パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞、未公開DVD、お気に入り自己所有のビデオ・DVDの感想などネタバレ有りで記録しています。

海よりもまだ深く ★★★.5

2016年05月24日 | アクション映画ーア行
「そして父になる」「海街diary」の是枝裕和監督が、夢ばかり追い続けて妻子にも愛想を尽かされた甲斐性なしのダメ男を主人公に贈るコメディ・ドラマ。冴えない人生を送る男が、ひょんなことから年老いた母の家で、別れた妻子と一晩を過ごす中で織りなすほろ苦くも心沁み入る人間模様をユーモラスなタッチで綴る。主演は「歩いても 歩いても」「奇跡」「ゴーイング マイ ホーム」に続いて4度目の是枝作品出演となる阿部寛。共演に真木よう子、小林聡美、樹木希林。

あらすじ:自称作家の中年男、篠田良多。15年前に新人賞を受賞したものの、その後は鳴かず飛ばず。ギャンブル好きで、今は“小説のための取材”と称して探偵事務所で働く日々。当然のように妻の響子には愛想を尽かされ、一人息子の真悟を連れて家を出て行かれてしまった。その真悟との月に1度の面会が何よりの楽しみでありながら、肝心の養育費はまともに払えず、おまけに響子にも未練タラタラで、彼女に恋人ができたと知り、本気で落ち込んでしまう始末。そんな甲斐性なしの良多にとって頼みの綱といえるのが母の淑子。夫に先立たれ、団地で気楽なひとり暮らしをしている彼女の懐を秘かに当てにしていた。そんなある日、真悟との面会の日を淑子の家で過ごす良多。やがて真悟を迎えに響子もやって来るが、折からの台風で3人とも足止めを食らう。こうして図らずも一つ屋根の下で、一晩を過ごすハメになる“元家族”だったが…。

<感想>ある団地に一人住まいをする母親と、和菓子屋に嫁いだ姉、文学賞を取ったけれど鳴かず飛ばずの売れない作家の良多と、彼の別れた妻と息子が織りなす家族ドラマ。家族のことを思い浮かべるのは、だいたい食卓の光景ではないだろうか。

この映画の中でも、団地に住む母親が筑前煮を作っているシーンで始まる。息子の良多は母親を訪ねるために駅前で立ち食いソバを食べる。ケーキをみやげに買ってゆき、団地につくと仏壇の大福を食べ、亡き父親の形見の品物とか、金目の物を物色し、挙句には母親のヘソクリ探しをする。そこへ母親が帰って来て、息子がいるのを嬉しそうに喜ぶ母親が映し出されるのだ。

母親はカルピスを冷凍庫で凍らせてアイスクリームの替わりにする節約家だ。そんな年金暮らしの母親の家を訪ねて、お金の無心をする息子に阿部寛が扮している。主人公の良多は、15年前に賞を獲ったきり鳴かず飛ばずの小説家。小説の題材のためにという言い訳で、興信所で探偵として働いているが、妻子にも見捨てられそれでも元妻に未練タラタラであり、良多が生活に困窮してもがく姿が、見ていて情けなくなるくらいこれでもかというくらいに、容赦なく現実的に描かれている。真面目に働いていればこういうことにはならなかっただろうに。一攫千金を狙って、有り金はたいてギャンブルをする男っているんだよね、世間には。

生活費と養育費と息子へのプレゼント代の工面をしようと必死な良多が、興信所に内緒で危ない取引をしたり、それで得た金を迷わずに競輪につぎ込むというクズっぷりは、コミカルなタッチながらもかなり悲惨なのだが、あらゆる細かなディテールの積み重ねが、不思議に共感のような心配のような妙な感情を揺さぶってくるのだから。

月一度の息子との面会に、元妻に渡す養育費とプレゼントの野球のグローブとスパイクを買うための金の工面に四苦八苦するのが辛い。それでも、何とか若い同僚に金を借りて息子にプレゼントを買ってやる。

嬉しそうな顔の息子を見て、元妻に男ができて再婚の話が持ち上がっているのを耳にして、そっと探偵事務所の仕事のついでに後を付けて、その男の品定めをするのだ。

それに、母親には樹木希林が扮しており、この2人を見ていると「歩いても歩いても」の親子を思い出すが、蝶々の話もここでも亡き夫が迷い出て来ると言う設定で、「いなくなってからいくら思ってもダメよ、目の前に居る時にね大切にしないと」、離婚というテーマも盛り込んでおり、「幸せってのはね、何かをあきらめないと手にできないもんなのよ」という、「私は海より深く好きになった人なんていないけどさ」樹木希林の母親と阿部寛の息子とのやりとりが絶妙であり、「こんなはずじゃなかった」と、人生は思い通りにならないものだが、人や物への執着を捨てれば少しは楽に生きられることを、喩えて語るのが良かった。その他の配役もベテラン揃いでさすがに上手いと思いました。
家族と人生というテーマを掘り下げているのだが、監督自身が19年間住んでいた団地がメインの舞台ゆえか、作品のタッチが軽やかであり、カレーうどんを作って、昔のように家族揃って食べる風景に、そこへ台風という嵐が登場して、帰れなくなった元妻との間を取り持つ母親の健気なところが自然でさすがに大御所と拍手。そして、そんなクズな男の良多に愛着さえ湧いてくるなんてね。それは、彼が本当に欲しいものは金ではなく、叶えられなかった“夢”だからだろう。

2016年劇場鑑賞作品・・・101映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
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COP CAR/コップ・カー ★★★★

2016年05月23日 | アクション映画ーカ行
ケヴィン・ベーコンがイタズラでコップ・カーを盗んだ少年2人組を容赦なく追い詰める狂気の悪徳保安官を演じる不条理スリラー。無邪気な出来心が原因で、絶対に関わってはいけない男から追われる身となってしまった少年たちの危険な冒険の行方を、ブラックなユーモアを織り交ぜスリリングに描く。監督は前作「クラウン」でデビューし、次回作ではソニーとマーベルが手がける新スパイダーマンの監督に大抜擢され注目を集める期待の新鋭、ジョン・ワッツ。
あらすじ:こっそり家を抜け出したやんちゃ盛りの悪ガキ、トラヴィスとハリソン。空き地で一台のコップ・カーを発見し、恐る恐る近づくと、誰もいないのを確認して中に乗り込む。すると、ラッキーにも車のキーまで見つかる。もはや運転せずにその場を立ち去ることなど出来るはずもない。さっそく2人はマリオカートで磨いた腕前を発揮して、コップ・カーを公道で大暴走させる。しかしそのコップ・カーの持ち主ミッチ・クレッツァーはただの保安官ではなかった。しかも、あまりにも最悪なタイミングで盗んでしまったとも知らず、すっかり大はしゃぎのトラヴィスとハリソンだったが…。

