パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞、未公開DVD、お気に入り自己所有のビデオ・DVDの感想などネタバレ有りで記録しています。

かけがえのない人 ★★★

2016年07月29日 | DVD作品ーか行
「きみに読む物語」の原作者ニコラス・スパークスのベストセラー小説を、「M:i:III」のミシェル・モナハンと「X-MEN」シリーズのジェームズ・マースデン共演で描いたラブストリー。高校時代に深く愛し合いながらも、ある事情から離ればなれになった男女の20年ぶりの再会と恋の行方を、現在と過去を交互に描きながら追う。監督は「終着駅 トルストイ最後の旅」「モネ・ゲーム」のマイケル・ホフマン。
あらすじ:アメリカ・ルイジアナ州ののどかな町。石油採掘基地の爆発事故でかろうじて助かったドーソン(ジェームズ・マースデン)は、「物事には全て意味がある」と考え始める。そんなとき、友人のタックがこの世を去る。ドーソンは、20年前に起きた事件により別れることになった高校時代の恋人アマンダ(ミシェル・モナハン)と共に、タックの遺言を実行することになる。

<感想>運命を織り上げていくニコラス・スパークスの原作を、ベタベタになり過ぎないで、落ち着いたタッチで映画化されていた。この巧みなラブストーリーを見ると、原作者が女性に人気があるのだと納得できる。

ですが、主演男優が物語の前後半を違う俳優が演じるのに違和感を感じた。化粧とかで年齢の取り方を感じさせることもできたのに。こうも体系と顔が違った俳優を使用するとは、高校生のルーク・ブレイシー(「X-ミッション」(15)では潜入捜査官役を演じている)が若き日を演じるのだが、21年後に再会すると「X-MEN」シリーズのジェームズ・マースデンに変わっているのだ。マースデンにまったく似ておらず、そもそも顔の系統が違うのだ。その大胆な配役には驚いた。

これは物語の都合上に、ワイルド&セクシー系を紹介したかったということなのか。そんな混乱がありつつも、全体の描写は丁寧でロマンチックな気分になれるので良しとしましょう。


主人公の男女が大人になった現在と、高校生のころの2つの時代が舞台なのだが、金持ちの娘アマンダと、父も兄も犯罪者という荒んだ環境の中で辛い人生を送るジェームズ・マースデンが恋に落ちるわけ。若いころのアマンダにはリアナ・リベラトが、はにかんだような可愛らしい笑顔が素敵。
勇気をもって生きる彼にアマンダが惹かれ、ドーソンもまた彼女の素直な性格を愛した。もちろんアマンダの両親は反対で、結婚なんて飛んでもなく、ドーソンは父親と兄の虐めで家出をし、一人暮らしの老人タックの家に居候する。
そんな中、若い二人は恋に落ち恋愛し、アマンダは妊娠をしてしまう。そのことを彼に伝えられずにいたのだが、だが、その老人の家にも父親と兄が押しかけてきて、乱暴を働き父親を殴ってしまい刑務所へ入ってしまうドーソン。

頑なに会いにくるアマンダの面会を断りつづけるドーソン、アマンダは女の子を生むも、その子供は病死してしまう。その後は、父親のススメで別の男と結婚してしまう。
ドーソンの方は刑務所を出て、石油採掘基地で働くのだが、爆発事故と高校生のころに世話になったタッグ老人が亡くなったことで、故郷へと帰る。そして、タック老人の遺言で2人に譲られた別荘で、久しぶりにアマンダと再会する。
もう二度と会うことはないと、それぞれの人生を歩んできた2人の心に、かつての想いでが蘇り、また2人は結ばれるのだが。

それでも要領を得ない回想部分がダラダラと続くかと思えば、ラストに出てくる悪の兄弟に父親たち、銃で殺される主人公。その主人公の心臓が、ヒロインアマンダの息子の心臓移植に使用されるとは。「そんなことあるの」という中盤以降の展開に失笑してしまう。
運命のなすところならば、人がいくら死のうがかまわないのか。というような物語の作法に驚きつつも、ドーソンの心臓が我が子の心臓になり、いつまでも2人は一緒ということなのか。何ともメルヘンチックで物悲しい。

2016年DVD鑑賞作品・・・53映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

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ふきげんな過去 ★★★

2016年07月28日 | アクション映画ーハ行
前作「ジ、エクストリーム、スキヤキ」で映画監督デビューを飾った人気劇作家の前田司郎が、映画オリジナル脚本で挑む監督第2作。小泉今日子と二階堂ふみを主演に迎え、退屈な日々を送る女子高生と、突然現われた死んだはずの伯母が織りなす可笑しくも切ないひと夏の物語を描く。共演は高良健吾、山田望叶、板尾創路。
あらすじ:北品川で小さな食堂“蓮月庵”を営む家族と暮らす女子高生・果子。いつも不機嫌な顔をして、死ぬほど退屈な毎日をやり過ごしている。そんなある夏の日、18年前に死んだはずの伯母・未来子が突然帰ってきた。涙の再会を演じる家族の姿を、いとこの小学生カナと冷めた目で見つめる果子。未来子は果子が赤ん坊の頃に爆弾事件を起こした前科持ちで、今は戸籍もないという。それなのに、そのほうが都合がいいと、死んだままにしているらしい。しばらく匿ってほしいという未来子は、けっきょく果子の部屋に居候することに。思いがけない同居人の出現に、ますます苛立ちを募らせる果子だったが…。

<感想>娘が果子(過去)で母親が未来子(未来)で、タイトルどうりにふきげんで、不愛想な顔の二階堂ふみの演技が素晴らしかった。タイトルからしていい感じだし、家出をして死んだと思った母親が爆弾製造犯人という発想が昔懐かしい。
「過去」が騒々しくて「現在」に乱入してくる作劇が面白い。二人の関係がネタバレ厳禁ということだが、どうみてもバレバレになってしまう。劇中で本人がバラシてしまうから。

現代の高校生を演じている果子は、いつも不機嫌でぶっきらぼうで、運河でワニ釣りをしている。友達もいないようで、学校では虐めを受けているようだ。それでも、果子は生きていくために現実逃避をするように、毎日つまらなそうに生きているのだ。

そこへ生みの母親が帰ってきて、自分があなたの母親だと名乗る。とても迷惑な存在の母親だが、ずうずうしいし、警察か何か知らない人間に追いかけられて実家へ帰って来たというわけ。
娘を捨てて家出をしておいて、母親ずらされてもね、子供にとっては甘えてみたいとは思わないでしょう、怒りしか沸かないよ。勝手に出ていって、都合よく帰ってくる母親。どうしようもない。

しかし、夜中に運河に船を出して、昔街だった場所へと漕ぎ出す。そこでは、母親が爆弾作りに必要な硝石を探す手伝いをする。

娘も母親に似て爆弾作りに興味を出し、一緒に作るのだから。試しにと河原で手作り爆弾に引火して、待っているとしょぼい花火みたいでした。ですが、時間が過ぎて大きな音と共に大爆発をする。その犠牲になるのが、いとこの小学生カナであり、火傷を負ってしまう。

女系家族が営む豆料理の食堂なので、昼間はみんなで豆を殻から出す仕事を、井戸端会議よろしくペチャクチャ喋りながらするのだ。そこに働く南米人のコックさんがユニークであり、板尾創路扮する父親は、妻が家出をした後に妹と結婚しているのだ。

最近生まれた赤ん坊がいて、その赤ん坊がまるで人形みたいに動かないし、泣かないし、生きているのが不思議なくらい。それに、爆弾犯人の妻の試作品で手の指が無くなっている父。それにだ、近所の男に、足のない男やら大竹まこと・きたろう・斉木しげるが近所のおっちゃんでちょこっとの出番があります。

そんな中でも目立つのが、爆弾犯の母親未来子の男と思われる高良健吾がかっこいいのだ。若いイケメン男性が一人出ているだけでもスカッとするから。それに、昔あった「よしのりちゃん誘拐事件」の本人だというから驚いたわ。
それと、運河のワニ騒動も本当だったということで、何とそのワニが実の母親と被って見えるのだ。最後に運河で捕獲されるのが映されるのだ。
全般を通してワケあり家族よろしく、何でもない話を立体的に構成する監督の手腕は、際立っていて良かった。
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ディストラクション・ベイビーズ★★★

