パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞、未公開DVD、お気に入り自己所有のビデオ・DVDの感想などネタバレ有りで記録しています。

ひるなかの流星★★★・5

2017年03月28日 | アクション映画ーハ行
やまもり三香の少女漫画を実写映画化した青春ラブストーリー。東京の高校に転校してきた田舎育ちの女子高校生が、担任教師と女嫌いの同級生の間で揺れる姿を描く。監督を『四月は君の嘘』などの新城毅彦、脚本をテレビドラマ「失恋ショコラティエ」などの安達奈緒子が務める。ヒロインを『俺物語!!』などの永野芽郁、彼女が恋に落ちる担任教師を『カノジョは嘘を愛しすぎてる』などの三浦翔平、ヒロインの思いを知りながらも彼女を好きになるクラスメートを GENERATIONS from EXILE TRIBE の白濱亜嵐が演じる。
あらすじ:田舎育ちの高校生・与謝野すずめ(永野芽郁)は、両親の転勤がきっかけで、東京の高校に転校する。面倒見のいいイケメン担任教師・獅子尾五月(三浦翔平)に、生まれて初めて恋心を抱く。獅子尾も彼女の真っすぐな性格に同じ思いを抱くが、自分の立場を考えるとなかなか素直になれなかった。一方、不愛想なクラスメートの馬村大輝(白濱亜嵐)は、すずめのことをうっとうしいと思うが、いつしか彼女に惹(ひ)かれていき……。

<感想>女子中高生から“初恋のバイブル”として支持を集めた、やまもり三香の人気コミックを映画化した青春ラブ・ストーリー。素朴で真っ直ぐなヒロインの田舎娘、与謝野すずめに扮している永野芽郁ちゃん、スッピンで可愛いし、純な性格が凄く良かった。その彼女を巡って火花を散らす、イケメン二人を演じた、三浦翔平&白濱亜嵐が恋敵役で初共演!
恋の勝者は先生か、同級生なのかが、見どころの一つですね。しかし、実際の2人はまるで仲良し兄弟のように、ほんわかムードなのでした。

確かに、担任の教師がイケメンで、自分のおじさんの友達の獅子尾さん。気軽に自分のことをチュンチュンって、あだ名を付けて呼んでくれて好感度バッチシですからね。三浦翔平くんが扮していて、最高にいい男なので女の子なら、誰でもがイケメンの先生に恋をしたことがあるのではないかしら。

それにしても、同級生の馬村大輝に扮している白濱亜嵐君の色白で素敵ですね。一見クールで、本当は女子と話すのが極端に苦手な馬村くん。初めはつっけんどんで冷たく感じるが、馬村はすずめが担任の獅子尾先生への思いを知りながら、その内にすずめが気になり出して、スキになっていくって、展開です。

そして、女子の同級生に山本舞香がいるのだが、馬村(白濱亜嵐)くんのことが大好きで、すずめに接近してきて意地悪をする。酷いのが、クラブで山へみんなで行った時に、田舎育ちのすずめは、渓流釣りが得意で魚を釣り喜んでいると、隣にいた馬村がてんでダメなので教えてあげる。それを見ていた山本舞香が、そばに来てすずめに「薪小屋へ集合」っていってたよと、嘘をつく。

素直に信じたすずめは、一人薪小屋で待っている。その内暗くなり雨が降ってきて、身体が濡れて風邪を引いてしまう。そこへ、馬村くんが来て、自分の上着を着せて、どうしようか迷っていると、またもや助っ人の獅子尾先生が来てくれて、熱のあるすずめを背負って山を下りる。この先生は、すずめが困っている時に、ピンチを救ってくれるというとっても優しい男なんですね。

だんだんとすずめは、獅子尾先生に恋を募らせて行き、「好きです」と先生に告白してしまう。だって、先生が後ろからバックハグをしてくれるし、すずめの獅子尾先生を好きな気持ちが、傍で見ていても分かるくらいだから、おじさんもすずめの気持ちを知り、友人である獅子尾に忠告をするのだ。

獅子尾は大人だし先生だから、ヒロインのすずめに対して超えちゃいけない一線っていうのがある。だから、2人のキスシーンでも、じらしちゃって口びるを合わせないんですね。でも、すずめのことが大好きだっていうせめぎ合いがあって、実は人間味のある人なんです。
だから、一度はきっちりと、身を引いても、ラストの体育祭でのクラス対抗リレーで、馬村と獅子尾のアンカー争いは見応えありましたね。本気モードでダッシュしてましたもの。どちらが勝ったかは、映画を観てね。

同級生の白濱亜嵐君も、すずめが先生のことを好きなことを知っており、でも、先生に対抗して「教え子と恋をするか」と、ハッキリと言うんですから。しかし、クラスメートの山本舞香が、馬村のことが大好きで、馬村がすずめのことがスキなのを知ってていても、自分から告白する。悲しいかな、馬村に断られてしまうシーンもあります。

途中から山本舞香の進めで薄化粧をして、髪の毛もお下げ髪を肩まで垂らして、とっても綺麗な女の子に変身するシーンもあり、獅子尾先生も馬村君もすずめを見直します。
ラストシーンで、すずめが獅子尾先生に自分の気持ちを正直に言い、馬村のところへ戻って来る。そのシーンで、馬村の上になりキスシーンがある。今時の女子は、男性が弱いと自分の方からキスをおねだりすることもあるって、ね!
満員の女子高生の観客の中で、大人の人が観ても忘れかけていた、青春時代を思い出しながら、すずめの恋の成就に胸がキュンキュンでした。

2017年劇場鑑賞作品・・・67アクション・アドベンチャーランキング
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キングコング:髑髏島の巨神★★★★

2017年03月27日 | アクション映画ーカ行
1933年に製作された特撮映画の古典「キング・コング」を筆頭に、これまでにも数々の映画で描かれてきたモンスターの王者キングコングの起源を、コングの故郷である髑髏(どくろ)島を舞台に描いたアドベンチャーアクション大作。
あらすじ:神話の中だけの存在とされてきた髑髏島が実在することが判明し、未知の生物の探索を目的とする調査遠征隊が派遣される。島内に足を踏み入れた隊員たちは、あちこちに散らばる骸骨や、岩壁に残された巨大な手跡を発見する。やがて彼らの前に、神なる存在である巨大なコングが出現。隊員たちは為す術もなく、凶暴な巨大生物から逃げ惑うが……。
「マイティ・ソー」シリーズのトム・ヒドルストンが調査遠征隊の隊長コンラッド役で主演を務め、「ルーム」のブリー・ラーソン、サミュエル・L・ジャクソン、ジョン・C・ライリーらが共演する。

<感想>キングコング復活!、またかと言うなかれ。というのも今回の歴代コング映画の中でもとびきりエキサイティングであった。1973年ベトナム戦争終結直後、米国の秘密組織もナークが、地図にない島を南海に発見。髑髏島と名付けた島で、未知なる生命体を見つけようとする調査隊は、ベトナムから撤退したヘリコプター隊と共に現地へ。

この辺がまさに「地獄の黙示録」を彷彿とさせる場面であります。そこで彼らを待ち受けていたのは、想像を絶する巨大なモンスターたち。調査隊は決死のサバイバルを強いられるのだ。

冒頭で、いきなり姿を現すコングのデカさにド肝を抜かれる。大きくなったのには、もう一つ理由があるのだ。すでに明らかになっているように、このコングはいずれは“ゴジラ”と戦う予定になっているからなんですね。

それに、これまでのコング映画と異なり、コングはNYで大暴れしませんから。舞台はコングの故郷。髑髏島オンリーであり、永久暴風圏内にあり、何が出て来るか分からない中を進む調査隊もドキドキもんです。調査と称して密林を焼く討ちにし、ナパーム弾も使う米軍の戦いは、音楽こそ流さないが、さながら「地獄の黙示録」と言っていいでしょう。
過去作品に比べて、今回のコングはサイズがデカイ。米軍の武装ヘリは、殆どコングの手の平サイズで、ハエをはらうかのようにヘリを叩き落とし、虫けらのように人間を踏み潰す。しかも、成長期にあるコングは、まだまだビッグになる可能性も秘めている。

そして、髑髏島に棲息する巨大生物はコングだけではない。沼地に寝ている水牛、鋭い脚で人間を突き刺す“巨大クモ”、一見枯れ木のような“バッタ”もジャイアントである。

極め付きは、コングや人間を脅かす巨大トカゲ軍団の、スカル・クローラー。こいつらが次から次へと現れて人間を襲ったり、コングと戦ったりするんだからスリル満点ですよ。まさに手に汗握る展開で、なるほど正しい怪獣映画を観たという気分にさせられます。

本作では元英国特殊空挺部隊(SAS)で、ベトナムに派遣された米兵にジャングル戦とサバイバル術を教えていたジェームズに、トム・ヒドルストンが。

彼は「マイティ・ソー」シリーズのロキの印象が強いので、華奢なイメージがありますが、タフな一面もあるのを初めて知った感じで、リーダーとしても頼りがいがあるし、逞しい肉体は女性ファンの目を虜にしそうですね。
政府の秘密組織モナークの一員で、今回の調査隊を仕立てた張本人のビル・ランダにジョン・グッドマンが。

そして「キングコング」の映画には、必ず美女が出て来るが、ここでもカメラマンのメイソン・ウィーバーに、あの「ルーム」でアカデミー主演女優賞を獲ったブリー・ラーソン。彼女もアメコミ映画「キャプテン・マーベル」への主演が決まっているし、オスカー女優になっても気取らないところが好感度が高いですね。「コングと美女」の取り合わせは定番ですが、今までの映画とは立ち位置も関係性も違うので、そこに注目してもらいたいですね。