<感想>コロラドの荒地を10歳の男の子が二人、ワイセツな言葉遊びをしながら歩いていると、有刺鉄線を越えてさらに進むとパトカーが乗り捨てられている。この映画は、最後まで登場人物が少ないのだが、車の運転も銃を手にするのも初めてという少年2人が軸となり、パトカーからの無線の声が連絡のトリックとして最後まで緊張を維持させていくのが見事でした。
監督は「スパイダーマン」の新シリーズに抜擢された若手のジョン・ワッツ。視点も雰囲気も70年代ぽさが濃いし、一昔前の監督の卵の良く出来た習作といった感じだ。
脚本の発想は面白いです。余計な説明を拝し、人物のバックボーンに感心を寄せない潔さも好ましい。ですが、短編として撮るべき映画をむりやり伸ばした感じが否めず、中盤が停滞しているのだ。

少年2人が、びくびくしながら車を運転し、対向車線からおばさんが乗った車が通し過ぎて驚き顔をして、警察へ知らせるも問題なしという回答。子供らが、防弾チョッキを着て、拳銃遊び、弾丸が出てこなかったからいいようなものを、運転もメチャクチャで道路の中央を走るし、挙句にトランクの中のヤクの売人悪党を助けてしまい、反対に捕まってしまう。

悪徳警官役のケヴィン・ベーコンは、パトカーのトランクから死体を引きずり出し、地面に掘った 穴に放り込んでいた。ようやく死体を処理した警官は車のもとに引き返すが、先ほどまであったはずのパトカーが こつ然と姿を消しているのを目にし呆然とする。鍵も車の中だし、拳銃も何もかも車の中とは、バカ丸出し警官。

そして、何者かに車が盗まれたと気づき焦る彼だが、まずは森を出て街へ戻る手段 を見つけなければならない。どうにか車を盗みだした警官は、街へ戻ると警察無線を探り当て何喰わぬ顔で通信指 令部に連絡をとる。冷静さを装い自分の失態を隠そうとする彼は、指令部との会話から自分の車に起きた事実を知り、怒り に燃えた警官は、無線を使い、無謀な盗人たちに今すぐ自分の車を返すよう警告する。

まさか、子供たとだとは気付かずに、目印は風車のある道路と教えられ駆け付ける警官、まさか、トランクの中から麻薬の悪党が出ているとは、子供たちもパトカーの後部座席に押し込まれて身動きできずにいる。

撃ちあいが始まるのだが、あのおばさんが現場へと心配して来たのだが、その悪党の拳銃の弾に当って死んでしまうし、警官と悪党もお互いに撃たれてしまう。子供たちは、後部座席から出たいともがくも、外は夜になり暗くなる。どうにか、少年の一人が拳銃を隠し持っていて、それで窓を撃ちぬこうと試みるも、弾が出てこない。

その内に拳銃をイジリ回しているうちに、車の天井を拳銃の弾が発射する。それをいいことに、窓を撃ちぬくのだが、片方の少年の腹に拳銃の弾が跳ね返って当たり、苦しむことに。慌てたのんびりムードの少年が病院へと車を走らせるも、ライトの付け方も知らず、真っ暗の夜道をパトカーのサイレンを鳴らして走り去るところで終わる。

少年を演じる2人の子役たちが、これまた懐かしい風情をたたえて、しかも難しい内面を見事に表現しており中々良かったです。悪徳警官役のケヴィン・ベーコンの、年を重ねて増々生生しい、変てこな男くささに希薄を感じた。
終盤まで何もを自覚しない少年達の、無知からくる危機にはらはらドキドキの連続という感じで、他人を傷つける怖さと痛みを知り大人になっていく少年2人、怖さを乗り越える勇気を得た少年と、成長が見えるラストが良かった。
それにしても、アメリカの国土は広い。真の主役は悪の放逸さを許す、かの国の広大さかもしれないですね。
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ガルム・ウォーズ ★★★★

2016年05月21日 | アクション映画ーカ行
『攻殻機動隊』『THE NEXT GENERATION パトレイバー』シリーズなどの鬼才・押井守が、構想15年にも及ぶ企画を自らの手で実写化したSF。部族間の抗争が続いている星を舞台に、それぞれの部族の男女3人が奇妙な絆を育みながら繰り広げる旅と戦いを活写する。スタジオジブリの鈴木敏夫がプロデューサーとして参加、メラニー・サンピエール、ランス・ヘンリクセン、ケヴィン・デュランドらが出演、日本語版の声を朴路美、壤晴彦、星野貴紀が務める。壮大なストーリーや、実写とアニメーションが融合した圧倒的ビジュアルも見どころ。

あらすじ:天空から飛来する謎の存在「セル」のために、滅亡の淵に立たされた惑星アンヌーンの住民「ガルム」たち。“ガルム”と呼ばれるクローン戦士が生息し、果てしない争いが続く星、アンヌン。かつて8つあった部族は、激しい戦いの末に今では3部族だけとなっていた。
数世代にわたる戦いの中で、マスクを被り、身体を機械化し、記憶はデータによって受け継ぎ、戦闘に特化した種へと変貌していた。情報呪術部族の士官ウィドは、「ドルイド」の末裔ナシャンとともに、「セル」の謎を探る旅に出るのだが……。

空の部族“コルンバ”の女性飛行士カラは、戦闘中にテクノロジーの部族“クムタク”の老人ウィドと陸の部族“ブリガ”の兵士スケリグと出会う。やがて彼らの間に奇妙な連帯感が芽生え、自分たちガルムのルーツを探るべく、3人は犬・グラとともに、この星の聖地を目指して海の向こうのはるか彼方にある伝説の聖なる森、「ドゥアル・グルンド」を目指す旅に出る。

<感想>冒頭から息をのむような美しく幻想的で、独創的な独特の雰囲気に驚かされる。それゆえに好みが分かれる部分はあるかもしれないが、映像美と壮大な世界観にハマれれば、押井ファンならずとも文句なく楽しめると思います。
始めに「ガルム」をはじめ「コルンバ」「ブリガ」「クムタク」「ドルイド」など、それに主人公のカラに扮したメラニー・サンピエールはいいとして、男たちの名前も分かりずらいのが難点。カタカナ文字のオンパレードで、前半は部族間の戦闘が描かれておりCGの描写が半端なくて、美しさに度肝をぬかれる。

カラの空母の中にあるクローンの睡眠部屋、カラと同じ女性が床下から出てくるのは美しい。これは、「バイオハザード」のアリスと同じような設定なのかも。その他では、ジブリの宮崎駿作品と被っているようなシーンもあるし、『アバター』の後でって、どういうことなんだろうって。ただし、キャラクターの造形や登場人物の衣装も押井監督が「今までとはケタ違いにお金がかかった」というだけあって、作品の世界観を邪魔することなく違和感のない仕上がりではあります。

オール北米ロケを敢行して完成させたSFファンタジーであり、日本人は監督の押井を含む7人のスタッフのみで、キャストには「エイリアン」シリーズのビショップ役で知られるランス・ヘンリクセンがウィド役で、