2016年07月27日 | アクション映画ータ行
「イエローキッド」「NINIFUNI」の真利子哲也監督が、「誰も知らない」の柳楽優弥を主演に迎えて贈る衝撃のバイオレンス・ドラマ。屈強な相手を見つけては所構わず喧嘩をふっかける狂気の男と、そんな彼の危険なゲームに巻き込まれていく若者たちの運命を生々しい暴力描写とともに鮮烈なタッチで描き出す。共演は菅田将暉、小松菜奈、村上虹郎。
あらすじ:愛媛県のこぢんまりとした港町・三津浜の造船所に2人で生活している芦原泰良(柳楽優弥)と弟の将太(村上虹郎)。けんかばかりしている泰良はある日突然三津浜を後にし、松山の中心街で相手を見つけてはけんかを吹っ掛けていく。そんな彼に興味を抱いた北原裕也(菅田将暉)が近づき、通行人に無差別に暴行を働いた彼らは、奪った車に乗り合わせていた少女・那奈(小松菜奈)と一緒に松山市外へ向かい……。

<感想>「暴力って世の中からなくならないのは何でだろう」って、観ていて思ってしまった。本作では痛快さや格闘技の軸では描いていない。主人公の芦原泰良はそれが自己破壊の口実でもあるかのように、ヤクザたちに血まみれで路上に転がされても、ヘラヘラと笑って立ち上がる。相手が退いたり、彼自身が微妙に強くなることで勝つ。だが、勝つことも重要ではない。

主人公の芦原泰良を演じている柳楽優弥は、登場するやいなや、いきなり乱闘を繰り広げたあと、港町から姿を消す。その間、ほとんど顔はわからない。次に昼間の繁華街の裏通りをぶらついているが、後ろ姿であたりを見渡し振り向く時に、不敵な面構えがやっと見える。すれ違ったバンドマンらしい長身の男を追い、男の背中の楽器ケースを路上に叩きつけるやいなや、やにわに殴りつけるのだ。格闘になり、何度もぶちのめされてもすぐに立ち上がって襲い掛かり、殴り倒される。相手は呟くのだが、柳楽優弥は一言もしゃべらない。

そして、男をライブハウスまで追跡し、殴られながら殴り倒し、満足げな表情を浮かべるのだ。主人公は全編、喧嘩の繰り返しと暴力の伝染、ほとんどそれだけなのだ。この調子で見ず知らずの男たちと殴り合いを演じていく。セリフは無いに等しく、暴力衝動については「楽しいいからいいやん」と言うにすぎないのだ。だからといって、狂人ではないことは、行動からわかる。武器を使わず肉体で闘い、襲うのは男だけで、ぶちのめされようと相手を倒すまで闘うのだ。

これは、途中でコンビを組む菅田将暉扮する北原裕也が、ベラベラと喋り女に暴力を振るい、車を運転するのと対照をなしている。それにだ、コンビを組む直前に、柳楽優弥が菅田将暉と強引に上着を交換するのが印象に残る。
この2人の男は、方や行き場のない鬱憤ばらしに暴れ、方や徹底して理不尽な暴力に生きることが、根底的な違いであろう。だから柳楽優弥はつねに獲物だけを追い求め、周りのことは視野に入らないが、路上で殴り合う以上、通行人の目に止まってしまう。
その流れが拡大するのが、繁華街のアーケードで菅田将暉が次々と女を襲い、止めに入った男たちを柳楽優弥が殴り倒すときで、野次馬がケータイで動画を撮り、ネットに載せてマスコミの話題になる。

単なる殴り合いは18歳の少年2人の、暴力沙汰として一気に社会化し、2人はキャバクラで働く少女小松菜奈をまき込んで、車で逃避行に出て、殺人にまで突き進むのであります。だから、事態がずるずると別の次元へと移っていく。

冒頭で、主人公は弟の村上虹郎扮する将太の視点で登場し、街での出来事の間には、弟が兄を捜す模様が映される。だから兄の柳楽優弥は、菅田将暉と弟の村上虹郎から、二重に相対化されるわけで、最終的にはそれは何処へ向かうのかと、息を詰めて画面を見つめる。ラストで弟の村上虹郎がそのまま兄の柳楽優弥になり、少し前に消息を絶った兄も現れる。
この映画の中の柳楽優弥が、文句なしに強烈であり、そこに描写の力が凝結しているが、主人公の精神状態は何ら描かれていない。生まれ育ちも仄めかし程度に留まっているのだ。その意味では、普通にいう人物像は成立していない。では彼は何なのか。純粋暴力の像、これである。

それは現実社会で突然に起こる不条理な暴力、或いは、世界を震撼とさせるテロを暗喩させているようでもあります。監督は、暴力描写に賛否が起こることなど承知の上で、観客は痛みを感じるたび、「過酷な現実から目を逸らすな」と叱咤されているようにもとれた。

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レジェンド 狂気の美学 ★★★★

2016年07月26日 | アクション映画ーラ行
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のトム・ハーディが1人2役で双子のギャングを演じたクライムサスペンス。「ザ・クレイズ 冷血の絆」(1991)などでもその人生が映画化されてきた、実在の双子のギャング、クレイ兄弟の栄光と破滅を描いた。1960年代初頭のロンドン。貧しい家庭で生まれ育ったレジーとロニーのクレイ兄弟は、手段を選ばないやり方で裏社会をのしあがり、アメリカのマフィアとの結託や有力者たちとの交流を深めることでイギリス社会に絶大な影響力を及ぼしていく。そんな中、部下の妹フランシスと結婚したレジーは彼女のために足を洗うことを決意し、ナイトクラブの経営に力を注ぐようになるが……。レジーの妻フランシス役を「ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール」のエミリー・ブラウニング、ゲイであるロニーの恋人役を「キングスマン」のタロン・エガートンがそれぞれ演じた。「L.A.コンフィデンシャル」「ミスティック・リバー」などの名脚本家ブライアン・ヘルゲランドが監督・脚本を手がけた。

<感想>今や売れっ子のスター俳優トム・ハーディが、1人2役に挑んだクライムサスペンス。60年代の英国と言えばビートルズでしょうね。同じころにイギリスで悪名を轟かせた双子のギャング、レジー&ロンのクレイ兄弟の栄光と破滅を描いている伝記映画でもある。

クレイ兄弟はイギリス犯罪史上、あの切り裂きジャックと並び称せられるほどの有名人。監督のブライアン・ヘルゲランドは現地で入念なリサーチを行いつつ、アメリカン・マフイア映画の様式を取り入れ、兄弟のギャングとしての美学と狂気の両面を描き上げている。邦題のサブタイトル「狂気の美学」とは、主演格の兄レジーよりも、心を病んで凶暴な弟ロンから付けたものだろう。

レジー役を依頼されたトム・ハーディが、一卵性双生児のロンを演じたいといったのも当然のことであり、やりすぎなくらいに生き生きと演じているのだ。ユーモア精神旺盛で、ロバをカジノに連れてくるバカなことをするロン。これも実話だそうで映画の成功は、彼が二役を演じたことにあり、それを支えるメイキャップや衣装も見事であります。

そして、撮影中のハーディは風貌も性格も異なる兄弟を変貌自在に演じ分け、兄弟同士の派手な乱闘シーンも熱演。まさに本作は、演技の鬼ハーディの魅力を心ゆくまで堪能できる作品と言えるでしょう。

だが、兄は掛け値なしのロマンチストであり、愛情とセックスを結び付けることが出来なかった。ゲイで少年好きの遊び人のロンとは対照的でもある。兄のレジーが結婚したことから、フランシスに嫉妬して俺のレジーを奪った憎い女と虐めたという。

しかし、悪名高きクレイ兄弟のわりには、あまり大したことやってないと思う。この映画で前面に出るのは犯罪行為よりもむしろロマンスであり、恋人役のエミリー・ブラウニングが不幸なヒロインを強い存在感を持って演じている。

だから、最大のお楽しみはやはり、素晴らしくハンサムでロマンチックなレジーと、完全にクレイジーな、しかし正気の時は思いがけなく優しさを見せる、ロンを演じ分けるトム・ハーディの魅力だろう。兄と弟の堅い絆と反目、二人の間に挟まれて壊れてゆくレジナルドの妻フランシス。最後が薬づけになり自殺をしてしまうフランシスが哀しい。そのフランシスが語り部となっている。

離れたくても離れられない双子の歪んだ愛憎の奥底までには深く踏み込んでいるとはいえず、エンタテイメントとしても実録ドラマとしても楽しめながら、バイオレントでロマンティックでもあるユニークな映像の世界を楽しめます。
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神様メール ★★★★

2016年07月25日 | アクション映画ーカ行
「トト・ザ・ヒーロー」「ミスター・ノーバディ」のベルギーの鬼才ジャコ・ヴァン・ドルマル監督が、神様は退屈しのぎにパソコンで人々の人生を弄ぶ意地悪なおっさんという過激な設定で贈る奇想天外ファンタジー・コメディ。そんな神様の10歳になる娘が反乱を起こし、人々の余命をメールで知らせてしまい、世界中に混乱が広がる中、人間界に舞い降りた娘が悩める人々と繰り広げる奇跡の数々を、シニカルかつ遊び心あふれる筆致で描き出す。出演は神様役に「ココ・アヴァン・シャネル」のブノワ・ポールヴールド、その娘役に「サンドラの週末」のピリ・グロイン。共演にカトリーヌ・ドヌーヴ、ヨランド・モロー。