軍人たちのリーダーは、またこの人か、と言う感じもあるが、ベトナムで数々の軍功を上げた歴戦の勇士、パッカード大佐にはサミュエル・L・ジャクソン。安定のキャスティングと言おうか、今回は戦いの中でしか生きられない生粋の軍人。ベトナム戦争が終わって行き場を見失いかけていたところを、今回の任務に飛びつき、部下を殺された憎しみをコングにぶつけるという役どころ。やっぱり彼が醸し出す迫力は凄いもんね。

そうそう、冒頭で第二次大戦中に、偶然にこの島に不時着した日米のパイロット。日本兵に扮しているのが、俳優としても活躍する世界的ギタリスト、MIYAVI(左)が、日本兵役としてカメオ出演。役名がグンペイ・イカリ。この名前は、監督が「新世紀エヴァンゲリオン」のオタクだそうで、この名前にしたとか。

エヴァだけではない。宮崎駿率いるスタジオジブリへのオマージュまで捧げられている。髑髏島に先住民族と28年も過ごしていた米軍パイロットのハンク・マーロウには、ジョン・C・ライリーが、グンペイから日本刀を受け継いでいるのだが、そこにはある紋章が刻み込まれている。それは、「もののけ姫」で主人公サンが扱う刃物に刻まれている紋章と同じだというのだ。

そこから全編ハイテンションが持続するんですから、人間対コング、人間対モンスター、コング対モンスターと、往年の怪獣映画の醍醐味も盛り込みつつ、怒涛のアクションでたたみかける素晴らしさに驚かされます。とにかく、キングコングが真のコングとなる闘いの始まりを、しかと目撃せよ!!
2017年劇場鑑賞作品・・・66アクション・アドベンチャーランキング
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3月のライオン【前編】★★★★

2017年03月25日 | アクション映画ーサ行
羽海野チカの人気コミックを、2部作で実写化したドラマの前編。家族を亡くして孤独に生きてきた17歳のプロ棋士が、ある3姉妹と心を通わせながら厳しい将棋の世界を突き進む。メガホンを取るのは、『るろうに剣心』シリーズなどの大友啓史。『るろうに剣心』シリーズにも出演した神木隆之介、『映画 ビリギャル』などの有村架純、『ヒミズ』などの染谷将太、テレビドラマ「カインとアベル」などの倉科カナらが出演。緊張感に満ちた対局シーンに目を奪われる。
あらすじ:幼少期に交通事故で両親と妹を亡くした17歳のプロ棋士、桐山零(神木隆之介)。父の友人である棋士・幸田柾近(豊川悦司)に引き取られるが、そこから離れざるを得なくなってしまう。以来、東京の下町で一人暮らしをする彼だったが、川向こうに暮らす川本家の3姉妹のもとで一緒に食事をするように。彼女たちとの触れ合いを支えにする桐山だったが……。

<感想>原作コミックは未読ですし、TVアニメも見ていません。ですが、前の「聖の青春」を見てとても感慨深くこういう人生もあるのだと思いました。将棋の事もあまり知らないので、将棋の対局の場面になるとチンプンカンプンで、「聖の青春」では、場面ごとに観客にもわかるように丁寧に描かれていて面白かった。
ですが、こちらは、どちらかというと、主人公の零が小学校の3年生の時に、交通事故で家族を亡くし、突如現れた父親の親友である幸田に「君は将棋が好きか」と聞かれ、零は「はい」と答え、何処にも居場所のない彼は、そう答えるしか生きる術はなかった、つまりウソなんですね。やがて幸田家で暮らすことになった零は、養父の幸田に認められ、振り向いてもらうには将棋が強くなることしかなかった。そういう、人の顔色を窺いながら自分の本音も抑え込んで生きてきた少年零の成長を描いている。

幸田家では、姉の香子と弟の歩も将棋をしておりプロを目指していた。だから零が将棋が強くなるのを、妬み悔しがり虐めるという過酷な生活を強いられ、彼が将棋を好きと言えないのは、自分が将棋に打ち込めば打ち込むほど、幸田家の人を不幸にしてしまったからだと思ってついには家を出て行く。

桐山が叫ぶ「俺には将棋しかないんだ、後戻りはできないんだ」という苦しさに気づく瞬間。努力をしても報われる保証のない、シビアな勝負の世界を生きる人間の孤独。そんな孤独を抱えながら、安住の場所である“三日月堂”があるからこそ、孤独に耐え忍んで将棋にまい進する。それに、高校の担任の教師村田先生(高橋一生)もさりげなく零を応援する。

彼の収入は、自分でプロ相手に将棋の世界で勝ち進んで、賞金を稼いでその金で生活をしている。だから食事は殆どがカップラーメンという生活の中で、彼が棋士として養父の幸田と対戦をして勝った後で、友人に誘われ無理やり酒を飲まされて道端に倒れているところを、親切な娘の家族に救われる。その時に、零が酔っぱらいながら道端で言うセリフに「お父さん、ごめんなさい」がある。

零の存在によって家庭が崩壊していく幸田家と対照的なのが、孤独な零とひょうんなことから知り合い、彼を迎え入れて家族のように接する川本家は、勝負の世界に生きる零が、ホッと息をつける温かさに包まれている安らぎの場所。

川本家の長女であるあかりが、零が道端で泣いて「お父さん」という言葉に心が動き、実は川本家もお父さんのことで問題を抱えている家庭なんですね。それからは、その家族と仲良くなり、食事も栄養のあるものを食べるようになり、家庭の温かいさも知り益々将棋に熱が入るようになる。

目指すは頂点に上り詰めたいと、島田開の研究生となり、師匠として将棋を指導してもらうのだが、島田は持病の胃痛が欠点でもあり、対戦中にキリキリと胃が痛み出す苦痛の島田棋士を演じる、佐々木蔵之介が上手い。

上へあがるようにと友達の二海堂、染谷君が演じていた故・村山聖だと思うが、持病に苦しむ太ったむくんだ男を染谷くんが演じている。よくよく見ていても、彼と分からないほど顔が変わっていて、太ったわけではなく、上手く顔と体に肉付けしたらしい手法。松山ケンイチが体重を増量して頑張った村山聖とは大違い。

そして、零が反発するコワモテの先輩棋士・後藤には、伊藤英明が扮しており、幸田家の姉、香子が愛人となり悪女有村架純に驚く。

後藤は病気の妻のいる身であり、零に対しても無礼極まりない先輩棋士である。彼と勝負して是が非でも勝ちたいと思う零、それには上段に上がらなければ対局できないのだ。

例えば、すべての棋士が目標にする天才棋士・宗谷冬司にしても、原作では神様的な超越した存在に描かれていて、この役を加藤亮が扮してまさに羽生名人と言える静かな演技が上手い。

佐々木蔵之介扮する島田と伊藤英明扮する後藤との対局では、合間におやつタイムがあり、干し柿を食べる島田に対して後藤も甘いものを食べるシーンもある。この対局では、後藤の勝利でしたね。それに、島田と桐山零の対局戦もあり、完全に零くんの負けがありありであった。
ですが、宗谷は神様ではないということ、実は零くんと幸田家の子供たちは、昔、幸田と宗谷が対局して幸田が破れた瞬間を見ている。そこから幸田家の中で何かが狂っていったと思うわけで、零君が運命に導かれてやがて天才棋士・宗谷と向き合うことになるのは後編ですかね。

ですが、零は宗谷を倒したくて将棋をしていたわけではなく、自分が生きるために将棋をやっていた分けで、棋士として生きていく先に天才棋士・宗谷がいた。ラストの土砂降りの雨の中での横顔が、宗谷自身もその運命の中にいる人と捉えているように見えた。
それに、新人戦でのクライマックス、桐山零とスキンヘッド山崎順慶・五段との勝負はどちらに軍配が?・・・これは零君の勝で決まりでした。

マンガ的な過剰さを活かしつつも、盛り込み過ぎると思うほどドラマを作りながら、演出は逆に抑え気味にすることで、絶妙な調和を見せている。それに、奇をてらわない対局描写、あまり将棋の盤の上での駒の動き方を、多くは見せないところも、どっちが勝ってるのか、置いてけぼりにするのも良かった。これは、将棋が好きだとウソをついた少年が、最後には将棋が好きだと思えるようになる物語なのであります

2017年劇場鑑賞作品・・・65アクション・アドベンチャーランキング
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パッセンジャー★★★・5

2017年03月24日 | アクション映画ーハ行
航行中の宇宙船を舞台に、目的地到着前に目覚めてしまった男女の壮絶な運命を描くSFロマンス。宇宙空間で生き残るすべを模索する男女を、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』などのクリス・プラットと『世界にひとつのプレイブック』などのオスカー女優ジェニファー・ローレンスが演じる。『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』などのモルテン・ティルドゥムが監督を務め、『プロメテウス』などのジョン・スペイツが脚本を担当。

あらすじ:近未来、5,000人を乗せた豪華宇宙船アヴァロン号が、人々の移住地に向かうべく地球を出発。到着までの120年、冬眠装置で眠る乗客のうちエンジニアのジム(クリス・プラット)と作家のオーロラ(ジェニファー・ローレンス)だけが、予定より90年も早く目覚めてしまう。絶望的な状況を打破しようとする二人は、次第に思いを寄せ合うものの、予期せぬ困難が立ちはだかり……。

<感想>新たな惑星に移民をするため宇宙船内で120年の冷凍睡眠に入った5000人の乗客。90年も早く目覚めた2人の男女が、いや、初めはロウアーデッキ(エコノミー)の乗客であるエンジニアのジムがだけが、予定より90年も早くに目が覚めてしまった。途方にくれるジムには、筋肉ムキムキイケメンのクリス・プラットが演じており、一人孤独と戦っている内に、宇宙船内を散策して歩き、アンドロイドであるバーテンのアーサー(マイケル・シーン)に愚痴をこぼしながら一人宇宙船で死ななければならないのかと悲観に暮れる。