兵士スケリグにはケヴィン・デュランドが扮しており、彼の記憶にあるのはレギオンでガブリエルを演じた俳優だということ。他にも外国人俳優が起用されている。
後半で敵同士だった彼らの間に奇妙な連帯感が生じ、カラとスケリグは次第に引かれ合うようになるシーンが。しかし、2人は身体を機械化し、記憶はデータによって受け継ぎ、クローンであり人間ではないのだ。彼らは大砲を搭載した高速移動戦車で「ドゥアル・グルンド」の森へと移動する。

創造主はなぜこの星を去ったのか?老人ウィドが問う、「我々ガルムとは一体何者なのか?戦いの果てに我々には一体なにがあるというのか?」兵士として生まれてから戦うことしか教えられてこなかったカラに、スケリグもそんなことは今まで考えたこともなかったのだ。

「ドゥアル・グルンド」の森の中には、巨人兵が2人を見つけると、おもむろに巨大な斧を振り下ろし襲いかかってきた。カラと兵士スケリグの2人で撃退するも、スケリグが巨人にやられてしまう。カラは巨人兵の背中に動力エネルギーを供給している”パイプ”を見つける。彼女が巨人兵1体のパイプを切断すると巨人兵は動きを止める。
これが奴らの弱点だったのだが、それからも、もの凄い数の巨人兵が地下から這い上がって襲ってくるのだ。

老人ウィドが連れているナシャンは、大きなフードをかぶり顔は見えないのだが、銀色のフードの後ろからは美しいブロンドの髪が見えていた。
そのナシャンが「ドゥアル・グルンド」の聖なる森の中へ入ると、大きな樹の聖地の”泉”の前で、ウィドの身体を乗っ取り、ナシャンの本性「マラーク」となり、黒々とした大蛇となって大木に巻き付きカラを襲ってくる。

カラが「マラーク」に質問するが、それは「ガルムの存在に意味などないこと。ガルムには子孫を残す価値すらないこと。彼らの戦争は終わらないこと。本当の戦争はこれからであること。」カラが老人ウィドの身体を乗っ取った「マラーク」に向けて銃を発射する。

時は流れ、いがみ合っていた「コルンバ」と「ブリガ」、「クムタク」は互いに手を取り合い大きな戦いに備えていた。対する勢力は巨人兵の超大軍団であり、これから種の存亡をかけガルムと巨人兵たちとの最終決戦が開始されるのだった。

で、終りなんですが、まだ続篇があると思われます。全編を通して嫌いじゃない映像美に惹かれ、ですがもう少し情感もあっていいのではと。それに、「ドゥアル・グルンド」の森の中にあのバセット犬のグラが取り残されていたのですから。
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夏をゆく人々 ★★★

2016年05月20日 | DVD作品ーな行、は行
2014年のカンヌ国際映画祭でグランプリに輝いたドラマ。イタリアの人里離れた土地で養蜂業を営む一家の昔ながらの暮らしぶりと、徐々に訪れる変化の中で12歳になる4姉妹の長女の大人への成長を丁寧な筆致で描く。監督は、これが長編2作目のイタリアの新鋭アリーチェ・ロルヴァケル。
あらすじ:イタリア中部、トスカーナ地方。人里離れた自然豊かなこの土地で、昔ながらの方法で養蜂を営む一家があった。ドイツ人の父ヴォルフガングと母アンジェリカ、4人の娘たちに、居候の女性ココという家族構成。長女のジェルソミーナはまだ12歳ながら養蜂の技術に優れ、いまや頑固一徹な父の助手として欠かせない存在となっていた。ある日、一家はテレビ番組のロケ現場に遭遇し、ジェルソミーナは女性司会者の華やかな美しさにたちまち心奪われる。そんな中、一家は14歳のドイツ人少年を預かることに。それは、少年更生プログラムによるもので、ヴォルフガングが勝手に決めてしまったことだった。戸惑う女性陣をよそに、まるで息子ができたようでご機嫌のヴォルフガングだったが…。

<感想>イタリアの新鋭女性監督アリーチェ・ロルバケルの長編2作目。製作時に若干32歳。主人公のジェルソミーナと同じくドイツとイタリアの混血で、養蜂家の家族で生まれ育ったロルバケル監督の半自伝的作品である。
人里離れた土地で、養蜂を営みながら、自然との共存を目指して暮らす、ほとんど何も劇的なことは起きていないような、ゆるやかな時間と空間の中で描かれる養蜂業一家の姿の物語。

頑固な父親、優しい母親と小さな妹たち。ドキュメンタリーのような趣も交えて、自給自足の家族の日常を、主に長女のジェルソミーナの視点から柔らかくユーモラスに描いている。それはフェミニンな脚本だからなのだろう。

伝統と時代の移り変わりを、12歳の長女の年齢にして、テーマとして深く掘り下げずに、瑞々しくも豊かに表現できる才能には末恐ろしいほどです。
この映画を観て「ミツバチのささやき」のアナが幼年期の終りとともにあったとするならば、この主人公ジェルソミーナは、過ぎゆく夏とともに少女期の終りを迎えているようにみえる。
12歳でありながら、養蜂業の仕事に厳しい父親の手伝いをしている。いつも威張っている頑固者の父親、そしてすべてを包むような母親の優しさと、3人のすばしこい妹たち。監督の実姉であり、「眠れる美女」で鮮烈な印象を残したアルバ・ロルバケルが母親を演じている。それに謎の同居人で未婚のおばさんココの存在も、彼女はただこの家のやっかいもののような存在にしか見えない。

ふいに現れた口笛の上手い少年と笑顔が素敵な女神のようなTV番組の司会者の女優。地中海の島での撮影の「ふしぎの国」。テレビ番組の司会役では、モニカ・ベルッチも出演しているのだ。

ある日のこと、この村に、テレビ番組のロケーション・クルーがやってきます。番組はイタリアの地方を巡って、いろんな特産品を紹介し、もちろん賞金もあり、一回ごとにその土地のチャンピオンを決めようというもの。そんな時に、ジェルソミーナの家には、行政の方から、蜂蜜の製造施設を衛生面に考慮してリフォームするようにと、勧告が来てたのです。リフォームするには、高額なお金がかかる。どうみても養蜂業だけでこの大家族を養っていくには、大変なことで、そこでジェルソミーナが、こっそりと父親に内緒でこのTV番組への申し込みをしてしまうのです。

そうなんですね。どうみても不衛生としかいえない蜂蜜の製造法で、父親はすべてを長女のジェルソミーナに任せて、重いバケツや遠心分離機のような蜂蜜を濾過する機械など、始終見ていないとバケツの中が一杯になり、疎かにすると蜂蜜がバケツから溢れて漏れ出し、床一面に蜂蜜だらけ。
大事な家計を支えている蜂蜜、瓶詰作業もジェルソミーナと小さな妹たちで作業するんですからね。だから、時おり、バケツを替えるのを忘れてしまい、床一面に蜂蜜が広がってしまう。こりゃ、父親に叱られると慌てて、床掃除をするジェルソミーナ。母親は、畑の野菜作りの仕事で手が回らないらしく、蜂蜜製造にはかかわらないのだ。
その一家の中では、あらゆることが起きていると言えて、自然の風景を含む全体に、ある悲しさが漂っていることで観ていて泣きたくなってくる。