あらすじ:世界を創造した神様はブリュッセルのアパートで家族と暮らしていた。神様はパソコンで世界を操り、人々の生活を面白半分に引っかき回して楽しんでいた。10歳の娘エアはそんな父に反発し、父のパソコンで全人類にそれぞれの余命を知らせるメール送信してしまう。そして兄JC(イエス・キリスト)のアドバイスに従い、そのままアパートから家出すると、大混乱の街に繰り出し、6人の使徒を探す旅に出る。こうして、冒険家になりたかった会社員や殺し屋に転身した元保険セールスマン、夫との関係が冷え切った主婦など、悩める人々と巡り会い、小さな奇跡を起こしていくエアだったが…。

<感想>もしも神さまが実在して、その家族と共に人間界で暮らしていたら、という奇抜な設定の下で、旧約・新約聖書の矛盾を皮肉たっぷりに、ブラックユーモア交えた心温まるコメディ作品であります。
このアイデアの映画は、日本人にはちょっと理解出来ない展開の内容であり、ブラックジョークだからっていっても笑えないところもあるし、宗教が色濃いので途中でダメな人には眠くなってくると思う。
しかし、とらえようによっては素晴らしく面白い設定でもあり、ベルギーに住んでいる神様が、自分の気まぐれで天災や事故を世間にばらまく、飛んでも親父であり、人を不幸にしては喜んでいるのだ。

一人娘は父親がパソコンで、人間の世界を牛耳っている様子をみて、神さまの呪縛から人間を解き放ってやろうと、何ならみんなに人々の死期をメールで知らせてしまおうとやってしまうんですね。

さぁ、下界では大混乱に陥るわけで、メールをもらった人間たちが、自分の余命の短い人間は、毎日を好きなように時間を使ってと、死期が長い人間は何度も自殺をためすのですよ。でも死にきれないって、まだ寿命があるから。とにかく余命宣告の荒治療は国際紛争を休戦に追い込むし、何だか平和な世界になってるのが不思議です。

そんなこんなでメールを出してしまった神様の娘のエアちゃんは、洗濯機の中へ入り下界へのタイムトラベルをします。そして、下界へ行き6人の使徒を探して、それぞれに遺言を書かせることで全く新しい新約聖書を作る使命を遂行しようとするという話ですが、ストーリー自体にはそれほど深い意味はなく、ユーモア溢れる会話とエピソードを楽しむ作品です。

物語は架空のファンタジーの世界ですから何でもありな設定で、一番面白かったのが、夫との愛に冷めてゴリラを愛してしまうカトリーヌ・ドヌーヴの美しさ。ジャコ・ヴァン・ドルマル監督は、ゴリラのキャスティングについて「夫と冷めた関係の寂しい主婦が余命を宣告され、それをどう乗り越えられるのかを見つけようとした。そこで、ゴリラと禁断の恋に落ちる展開を思いついた」とコメント。これはこれでとってもいい絵面でした。

そして、古株社員は北極圏へ鳥を追って行き、性的妄想症の男は運命の女と巡り合い、殺し屋は孤独な片腕美女と恋におちる。
父親の神様が驚いて、娘を追いかけて下界へと同じ洗濯機の中へと飛び込んでいきます。ですが、可愛い女の子とガウンを着た変態爺では、下界の取り扱いが違うんですよね。
全知全能の神様だからって、ただパソコンで遊んでいるような男なので、奇跡を起こすわけでもなく、警察でもただのオジサン扱いですから。家庭の中では、自分は偉いと思っている世界のお父さん方へのメッセージでもあると思いますよ、これは。
部屋に閉じこもって下界へ出ない神様の妻は、女神として扱われていて、夫に従順であり良妻賢母という設定なので、掃除機で夫の部屋を掃除するのに、PCの電源を切ってしまうし。

またもや掃除が終わるとPCの電源を入れる。まさか、PC操作ができるとは思ってない夫、でもいじってしまう妻。女神のする世界の綺麗なことといったら、空は花、花、が咲き誇っている綺麗な空であり、みんな幸せに生活できる生活。

昨今、テロ騒動で全世界が暗黒の事態へと、だからせめてもの映画の中だけでも、豊かなイメージと細部に気を配った心地よい演出、映画的なセンスのさじ加減一つで、人々にはささやかな救済になりうるのだ。
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ロスト・バケーション ★★★★

2016年07月23日 | アクション映画ーラ行
「フライト・ゲーム」「ラン・オールナイト」のジャウマ・コレット=セラ監督が、巨大ザメに追い詰められ、小さな岩場で絶体絶命の窮地を迎えたヒロインの決死のサバイバルの行方を描いた戦慄のサスペンス・スリラー。主演はTV「ゴシップガール」、「アデライン、100年目の恋」のブレイク・ライヴリー。
あらすじ:医学生のナンシーは、亡き母が教えてくれた地元のサーファーしか知らない秘密のビーチで休暇を満喫しようとしていた。美しいロケーションと理想の波に、時が経つのも忘れてサーフィンに興じるナンシー。すると突然、何かにぶつかり脚を負傷してしまう。慌てて近くの岩場に避難したものの、傷口からは大量の出血が。しかし何よりも彼女を恐怖のどん底に陥れたのは、目の前を悠然と泳ぐ巨大なサメの影だった。岸までの距離はおよそ200メートル。しかも徐々に潮が満ち始め、岩場の面積はみるみる狭まっていく。それでもラッシュガードで何とか止血し、生き残るための方策を必死で考え抜くナンシーだったが…。

<感想>主人公のブレイク・ライヴリーは、ライアン・レイノルズの奥さんであり、その相手役は獰猛なホオジロサメなんです。監督はホラーを得意としながらもサッカー映画とか、リーアム・ニーソン映画を撮ったりもするジャウム・コレット=セラ。冒頭での砂浜に打ち寄せられてるカメラ付きの黒いヘルメット。これを拾う少年が最後に彼女の救世主となるんですね。

物語は、満ち潮になると水没する岩礁に一人取り残されたサーファー美女が、サメに襲われる極限のスリラーの展開であります。沖合には巨大なクジラの死骸が浮かんでいて、そのクジラを噛み殺した大きな穴がクジラの体にあるんですから。サメに遭遇して太ももをガブリとやられてしまう。そのクジラに泳いで避難するも、とてもその場所にいるわけにはいかないのだ。近くにある岩礁に泳いでいく途中でもサメに襲われるし、慌てて岩礁にしがみつく彼女。サメがその周りを旋回している恐怖といったらない。

まず、彼女は痛みが増す太ももを、サメに食われ血が吹き出すザックリ割れの脚の患部を、医学生だけに身に着けている耳たぶに沿った半月状のピアスを針に、ネックレスのチェーンを糸代わりに傷口を縫合したり、ウェットスーツの袖をペンダントで引き裂いて、壊死し始めた脚を圧迫したりなど。身に着けていた装飾品で麻酔無しの応急処置に悶絶する。まさか、サバイバルの道具になるなんて知らなった。傍には一羽の傷ついたカモメがいる。このカモメちゃん、どうやら羽を脱臼しているらしく、彼女が治してやるも指をかぶりとされる。

だが、彼女に残された時間は満ち潮まで5時間余り、目に付いたサーフボードを取りに行こうと泳ぐも、サメに気づかれてボードは真っ二つにされる。近くに浮かぶ錆びついたブイも利用しようと泳いでブイにしがみつく。ブイに取り付けられてある救助信号弾を打つも、クジラの油に引火して、赤く発光する光が虚しく光る夜の海。しかし、そのブイにもサメが体当たりをかましてくるのだ。
見つけたカメラ付きのヘルメットを手繰り寄せて、自分の遺言みたいなことを話すナンシー。ブイは錆びつきサメの体当たりで今にも壊れそうなのだが、必死に迎撃するブレイク・ライヴリーを応援する観客の目線。頼みの綱は熱いサンゴ礁に電気クラゲの大群、すでに男3人も餌食にして満腹なはずなのに、執拗に彼女を狙うのは何故なのか?・・・主人公は助かるのか?・・・女は強いのだ!結末はスクリーンでご覧ください。

かなり前だが、サメの恐怖映画というと「ジョーズ」を思い出すが、まさに、それと同じく美人の主人公一人で巨大なサメと戦うB級作品。久しぶりに観た趣向を凝らした86分の、脳みそ溶けそうな盛夏に短い構成と、うまい演出に拍手だ。
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ペレ  伝説の誕生★★★