ところが、冷凍睡眠ポットを見て回る内に、自分で治せないものかと試してみるもダメ。それでは、ポットのなかで自分好みのいい女を見つけて、作家のオーロラ(ジェニファー・ローレンス)を眼覚めさせてしまうのだ。エンジニアなので、そういう知識もある。

ファーストクラスのオーロラが目覚めて、ジムと会話をしていくうちに、2人きりなので急速に仲良くなっていく。朝食や夕食などもファーストクラスのオーロラの場所で愉しむ二人。地球にいれば出会うはずのない2人なのに、広大な宇宙空間の中で愛を育んでいく。

宇宙船内の素晴らしいこと、中でも2つのサウンドステージを合わせた広大なスペースに、未来型の5階建てショッピングモールを想定して、建設された娯楽エリアは壮観です。音楽に合わせて2人でダンスをしたり、バスケをしたりと、未来と過去のイメージが融合したデザインが美しい。

それに船外へ宇宙服を着てランデヴーなんて、星のまたたく宇宙で2人で遊泳しながらですよ。それに、オーロラがスイミングをするプールも素敵ですね。ですが、危険な状態、無重力状態になった場合には、水の塊のなかにオーロラが入って息が出来なくなり仮死状態になってしまうという場面もある。

つまりラブストーリーなんだと思ってたら、バーテンのアーサーがオーロラにジムが一人でここで生きるのが辛いので、オーロラを起こしてしまったと話すのですね。

それを聞いたオーロラは、怒り心頭で口を利かないし、ジムを軽蔑してしまう。折角愛を育んだ中なのにね、これも男のエゴなんでしょうかね。それとも、女のエンジニアが先に目覚めても、同じ結果になったことでしょう。所詮、この世は男と女、若ければなおのことです。

ですが、その一方で宇宙船は日に日に故障やエラーが多くなり、システムが安定して稼働しなくなっていた。しばらくして、クルーの一人で甲板長であるガス(ローレンス・フィッシュバーン)が目覚める。フィッシュバーンは、ほんの少しの出番ですから。
ガスは二人の置かれた状況を理解し、宇宙船アバロンを直そうと行動を開始します。しかし、ガスのカプセルに不具合があったためなのか、ガスの体調はとても悪く、余命宣告をされて程なくして死んでしまう。

ガスが死んだため、喧嘩をしていた2人が、宇宙船アバロンの故障を直さなければならないと、二人は協力して原因を捜査する。その結果、リアクターの故障が原因であることが分かった。

予告であった「俺たちが目覚めたのには理由がある。」というセリフのシーン。
隕石による故障が原因でジムが目覚めてしまったというのなら、あのセリフはなんなんだろうか。何千回とテストを繰り返してきた宇宙船のわりにはモロすぎる。結局はその隕石によって船内に穴が開き、2人で治すという大事な仕事があったからなのか。それにしても、クルーが258人も乗っていて、誰一人冷凍睡眠ポットに入っているとは、先に目覚めるのはクルーだろうが、これが不思議なのだ。

船外へ出て排熱弁を操作してと、しかしリアクターの中の弁の開け閉めが効かず、そのまま体に放熱を浴びるベン。船外へとそのままはじき飛ばされてしまう。オーロラも船内でジムの仕事を見ていたが、放射熱の凄さに船内の温度は高温に達し、ジムが船外へ弾き飛ばされたのを見て助けにいくオーロラ。
もう喧嘩をしている場合じゃない。彼を助けて挙げようとスーツを着て宇宙遊泳をして、ロープの切れたジムを助けて船内に戻り、医療ポットに入れて蘇生する。息を吹き返したジムとオーロラ、実は、あの医療ポットを使えば冷凍睡眠モードになるというのだ。ですが、一人しか入れない。どうなったかというと、ラブロマンスなんですね。
また仲良くなりアーサーも元通りに直して元気になるし、このまま2人で船内で共に生きていくようですね。でもオーロラが妊娠をしていて子供が出来たりして、その子供が宇宙船内で生き残って、ラストでは、宇宙船アヴァロン号がホームステッドへ到着直前に乗客とクルーが目覚めて、船内には緑が広がっていたという目出度しのラストでした。

2017年劇場鑑賞作品・・・64アクション・アドベンチャーランキング

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ホームレス ニューヨークと寝た男★★・5

2017年03月23日 | アクション映画ーハ行
ニューヨークで6年近くホームレス生活を送る、52歳のファッションモデル兼フォトグラファーの男性を取材したドキュメンタリー。スマートに高級スーツを着こなす男性が、雑居ビル街のとある建物の屋上で暮らす様子に3年にわたって密着する。監督は、自らもモデルであり企業などのプロモーション動画やスチール撮影を手掛けるトーマス・ヴィルテンゾーン。音楽を、クリント・イーストウッドの息子であるカイル・イーストウッドが担当。家を持たないという手段を選び、激しい競争社会をサバイブする男の生きざまが見どころ。
あらすじ:アメリカのニューヨーク。52歳のマーク・レイはファッションモデル兼フォトグラファーとして活動し、ブランドスーツとスマートな身のこなしが板についている。ところが、豪勢なパーティーに出席した後にマークが帰ったのは、雑居ビル街のアパートの屋上だった。家を持たず、家族や恋人も作らないマークの日常に、カメラは3年間密着する。

<感想>原題が「HOMME LESS」と言うのだが、ホームレスという意味とアパレルで使う「男」を意味するフランス語「オム」を架けていると言うのだ。モデルで写真家、52歳のイケメン親父、昼はNYを颯爽と闊歩するマーク・レイ。ニューヨークに盗り憑かれて抜け出せなくなった男の記録である。

雑居ビルの屋上の隅っこに、ビニールテントで囲って寝袋で寝ている。つまり野宿で、着替えはジムのロッカーを幾つも借りてしまう。もちろんカメラもPCも、フォトグラファーを自負しているのでカメラ持っているし、喫茶店でPCで画像処理とかしているみたいだ。

ファッション業界の片隅で仕事を探す主人公は惨めだが、己の滑稽さに自覚的でもある。ホームレスは自由な生き方、なんて発言は一欠けらもない。冬のニューヨークの寒さは厳しいもので、よく病気もせずに屋上で野宿生活をしている。夏は屋上から見える摩天楼に花火が上がって美しい眺めであるが、もし、この生活を警察に通報されたら、それで逮捕される。

お金は、写真を撮っては雑誌社へ売り込みに行き、映画のエキストラがたまにあり、クリスマスには赤いサンタの着ぐるみを着て、デパートでアルバイト。モデルの仕事なんてゼロで、金の入りが少なくて家賃のある部屋は借りられないのだ。食生活は充実しており、朝食は喫茶店でモーニングをとり、お昼もピザとか、夜はモデルたちがたむろしているパーティに潜り込むという、50過ぎの男がぐうたら生活を満喫しているようじゃ、どうしようもない。

しかし、恰好だけは崩さないので、トイレで顔の髭剃りをしアイロンを掛けたワイシャツにネクタイ、スーツ姿に身支度を整える。

時にはジムのシャワーで体を洗い流し、洗濯、アイロンがけもする。そこに彼の人としてプライドを感じるも、だが、もはや骨と皮の人生であろう。

それでも、ニューヨークという街にしがみついて生き続ける。こういう男もいるんだという、その存在を映像に刻みつけたのはいいとして、そこから先に踏み込まないことへの物足りなさもある。

ある日は、陽気でエネルギッシュで、ある日は落ち込む。だがそれだけである。彼は負け犬だと思う。負け犬でもせめて本気の遠吠えを聴かせて欲しいですね。

それでも、元モデル仲間で、今は映像作家をするオーストラリア人の監督が、彼との再会を機に始めた企画であり、この信頼関係が一番のマジカル。
生きていればいろいろあるよね。しかし、元モデルでイケメンで今は写真家という、いい意味で見始めた時と、観終わったときの被写体の印象がこんなにも変わるドキュメンタリーは珍しいと思う。
マーク・レイ(Mark Reay)履歴
1959年6月25日生まれ。ニュージャージー州出身。少年時代は5人家族(両親・兄・姉)の中で育つ。サウスカロライナのチャールストン大学の経営学部卒。ニュージャージーの輸入業者で働いた後、4年間ヨーロッパでモデルとして活動しトップフォトグラファーとの仕事を経験する。1994年、演技の学校へ行き写真家としても働き始める。2000年には再びモデルとしてヨーロッパで活動、2007年にアメリカに戻り、ファッション・ウィークの期間中、『デイズド・アンド・コンフューズド』誌用の写真を撮影。そしてニューヨークでホームレス生活をしながらモデル兼俳優、フォトグラファーとして働くようになる。

2017年劇場鑑賞作品・・・63アクション・アドベンチャーランキング

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わたしは、ダニエル・ブレイク★★★★

2017年03月22日 | アクション映画ーワ行
『麦の穂をゆらす風』などのパルムドールの常連ケン・ローチ監督がメガホンを取り、社会の片隅で必死に生きようとする男の奮闘に迫る人間ドラマ。病気で働けなくなった主人公が煩雑な制度に振り回されながらも、人との結び付きを通して前進しようとする姿を描く。コメディアンとして活動しているデイヴ・ジョーンズらが出演。ローチ監督にパルムドールをもたらした力強い物語に震える。
あらすじ:59歳のダニエル(デイヴ・ジョーンズ)は、イギリス・ニューカッスルで大工の仕事に就いていたが、心臓の病でドクターストップがかかる。失職した彼は国の援助の手続きを進めようとするが、あまりにもややこしい制度を前に途方に暮れる。そんな中、ダニエルは二人の子供を持つシングルマザーのケイティと出会う。