背中に蜂の針が刺さっているのに、“天然で純粋で自然”という言葉は、自分の仕事に対するプライドをもつ父親だからなんでしょうね。でも、TVの美人司会者の前では、恥ずかしそうに言葉を詰まらすし、それに、お金で買えないものを大切にする家族愛と、仕事に前向きな頑固親父。
結末では、父親が子供たちのためにとラクダを買ってきて、家の財産が無くなり怒る母親。離婚騒ぎが起きても、それでも、夏で家の中で眠るには熱すぎるのだろう、庭に置いたマットレスに家族全員で重なり合って寝ている。それはまるで彼らが作る黄金色の蜂蜜のように濃密なのだ。
そして、家からは家族が消え、誰もいなくなっているのだ。きっと家族の時間の儚さを描きたかったのだろう。この作品も人間のありようを描いた作品として受け止められたのだと思います。

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マクベス ★★★

2016年05月19日 | アクション映画ーマ行
シェイクスピアによる四大悲劇の一つである戯曲を、マイケル・ファスベンダーとマリオン・コティヤールらの共演で描くドラマ。中世のスコットランドで、欲望と野心に燃える戦士マクベスとその妻の生涯を映す。メガホンを取るのは、『スノータウン』のジャスティン・カーゼル。共演には、『華麗なるギャツビー』などのエリザベス・デビッキ、『NY心霊捜査官』などのショーン・ハリスなど。圧倒的なスケールと繊細な描写や、マイケルとマリオンたちの熱演が見どころ。
あらすじ:中世のスコットランド。マクベス将軍(マイケル・ファスベンダー)は、ダンカン王(デヴィッド・シューリス)に仕えていたが、戦いで勝利を収めた際に「マクベスは領主になり、王になるだろう」という魔女の予言を聞く。そのときコーダーの領主が死亡し、マクベスを領主にする勅命が下る。王座への欲望が少しずつ心に広がっていくマクベスに、妻(マリオン・コティヤール)は……。

<感想>有名なシェイクスピアの戯曲の一つですが、舞台劇も映画も見た事ありません。原作はもちろん読んでいますが、主人公をマイケル・ファスベンダーが演じて、妻をマリオン・コティヤールと言うので観賞しました。
画面から観る雄大なスコットランドの山々と領地、そこに空が真っ赤に染まり王位を狙って悪事を働くマクベスの心のような風景が印象的に映し出されます。初めに、マクベスの妻との間に生まれた子供が病気か何かで死に、葬式が映し出されます。

そして、戦争へと駆り出され、マクベスは勇猛果敢だが小心な一面もあるという。その将軍マクベスが妻と謀って主君を暗殺し王位に就くが、内面・外面の重圧に耐えきれず錯乱して暴政を行い、貴族や王子らの復讐に倒れる。実在のスコットランド王マクベス(在位1040年–1057年)をモデルにしている。

実際に17年間もの間スコットランドの王位に就いたマクベスなのだが、本当のマクベスは、「人間らしい優しさ」をもつ小心な男だったようです。ですが、どうやら王位に就いたその地位は、戦場で目の前に現れた3人の魔女と妻との言葉の力、その暗示力に惑わされて、邪悪な心を強めて非道な男となっていった結果なのでしょう。

自分の手を真っ赤な血で染めて、何度も寝ているダンカン王を短刀で刺し殺す。その短刀を持って妻のところへ逃げ帰るところは、まさに小心者といっていいでしょう。妻が、ダンカン王の側近たちを睡眠薬で眠らせておき、夫がダンカン王を殺す手はずを整えたのに、殺した短刀を持ちかえってくるとは。妻がその短刀を手に、またもや夫が殺したダンカン王の寝室へと向かう気丈さも、お妃の座を狙う女の意地とも言えるから。

それに、卑怯なのが、朝になるとダンカン王の側近たちが殺したといい、即座に側近たちを打ち首にする。そして罪をきせられた王子マルコムは、イングランドへと亡命する。
バンクォーの子孫が王になると言う魔女の予言を思い出して、その予言を阻止する為に刺客を送り込みました。しかしバンクォーの命を奪う事には成功しましたが、息子のフリーアンスには逃げられてしまうのです。
その夜、晩餐会の席上でバンクォーの不気味な幻影を目の当たりにしてしまい、マクベスは、錯乱状態に陥ってしまう。マクベスは、完全に魔女に言われた言葉に支配されてしまい本来の自分を見失ってしまいます。

精神状態を追い詰められた錯乱状態のマクベスは、これからどうすればよいのかと、荒野の3人の魔女の所へと行き、そこで新たな予言を魔女から受けるのです。その予言とは、「マクダフに用心せよ」、「「女から生まれたものは誰一人マクベスを倒せはしない」、「バーナムの大森林がダンシネインの丘に向かって攻め上って来ないかぎり」と聞き、それでは、マクダフの妻と子供たちを捕らえて火あぶりにして殺してしまう。
そしてマクベスの妻もどんどん衰弱していき、夜中に起き出しては手を洗う仕草を繰り返す。「血の匂いがする、この小さな手、アラビア中の香料をふりかけても いい匂いにはならない」。それから、夫と同じように魔女に会いに行き、精神状態も良くなく遂に息絶えてしまいます。

妻の亡きあとに、魔女たちの言葉に安心したマクベスだが、バーナムの大森林が押し寄せてくるのを見て、自ら戦場に向かい剣を揮うが、「早産の母の死の直後、腹を掻っ捌いて出てきた」と言う、敵将マクダフの前にひるんでしまい、マクダフの手で斬死された。
それにしても原作どうりに、王位を欲しいがために、王様を刺し殺して王子にその罪をなすりつけて、自分が王位に就くとは驚きな展開ですが、それも、魔女や妻の言いなりになりマクベス自身が完全に魔女や妻の言葉に踊らされていたようですね。
確かに人間とは、常に自分の欲望の間で生きてるわけで、占い師とか預言者や魔女のように、未来が見えてるかのような、甘い囁きや言葉を信じてしまい、目の前の現実が見えなくなったのでしょう。
キャスティングは大変良かったと思います。それに、森が真っ赤に燃えて、イングランド勢が押し寄せてくる戦争シーンは、まさにおどろおどろしさが出ており、暗黒の世界を映しだしているのがいい。最後もマクベスの心情を現すような、真っ赤な空の色がどぎつく映りだしたりして、映像美も良かったですね。