2016年07月22日 | アクション映画ーハ行
ブラジルが世界に誇る名サッカー選手、ペレの伝記ドラマ。スラム育ちの少年だった彼がFIFAワールドカップブラジル代表に選ばれ、奇跡的な活躍を繰り広げるさまを描く。『ファヴェーラの丘』などのジェフ・ジンバリストと、兄弟のマイケル・ジンバリストがメガホンを取り、ペレ自身が製作を務める。『ジュラシック・ワールド』などのヴィンセント・ドノフリオ、『チリ33人 希望の軌跡』などのロドリゴ・サントロらが出演。波瀾(はらん)万丈なペレの人生と臨場感に満ちた試合シーンに引き込まれる。

あらすじ:ブラジルのスラム街で育った少年ペレ(ケヴィン・ヂ・パウラ)は、類いまれなサッカーの才能に恵まれていた。1950年にFIFAワールドカップのブラジル大会が開催され、父と共に優勝を確実視された自国チームを応援するが、彼らがまさかの敗北を喫してしまう。ペレは、ショックを受けて涙する父を目にし、ワールドカップでブラジルを優勝させると決意する。そして1958年、ペレはワールドカップのスウェーデン大会に向けたブラジル代表チームのメンバーに選出され、父のため、国のために優勝を目指す。
<感想>弱冠17歳にしてブラジルの10番を背負い、母国をワールドカップ初優勝に導き、その後も2度の優勝に貢献するなど史上最も偉大なサッカー選手と称えられる“サッカーの王様”ペレの波乱万丈の半生を映画化したドラマ。
ペレと呼ばれた少年は、バウルという貧しい村で育ち、友人たちと共に洗濯物を丸めたものをボールがわりにサッカーをする日々を過ごしていた。

1950年、自国開催のW杯でブラジルは決勝で敗れ、ペレは涙に暮れる父親ドンジーニョに大胆な約束をする。「いつか僕がブラジルをW杯で優勝させる。約束する」 しかし、ペレの母親セレステは彼がサッカーをすることに反対した。サッカー選手だったドンジーニョが膝の怪我をきっかけにサッカー選手を引退、貧しい生活を余儀なくされていたからである。

スラムしか知らないペレの人生はここから始まる。ペレが歩むこととなる道は決して平坦なものではなかったー彼を待ち受けている困難とは?彼はいかにして世界を変えたのか?
サッカー界のレジェンドであります、ペレが貧困の中から頭角を現していく少年時代の姿を描いているサクセス・ストーリー。サッカーファンでなくとも、正攻法に盛り上がるスポーツ映画として楽しめるのではないかしら。

ご存じペレが初出場の世界大会で大活躍して、チームを勝利に導くまでを描いている。貧乏な子供時代から苦労してのし上がるプロセスは、お約束どうりの展開と演出であります。
その中でもペレを差別するエリート白色人種の描写が、型どうりの悪役タイプなので味気がない。ですが、彼らも欧州人に劣等感を持っていたと判るあたりにヒネリが効いておりよかった。ウルグアイに逆転負けしたショックで、チーム全体で得意の個人技を封印するという内幕も面白い。

そして、特に幼少より、ペレの身体に馴染むジンガというブラジル特有のテクニックにまつわる、文化的エピソードが面白かった。ヨーロッパに対してのブラジルという視点が生きていると思います。
注:ジンガとは、ブラジルの囚人たちが手を拘束されながらも動こうとする格闘技“カポエラ”の足技のことで「腰を落として横に動く」独特のスタイルは、サンバのステップの原点でもあるという。抑圧された民族の歴史が生み出した“土着”の足技。

最年少17歳で出場したワールドカップで、そのスタジアムを初めて踏んだペレが、観衆を悠然と見渡すショットが素晴らしくて感激しました。
最後に自国民族の誇りを謳いあげるのは、いかにも今風の感じでありました。

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帰ってきたヒトラー ★★★★

2016年07月21日 | アクション映画ーカ行
現代にタイムスリップしたアドルフ・ヒトラーが、モノマネ芸人と誤解されて大ブレイクしていくさまを過激な風刺で描いて世界的ベストセラーとなったティムール・ヴェルメシュの同名小説を映画化したドイツ映画。主演は舞台を中心に活躍するオリヴァー・マスッチ。監督は、これが日本初紹介のダーヴィト・ヴネント。
あらすじ:1945年に自殺したはずのアドルフ・ヒトラーが、なぜか2014年のベルリンにタイムスリップして甦る。やがて彼をモノマネ芸人と勘違いしたディレクターにスカウトされ、テレビ番組に出演することに。すると、ヒトラーが生きていたらいかにも言いそうな言葉で現代のドイツを斬りまくると、その“芸”の完成度が評判を呼び、彼はたちまち大ブレイク。しかも言っている内容も意外に真理を突いていると迷える現代人の心を捉え、いつしか再び大衆の支持を集め始めてしまうヒトラーだったが…。

<感想>20世紀最悪の独裁者アドルフ・ヒトラーが、なぜか現代にタイムスリップし、モノマネ芸人としてTVに引っ張りだこに、という笑いの中にピリリと毒気たっぷりの風刺を効かせた問題作であります。
悪名高いあのヒトラーが現代のドイツに生きていたらどうなるのか?・・もちろん1945年4月に自殺したという歴史的な事実でもあるのだが、もし、今ヒットラーが再来したら、意外にも人気者になり、強いリーダーシップを求める大衆は再び彼を選ぶのではないか、という何とも空恐ろしい不適なテーマを突き付ける喜劇である。

そっくりさんといっても、このヒトラーに扮する俳優をよく見ると、顔の輪郭も背格好も、我々がイメージするあのヒトラーとはかなり違うのだ。似ているのは斜めに分けた髪型と口髭くらいか。それでも人々は本物とは違うと認識していながらも、心のどこかでひょっとして、と妙な期待を抱いてしまうものらしい。

だから、モノマネ芸人として誤解されて引っ張り回され挙句に、ドイツ全土をめぐる旅に出たあとテレビ番組に起用されてスターになるわけ。ヒトラーがバラエティ番組に出演した際のひとコマでは、アメリカのバラク・オバマ大統領になりきった司会者の隣に立ち、威圧感たっぷりに視線を飛ばしている。

スタジオに登場したヒトラーは、司会者からの握手の求めにも応じず険しい表情で一瞥(いちべつ)。観客や番組関係者が固唾をのんで見守るなか、ひと言も発さずただじっと立ち続ける。沈黙することにより、その後に続く言葉のインパクトを高めるヒトラー流の人心掌握術が描かれると同時に、現代にやってきたばかりのヒトラーが早くもカリスマ性を発揮し始めていることが感じられる。

それに映像では、テレビのバラエティ番組に出演したことで注目されたヒトラーが、YouTubeで出演動画が拡散されたことによりあっという間に人気に火がつくさまが切り取られている。YouTuberが「戦争は最悪だけどあの芸人は絶好調だぞ」「とにかく彼をフォローするわ。要チェックよ」「彼の言い分には一理あると思う」とヒトラーを話題に上げ、番組を編集した“MAD動画”やファンによるアニメーション動画が流行、さらに“総統ファッション”まで登場するという“祭り”状態に発展する。(資料より)

やれやれこれではあの本物と同じではないかと憤慨している内に、この新ヒトラーは、歯に衣着せぬ直言でのし上がり、ついには日記の出版から映画の製作まで手掛けることに。ここまでくれば、「モンティ・パイソン」に通じる皮肉と風刺を込めたパロディー映画になっている。つまりは、あの「チャップリンの独裁者」と同じ系譜なのだが。

まさにわれらの内なるヒットラーであるからして、かつては彼を選んだドイツ人だからこそ作れた映画なのかもしれない。観ていて素直に笑える喜劇ではない。すべて、自虐的などす黒い笑いなのだ。ファンタジーとドキュメンタリーを織り交ぜたこの映画の世界が、現実になりつつある予兆を感じる。
アイデア勝ち、と見られても仕方ないほどの強烈な題材である。街頭の一般人とゲリラで接触させ、生の反応をとらえるリアリズムを演出するため、ヒトラー役には世間にあまり有名ではない舞台俳優が起用されているが、それによって完全なフィクションを前提とした場合の「ヒトラー」という人間の人格の掘り下げは叶わなかったように思う。

それにしても、あのヒトラーそっくりに民衆の支持を集めた国民的なヒーローへとのし上がっていくことに対して、何か不気味な時代の風圧を感じる。あのヒトラーが暗躍した同じドイツに今再び「ヒトラー的なもの」がじわじわと侵食しつつあるのではないか。ヒトラーとは怪物でも英雄でもない、一人の生身の人間であることをもう一度とらえ直してみる必要があるのではないかと。あの悪夢のようなカリスマを復権させないためにも。