<感想>ジミー、野を駆ける伝説」(2014)で監督業から引退を表明していたのだが、80歳になる彼がその宣言を撤回してまでどうしても伝えたいことがあると、制作したのがこの作品。カンヌ映画祭で2度目のパルムドールを受賞したという事実こそを、まずは評価したい。
それはこの主人公である59歳のダニエル・ブレイク。最愛の妻を亡くしたばかりの大工のダニエルは、心臓病で医者から働くことを止められているのに、仕事をしなければ食べていけない。生活に必要な支援を受けるために役所に行くと、本当に病気で仕事ができないのか審査される。様々な質問に答えるものの、何かちぐはぐなやりとりである。「問題は心臓病だ」と言っているのに、「腕は上がりますか、帽子はかぶれますか」と質問される。審査をする側は、決まった質問を次から次へと並べ立てて、身体の不調を訴えるダニエルに対して、「ちゃんと答えてくれないと審査に影響しますよ!」とダニエルを厄介者扱いをしているようにしか思えない。

審査の結果の通知が来るのも時間がかかる。確認したいと電話をすれば、録音の機械の音声が応答するばかり。それに、役所での仕事の効率化は分かるが、「申請、照会はオンラインで」と言われた時点で、ダニエルみたいなアナログな人間はハジカレルのだ。
どうして、ダニエルは医者の心臓病の診断書を役所に提示しなかったのか。それにしても、役所というところは、パソコンの出来ない老人に対して不親切であり、手のひらを返したように追っ払うのだ。書類を提出するのに、すべてパソコンで打たなければならないなんて。日本でもそうなのだろう。

「就労可能で手当ては休止」と職業安定所で烙印を押されてしまう。そこで出会ったのが、2人の子供を抱えるシングルマザーのケイティ。彼は何度も彼女と一緒に手を携えては、難局を乗り越えようとするのだが、・・・。それに、2人の子供がいるシングルマザーのケイティは、難民かそれともイギリス国民ではなかったのか?・・・彼女は父親が違う子供を2人産み、その父親から養育費を貰うように申請できるのに。

だから、2人の子供を抱えて家賃の高いロンドンでは暮らせず、この地へ来て福祉施設の世話になることになる。だが、彼女にも国の制度は冷たかった。雨露をしのぐアパートは与えられたけれど、食べていくのにお金がない。無料のフードバンクの行列に並ぶケイティは、子供たちに食べさせて自分は何日も食事を口にしてないのだ。やっと順番が回ってきて、缶詰や野菜にパン、スープにパスタソースなどたくさんの食べ物を袋に詰める。だが、余りに空腹なのでパスタソースの缶詰を飲んで倒れてしまうケイティ。

これがイギリスの現実なのか、いや日本だってこのようなシングルマザーがたくさんいるはず。そう変わらない現実があることを忘れてはならない。彼女がお金のために、売春まで手を染めてしまうのは残念だが、そのことも、ダニエルが仕事場まで行って説き伏せるのだが、若いケイテイにはそれしか選ぶ仕事がなかったのだろう。

さて現実は、そこから浮かび上がるのは貧困と病に打ちひしがれてもなお生きようとする、いや生きねばならぬ庶民の悲痛な叫びであり、矛盾した制度と過酷な現実に追い詰められた福祉社会であります。誰のための社会保障なのか?、困り切って助けを求める市民に、申請、審査、認定、不服申し立て、支給停止、などと様々なハードルが立ちはだかるのだ。

その初老のダニエルが、ついに堪忍袋の緒を切らす後半のクライマックスでは、観客は誰しもが言葉を失うに違いない。「私は、ダニエル・ブレイク。税金を支払い今まで働いて来た。なのに役所は病人に対して、親切に対応してくれず、挙句に働けと職業の斡旋をすると言う。正当な扱いを要求する」と、社会福祉事務所の壁に抗議の叫びを描き、声高らかに公衆の前で叫ぶのだ。
その落書きをしたことや、ダニエルに対して警察で取り調べがあるも、トイレで心臓病で亡くなるという結末に愕然とする。
その主張のあまりの救いのなさに、たじろぐ思いをする人がいるかもしれないが、名もなき一市民ではなく、名のある一人の人間として、この人間の尊厳こそが、ケン・ローチの終生のテーマであることを、改めて感じさせる名場面でした。
2017年劇場鑑賞作品・・・62アクション・アドベンチャーランキング
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SING/シング★★★★・5

2017年03月21日 | アクション映画ーサ行
「怪盗グルー」シリーズや「ミニオンズ」のイルミネーション・エンターテインメントが声優陣にマシュー・マコノヒー、リース・ウィザースプーン、スカーレット・ヨハンソンはじめ豪華キャストを起用し、音楽と歌の魅力を前面に押し出して描く長編アニメーション。動物だけが暮らす世界を舞台に、それぞれに悩みを抱えた登場人物たちが、地元の劇場で開催されたオーディションに自らの夢と人生を賭けて挑む姿を、60曲を超えるヒットソングや名曲の数々とともに綴る。監督は自身初のアニメ作品となる「銀河ヒッチハイク・ガイド」「リトル・ランボーズ」のガース・ジェニングス。

あらすじ:そこは、動物たちが人間そっくりな生活を送る世界。コアラのバスター・ムーンは潰れかけた劇場の支配人。彼はかつての賑わいを取り戻そうと、歌のオーディションを開催することに。すると劇場で働くおっちょこちょいのミス・クローリーのせいで募集チラシに2ケタ多い優勝賞金額が書かれてしまい、劇場に応募者が殺到する事態に。そうとは知らず大喜びのバクスター。こうして、あがり症の内気なゾウのミーナやパンクロックを愛するヤマアラシの少女アッシュ、ギャング団のボスを父に持つゴリラの青年ジョニーら、様々な思いを胸に秘めた参加者たちが集い、町のオーディションが盛大に始まるのだったが…。

<感想>動物のアニメでは「ペット Pets 」に「ズートピア」ですが、本作で描かれるのは、動物たちのキャラが全開の人生を懸けた再起のミュージカルアニメーションなんですね。どうしても俳優の唄が聞きたくて字幕版で鑑賞。

いやぁ、とても良かったです。字幕版にして観ると、主人公の寂れた劇場の復活に挑む支配人コアラのバスターにはマシュー・マコノヒーが、ナレーター役としても良かった。小さい頃に劇場で見た大スターのナナの歌声に感動し、いつかそんなショーを作りたいと夢見たものの失敗ばかり。それでもめげないバスターがタレント発掘の歌のオーデションを開催することに。残念ながらマコノヒーの歌はないけれど、軽妙な声の演技が役を生き生きとさせている。彼の人生を変えた歌「ゴールデン・スランバー」はジェニファー・ハドソンが圧倒的な歌唱力で聞かせてくれます。

そして、路上ミュージシャンのネズミのマイクは、小柄だけど夢も希望も特大。歌い演じるのは、あの「テッド」の監督のセス・マクファーレン。堂々たるバラードやジャジーな曲が得意で、フランク・シナトラの「マイ・ウェイ」を朗々と歌い上げるオレ様な歌唱力で歌い上げる。ちなみに、セスは、歌手としてグラミー賞にノミネートされているそうだ。

一番に驚いたのが、パンク、ロック好きのヤマアラシのアッシュを演じたのが、スカーレット・ヨハンソン。コンビを組んだ彼の浮気で、ソロを目指す。クライマックスで歌う「セット・イット・オール・フリー」は、この作品のオリジナル曲。セクシーな女優のスカーレット、実はロック歌手の顔も持ち、パワフルなシャウト歌唱は超ホットですからね。

家事や子豚たちの世話に多忙な豚のママ、ロジータには、リース・ウィザースプーンが。何故かダンス自慢のグンター、ニック・ロールと組むことになり、歌って踊って大奮闘。「ヴィーナス」から「シェイク・イット・オフ」まで、パンチの効いた歌声を披露してます。自身がオスカー受賞した「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」(05)で実在の歌手を演じていて、歌唱力は証明ずみ。

ロジータと組む陽気なラテン気質のグンターは、外見はデブだが軽快に踊るダンスを披露してくれる。エネルギッシュな声と達者な歌唱のクロールは、自身のTVコメディ番組から舞台、映画にと活動している。

そして、ゴツい外見に似合わぬ美声を持つジョニーに、タロン・エガートンが。「ザ・ウェイ・アイ・フィール・インサイド」や、特にエルトン・ジョンの「アイ・スティルスタンディング」では、繊細で表情豊かな歌唱によって、ピアノを弾きながら柔らかな美声で、伸びやかに歌い上げ、物語の感動シーンを盛り上げてくれるのだ。彼は「キングスマン」(14)で注目を浴びた期待の新生。イギリスの王位演劇院出身だけに、演技も歌も見事にこなせちゃうんだから。

シャイなティーンエイジャーで、象のミーナ。演じるのは、トリー・ケリーで、タレント発掘番組とWebから躍り出た歌手で、グラミー賞ノミネートもされている。しなやかな歌声を持っているが、人前で実力を発揮できずに一人ひっそりと歌う「ハレルヤ」は、しみじみと胸に広がる。ですが、クライマックスで歌う、スティーヴィー・ワンダーの「ドント・ユー・ウォリー・アバウト・ア・シング」。圧巻のソウルフルな歌声を聞かせてくれる。