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たった一人のあなたのために ★★★.5

2016年05月18日 | DVD作品ーた行
本当の幸せを探しに…レニー・ゼルウィガー主演最新作!
新たな恋と 本当の幸せ探しの旅を描く 珠玉のラブストーリー!
出演は、レニー・ゼルウィガー、ケヴィン・ベーコン、クリス・ノース、シリーズローガン・ラーマン、ニック・スタール、マーク・レンドール、エリック・マコーマック
監督:リチャード・ロンクレイン「ウィンブルドン」「ファイヤーウォール」
あらすじ:1953年のニューヨーク。バンドマンで女好きの夫ダン(ケヴィン・ベーコン)の元を去り、お金持ちの再婚相手を探しに2人の息子とキャデラックで全米各地を回るロードトリップに出たアン(レニー・ゼルウィガー)。若い頃に数々の男たちを虜にしてきたアンは、2人の息子を抱えた今もその魅力が通用すると思い込んでいたのだが、近づいてくる男はことごとくダメンズばかり。
お金を盗む男、若い女に寝返る男、結婚詐欺師・・・。災難はまだまだ続き、挙げ句の果てにはバーで知り合った刑事に売春婦と間違われ逮捕されてしまう。“何事もうまくいく”が口癖のアンは、その後も息子たちを巻き込み、新たな恋と女の幸せ探しの旅を続けるのだが・・・。(作品資料より)

<感想>もう1本、大好きなレニー・ゼルウィガー主演なのに劇場未公開作品。彼女の舌ったらずの声と、あのはにかんだ様な仕草が堪らなく好きです。
この作品は、1953年が設定なので、アメリカの生活も戦後の苦しい時代なのだが、この主人公は南部のお嬢様ということで貧困の生活をしたことない。夢見る夢子さんなのだ。しかし現実は厳しい。

バンドマンの夫にケヴィン・ベーコンで、冒頭で出てくるパンツ姿のあばら骨浮き出るやせっぽちなケヴィン。この俳優さんも近頃は劇未の作品が多く出ている。
でも、スクリーンに出て来なくなるとファンとしては寂しい限りで、未公開作品でもDVDで鑑賞できるので頑張って欲しい。

で、この主人公アンは、夫の浮気に激怒して息子二人を連れて家出。銀行からお金と貴金属類と拳銃を持ちだし、車もアメリカ社会では3500万ドル高級車を、2950万ドルに値切ってこの車で何処へ。早速次の夫を捜しにアメリカの東から西へとロードムービー、ノスタルジックな雰囲気が印象的です。
初めは、ボストンの知り合いって、元恋人だった男に会いに、ところがその男が会社が倒産して金無し男で、トイレに行っている隙に財布取られてしまうお粗末。
そこで運よく軍服をきた大佐(クリス・ノース)が助け舟を、お金を支払ってもらって彼の邸宅へと。結婚しようという大佐。
この大佐はあの「セックス・アンド・ザ・シティ」のキャリーの夫。金持ちなのでこれはシメタと思ったアン、500ドルのおこずかい貰ってデパートへいくと、貧乏な子供たちを憐れみ可哀そうになって500ドル全部あげてしまう。これに激怒する大佐、ケチな男なんですよ。それでこの男から逃げてピツバーグへ。
もうお金も底をつき早く夫を見つけないとと焦るアン。安いアパートを借りて暫くここで夫探し、昔の恋人オリバーと出会いデートに行くも、帰りのタクシーで体を触られて憤慨するアン。これも結局ダメで息子のジョージが、パパからお金送ってもらえばというも、「ダメよ私があなたたちのパパを捜してくるわ」なんて本当に世間知らず。二男のジョージには、「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」のローガン・ラーマンが演じています。
大きな息子たち二人とも、どうしてこんな母親に付いてきたのだろう、なんて考えたわ。母親にとっては、息子達は幾つになっても子供扱いだからね。

そこへ、またもやママの友達ウィリアムという金持ちの男からお誘い。早速親子揃って豪邸に出かけるも、若い彼女といちゃいちゃの彼、でもホテルで食事でもとデートに誘われて浮き浮きのママ。懲りない女っていうか、世間知らずの女なんですね。
ホテルで待てどくらせど来ない彼、若い女を連れてアンのことは忘れてしまったみたいだ。
仕方なくバーへ行くと、男が一人でカウンターで飲んでいる。そこで声をかけると、なんと彼は刑事でアンのことを売春婦と間違われて留置所へ入れられる。見元引受人にアパートの青年に来てもらう。優しいいい男だ、ママのことブロンドの髪が素敵だし奇麗だと褒めてくれる。
仕方なくママのお姉さんの家へ、姉妹は仲が悪く皮肉をいいながら居こご地が悪い。アンがそこでウェイトレスの仕事を見つけるも、客がスケベで尻を触るのでコーヒーをかけてしまう。即刻クビになり途方にくれていると、壁紙とか売っている荒物屋さんへ。
そこでおばさんの客が面倒な注文をするのを、店の店員が困り果てて、そこへアンがアドバイスをして直ぐに雇われ、店の売り上げも伸びて社長もびっくり。
その社長、アンを気に入って求婚するのだが、問題がおお有りで婚約しようとピクニックへ皆で行くと、そこへ奥さんという女性が現れて、社長は精神を病んでいて病気だというのだ。
慰謝料をもらって、結局そこから今度はロスへと向かうわけ。

その途中でも客を車に乗せて乗り賃稼ぎ、中には乗り逃げ泥棒もいて大変な目にも会うしで、とにかく長男のためにハリウッドへ、俳優として成功することを夢みて。
二男のジョージは姉の家にいることになったのですが、旅の途中で泥棒にあい、お金が無くなりジョジーに電話をする。ちょうど弟のジョージもママと兄貴と一緒に居たいと思っていたところで、喜んで飛んでくる。
ジョージもやっぱり家族揃って一緒に住みたいのだ。最後はみんな揃って、家族っていいなぁって、辛いことがあっても分かち合えばどうってことない。そんな幸せが一番なんだよね。
ロスに着くと、NYにいるパパが心臓発作で亡くなり、ジョージだけNYへ帰ることに。どうしてって、長男のパパは違う男だから。
タイトルの「たった一人のあなたのために」と言うのは、バンドマンの夫が作ったヒット曲なんだそうです。このヒット曲が、劇中で何度もかかるのですが、とてもロマチックなラブソングですね。ちなみに、往年の名優ジョージ・ハミルトンの少年時代を描いた作品だそうです。
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ベティ・サイズモア ★★★.5

2016年05月18日 | DVD作品ーな行、は行
メロドラマの主人公を追いかける女性を描く、空想と現実がブレンドされたドラマ。監督はニール・ラビュート。脚本はジョン・C・リチャーズとジェームズ・フランバーグ。撮影は「クレイドル・ウィル・ロック」のジャン・イヴ・エスコフィエ。
出演は「ふたりの男とひとりの女」のレニー・ゼルウィガー、「ディープ・インパクト」のモーガン・フリーマン、「ドグマ」のクリス・ロック、「ユー・ガット・メール」のグレッグ・キニア、「エリン・ブロコビッチ」のアーロン・エックハート、「チャーリーズ・エンジェル」のクリスピン・グローヴァーほか。2000年ゴールデン・グローヴ賞ミュージカル・コメディ部門最優秀主演女優賞、同年カンヌ国際映画祭最優秀脚本賞受賞。