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パープル・バタフライ ★★★

2016年07月20日 | DVD作品ーな行、は行
1930年代初頭の激動の上海を舞台に、歴史の波に翻弄される一組の男女の切ない運命を描いた本格的ラブ・サスペンス。2003年第56回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、高い評価を受けている。主演は超大作「SAYURI」が控える、アジアが誇る女優チャン・ツィイー。監督は「ふたりの人魚」でロッテルダム映画祭グランプリを獲得したロウ・イエ。
あらすじ:1928年、満州。日中関係の緊張が高まるなかで、彼女の兄は地下活動に身を投じていた。ついにシンシアが怖れていた日がやって来た。伊丹が日本軍に召集されたのだ。旅立つ駅のホームで、約束の時間になっても現れないシンシアを捜す伊丹。シンシアは行き交う人の影から、泣きながら伊丹を見送るのだった。そんな彼女にさらなる悲しみが襲いかかる。
目の前で、兄が日本の愛国主義者に暗殺されたのだ。1931年、上海。楽しい時を過ごす恋人たちの瞳には、何の翳りもなかった。まだ、この時は。永遠の愛を誓い合ったスードゥー(リィウ・イェ)とイーリン(リー・ビンビン)は、日本軍によって占領された街を席巻する激しい抗議運動よりも、2人の未来だけが気がかりだった。
ある日、イーリンは仕事で上海を離れていたスードゥーを迎えるために駅へ向かっていた。スードゥーが誤って、隣席の男の蝶のブローチが付いた上着を着てホームに降り立った時から、運命の歯車が狂い始めた。男はテロ組織“パープル・バタフライ"が、日本軍諜報機関の最高責任者・山本を暗殺するために雇った殺し屋だったのだ。(作品資料より)

<感想>1928年の満州、日本人の伊丹(仲村トオル)は、まだ少女のようなあどけなさが残る愛らしい顔立ちの女の名は、シンシア(チャン・ツィイー)。シンシアという中国人少女と恋に落ちるが、突如、東京に召還される。それから3年後の上海。シンシアは、兄を日本人の愛国主義者に殺され、“パープル・バタフライ”という反日組織のメンバーになっていた。一方、伊丹は、日本軍の諜報部員として上海に赴任する。そこで2人は再会するのですが・・・。

シンシアにチャン・ツィイー、伊丹に仲村トオル、反日組織の一員と間違われて婚約者を殺された男には、「山の郵便配達」のリィウ・イエ、彼の婚約者にリー・ビンビン。演技力と存在感のある4人が、愛と宿命と使命感、そしてどうしようもない感情の間で揺れ動きます。そこに、シンシアに想いを寄せる“パープル・バタフライ”のリーダーも絡め、さらに関係も感情も複雑に交錯していきます。
混沌とした時代のムード、そんな中でも恋人たちの熱い想いは誰も侵すことのできない領域にあり、余計に刹那さの情熱を昂めていきます。
激動の時代の波に翻弄される2組の恋人たちの悲しい運命を、ロマンチックなムードたっぷりに、中国の新鋭監督ロウ・イエが、甘く鋭く描き出していて・・・、 “ムード”の濃厚さで全てを包み込み、物語の切なさを、常に薄暗く、くすぶったような、雨に濡れた湿った映像に魅了させられます。  

それにしても長いカットシーンがあります。スードゥーの恋人が彼を迎えに長い駅のプラットフォームを歩いている、・・・向こうには、三人連れが自動車の前をゆっくりと歩いていくのが見えます、・・・そして画面はその三人連れに変わり、かれらがレールをまたぎ歩道橋を渡り、こちら側へ来る頃に列車がその下を潜って来る。三人は橋の階段を下りて列車を待つ人ごみの中にへと・・・、長い長いシーンがあります。
この長い長いシーンはやがて起こる事件を予感させており、この時代の中国に対する日本人の思い入れは強く、深いものです。この頃を題材にして日本人が作った映画は中国に対する罪悪感を甘い感傷で包んだものが多いのですが、この映画ほどその当時の本当の雰囲気をリアルに表現している作品はないと想います。
この映画は政治的なメッセージを意図しているのか、ひっきりなしに反日デモのシーンが出てきますが、当時の上海市中でこれ程までに過激な抗議が繰り返されていたことは知らなかった。特に最後の上海事変や南京虐殺の場面が実写で出てくると、その意図は?・・・何だったのだろう。私がこの作品での“上海”の持つイメージは、もっと甘く切ない“上海”のノスタルジックなイメージ?・・・だけだと想います。でも、やはり史実も忘れてはならないと伝えたかったのですね。
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フォー・ブラザーズ/狼たちの誓い★★★

2016年07月20日 | DVD作品ーな行、は行
母親を殺された4人の兄弟が繰り広げるリベンジ・アクション・エンターテインメント。主演は『Planet of Apes 猿の惑星』のマーク・ウォルバーグ。
監督は『シャフト』『ワイルド・スピードX2』のジョン・シングルトンが、ド派手なガンアクションをスピーディに展開する。ユーモアも盛り込み、爽快な娯楽作に仕上がった全米ナンバーワンムービー。

<感想>いかにも本作は、人種の異なる養子の兄弟4人が陰謀によって殺された養母の復讐に立ち上がるというアクション映画です。ところでこの養母(フィオラ・フラナガンがいい味出してる)、多くの孤児を救った街の良心という設定だが、貸金庫にウッドストックの半券を大事に保管しているような元ヒッピー。つまり彼女は、あの時代の理想=博愛主義の具現者であり、4人の“兄弟”の親密さも、この理想のもとに築かれています。

マーク・ウォールバーグが主演していますが、彼も特別スターというわけでもないし、有名監督による作品というわけでもないです。ストーリーも特別面白いわけでもない。ミステリー仕立てにはなってはいますが、謎解きは話の進行役でしかなく、話は単純です。

義母を何者かに殺された4人の兄弟が、自ら真相究明に乗り出し、復讐に立ち上がるサスペンス・アクションです。主人公たちは決して善人ではない。法を無視して脅迫と暴力で証拠や証言を集め、警察に先駆けて自分たちだけで犯人に復讐しようとする。
でも、彼らなりのモラルがある。彼らなりの正義に基づいて、多少乱暴なやり方であることは承知の上で、母を殺した黒幕に復讐しようとする。彼らの敵は、ただただ暴力で人々を支配し、自分の言いなりにしようとする純粋な悪なのです。このあたりの対比が面白いと思います。頼りにならない警察より早く犯人を探し出し、自らの手で裁く。このあたりは、とにかく悪はぶち殺せという、アメリカ的なモノを感じます。

銃撃戦や雪道のカーチェイスは手に汗握る迫力でしたが、肝心の兄弟愛があんまり描かれていないような気がして 、一番納得がいかないのは兄弟を育ててくれたおばさんが、 自分の為に、敵討ちの為に人を殺す事をどう思うのか?・・・思ってくれるのは嬉しいでしょうが、人を殺す事を許すわけが無い。
フィオラ・フラナガンが、変な風にオバケチックな形で出てくるし、 優しいおばさんなら、「私の為に人殺しなんてしないで」って言うのが普通なんじゃないの。アクションシーンも、迫力あるもので、派手な動きこそないものの、銃撃戦はかなりのできで、それなりにリアルに見せてくれます。
この映画は、兄弟愛を期待して見たんですけど、どっちかっていうとギャング映画が前面に来てしまっているような気がする。 兄弟の愛が描かれるシーンも少ないですし、何より兄弟のジャックが 、大して見せ場も無く、オカマ呼ばわりされた挙句、ラストはあんな感じで終わってしまう・・・。 もうどうしようもないですね。マーク・ウォールバーグが光ってたので良かったけどね。

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HiGH&LOW THE MOVIE★★★・5

2016年07月19日 | アクション映画ーハ行
EXILEや三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE らが所属するLDHと日本テレビがタッグを組み、ドラマやライブツアーなどが連動するプロジェクトの映画版。2015年10月からシーズン1、16年4月からシーズン2が放送されたテレビドラマ「HiGH&LOW THE STORY OF S.W.O.R.D.」の劇場版。
あらすじ:「山王連合会」「White Rascals」「鬼邪高校」「RUDE BOYS」「達磨一家」という5つのチームがしのぎを削り、各チームの頭文字をとって「SWORD地区」と呼ばれる荒廃した危険な街。5つのチームが台頭する以前、一帯は伝説のチーム「ムゲン」によって支配されていた。そんなムゲンと、彼らに屈しない雨宮兄弟が激突し、ムゲンは解散してしまうが……。

<感想>テレビ版をたまに見ていて、映画化されたというので鑑賞した。EXILE のAKIRAやTAKAHIROなど EXILE TRIBE のメンバーが出演するほか、最近めきめきと売り出した若手俳優の窪田正孝、林遣都、山田裕貴らが熱いドラマを盛り上げる。
とにかく「クローズZERO 」シリーズ、「クローズEXPLODE(13)とか「ホットロード」とか、学園バトル・アクションもので、若者が力を持て余してタイマンで殴り合いをする展開が続くのを見ていて、それはそれでいいかなぁと思っていた。