一攫千金を狙う動物たちその他には、キリンやヒツジ、カエルなど、それぞれの事情をかかえた動物たちが登場する。初めは、賞金の10万ドルに目が眩み、金のためにと歌うのだが、支配人と老事務職員のトカゲのおばさんと2人で、オーデションを行い、その中から6、7人選んで何とかショータイムに突入するのですが。まぁ、それでも、彼らの思いに共感し、その奮闘ぶりに声援を送りたくなりますから。

選ばれた動物たちの中でも、ママ豚のロジータは、子だくさんであり朝から大忙しで、歌と踊りの練習の時間を作るのに物凄いアイデアで、仕掛けを作って子供たちを起こして、朝ごはんを食べさせ学校へと送り出すのだ。父親も、いつもの如くに、ママがいないのなんて知らないで、会社へと行く。この仕掛けが、チャップリンの「」観たいで面白かった。
それにゴリラのジョニーが、父親の銀行強盗の手助けとして車の運転をしているのだが、歌の練習で合間に抜け出して歌を歌っていると、父親たちが銀行から金を持って表に出るとジョニーの車が無い。逮捕されてしまう。で、刑務所でTVで、息子のジョニーの歌を聞き感激して脱獄し、警察に追われながらもジョニーと再会して息子の歌を評価する父親も良かった。

しかし、支配人コアラのバスターが奮闘するも、古いシアターがどういうわけか崩れ落ちてしまい、土地は銀行の抵当になり、再建を危ぶむことになる。どうにかして、街の動物たちも自分の歌を皆に聞かせたいという思いが、瓦礫の山のシアターの真ん中をステージにして、少ない人数でも音楽会をやろうとするバスター。
それぞれの人生を懸けて歌う色様々な曲。動物たちの歌声につられて、人々が押し寄せて来る。意外なスターの歌声と有名な曲との素敵なマッチングで紡ぎ出す人生の応援歌。音楽にのって、ちょっぴりドラマに感動して、何だか元気になってしまう映画なんですね。

2017年劇場鑑賞作品・・・61アクション・アドベンチャーランキング
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ひるね姫 知らないワタシの物語★★★・5

2017年03月19日 | アクション映画ーハ行
「攻殻機動隊S.A.C.」「東のエデン」の神山健治監督によるオリジナルの長編劇場アニメーション。東京でオリンピックが開催される2020年、岡山県を舞台に、居眠りばかりしている女子高生・森川ココネが、いつも見る不思議な夢を通して家族の秘密に迫っていく姿を描く。

あらすじ:2020年、東京オリンピックの開幕が3日前に迫った夏。岡山県倉敷市・児島で、車の改造ばかりしている父親と2人で暮らす女子高生のココネ。最近は常に眠気に襲われ、家や学校でも居眠りばかり。さらに、寝ると決まって同じ夢をばかり見ていた。そんなある日、父親が突然、警察に逮捕され、東京へ連行されてしまう。ココネは父がなぜ逮捕されたのか、その謎を解くため、幼なじみの大学生モリオを連れて東京へ向かう。そして、その過程でいつも見る自分の夢の中に、まだ知らない両親の秘密があることを知る。劇場アニメの声優は初めてとなる高畑充希がココネ役を務め、ココネ名義で主題歌も担当。そのほか江口洋介、満島真之介、高橋英樹らが声優出演。

<感想>昨年はたくさんのアニメが大ヒットして盛りだくさんでした。今年の第一段として、イマジネーションに満ちたSFアクション・ファンタジーであり、アニメの世界の本作。物語では、平凡な少女が主人公の“現代のお伽噺”が描かれている。

いつもココネの夢の中に現れるハートランド王国のお姫様、エンシェンが主人公の物語であり、夢の世界が舞台となっており、その国では街の人々が働くハートランド城では、まるで車のエンジンのようなメカニカルなデザインであり、国民たちはネクタイの代わりに南京錠をぶら下げている。レトロな雰囲気が漂う夢の世界は、魅惑的であります。

そんな機械づくりがさかんな国で生まれたエンシェンは、魔法が使える能力者であり、彼女の力で命を吹き込まれたぬいぐるみのジョイや、水色のサイドカーの“ハーツ”がある。ハートランド王国は、高度テクノロジー社会に、虚構や創造を愛する父親が、築き上げた厳格なイメージがある。

ですが、その夢が母親の死んだ事を知る過程が、スリリングに描かれている。その夢の世界に出て来る黒い巨人のバケモンは、車を食い散らしてエサにしている。禁止されている魔法を使って、エンシェンが王国を破壊しようとする、そのバケモンと戦う姿も凄いのですから。

父親が警察に捕えられ、母親の墓に行くとぬいぐるみのジョイが置いてあり、その背中にタブレットが隠されていたのだ。そのタブレットに父親を救うカギがあると睨んだココネが、幼馴染のモリオと一緒にオートバイに乗って東京へ行く。

学校へ行く途中に見える、大きな瀬戸大橋を超えて、唯一の得意の“ひるね“を武器に、ココネが夢と現実の世界を行き来しながら、謎の男たちに追いつ追われつの道行を繰り広げる、不思議な冒険を広げるお話になっている。

その謎の男たちとは、ココネの祖父の会社の重役であり、会社を乗っ取ろうと狙っている悪党。その悪党たちが、夢の世界と現実の世界に、同じ人物が登場するのもアニメでありファンタジーだからなのか。

まるでサスペンスフルで先が読めない展開も見どころの一つであり、ココネの旅をサポートする水色のサイドカーが、最先端の技術を搭載していて、従来のファンタジーアニメのような、自らの意思で動くロボットにもなるガジェットも魅力的です。

現実の世界では、モリオと一緒にタブレットで父親と連絡を取り、夢の世界では、魔法使いのエンシェンが若きころの父親、ピーチと一緒に機械のお城を逃げ出すところが映し出される。ココネがそのエンシェンに乗り移って、夢の世界で冒険を繰り返すのも面白い。
ですが、そのエンシェンが大人になると、ココネの母親になっているのも不思議な感じがしてならなかった。

ココネが祖父の自動車工場へ行き、そこで悪人どもに追われるところとか、その場面が夢の世界に変わり、亡くなった母親が必死にしがみついていたのが、父親の若き姿であったことが、現実の世界でも同じようにココネが悪人に追われてビルから落ちる場面では、父親が助けに来てくれる瞬間に、若き父親とココネの母親の顔がダブって見え、絶対に助かると祈る気持ちでしたね。

ラストの、2020年TOKYO五輪開幕では、祖父と父親が創った自動運転の水素カーが走るという、未来の車のお話もあります。いえ、未来の話ではなく、ある車の会社が自動運転の水素カーを創ったということを、TVで見ました。そして、岡山県倉敷市・児島の故郷では、祖父も交えて家族そろって縁側で、スイカを食べているシーンで終わるのです。
そうそう、エンドロールで、あの清志郎さんのイメージがすごく強かった「デイ・ドリーム・ビリーバー」を、ヒロインの声優役の高畑充希ちゃんが、日本語詞でカヴァーして歌っているのも良かったです。
2017年劇場鑑賞作品・・・60アクション・アドベンチャーランキング
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アラビアの女王 愛と宿命の日々★★★

2017年03月18日 | アクション映画ーア行
ドイツの巨匠ベルナー・ヘルツォーク監督のメガホンにより、「砂漠の女王」と呼ばれたイギリス人女性ガートルード・ベルの半生を、ニコール・キッドマン主演で描いた伝記ドラマ。20世紀初頭、イギリス鉄鋼王の家庭に生まれ、オックスフォード大学を卒業したガートルード・ベル。イギリスの上流階級の生活を捨て、アラビアへと渡った彼女は、イラン、ヨルダン、シリアなど約2500キロにもおよぶ旅を続け、各地の部族と交流。やがてイラク建国の立役者として尽力した。アラビアの地で砂漠に魅せられ、波乱に満ちた半生を送る主人公ベルをキッドマンが演じるほか、ジェームズ・フランコ、ロバート・パティンソン、ダミアン・ルイスらが脇を固める。

<感想>実在の人物がモデルなこともあり、家族や恋愛もあれば政治も絡むが、とにかくニコール・キッドマンありきの映画で、彼女が常に気品に満ちた立ち居振る舞いと情感豊かな表情で力強く演じている。堂々たる佇まいと演技力というか、いつも彼女の演技ですが、実在した「砂漠の女王」の再現であり、映画全体のテーマを表している。
白い服で砂漠が舞台となると、どうしてもヘルツォーク監督作品の、初期の傑作である「アギーレ/神の怒り」や「フィツカラルド」のキンスキーの女性版と比較したくなる。ですが、「アラビアのロレンス」とは大違いですから。

物語の展開では、ガートルード・ベルはペルシャの地で、三等書記官ヘンリー・カドガン(ジェームズ・フランコ)と恋に落ちるのです。二人は結婚を約束するのですが、彼女の父親は猛反対して、彼女をイギリスに呼び戻してしまう。そして、ほどなくしてカドガン書記官は煩悶の末、自殺してしまうという結果に。
というところから始まる話は、その後、失意のガートルードが、カドガンとともに愛したアラビアの砂漠を旅するうちに、アラブの族長たちと懇意になるが、二度目の恋にも破れてしまうという展開になる。
史実を基にしているとはいえ、エピソードが時間的にどんどん跳びまくり、ですがそれは殆ど気になりません。いい意味では大味なのだが、この監督の持ち味と思うが、益々その傾向は強まっているようだ。