あらすじ:カンザス州の田舎町に住むベティ・サイズモア(レニー・ゼルウィガー)は、ウェイトレス。夫のデル(アーロン・エックハート)は車のセールスマンだが、どうしようもない奴だ。だが昼の連続メロドラマ『愛のすべて』の大ファンであるベティは、いつか看護婦になって、そのドラマの主人公であるデイヴィッド(グレッグ・キニア)のような素敵な医師と結ばれる日を夢想していた。
そんなある日、麻薬を横取りした夫が、プロの殺し屋チャーリー(モーガン・フリーマン)と子分のウェズリー(クリス・ロック)に殺される。そのショックで、ベティは夢と現実の境をひょいと飛び越し、昼メロの世界に飛び込んだ。自分を看護婦だと思い込んだベティは、夫を殺した2人に追われていることも知らず、6年前に別れたデイヴィッドとの愛を今こそ貫こうとハリウッドへ車を走らせる。
ロサンゼルスに着いたベティは、偶然ケガ人を救ったことで本当に看護婦の職についてしまうが、しかしドラマ上の恋人が現実に存在するはずはない。だがやがて彼女は、デイヴィッド役の俳優であるジョージ・マクコードとめぐり逢う。こうしてドラマと現実がごっちゃに絡み合っていくのだった。

<感想>だいぶ前になりますがレニーちゃん大好きなので中古のビデオを購入。これ面白かったですよ。ラブコメかと思いきや、サスペンスありのロードムービーなのだ。主人公のベティちゃんが毎日見る昼メロの医者ものラブロママンスに夢中。
夫の殺人現場を目撃し、毎日見ているTVのその医者のデイヴィッドと結婚すると妄想というよりも、現実離れして虚構に走っている。これはとんでもないことなのだけど、物語はスムーズに進んでベティちゃんはTVの医者役のいるハリウッドへと向かう。

それを追いかける殺し屋がモーガン・フリーマンと子分のクリス・ロックの凸凹コンビ!。
原題が「ナース・ベティ」というから、本当に自分が看護士のつもりになって、ロスに着くと交通事故の怪我人をERみたいに喉に穴開けてストローで息を吹き返させたりするんですから、見ていて本当の看護婦よりやるじゃないのって思い込んでしまうから不思議ですよね。
見ていてとんでも設定なのに、何だか彼女がこんな役演じると、あの声でとってもキュートで可愛いし、さまになっていていいですよね。
ちょっとオツムが変な女の子って、旅をしている時でも食堂のお姉さんが優しく応援してくれたり、職場(元ウェイトレス)でも上司とか仲間がベティの見方だしね。
だから殺し屋のモーガンも彼女に惚れちゃったりしてしまうんです。肝心の医者のグレッグ・キニアって、確かに二枚目だけど「恋愛小説家」とか最近では「ラストソング」に出ていたっけ。

彼も、もの凄いファンのベティちゃんに、いやストーカーのように追いかけられたと思いきや、ドラマの視聴率が落ちてきて、そんな時(慈善パーティ)にベティちゃんが現れ突然看護婦役でドラマに出演って、これはとんでもですわ。
思い込みの激しいベティちゃん、こんなことって有り得ないでしょうが、突然の事故に遭遇して重傷を負った人を助けるシーンで、もうすっかり救命看護士になりきっての大活躍。これもTVで見たことを真似しただけなのに、それが幸を転じて人助けになるとは。それで看護士の免許もないのに病院へ勤務することになるんですからね。

TVを見ていた故郷の人たちや、途中で出会った人たちも大喜び。しかしね、それが殺し屋たちに居場所を教えることになるんですからね。
モーガン・フリーマンも渋くてユーモアが効いてて良かった。でもすぐに殺されたベティの夫のアーロン・エックハートは勿体ない役だったね。
それと、頭の足りない可笑しな娘に惚れてしまった、モーガンの妄想シーンが面白いんですよ。グランドキャニオンでベティを抱いてキスをするシーンが夕闇に映えて美しかった。でも、現実は殺し屋。最後はベティと向き合い、自分をさらけ出すモーガンのロマンチストな所が垣間見えて、さすが演技派上手いんですね。
夢見る夢子さんが現実に変えると、いつもの生活が待っている。でもこれからは地に足を付けて生きて行くことでしょう。

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世界から猫が消えたなら★★★★.5

2016年05月17日 | アクション映画ーサ行
『るろうに剣心』シリーズなどの佐藤健と『ソラニン』などの宮崎あおいが初共演を果たし、川村元気の小説を原作に描く感動のドラマ。余命宣告された主人公が、悪魔と取引して世の中から一つ何かを消すことで一日の命を得るという不思議な物語を紡いでいく。『ジャッジ!』などの永井聡監督がメガホンを取り、『サケボム』などの濱田岳が共演。佐藤の一人二役による熱演はもとより、斬新な映像で描かれる胸を打つ物語に引き付けられる。
あらすじ:ある日、余命いくばくもないごく平凡な30歳の郵便配達員(佐藤健)の前に、自分と同じ容姿を持つ悪魔(佐藤健)が出現する。その悪魔は、彼の身の回りの大切なものと引き換えに一日の命をくれるというのだ。次々と電話や映画や時計などが消えていく中、彼は初恋の女性(宮崎あおい)と再会し、共に過ごした日々を振り返る。

<感想>ある日、この物語の主人公の青年に訪れる余命宣告。残酷な響きだが、だれでもが何時かは死ぬ日が訪れるのだから。ですが、この青年には、自分とそくりの悪魔が現れて、1日寿命を延ばすのと引き換えに、この世界から何か一つ消すことを持ちかける。電話が、映画が、時計が、次々と消えてゆく。

「何かを得るためには、何かを失わなくてはならない」そんな苦い哲学を含んだ寓話のような作品だった。

悪魔と2役を演じた佐藤健くん、つまり悪魔とは主人公の僕の中の1人格で、分身にも見えるのだ。突然の自分の死を受け入れられなくて、自分の中の別の人格が悪魔として現れ、命を1日引き延ばす代わりにこの世から大切な物を消してしまうという取引に応じるのだ。

始めの電話にしても、元付き合っていた恋人との出会いが、間違い電話であり、それから映画が大好きだということもあり付き合うことになる。そして、映画にまつわる思い出がたくさん出て来て、同級生の濱田岳演じるDVD屋の店員、ツタヤと呼ぶ親友なのだが、映画のことを良く知っており、レンタルする映画を選んでもらう。

特に「メトロポリス」の地底の水浸しのシーンとか、チャップリンの「ライムライト」にしても、夢破れたバレエダンサーが自殺するのを止めるために次々と言葉を投げ掛ける。生きていくことは美しく素晴らしいと。

「ブエノスアイレス」の映画も、2人で旅行をしたアルゼンチンの世界遺産「イグアスの滝」で“生きてやる!“と、叫ぶシーンが印象に残る彼女との思い出の映画であり、とても消し去ることは出来ないのだ。