しかし、結構歳いっている大人の男が、若者たちとバカ騒ぎをしてケガをして病院おくりになる。つまりは、自分たちの縄張り争いであり、それをヤクザがその縄張りに目をつけてカジノやら遊技場を作ろうとして、その土地を奪い取るという計画。

陰には、ヤクザのあくどい連中やら中国マフィア、韓国マフィアが絡んできて、行き場のない若者が暮らしてきた土地を奪い取ろうとするわけ。まだ、抗争には拳銃とか機関銃にライフル、ロケットランチャーなどの殺傷能力のある武器が使用されていないのがいい。そんなの使われてたら、人間なんてあっと言う間に屑同然に道端に転がってしまう。

しかし、その抗争の中でのEXILEや三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEの歌が流れてくるのが見せ場というかこの映画の売りなのだから。それなくしての、物語の展開は途中で眠くなるほどつまんない。

ですが私が一番ほれ込んだのが、特にホットロードで能年玲奈ちゃんの恋人役、春山を演じた彼は三代目 J Soul Brothers のボーカリストとして、グループを引っ張る“登坂広臣”の存在感が半端なかった。ここでは、雨宮弟を演じていたが、とにかく目立っていてかっこいい。

雨宮兄弟の存在が鮮烈に私の脳裏に焼き付けられる。ムゲンとの圧巻の戦闘シーンの場面、雨宮雅貴(TAKAHIRO)と雨宮広斗(登坂広臣)の二人が、その鮮やかな蹴り技、拳さばきで100人を超えるムゲンのやつらを次々となぎ倒して行く様は、「HiGH&LOW」の数ある戦闘シーンの中でも強烈なインパクトをもたらしていると思う。その兄弟に、一番上の兄貴が最も強いと言っていたのだが、まさか斎藤工が出てくる最後が気になりますよね。

映画としては、ムゲンというこの物語の舞台となる地区一帯をかつて支配していた伝説のチーム。ムゲンの解散をきっかけに、その地区は「山王連合会」「White Rascals」「鬼邪高校」「RUDE BOYS」

「達磨一家」という5つのチームがしのぎを削り、各チームの頭文字をとって「SWORD地区」と呼ばれる荒廃した危険な街。
その一つである「山王連合会」を率いるコブラ(岩田剛典)とヤマト(鈴木伸之)は、もともとムゲンに所属していた。
だが、元ムゲンのトップの琥珀(AKIRA)と龍也(井浦新)の二人が幼い時からの親友同士として、大好きなバイクを走らせて、ただただ自由を求めて生きていたころからムゲンが始まったことを知る。

「この瞬間が永遠に続けばいい」と琥珀、「永遠じゃねえ、無限だよ」と龍也。幼いころ琥珀が虐められているところを龍也に助けられ、居場所を得た。そんな龍也が無限に広がる自由を夢見ながら語った言葉を、琥珀は胸に刻み込んだに違いない。そんな青臭いくらいに純粋な男同士の絆から始まった物語が、このあくなき闘いのドラマになっているわけ。

ムゲンは暴力を目的として集まっているチームではない。とはいえ、因縁をつけてくる相手や服従させようと近づいてくる相手と闘うことは厭わないのだ。琥珀の盟友となる九十九(青柳翔)にしても、もともとはムゲンに対して牙を剥いて来た孤独な不良であり、闘いを通してお互いを理解して仲間となったのだ。その二人が、互いに憎しみ合い殴り合い蹴りあって喧嘩する。どちらも引くことを譲らないから、決着がつかないのだ。

そんな中に、無名街のリーダーであるスモーキーという、窪田正孝君が青白い顔して、血反吐を吐き、バルクールを駆使したアクションに驚き、完璧なクールさで見せつける。

龍也が九龍グループの車に轢かれて死んだその時から、琥珀の復讐が始まる。九龍グループ、家村会。「SWORD地区」の各チームとは異なり。九龍グループはその外側から地域全体の支配を目論む組織である。この組織は、かつてムゲンに敗れた日向会とは異なり、「SWORD地区」全体を深刻な危機に陥れていく。

男と男の戦い、ぼろぼろの血まみれの体になりながらも、何故に戦う意味があるのか?・・・それは、家のない孤児たちの住処を守るために。絆を深めて友情を深めて戦う真剣勝負の殴り合いなのだ。

琥珀が何やら一人で、龍也の仇をとろうと復讐を目論むのだが、仲間を見捨てて、自分一人で死ぬ気を覚悟で九龍グループ、家村会のバックボーンである、韓国マフィア、中国マフィアたちとあくなき闘いは、見ていてどうなることやら。

闘いには、やはり勝たなくてはダメなわけで、人数か腕力か、はたまた拳銃、ドンパチを使っての殺し合いか、なんて考えるとこれは「EXILE TRIBE」の映画ではなくなってしまう。
ラストにSWORDチームが揃って一丸となって、殴りあって、決着がつくまで殴り合って、高校生じゃあるまいし、いい加減にしろよ。といいたくなる。
一応「SWORDチーム」の勝利ということで終わりなんですが、雨宮兄弟の長男の斎藤工が出てくれば、続編ありきということでしょうね。

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ファインディング・ドリー ★★★・5

2016年07月18日 | アクション映画ーハ行
2003年の大ヒット・ピクサー・アニメ「ファインディング・ニモ」の続編。ニモの親友で忘れんぼうのナンヨウハギ“ドリー”が唯一忘れなかった家族の思い出を頼りに、仲間たちとともに両親を探す大冒険を繰り広げるさま描く。ドリーの声は前作に引き続きエレン・デジェネレスが務める。監督も引き続きアンドリュー・スタントン。
あらすじ:カクレクマノミのニモは故郷のグレート・バリア・リーフで、心配性の父マーリンと、大親友のドリーと楽しい毎日を送っていた。そんなある日、何でもすぐに忘れてしまうドリーが、ひょんなことから幼い頃の記憶を取り戻す。それは離ればなれになってしまった家族との思い出。すぐに会いに行かなきゃと、いても立てもいられないドリー。わずかな手がかりを頼りにカリフォルニアの海へと旅立つ。そんなドリーを放っておけず、ニモとマーリンも一緒にカリフォルニアを目指すが…。

<感想>最初に同時上映の「ひな鳥の冒険」ピクサー・アニメーション映画でアニメーターを務めてきたアラン・バリラーロの初監督作。生まれて初めて自分の巣を出て海岸線にやってきたひな鳥。砂の下に埋まっている貝、食物を取ろうとするけれど、ちょっとでも油断すると恐ろしい波が被ってくるのだ。一度は諦めかけたひな鳥だが、勇気をだしてもう一度エサ取りにチャレンジする。

初めは、母鳥についてエサを口を開けて食べさせてと、だが、母鳥は自分でエサを取ることを覚えなさいと。仕方なく自分で波打ち際までいくも、貝を見つけて食べようとすると波が来て海水の中へ巻き込まれてしまう。だから、怖くて中々自分でエサを取りにいけない弱虫な小鳥。その内、ヤドカリの親子が砂浜へやってきて、波がくると小さいヤドカリが上手に砂を掘りその中へ隠れて波を乗り切ってしまう。それを見て覚えたひな鳥も、波が来ると怖くないとばかりに羽が濡れても穴を掘って体を隠して、波をやり過ごすことができた。という、心温まる微笑ましいお話しでした。

さて、宝石のような美しい海底の世界を舞台に、カクレクマノミの親子の木絆を感動的に描いた「ファインディング・ニモ」の1年後を描いています。早速1作目をおさらいしたので、すんなりと映画の中へ入っていくことができました。ニモとマーリンの友達で忘れんぼうのナンヨウハギ、ドリーが主人公です。何でもかんでも直ぐに忘れちゃうドリーだけど、たった一つだけは忘れていなかったことが、それは幼いころに離れ離れになってしまった家族の記憶なんですね。あの日は何があったの?、パパとママはどこにいるの?、そんなドリーを助けるニモ。でもドリーの家族が見つかったら2匹は別れることになるの?・・・前作よりもスケールアップしたドリーとキャラクターたちの感動の大冒険なんですから。

今やドリーはニモ親子にとっては家族なんですが、グレートバリア・リーフのサンゴ礁で暮らしているのですが、ある日ニモの学校の遠足に一緒に出掛けたドリーは、数千匹のエイがいっせいに海を渡る「アカエイの大移動」を見学中に、大群に近づきすぎて激流に飲み込まれてしまう。その瞬間に、何でもカンでも忘れてしまうドリーの頭の中に鮮烈な記憶が蘇るのです。以前にも同じようなことがあり、その時は自分の家族が一緒だったことを。しかし、自分の家が何処にあるのか分からない。唯一の手掛かりは「カリフォルニアの宝石」という言葉だけだった。