この監督は、フィクションとドキュメンタリーを行き来する作家でもあるが、実在の人物をモデルにした本作では、ニコール・キッドマン自身についてのドキュメンタリーにもなっていると思う。
実生活では自然に逆らうほどの美意識と洗練さを装う一方で、フィクションの上では野蛮な役柄を好んで演じたがる。ですが、自然の脅威に挑む人間の情熱や狂気はあまり感じられない。彼女の精神性を堪能するには、うってつけの映画ですね。

ラブロマンスに重点を置いたのも、ヘルツォーク監督らしくないと思った。しかし、ジェームズ・フランコがロマンチストの公使館員で熱演、ダミアン・ルイスが誠実な軍人役をと、それぞれ好演。ですがアラブ人とは恋に落ちないのが残念ですよね。期待していたのに。
ヘルツォーク監督はそうした伝記的事実には比重を置かず、ただ砂漠を愛してそれに徹した人物を描いている。力作ではバッド・ルーテナント狂気の行方」の方に、彼の新しい境地を感じるのだが。
吹きすさぶ風が砂を飛ばし、風紋ができた砂漠をワイドにとらえており、刻一刻と変える砂漠の表情を鮮烈に映し出しているのが素晴らしい。

2017年劇場鑑賞作品・・・59アクション・アドベンチャーランキング
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ティファニーで朝食を★★★★

2017年03月17日 | DVD作品ーた行
トルーマン・カポーティの原作を映画化した都会劇。監督に当たったのは「ペティコート作戦」のブレイク・エドワーズ。脚色担当はジョージ・アクセルロッド。撮影を受け持っているのはフランツ・プラナー。音楽をヘンリー・マンシーニが担当している。出演するのはオードリー・ヘップバーン、ジョージ・ペパード、パトリシア・ニールなど。製作はマーティン・ジュローとリチャード・シェファード。
あらすじ:ホリー(オードリー・ヘップバーン)はニューヨークのアパートに、名前のない猫と住んでいる。鍵をなくす癖があり。階上に住む日本人の芸術写真家(ミッキー・ルーニー)に開けてもらう。ホリーの念願は“ティファニー"のようなところで暮らすことだ。ある日、ホリーのアパートにポール(ジョージ・ペパード)という青年が越してきた。作家ということだが、タイプライターにはリボンがついていない。室内装飾と称する中年女がいつも一緒にいて、夜半に帰って行く。ポールはホリーと知り合うと、さすがに作家らしく都会文化が生んだ奇形児のようなホリーの性格に興味をおぼえた。

ホリーも、ポールの都会の塵にまみれながらも純真さを失っていない性格に惹かれたようだ。ある夜、ポールの部屋の窓からホリーが入ってきた。彼女は“ティファニー"のことや、入隊中の兄のことを語った。時計が4時半になると「わたしたちはただの友達よ」と断わりながら、ポールのベッドにもぐり込んだ。彼女につきまとう男が多い。テキサスから夫が迎えにきても、ホリーは素気なく追い返した。
一方、ポールもパトロンの女と手を切った。そんなとき、彼の短編が50ドルで売れた。お祝いにホリーはポールを“ティファニー"に誘った。麻薬密輸にまきこまれたホリーを警察からもらい下げたものはポールだった。ブラジルへ行くといってきかないホリーも、ポールの真剣な気持ちに動かされ、彼の胸に顔を埋めるのだった。(作品資料より)

<感想>オードリー大好きな私には、この映画の中での小悪魔的なオードリーが強い印象に残っている。コールガールを演じても下品にならない、オードリー・ヘプバーンのキュートでエレガントな魅力が絶品の作品。
映画の冒頭、ティファニーのショウ・ウィンドウを覗き見ながら、サンドウィッチをほうばるドレッシーなオードリーを見ただけでうっとりとします。
また、パーティのシーンで、タバコを取り出したオードリーに両隣にいた男性二人が、火をつけようとする。
ジョージ・ペパードがマッチを擦って差し出した火をふっ!と消して自分のライターでオードリーのタバコに火をつけたマーチン・バルサム、・・・この何気ないシーンは、いつも、クスリと笑ってしまいます。ジョージ・ペパードも、いかにも人のよさそうな好青年ぶりで、ヒロインに振り回される役がピッタリだ。そして、シャワーを浴びた後にタオルを頭に巻いて、スェット姿のオードリーが、窓際に腰をかけギターを抱いて、ボロロンとつま弾きながら歌う「ムーンリバー」。もうここまででも充分満足感に浸れる作品です。

ポキッ!と折れてしまいそうなのに、精一杯背伸びして粋がって生きている、オードリーの姿が痛いけでたまりません。土砂降りの雨の中で探していた猫を見つけた時、オードリーは、自分にとってティファニーの宝石以上に大切なものを見つけたに違いありません。
主人公ホリーの無軌道で小生意気な魅力に惹かれて、多くの男たちが彼女の部屋に出入りする。作家志望の男ポールも金持ちの年増の愛人で、そのような人間の一人。「誰の物にもならないし、それにいつでも正直でいたいの」というホリー。彼女は自分の飼い猫にも名前をつけないし、彼女の名刺にはいつも名前の横に旅行中と書かれている。最後にホリーは、犯罪に巻き込まれ、ブラジルに高飛びすることになるのだが、・・・。
全編を通して、ホリーの魅力溢れた物語なのだが、その不安定な生き方とかに一種の暗さを覚えるが、こ洒落でいて、孤独で、ニューヨークという都会に埋もれて、裕福ではないにしても、心は何かを追い続ていられるから生きていける。 主題歌の「ムーンリバー」のメロディ同様、いつまでも忘れることのない映画です。
原作はトルーマン・カポーティ、監督は「ピンクパンサー」シリーズでおなじみのブレイク・エドワーズ。エドワーズ監督の軽妙なタッチと、オードリーの都会の妖精のような、ふんわりとした軽やかさがマッチした、心地よいラブストーリーです。
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ローマの休日★★★★

2017年03月17日 | DVD作品ーま行、や行、ら行
王女と新聞記者の恋愛を描くコメディ。原作はアイアン・マクラレン・ハンター、脚色は原作者と『死せる恋人に捧ぐる悲歌』のジョン・ダイトンとの共同である。『ギャングを狙う男』のフランク・プレイナーと『禁断の木の実』のアンリ・アルカンが協力して撮影監督にあたり、『アンリエットの巴里祭』のジョルジュ・オーリックが音楽を担当した。主演は「愛の決断」のグレゴリー・ペックと、初主演のこの映画でアカデミー主演女優賞をえたオードリー・ヘプバーン。(キネマ旬報全映画作品データベースより抜粋)
あらすじ:ヨーロッパ最古の王室の王位継承者、アン王女(オードリー・ヘプバーン)は、欧州親善旅行でロンドン、パリなど各地を来訪。ローマでは、駐在大使主催の歓迎舞踏会に出席する。強行軍にもかかわらず、元気に任務をこなしていた王女だが、内心では分刻みのスケジュールと、用意されたスピーチを披露するだけのセレモニーにいささかうんざり気味。就寝の時間になると、侍従たちを前に軽いヒステリーを起こしてしまう。主治医に鎮静剤を注射されたものの、気が高ぶっているため、なかなか寝つけない。ふと思いついた彼女は、宿舎である宮殿をひそかに脱出する。夜のローマをぶらぶら歩いていた彼女は、やがて先ほどの鎮静剤が効いてきて、道ばたのベンチに身体をぐったりと横たえる。

そこを偶然通りかかったのが、アメリカ人の新聞記者ジョー・ブラドリー(グレゴリー・ペック)。若い娘がベンチに寝ているのを見て、何とか家に帰そうとするが、アンの意識は朦朧としていて埒があかない。彼女をそのまま放っておくこともできず、ジョーはアンを自分のアパートへ連れて帰り、一晩の宿を提供する。 翌朝、うっかり寝過ごしたジョーは、まだ眠っているアンを部屋に残したまま、新聞社へ向かう。支局長から「アン王女は急病で、記者会見は中止」と聞いたジョーは、そこではじめて昨晩の娘の正体が、実はアン王女だったことに気づく。王女には自分が彼女の身分を知ったことを明かさず、ローマの街を連れ歩いて、その行動を記事にできたら大スクープになる!ふってわいたチャンスに色めき立ったジョーは、アン王女の特ダネを取った場合の破格のボーナスを支局長に約束させる。

ジョーのアパートで目を覚ましたアンは、思いがけない事態に驚くが、同時にワクワクするような気分も感じていた。アパートを出た後も、せっかく手に入れた自由をすぐに捨て去るには忍びず、街をのんびりと散策。ジョーに借りたお金で、かわいいサンダルを買ったり、ヘアサロンに飛び込んで長い髪をショートにしたりと、ごくふつうの女の子のように楽しい時間を満喫する。アンがスペイン広場でジェラートを食べていると、彼女の後を追ってきたジョーに声をかけられる。偶然の再会を装う彼の「思いきって1日楽しんだら?」という声に押され、アンは宮殿に戻るのを夜までのばすことに決める。

スクープに必要な証拠写真をおさえるため、ジョーは同僚のカメラマン、アービング・ラドビッチ(エディ・アルバート)も誘って、アンにローマ案内を買って出る。オープンカフェでは初めてのタバコを試し、2人乗りしたスクーターで街中を疾走。真実の口や、祈りの壁など名所の数々も訪れた。夜は、サンタンジェロの船上パーティーに参加するが、その会場にはついにアン王女を捜しにきた情報部員たちが現れる。アンとジョーは情報部員相手に大乱闘を繰り広げた後、一緒に河へ飛び込んで追手の目を逃れる。
つかの間の自由と興奮を味わううちに、いつの間にかアンとジョーの間には強い恋心が生まれていた。河からあがったふたりは、抱き合って熱いキスを交わす。お互いへの本当の想いを口に出せないまま、アンは祖国と王室への義務を果たすために宮殿へ戻り、ジョーは彼女との思い出を決して記事にはしないと決意する。 その翌日、宮殿ではアン王女の記者会見が開かれる。アービングは撮影した写真がすべて入った封筒を、王女にそっと渡す。見つめ合うアンとジョー。「ローマは永遠に忘れ得ぬ街となるでしょう」笑顔とともに振り向いたアン王女の瞳には、かすかに涙の跡が光っていた。(作品資料より)