時計は、亡き母親が大切にしていた金の懐中時計、父親が時計屋をしていたので、壊れると修理をして母親に「治ったぞ」と渡す。嬉しそうな顔の母親。それをいつも目にしていたのに、時計を消してしまうなんて。

最後は、猫だ。これは、小学校の時に雨の降る日、学校から帰る道で捨て猫を見つけて拾ってきた僕が、家では飼えないと言う猫アレルギーの母親に、父親が飼おうと言ってくれ、レタスの段ボール箱の中に入っていたので、名前は『レタス』と付け、母親が大事に可愛がっていた。

そしてレタスが死に、病気になった母親は日増しに衰え、見かねた父親が貰ってきた猫を『キャベツ』と名付けて、それからは、母親が元気になり温泉旅行にも行き、その温泉旅行は予約をしてなかったのでボロ旅館だったが、それでもいい思い出になり、海を見に母を連れだし、写真を撮る父親の手が震えてぼやけた写真になってしまう、懐かしい写真。

母親の希望で温泉旅行も海へ行ったのも、僕と父親に仲直りして欲しかっただけなんだと。
自分の命と引き換えに愛猫「キャベツ」を消し去ることなんて出来ないと、雨の中を探し回り見つけて嬉しそうな僕。

そして、母親からの手紙を、元彼女から受け取る。その手紙には、僕のいいところが10個書き出してあった。息子を愛する母親からの最期の手紙だ。
僕の主人公は、結局は自分の死を受け入れて、絶縁状態だった父親に「キャベツ」を託して、自分の病気のことも言って、父親のことを嫌っていたことを許してもらいに行こうと自転車に乗って父親の時計店に行くところで終わる。
私は猫も好きだし、今は犬を飼っているのでこの世から動物を消し去ることなんてできません。明日にでも死ぬ時がやってきたならば、限られている時間を精一杯に生きてみるということ。ですが、やっぱり、死にたくないとかやっぱりもう少し生きたいなんて後悔するのだろう。たくさんの些細な後悔や、叶えられなかった夢を思い出しながら。あとどれくらい生きるかなんて誰にも分らない。全ての人間にとって寿命は未知なのだから。

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HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス★★★.5

2016年05月16日 | アクション映画ーア行
あんど慶周のコミックを基にした実写化企画の第2作で、鈴木亮平演じる頭にパンティーをかぶることでパワーを発揮する主人公が新たな危機に挑むアクションコメディー。世界からパンティーが消失してしまうという非常事態に立ち向かう変態仮面の活躍を描く。監督は、前作に続いて『明烏 あけがらす』などの福田雄一。ヒロインの清水富美加やムロツヨシといった続投組のほか、柳楽優弥、水崎綾女らが出演する。鍛え上げた鈴木の肉体と俳優陣のコミカルな演技や、“変態秘技 苦悶蜘蛛地獄”などの新必殺技にも注目。

<感想>3年前の前作も観ていたので観賞したいと思い、レイトショーで観賞したのだが、満席で驚いた。結構ファンの人たちがいるんだと感心しきりです。主人公の変態仮面に扮する鈴木亮平君、『俺物語!!』の猛男で体重を増加させての頑張りようでしたが、今回は見事なプロポーションの仕上がりで筋肉美を披露してくれました。アクションは、まるで「スパイダーマン」のようにロープを使いビルからビルへと飛び移り、いつもの変態ドSロープ締めももちろんのこと、今回は股間のおいなりさんパワーもアップしてたくさん見せ場を披露してました。

大学生となった色丞狂介も大好きな姫野愛子から変態呼ばわりされ、変態仮面のパワー全開となるパンティを返してしまうのだ。だから、敵に向かって変態仮面に変身するには何を被ればいいのか?・・・ガードルでは前が見えないし、それが誘惑された女教授の部屋へ付いて行き、つい盗んでしまった教授のブルーのパンティを被ってしまう。それが教授と生徒との禁断の恋を連想させて、パワーアップして戦えるようになるも、やっぱり戦力には愛子ちゃんのパンティでなくては全開で戦えずに倒れてしまう色丞狂介。ですが、愛子ちゃんは、色丞狂介からパンティを返してもらい複雑な思いになり、ニューヨークへと行ってしまう。

悪役の大金玉男のムロツヨシも、前作で死んだと思われていたのに、頭だけ大丈夫だったようで、ロボットとして登場。その大金玉男の手下になった柳楽優弥が、タラバ蟹とロボットが合体したダイナソンとなり変態仮面と対峙するのだ。しかし、今回だけは、相手の力が増しており、強力な磁石のようなパワーで、東京だけでなく日本の女性のパンティが空を飛び盗まれるという驚くべき敵の力に惑わされるのだ。
その他にも、パンツを吸い上げるミスター・バキュームという、掃除機を背負ったバケモンが出てくるが、これは色気女の大学教授のパンティを被って、フライングキックに棒縛り、股間を押し付ける変態秘技で退治する。大活躍の変態仮面こと色丞狂介は、大学で女子にモテモテであり、モテキがやって来たと大喜びするバカな色丞狂介。
やっぱり見どころは、愛子ちゃんが大好きで、大金玉男のその子分となった柳楽優弥が、タラバ蟹とロボットが合体したダイナソンになっての大乱闘にあるでしょう。

アメリカにいる愛子ちゃんを追ってNYまで駆け付けたのに、すでに愛子ちゃんは大金玉男に誘拐されて日本へと連れ去らわれてしまったのだ。ここで、CGによるNYのビル街を「スパイダーマン」のように、高層ビル街を飛び回る鈴木亮平がいたのに驚いたのなんの。
ところが、相手の大金玉男の強いので、変態仮面は愛子ちゃんのパンティがないからパワー消失で負けちゃうし、こうなったら、お色気女教授のヒョウ柄パンティでもいいかと被って戦うも、女教授も敵である大金玉男の味方であり、ヒョウ柄のパンティは“呪“がかかっていて、色丞狂介は肉体が痩せ細りゾンビのようになり、結局はコテンパンに負けてしまう。

前回では、ニセ変態仮面の安田顕との壮絶な戦いは爆笑もんでしたが、今回では山奥で仙人として奥義を伝授する師として、それに、祖父だったとはこれいかにで、登場シーンからヤバすぎって感じの変態ジジイでした。山籠もりをして頭にブラジャーを被った爺ちゃんからの特訓?を受け、超音波を身に着けて、ピンクの新品のパンティを貰って下山する。気分はエクスタシー、フォー、クリスワールドなんてね、元気になる色丞狂介。

大金玉男のアンドロイドは、愛子ちゃんと結婚式をするといい、長方形のケーキの中に変態仮面がはいっていたとは。ですが、変態仮面も爺ちゃんから貰った「てんぐ」のお面を股間に取り付けて、それが拳銃の弾を弾き飛ばして面白いのなんの。
ですが爺ちゃんから貰った新品のパンティでは、力が尽きてしまい肝心なところで変態仮面もギブアップ。それを見た愛子ちゃんが、自分の持っていたパンティをすかさず穿いて色丞狂介に渡すと、あっという間に変態仮面に変身という。変態仮面のハリケーン・バンジーってロープで飛ぶし、柳楽優弥のタラバ蟹とロボットは破れたり。それに、大金玉男アンドロイドの口から変態仮面が中に入り込み、下の股間のところで金の玉を握り潰すという残酷な結果になってしまう。