それから、離れ離れになった家族を探さなくちゃと大海原へ冒険の旅に出るドリーなんですが、彼女を一人で行かせるわけにはと、ニモとマーリン親子も同行することになります。旅の途中で少しづつ記憶を取り戻しつつ、両親の名前がチャーリーとジェニーであることを思い出します。
やがて海流に乗ってカリフォルニアの海にたどり着いたものの、今度はドリーが人間に捕まってしまう。彼女が連れていかれたのは、海洋生物研究所。そこでは、海の生き物を保護しつつ、教育目的の展示もするが近代的な施設なのだ。
そして、それこそ「カリフォルニアの宝石」と呼ばれている場所だったのですね。ここにドリーの出生の秘密があるの?・・・。
水槽に入れられたドリーの前に現れたのは、タコのハンク。ドリーに付けられた黄色のタグが欲しいハンクは、彼女に手を貸してくれる。

ドリーの方は、そこにいる様々な生き物たちの助けを借りて両親を探すのだが、一番はタコのハンクで、両親のいるという大水槽へと向かう途中では、シロイルカのバイレーに、そしてジンベイザメのデスティニーたちの助けで排水溝へと入るも、忘れっぽいので右往左往するドリー。

タコのハンクには、何でもそこにある物と疑似体する体に驚くし、水が無くても器用にどんどん進んでいくし、ドリーもタコのおかげで両親の近くまで来ることができる。

大水槽の中で生まれたドリー、覚えのある貝殻、そして探しあてた家族の家。だが、そこにはもう、両親はいなかった。

ドリーの回想部分でまだ幼いころのドリーが可愛いったらない。両親は物忘れはしないようだ。
一方、ドリーを助けるために、ニモ親子は研究所の中へ入りたい。そこで海鳥のベッキーの助けで、研究所の中へ入るも、これはと思うほどの展開にびっくり仰天すること間違いありませんから。

つまり、2匹が生きているのが不思議なくらいといっていいほどの、アクション映像でした。そして、タコとドリーもまた、トラックで連れ去られてしまい、それがラッコが道路を封鎖してトラックを立ち往生させるんですから。
それに、トラックを運転するタコのハンクにもびっくり仰天して、運よく海の中へと帰ることができて、サッチモの歌が流れてきて、それがまた痺れるくらい上手くて、最後はハッピーエンドの終わり方でした。

帰らないで、最後までご覧ください。1作目の歯医者の水槽にいた仲間たちが、カリフォルニアまでビニール袋でやって来ていたのですから、それで、海洋生物研究所の船に捕えられてしまうんですね。まだまだ、続きを作るつもりなんですね。
吹き替え版なので、出演:マーリンに木梨憲武、ドリーには室井滋、ニモは宮谷恵多、それに海洋生物研究所のアナウンサーには八代亜紀さんが、とっても雰囲気たっぷりで上手でした。
ニモやドリーなどお魚さんたちの質感というか、昔と違ってとても鮮明で美しくて、それに海水の描写も、ものすごく変化に富んでおり「 天然のサンゴ礁」、「水族館」、「下水道」など、海水の透明感の違いも実に細かく描写して良かった。

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ファインディング・ニモ ★★★・5

2016年07月17日 | DVD作品ーな行、は行
サンゴ礁の海を舞台に、“人間の世界”へさらわれた我が子を懸命に探す父親の大冒険を描いたファンタジー・アニメ。「トイ・ストーリー」「モンスターズ・インク」を手掛けたピクサー社が、“リアルな水の表現”にこだわり、最新のCG技術を駆使して作り出したかつてない映像世界が展開する。全米ではアニメ史上最高となる驚異的な興収を記録する大ヒットとなった。
あらすじ:オーストラリア、グレートバリアリーフ。広大な海の中でカクレクマノミの400個の卵が孵化しようとしていた。しかし、無事に生まれたのは母親の命と引き換えに助かったたった1つだけ。父マーリンは、この子を“ニモ”と名付け、同じ悲劇を繰り返さないと誓い過保護なまでに大事に育てていく。そして6歳になったニモに、初めて学校へ行く日がやって来る。しかし、突然の悲劇がニモを襲う。彼は、人間のダイバーにさらわれてしまったのだ。打ちひしがれるマーリンだったが、陽気なナンヨウハギ、ドリーの助けを借りてニモを取り戻す旅へと出るのだった。

<感想>続編の「ファインディング・ドリー」を鑑賞する前にTVにて鑑賞したもの。この作品は、第76回アカデミー賞長編アニメーション部門を受賞した、ディズニーとピクサーによる映画です。海に暮らす魚の世界を舞台に、カクレクマノミの親子がそれぞれに冒険をして行きます。人間に捕まってしまった息子ニモを探すために、旅に出た父マーリンと、人間の元で逃げ出そうとするニモ。2匹は再び会うことができるのでしょうか。
吹き替え版なので、出演:マーリンに木梨憲武、ドリーには室井滋、ニモは宮谷恵多、ギルに山路和弘、ペリカンのナイジェルに後藤哲夫ほか。
サンゴ礁の海の中の映像美がとても綺麗でした。それに、王道ともいえる、父親が息子を探して大海原を泳いで、危険な目に遭ったりしながらも、奇跡的に息子に会えるという激的な展開にも驚かされましたね。

主人公の小さいカクレクマノミの子供ニモは、片方のヒレが小さくてうまく泳げないのですね。だから父親のマーリンはだんだんと過保護になっていき、学校に初登校の日もずっと着いてきて、ニモは父親の行動にうんざりしていました。そこで、ニモはわざとサンゴ礁を離れて泳いでいき、海の上に浮かんでいる人間の船まで肝試しみたいにいくのです。
すると船から降りてきた人間のダイバーに捕まってしまいます。慌てて追いかけるマーリンですが、ニモを連れた船に、どんどん離されてしまいました。

追いかけるマーリンのもとに、物忘れの激しいドリーという魚に出会います。おしゃべりで陽気な彼女は、人間の言葉が読めるんですね。落ちてきた人間のゴーグルを見て、そこに手がかりがあると信じてドリーに読んでもらおうと、マーリンは、シドニーと書かれていたゴーグルを持ちながら旅にでます。
途中でゴーグルを取り合いをして、落としてしまいます。それは深い海の中で、TVの画面も真っ暗闇の中を表しているのでしょう、しばらくの間は真っ暗な画面でした。
そして、深海近くまで落ちてしまったゴーグルを見つけたのですが、それは、一つの光が見えて、まさに深海魚のアンコウの前にぶら下がっている提灯だったのですね。そこでアンコウに食べられそうになりながら、ドリーは言葉を読み上げます。

それが我が子がさらわれた住所であるとわかった2匹は、一緒にシドニーめがけて泳ぎます。道中では、サメに出会い、食べられるのかと思いきや、サメたちは「魚は友達」を合言葉に、魚を食べない行動をするサメたち、それにイワシの群に遭遇して道を教えてもらいます。その他にも、クジラに出会い食べられ口の中へと入り、四苦八苦しながらなんとかそこから脱出しようとするも、ドリーがクジラ語が話せるとのんきな感じで喋ります。それでも、背中の潮吹きで表の海に出られるのですからね。
マーリンは、遠回りをしろと言われたピンクのカーテンを、ドリーをだまして進みます。しかし、それはクラゲの群でした。凄く綺麗でクラゲの上をポンポンと飛び大丈夫なんてドリーがはしゃぎます。しかし、クラゲの毒によって2匹は気絶してしまうんですね。

そのころシドニーの、人間に捕まったニモは、水槽の中にいました。ニモを捕まえたのは、歯医者のシャーマン医師で、彼の姪ダーラの誕生日プレゼントとして、ニモは捕まってしまったのです。
ですが、水槽の仲間達はその姪っ子ダーラは、プレゼントされた魚を振り回し、その日のうちに死なせてしまう子供と恐れられていました。そこで、ニモは仲間達と脱出の計画を立てるんですね。水槽を綺麗にするフィルターの道具を壊し、掃除をさせようとしますが、ニモが細いパイプの中へ入り危険極まりないのです。だから命の危険を感じながらも上手くいきません。
こちらのニモのパパとドーリーは、ウミガメの大群が来てくれ、クラゲの毒で気を失っていたドリーも元気になりカメの子供たちと遊びシドニーへの海流へと連れて行ってくれました。港についたマーリンとドリーは、ペリカンのナイジェルの口に入れてもらい、ニモのいる歯医者へと案内してもらいます。しかし、ペリカンの口の中へ入った2匹が歯医者に到着した時、ニモが脱出するためにトイレに流されていってしまいます。