<感想>私の一番好きだった女優さんの、オードリー・ヘップバーン。たくさんの作品がある中でもこの映画が一番好きです。それは、この映画によって、無名の女優からハリウッド伝説のスターになったオードリー・ヘプバーンが、主演をしていて、観光ガイドとしても楽しめるローマの美しい風景など、魅力を数え上げていくとキリがないほど。この映画が数十年にわたって観客を強く魅了してきた最大の理由は、ウェルメイドなラブストーリーとしての完成度の高さでもあります。

主人公のふたりは、最後の最後まで告白めいたことは一度も口に出さない。それでいて映画を観ている私たちは、ふたりが体験する胸のときめき、一緒にいるときの安心感、相手を思いやる気持ち、別れる時の身を切るようなせつなさなどを感じ取ることができる。
そして、美しい恋愛のエッセンスを凝縮させたような、さまざまな感情を共に感じることができます。身分違いの恋という設定のためか、夢のあるおとぎ話と評されることの多い『ローマの休日』は、その甘く楽しげなロマンティックコメディの顔の奥に、大人への通過儀礼や、孤独と向き合う覚悟といったテーマまでもをさりげなく隠し現わしているのですね。無邪気な少女時代にブラウン管の中で見たときは「こんな恋がしてみたい!」と素直に憧れた映画を、「人生はままならぬもの」と知った今、もう一度観たときにどう感じるのか。
何度も観るたびに、新たな共感を呼び起こす真の名作は、ときに自分の成長を気づかせてくれる合わせ鏡のような存在でもあると思います。今は亡きオードリーに感謝と共に、あの世で幸せに暮らしていることを祈って、・・・。
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ファイナル・カット★★★

2017年03月17日 | DVD作品ーな行、は行
人の一生の記憶が脳に埋め込まれた小さなチップに記録されている近未来の世界を舞台に描くSFスリラー。監督・脚本は、これが長編映画デビューとなるレバノン出身のオマール・ナイーム。弱冠26歳の無名の青年の脚本に惚れ込み、演出も任せたプロデューサーは、インディペンデント映画の先駆けとなった「セックスと嘘とビデオテープ」や「ラッグストア・カウボーイ」を世に送り出したニック・ウェクスラー。「グッド・ウィル・八ンティング/旅立ち」でアカデミー賞助演男優寅を獲得したロビン・ウィリアムズが、近年ハマり役の“どこか不気味な中年男”を絶妙に演じる。
あらすじ:少年のころアラン(ロビン・ウィリアムズ)は、両親と一緒にその町を訪れていたメガネをかけた少年ルイスと廃工場で遊んでいた。底の抜けた床にむき出しになった細い梁の上を歩くアラン。
臆病なルイスも渡ろうとするが、足を踏み外してしまう。アランが思わず目をつぶった瞬間、ルイスは深い床の底へと転落し、アランの手にはルイスのペンダントだけが残された。
大量の血を流して横たわるルイス。恐怖に襲われたアランは一目散に工場から走り出た。それから数十年後。アランはゾーイ・チップの編集者として働いていた。ゾーイ・チップとは、人の脳に移植して全生涯を記憶することができるチップ。死後、脳から取り出されたチップは編集者によって編集され、<追悼上映会-リメモリー>を行うのがセレブ階級の流行になっていた。
しかし同時に「人殺しを聖人にする行為」 他人の目の奥を透かし見るのは神のみに許されること、とするゾーイ反対運動も起こっていた。
アランはどんなに不道徳な人生も感情移入せずに直視できる性格から、“人間のくず"といわれている大物たちに重宝がられていた。
そんな彼のもとに、ゾーイ・チップを扱う大企業アイテック社の弁護士チャールス・バニスターの未亡人から編集の依頼がくる。アランはずっと少年時代の記憶に苛まれ、罪の意識が彼の性格に大きな影を落としていた。そして自分が死者の罪を引き受け、魂を清めて来世へ旅立たせるキリスト教の“罪食い人(シン・イーター) "であると信じ始めていた。

そんなアランが唯一心を許せる相手は、古書店を営んでいるディライラ(ミラ・ソルヴィノ)だけだった。しかし、数年前に恋人を亡くした彼女にとって、式典で上映される映像は虚像にすぎず、他人の人生を切り張りして都合のよい記憶を作り上げるアランの仕事が理解できなかった。アランは編集の準備のためにバニスターの未亡人と娘へのインタビューを行った。

バニスターのチップには娘へのおぞましい行為が映っていたが、未亡人はこれをカットするよう求める。同じ頃、かつて編集者だったフレッシャー(ジム・カヴィーゼル)がアランの前に現れ、バニスターのチップを譲るよう脅迫する。彼は仲間とともにアイテック社の不正を摘発しようとしていた。翌日、アランは映像の中に死んだはずのルイスとそっくりな男を見つけて激しく動揺する。アランはルイスのチップを探すために、編集者仲間の協力を得てアイテック社の資料部屋に侵入する。しかし、そこでアランが見つけたのは、亡くなった両親が彼の脳に埋め込むチップを購入していたという記録だった。自分のチップを取り出してあの忌まわしい記憶を見てみたい。真実を確かめたい。アランはもう自分の心を抑えることができなかった。(作品資料より)

<感想>故“ロビン・ウィリアムズ”の昔のDVDから鑑賞。この映画の特徴は、本人が生きている間はそこから記憶を取り出せない事になっている。死んだ後に専門の編集人にその数十万時間分の記憶を数十分に編集してもらい、関係者を招いて上映会を行います。
カットされた記憶は捨てられてしまう、確かに人間の生きている間の長い記憶が埋め込まれているので、これはいらないと思うものは残しておいてもね。
この人はいい人だったという部分だけ残せばいいのだから、上映会でも大変な量になってしまうに違いありませんから。
この追悼上映会のためだけに高い金を出してチップを埋める親の気も知れないが、チップが埋め込まれている事を知らされる、子供の気持ちにもなってみたら、これは余り良い感じはしないと思う。
例えば編集人(カッター)は、ゾーイを埋め込まれた人であってはならないのでは、等々。
主人公のロビン・ウイリアムスはこの編集人であり、これがこの映画の内容でもあるのでほとんど一人芝居。それは一個人の純然たる“記憶”データーなのであり、巧妙に手を加えられた鑑賞に堪える映像なのです。
これは恐ろしいことだ。記憶が個人のものではなくなるなんて、脚本と監督のオマール・ナイームは、新人ながらその才能は恐るべし。
世の中がもしこのようなら、さて人間はどのように行動するかという思考実験だとすれば、この映画は随分とややっこしい実験を試みたものです。
親が事故かなんかで子供を先に亡くして、葬儀の後に遺族を招いて上映会をするのはいいかもしれませんね。
しかし、現在では、ビデオとかカメラで写真で残したりして取ってあるのでそれを見ればいいのではないかしらね。設定が近未来なのに、編集に使うPCとかモニターがレトロチックなのが違和感がある。
そのためか映画そのものも中途半端で終わってしまって、SF的な未来のアイデアを十分生かしきれていません。
ロビン・ウィリアムズは生粋のコメディアンだが、こと映画に関してはお笑い抜きで、役者としての実力を発揮している。編集マシン“ギロチン”を駆使するアラン役がハマっていて、ロビン・ウイリアムスが久しぶりにいい味を出していただけに残念です。
他の役者さんミラ・ソルヴィノや、 ジム・カヴィーゼルの出番が少なくキャラが生かされていないのも残念ですね。
2017年DVD鑑賞作品・・・5映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング/

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秋保温泉伝承千年の宿 佐勘

2017年03月16日 | ほっこりゆったり温泉倶楽部
毎年3月に入り、いつもお雛様になると、毎年恒例の日帰り温泉旅行、秋保温泉伝承千年の宿 「佐勘」へ行きます。

何度も行ってるのですが、私のお気に入りの定宿です。
お泊りだとお一人様1万5千円から~お部屋と料理で2万5千円~上限なし
この日はいつものお雛様料理で、日帰り温泉の旅なので、4500円です。
エントランスというんでしょうか、玄関を入るとそれは雅な飾り付けと広い空間が、・・・とてもリッチな気分に浸れます。

お掃除が行き届いて、お風呂の脱衣所も綺麗ですし、お風呂のお湯も滑らかでとてもお気に入りです。

そして、ロビーにはお雛様が飾られて、もっとたくさんあるのですが写真を載せるのにきりがありませんので。
それに、この旅館は江戸時代の伊達の殿様の定宿だったらしく、そのころから娘のために取り揃えたお雛様が飾られていました。もちろん5月には、鎧兜に鯉のぼりなど端午の節句の飾り付けがされています。
今日は、食事の前に温泉に入りました。



他にも露天風呂や、大きなお風呂があるのですが、人が入っているので、写真は撮れません。

お昼の食事が個室に設けられ、午後3時まで温泉に入り、ゆっくりと過ごすことが出来ました。

食事は女性むきにあつらえられており、お雛様御膳のようなそんな雰囲気の料理でした。
食後にはお汁粉がつきましたよ。本当に女性向ですよね。

この日は日帰りだったので、食後にまたお風呂に入って、3時半に送迎のバスが出るので、少しの間喫茶でお茶をしました。


5月の母の日のプレゼントには、どこへ連れて行ってもらえるのか、今から楽しみですね。確か、前にも言ったことのある、盛岡の志戸平温泉だと思います。
2017年温泉旅行・・・2映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング/

