の中で殺気を放つまるで殺しの現場のように見えた。トラウマに囚われた2人の男が、前に進むためでなく、その弱さゆえに体と剣を激しくぶつけ合うのだ。

ラストの後ろ向きに半身裸になり、背中の筋肉と腹筋の見事さの綾野剛の身体作りに感心した。それに、道場で剣道の防具を付ける所作は美しく、向き合う二人の清々しさに、これぞ剣道の教えなのではと思った。

他の出演者には、剣道の師匠である光邑師範の柄本明さんや、父親の小林薫さんの剣道の達人ぶりに驚いたし、北鎌倉の風景が鬱屈した空気が、逃げ場のない二人の苦悩を引き立てていた。

海岸の砂浜で竹刀を素振りする村上虹郎の凛々しさ、ホームレスのおじさんも出て来るし、矢田部研吾の父親の愛人だった小料理屋の女将の風吹じゅん、そしてそれぞれの母親たちもいい味を出していると思いました。

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PARKS パークス★★★

2017年06月06日 | アクション映画ーハ行
東京の武蔵野市と三鷹市にまたがる井の頭恩賜公園の開園100周年事業の一つとして制作された青春ドラマ。同公園と吉祥寺を舞台に、ひょんなことから出会った若い男女3人の姿を、数十年前に作られたある曲との関わりを交えながら追う。監督は『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』などの瀬田なつき。『リトル・フォレスト』シリーズなどの橋本愛、『俺物語!!』などの永野芽郁、『ヒミズ』などの染谷将太らが出演する。

あらすじ:吉祥寺で一人暮らしをする大学生の純(橋本愛)は、今は亡き彼女の父親の恋人だった佐知子(石橋静河)という女性を捜している高校生ハル(永野芽郁)に出会う。彼女と共に佐知子の行方を追うと、その孫トキオ(染谷将太)に遭遇。佐知子の遺品であるオープンリールテープを再生すると、彼女とハルの父・晋平(森岡龍)の歌声が。途中までしか録音されていないその曲を完成させようと純たちは奔走する。

<感想>東京・吉祥寺にある井の頭恩賜公園の開園、100周年記念映画で、公園にまつわる一つの曲が、過去から現在へと、そして未来へと繋がっていく青春音楽映画ドラマ。これは、地元の名物映画館のオーナーだった本田拓夫の発案を、「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」の瀬田なつき監督が映像化している。出演は、まず橋本愛が主人公だと思うのだが、昔の写真を手掛かりに大学生の純、橋本愛の部屋を訪ねて来る高校生ハルを演じた永野芽郁が主人公のような感じもした。

それに、写真の孫のトキオに扮した染谷将太他、大学教授に佐野史郎さんが出ていて、純の卒論が提出していないので留年とか、言うのだ。そこへ、50年前に住んでいた佐知子さんという女性を訪ねてきたのをきっかけに、そのことをテーマに卒論を書いてしまう。それに、写真の爺さん、婆さんが出演している。

井の頭公園のそばの古い木造アパートに住む女子大生の純の元へ、亡き父親の元恋人、佐知子・石橋静河を探す女子高生のハルが訪ねて来る。50年ぐらい前の写真で、つまり亡き父親と恋人と思われる佐知子も女子高生であり、公園で音楽活動をしていたらしい。50年前と言えば、日本でフォークソングが流行りだした頃で1970年代の四畳半フォークソングの先駆けですよね。

調べて行くうちに、元恋人、佐知子婆ちゃんはすでに亡くなっており、その孫のトキオ君が一緒に祖母の遺品となる音楽テープを渡される。なにしろ古いテープなので再生してみると、そこに録音されていたハルの父親たちのラブソングは、テープの劣化で途中で音が切れてしまうのだ。

橋本愛が自転車で自由に走り回る姿や、気取らずスッピン的な素顔で演技もいつもの自然体で良かった。中でも、ギターを爪弾きながら歌を歌う愛ちゃん、あまり上手とは言えないが、それなりに聞けた。

後、歌の間に入る染谷将太のラップは、何だか邪魔をしているようで、昔のハルの父・晋平と父親の恋人だった佐知子とのハーモニーは、とても上手くていい感じでした。
3人で歩く井の頭公園での緑に陽の光、風と池、映像が美しくて、それだけで心地よいのだ。

比べてみちゃ悪いが、ハリウッドのはじまりのうたを見た時は、とても楽しんだが、こういうのって、つまり女優が立派に歌って音楽を感じさせてくれること、街と音楽を一体のものとして描くこと、商業性とポップさへの無理強いに、断固とした意志としなやかな身のこなしで、叶うことなどはできないのだろう。

本作は公園の映画であり、音楽映画でもあり、もちろん青春映画でもある。多様な人々が集う憩いの場を描くには、もっと公園の中で、他のバンドも大勢演奏して賑やかなミュージカル映画にした方が良かったと思うのだが、結局は吉祥寺フェスにも出ると張り切っていたのだが、出場を断念してしまい最後の方で、公園で純がボーカルで歌うシーンで、終わるのは寂しい。

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