そのシーンは、実に死ぬか生きるかの瀬戸際のような、危険な場面で、良く生きていたと思えるほど感慨深く拝見しました。ちょっと都合よく描かれていると思ったからです。「ちょうだい、ちょうだい」とうるさく騒ぐカモメたちによく食べられなかったと思いますね。
ペリカンに海におろしてもらったマーリンは、慰めようとするドリーに強く当たってしまいます。息子のニモが死んだのは自分のせいだ、と突き放しドリーを置いて行くのです。ですが、ニモは海に敷かれるパイプから出てくることができたんですね。海へ出たニモが帰り道を探しているとドリーに出会います。ドリーは、自分がなぜここにいるのか忘れてしまっていたのですが、ニモに会って思い出すことができ、父親のマーリンを追いかけます。

マーリンに追いついた瞬間、そこでニモとドリーは漁船の網にかかってしまうのです。一難去ってまた一難と、決して親子が出会えるようには展開しませんから。そこで、一緒に捕まった魚の群と共に網を突き破り、ようやく再会することができるのですね。
何処を見ても感動の親子の再会が待っているのに、なかなか進めない海の中で、運よく親子の対面ができるという幸運のカクレクマノミの親子の物語です。
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ファール・プレイ ★★★

2016年07月15日 | DVD作品ーな行、は行
1978年制作、監督は「ハロルドとモード/少年は虹を渡る」などの脚本家として知られているコリン・ヒギンズ。もちろん彼の代表作です。出演はゴールディ・ホーン、チェヴィー・チェイス。
あらすじは、図書館勤めのバツイチ女性グロリアは、車の故障で立ち往生していた男性を同乗させる。彼は彼女に煙草を預け、次の日映画館デートの約束をし、その時に煙草を持ってきて欲しいという。当日、ウキウキして映画館に向かったグロリアの前に瀕死の彼が現れ、“小人に気を付けろ”というメッセージを残してこときれる。大騒ぎするグロリアだが、何故か彼の死体は忽然と消え、誰からも信じてもらえない・・・。

<感想>ジャンルは巻き込まれ型のサスペンス・コメディ。ヒッチコック映画のパロディみたいなシーンが続々登場。そもそも巻き込まれ型サスペンスで、ヒロインがブロンドで、その武器がハサミじゃなくて編み棒で、舞台がサンフランシスコで、クライマックスがオペラの演奏会で.、「ハリーの災難」、「知りすぎていた男」、「ダイヤルMを廻せ!」、等々を思い起こさせる要素がいっぱいなんです。
だからといって、パロディに溢れている分けではなくて、ちゃんとサスペンスを積み上げ、笑わせてオリジナリティだって付け加えている。そのオリジナリティが、ヒロイン演じるゴールディ・ホーンの魅力と、彼女を取り巻くクセモノ役者たち。ゴールディはとにかく信じられないくらいに可愛くて強い。

ファッションもキュートで、レインコートの着こなしなんてびっくりするほど素敵なんです。彼女と恋に落ちる刑事役のチェヴィー・チェイスのドジっぷりや、ゴールディのアパート管理人のバージェス・メレディスの意外な腕っ節もいいが、やっぱり笑いをさらってしまうのはマヌケな男役のダドリー・ムーアには爆笑。

エロ好きなヘンタイオヤジとしてゴールディと絡むのだが、その登場タイミングも最後のオチも最高。ホーンのキュートなドタバタぶりが映えるコメディです。繰り返しギャグをもちいた典型的な手法だけれど、ムーアの個性とツボにハマった演出のおかげで見事スペシャルになっているのだ。
熟年男女のカンフー対決、なんといっても最後の無駄に派手なカーチェイスは見もので、これぞこの時代のアメリカ映画といえる、サービス精神がぎっしり詰まってます。
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SUPER8/スーパーエイト★★★★

2016年07月15日 | DVD作品ーさ行
「M:i:III」「スター・トレック」のJ・J・エイブラムス監督が、本作の製作を務める巨匠スティーヴン・スピルバーグとの夢のコラボで描くSFジュブナイル・アドベンチャー大作。1979年の田舎町を舞台に、8ミリカメラで自主映画を撮影中に偶然列車事故を目撃した少年少女たちが、やがて不可解な事件に巻き込まれ、思いもよらぬ大冒険を繰り広げるさまを、スピルバーグ作品へのオマージュも盛り込みつつノスタルジック・テイストあふれるタッチで描き出す。
あらすじ:1979年の夏。オハイオの小さな町で父ジャクソンと2人暮らしの少年ジョー。ある夜、親に内緒で家を抜け出し、チャールズやアリスら5人の友達と共に駅舎で8ミリ映画の撮影中、列車の脱線事故に遭遇する。またその混乱の中で、8ミリカメラは横倒しになったまま、大破した列車の一部から飛び出してくる“何か”を偶然映し出していた。ほどなくして現場には軍が到着。そして彼らは、ある極秘情報が何者かに知られてしまったと、大規模な捜索を展開する。現場から逃げ帰り、誰にも言わないと誓い合うジョーたち。しかし、町では不可解な事件が次々と起き始め、次第に極秘情報である“何か”の実態が明らかとなっていく…。

<感想>WOWOWにて鑑賞。監督にTVドラマ「LOST」シリーズ等のヒットメーカー、J.J.エイブラムス、製作に巨匠スティーブン・スピルバーグという最強タッグが生み出した、SF超大作。舞台となるのは、ちょうど少年だったJ.J.が8mm映画作りに熱中していた1979年。そんなノスタルジックな空気の中で、ちょっと間が抜けているけれど憎めない少年たちが偶然に秘密を知ってしまい、冒険に出るストーリーは『グーニーズ』を、町にざわざわと異変が起こっていく様子は『未知との遭遇』を、そして作品の根幹には『E.T.』のスピリットを感じさせる。
つまり本作には、J.J.も大好きだったスピルバーグ作品のエッセンスが、山ほど詰まっているのだ。そして『クローバーフィールド/HAKAISHA』で見せた“主役は最後の最後まで見せない”J.J.お得意の恐怖演出も冴え渡り、懐かしさと新しい世代の映画術が融合した、世代を問わずに楽しめるエンターテインメント作品になっている。

映画の舞台は偶然と言ってよいのか、あのスリーマイル事故が起きた頃の約30年前のアメリカ。1079年、例の“スーパー8”というフィルムを使って、子供たちがゾンビ映画を撮るという物語だ。
近くの駅でロケーションをしていたとき、偶然に大規模な列車転覆事件に遭遇したのだ。特殊効果の最新技術を駆使したその映像にまず圧倒される。作りものとはいえ列車が脱線転覆する模様はリアルそのものだ。そして感心していたつかの間、今度はそこに米軍の特殊部隊が到着して映画の本筋に入る。
監督のチャールズ、彼が脚本を書いているらしい。不慮の事故で母親を亡くしたばかりのジョーは特殊メイク係で、美術担当。模型を作ったり、ゾンビと対決する刑事役のマーティン、チャールズのアイディアで、物語をふくらますために後から参加することになった刑事の妻役のアリス。それからやたらに物を爆発させるのが大好きなケアリー、いつも冷静で一歩離れて仲間を見ているプレストンが仲間である。

ただのゾンビもの映画ではなく、刑事とその妻の愛情ドラマも盛り込もうと、監督のチャールズは考えていたのだが、そんな夫婦の愛を確かめるシーンを撮ろうと、真夜中に抜けだして、人気のない駅で撮影を始めた彼らの目の前で、大事故が起きる。まだその時、自分たちが撮影したフィルムに、何かが映っているのかは、知らなかった。
この映画に隠された秘密というのは、はっきりいって他愛のない、それこそ少年の夢、男の子の憧れ以外何ものでもない。制作がスピルバーグだから、あ~やっぱりそっちの話しなんだよね。という展開なのだ。しかし、この映画の凄いのは、少年たちのフィルムに何かが映っている、それがアメリカの国家的秘密らしいということ。軍隊がひとつの街を丸ごと避難させても守り通したい秘密で、と言う事でもない。

それにしても、映画に登場してくる少年の一人一人が、たぶんこの映画そのものを作っている、スタッフの少年時代そのままの姿を映し出したのもに違いないから。
監督のチャールズは、J.J.エイブラムスかスピルバーグ自身に違いないし、特殊メイクや模型作りに夢中なジョーは、きっとこの映画の美術スタッフになっているだろう。ケアリーもそうだ、爆発物を扱い、本物の家を燃やしたりすることが、今の彼にとっての仕事で至福の喜びに違いないのだから。
他愛もない物語を、大真面目に映画として成し遂げ、情熱をかける大人たち。彼らの少年時代が、映画にそのままオーバーラップしてくる見事さに、悔しいけれど感動するしかない。

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