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コスメティックウォーズ ★★★

2017年03月15日 | アクション映画ーカ行
『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』などの大政絢が主演を務めた、化粧品業界の裏側をリアルに描くドラマ。化粧品会社に潜入して人気商品の情報を盗もうとするも、ほかの熱い社員たちと接するうちに、変化していく産業スパイのヒロインを映す。共演は奥菜恵、渡部豪太、高岡早紀ら。監督は『東京PRウーマン』などの鈴木浩介。化粧品会社アルビオンの協力で再現された業界の現実、ほとんどメイクをせずに挑んだという大政の熱演に注目。
あらすじ:一人前の経営コンサルタントになりたいと日々努力している三沢茜(大政絢)は、上司で恋人の坂本剛(渡部豪太)からの指示により、老舗化粧品会社に産業スパイとして潜入することに。美容部員から本社商品開発部へ異動した茜に、坂本からロングセラー商品の機密情報を盗むよう指令が下る。しかし、研究員の中野渡千香(高岡早紀)ら仕事熱心な社員と過ごすうちに、茜は自分のしていることに疑問を持つ。

<感想>実在の化粧品会社を舞台に描いたというが、アルビオン化粧品って知らなかった。私は殆ど化粧水に乳液をブレンドした下地をして、家の中ではスッピンです。外出する時だけは、それにBBファデクリームを塗り、眉毛を描き頬紅をポンポンしてと、アイシャドーはいつも塗らないので口紅も薄く、どうしてかって家で主婦をしているのでね、出かける時はマスクをして出かけますから。化粧品代金は1年で1万円もかからないです。

主演の大政絢さんって知らない女優さん、知っていたのは高岡早紀と奥菜恵さんくらいかな。化粧品の新商品の薬用スキンコンディショナーの、機密情報を盗み出すって、これってスパイもの。というか、その会社に潜入して研究員の高岡早紀に近寄ることなんですね。現代の社会でもこういうことってあるかもですね。会社の秘密情報を盗むスパイって、映画でしか見たことないんで。

それが、研究員の中野渡千香(高岡早紀)は近寄りがたく、何か秘密めいたような人物で、いつも一人で食事をして仕事もテキパキとこなして、男勝りのような感じがします。
だから、いくら新人の三沢茜があの手この手で傍に近寄ろうとするも、全然撥ねつけられてダメ。それが、実はこの会社の中にも三沢茜と同じスパイが知っている限りでは2人もいたんですね。

茜を監視している奥菜恵は、どんな汚い手を使っても茜を高岡早紀に近寄らせようと仕組みます。というのも、高岡早紀の助手をしている女を階段から突き落として大怪我を負わせて、そのポストに茜を座らせるということも。
それに、秋田の白神山地に研究所があるので、そこへ行くのに茜も一緒に行きたいのだが、男性が一緒にいくことになるも、その男性社員の車に細工をして事故をおこすような手配もする女が、奥菜恵。だから、茜が体の関係を持っていて恋人だという男、経営コンサルタントの上司の坂本剛(渡部豪太)は、ちゃっかりと奥菜恵の男でもあるわけ。知らないのが茜だけとはね。

でも、派手なイヤリングを見せびらかしていた奥菜恵が、その上司の坂本剛の部屋に泊まっていたと知った時、自分は利用されていただけだと気付く茜。
白神山地の研究所へ一緒に行くことになり、高岡早紀はキャラバンシューズにリュックに軽装なスタイルなのに対して、茜は会社のスーツ姿でハイヒールとはね。だから、途中でハイヒールを脱ぎ捨てて、裸足で歩くんですから。

そして、山の上にある研究所へは高岡早紀だけ先に行かせて、自分は上司の恋人渡部豪太に電話をして、原料がヨモギだと教える。それだけではダメで、調合とか、レシピがいるので、ファイルをコピーして来いと言われる。
PCには、開けると誰がファイルを盗んだのかが、顔が写って解ってしまうというシステム。それで、休みの日に会社に忍び込み、課長のPCからファイルをダウンロードしようとするも、奥菜恵が来て注意してくれるという。

会社の女子社員にもスパイがいて、すかさずPCを解除して顔写真を撮られて、解雇された女がいる。だから、茜も注意をしながら、やっぱり高岡早紀に近づかないと、それが白神山地で茜が道に迷い困っているのを、捜索隊を頼んで探してくれた高岡早紀に、ビンタされる。それは物凄く茜のことを心配したから。

実は、高岡早紀は離婚をして娘のもも子を引き取り育て、シングルマザーだったのだが、仕事一筋で娘を放りっぱなしで娘はグレてしまい、学校へも行かずに不良たちと付き合っていた。そこへ母親が娘を連れ戻しての帰り道で交通事故を起こし、娘は帰らぬ人となる。その時に、最後のきわに、娘が自分に合う口紅を作ってと遺言を残した。棺の中の娘に死に化粧をして、自分の作った口紅を引いてやる母親。写真を見ると、大政絢そっくりのもも子ちゃん。
だから、茜を見て自分の娘にそっくりだったので、スパイで自分が苦労して作った新作の薬用スキンコンディショナーのレシピを、PCから盗んだ茜を許してあげるのだ。
会社を辞めるつもりだという高岡早紀に、自分がしていることが泥棒と同じであり、人を傷つけてまで人の作ったものを盗んでいいのかということをやっと理解する茜。ラストがよかったですね、茜の故郷は北海道で、自然の無農薬栽培のハーブや野菜などたくさん作っていたのが、茜だったとはね。彼女が、目が覚めて故郷でそんな仕事をしていたとは、何だかホットして安心しましたね。

2017年劇場鑑賞作品・・・58アクション・アドベンチャーランキング

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ニュートン・ナイト 自由の旗をかかげた男★★★

2017年03月14日 | アクション映画ーナ行
「シービスケット」「ハンガー・ゲーム」のゲイリー・ロス監督が、南北戦争当時、自由のために立ち上がり、貧しい白人や逃亡した黒人奴隷たちを率いて南軍に反旗を翻し、“自由州”の設立を宣言して果敢に戦った実在の白人男性ニュートン・ナイトの知られざる実話を映画化した伝記ドラマ。主演は「ダラス・バイヤーズクラブ」のマシュー・マコノヒー、共演にググ・ンバータ=ロー、マハーシャラ・アリ、ケリー・ラッセル。

あらすじ:南北戦争まっただ中の1862年。南軍の衛生兵として地獄の戦場を駆け回っていたニュートン・ナイトは、金持ちが兵役を免除されたことに憤慨し、まだ若い甥が銃弾に倒れるのを目の当たりにして愕然とする。もはやこの戦いに正義を見出せず、甥の遺体を家族のもとへ送り届けるべく軍を脱走する。故郷のミシシッピ州に戻った彼は、やがて脱走兵狩りから逃れて辿り着いた沼で、そこに隠れ住む黒人逃亡奴隷たちと巡り会う。そして次第に彼らと心を通わせていったニュートン・ナイトは、騎兵隊に反撃すべく、武器を手に立ち上がるのだった。

<感想>南北戦争時代のアメリカ史を、脚本監督のゲイリー・ロスが研究して作った迫力ある実在の白人男性ニュートン・ナイトの知られざる実話。題材に対する監督の思いれ、登場するモチーフの共通性など、スコセッシ監督の「沈黙」と比較したくなるような映画だが、ですが、全体の感触は全然違います。

冒頭での戦場シークエンスの残酷な描写が突出しているわりには、それからの語りに影響をおよぼしているわけでもなく、映画全体の描写の強さに繋がらないのも惜しいですね。

奴隷解放、南北分断、そして対立、北軍の作物搾取、白人の雇い主に黒人と農民との格差に立ち向かったニュートン・ナイト。そうした問題が浮き彫りになり、とりあえず嫌な予感しかない現在の大統領トランプが、誕生してしまった現在だからこそ、観られてしかるべき作品だと思う。

初めて知った英雄、実在の白人男性ニュートン・ナイト。リーンカンと違い、歴史から埋もれたニュートン・ナイトをマシュー・マコノヒーが体当たりで演じている。彼を支える黒人モーゼスのマハーシャラ・アリも風格があって良かった。歴史マニアにとっては興味深いところも多いけれど、大胆なフラッシュフォードも次第に単調になってゆき、結局のところ偉人伝映画の退屈なパターンに納まってしまっているようだ。


権力者たちも容易には踏み込めない緑濃い密林と、沼地をブノワ・ドゥロームが絶妙に撮影しているのも好感が持てる。この沼地はメル・ギブソン演じる">「パトリオット」(2000)でも描かれていて、息子3人の仇を取るべく父親の復讐心が凄かった。

ただし人間紹介にだけ留まっていて、ドラマは希薄なので、メッセージの熱量が高いわりには伝わってないと言える。白人の女性と一度は結婚し息子をもうけたが、その後戦争へいき黒人たちと意気投合して、彼らの窮地を救おうと頑張る。こういう白人男もいたのですね。そして、黒人女性と結婚し息子が生まれ、その息子が白人女性との結婚を違法とされて、法廷に立つ黒人の血を引く曾孫の姿をシンクロさせたかったようだが、これも上手く機能しているとは言えないようだ。

そして、KKK団と黒人を吊るし首にする処刑。それにこの映画を観て、銃器の存在が今なおアメリカと切り離せないことが分かる。トランプ大統領の時期に、いいタイミングで公開されたようだ。

2017年劇場鑑賞作品・・・57
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