最後は変態仮面の禁断の秘技、“苦悶蜘蛛地獄”などの新必殺技を見せてくれて、まるで本物の「スパイダーマン」に負けないくらいの強くなっていた。
ですが、女教授がスタコラと逃げていくのを見て、これは続篇がありと思いましたね。内容がくだらなさ過ぎて、エロエロと下ネタ満載で大笑いだし、マーベルコミックのネタをパクッているのが、気が引けたけど面白かったし、続篇があるというので今後も楽しみです。

 2013年公開HK/変態仮面
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ルーム ★★★★.5

2016年05月14日 | アクション映画ーラ行
アイルランド出身の作家エマ・ドナヒューのベストセラー小説「部屋」を映画化。監禁された女性と、そこで生まれ育った息子が、長らく断絶されていた外界へと脱出し、社会へ適応していく過程で生じる葛藤や苦悩を描いたドラマ。第88回アカデミー賞で作品賞ほか4部門にノミネートされ、息子とともに生きようとする母を熱演した「ショート・ターム」のブリー・ラーソンが、主演女優賞を初ノミネートで受賞した。監督は「FRANK フランク」のレニー・アブラハムソン。7年前から施錠された部屋に監禁されているジョイと、彼女がそこで出産し、外の世界を知らずに育った5歳の息子ジャック。部屋しか知らない息子に外の世界を教えるため、自らの奪われた人生を取り戻すため、ジョイは全てをかけて脱出するが……。

<感想>2015年のトロント国際映画祭で観客賞を受賞して注目を浴び、今年度アカデミー賞では低予算製作のハンデをものともせず、母親を演じたブリー・ラーソンが主演女優賞を獲得した注目の作品です。以前から観たいと思っていたので、やっと東北でも上映され嬉しくて初日にて観賞しました。
物語は、女の子のように髪の長い少年ジャックが5歳の誕生日を迎えたところから始まります。母親のジョイがケーキを焼いてくれたことを喜んでいて、ローソクがないことにすねるジャックだったが、何処にでもいる母親と息子のように彼らは強い絆で結ばれているんですね。

ですが、彼らが置かれた状況は決して普通ではありませんでした。幸せそうに見える母子の一室での風景は、やがては奇妙な違和感を帯び始めてきて、何故に母子は天窓しかないこの粗末な“部屋”から出ないのだろうか?・・・。

幼くも聡明なジョイの息子ジャックは、生まれて以来部屋の外に出たことが無い。天窓からの風景とかTV番組だけが外界との接点だった。この息子役のジェイコブ・トレンプレイのなんと言っても演技が上手いし可愛いのだ。トラックの荷台のシーンでは、外の世界に出たあとの恐々としながらも次第に慣れ始めていく子供らしい仕草がなんとも可愛らしいのだ。
夜中に部屋にやってくる男は何者なのか?・・・、母親のジョイを監禁した男、オールド・ニックは、夜になると部屋にやってきて、ジョイを慰み者する。彼女の反抗には、部屋の電気を切り暖房が使えず寒いという罰を与える。異常犯罪の被害者である彼らの運命は、どこに向かおうとしているのか?・・・。

夜になるとジャックは洋服ダンスの中で眠る。そこへ男がやってきて、2人が喧嘩をし、次の日から電気が切られ寒さに震える二人。そして、母親はある決意をするのです。息子のジャックに外には広い世界があることを話し始め、外の世界に興味を持ちだした息子に向かって、ママはある計画を持ちかけるのです。それは、ジャックをカーペットに包んで何度も死んだふりの練習をさせ、運び出された後の行動も息子に覚えさせなければならない。
それからが、異常犯のニックに息子が死んだことを伝え、嘘を信じたニックはトラックで運び出す。だが、それが失敗しかけた計画は、ジャックが機転を利かして通りがかった外界の人の助けで、思わぬ結末に辿り着くのだ。

意外性に富んだサスペンスフルな展開に加えて、一人の人間の“世界”との対峙というテーマが確かな答えを残し始める。“部屋”という世界に縛られ、苦しんできた母親と、この世界を疑問も持たずに受け入れてきた少年。幼い子供の目には狭い部屋も無限大の世界に見えることを示すカメラにまず驚嘆させられます。
そんな彼らが部屋の外へ解放された時、どうやって広い世界を受け入れるのだろうか?・・・。脱出シーンのスリルも素晴らしいのですが、本当に驚かされるのはその後であること。特別な絆で結ばれた母と子の特異な体験であり、言葉少なにつづられるすべての場面、すべてのショットに胸が締め付けられような思いがした。

翌朝、病院で目覚めたジャックと母親、そこに両親が駆け付けて来た。ですが、それで終わりかと思うと、それからが大変んだったのですね。奪われた現実の世界に戻ることができた母親のジョイとジャックですが、予想もつかない困難が次々と親子に訪れるのですから。
娘ジョイの母親にはジョアン・アレンが扮しており、娘が監禁されていた間に、長年連れ添った夫と離婚をしていた。解放された娘のジョイと孫のジャックを受け入れようと努力するのだが、・・・。父親にはウィリアム・H・メーシー。
何と言っても、ジョイ役のブリー・ラーソンは「ショート・ターム」で脚光を浴びた注目株であり、本作では体脂肪を12%落として、隔離された部屋で役つくりに努め、撮影に臨んだという。母親としての責任と、抜け殻のような放心状態の間を行き来する内面の演技も絶妙で、ヒロインの傷ついた心情がリアルにかつ切実に、伝わってきて涙がこぼれるくらいグット胸に響きます。

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タイニー・ラブ ★★★

2016年05月13日 | DVD作品ーた行
同棲相手のスティーブン(マシュー・マコノヒー)に妊娠を告げた新進女流画家のキャロル(ケイト・ベッキンセール)。しかし子供を欲しがっていたはずの彼がなぜか喜んでくれない。
数日後、訪ねてきたスティーブンの兄ロルフ(ゲイリー・オールドマン)を見てキャロルは、その小ささにびっくり。スティーブン以外の家族は、ドワーフ(小人症)なのだと聞き、ショックを受けてしまう。
生まれてくる子供も小人症ではないのか? 募る不安にもスティーブンは何も答えてくれず、替わりにロルフが叔父さん一家を紹介し、ともに親身に相談に乗ってくれた。明るく前向きに生きる彼らの姿に、自分を恥じ、ロルフに惹かれる自分を感じたキャロルは、出産を決意するが…。
2003年、監督:マシュー・ブライト『トリックベイビー』/脚本:ビル・ワイナー(作品資料より)

<感想>遺伝的なものなのか?・・・私には小人症のことをよく知りませんが、映画の中で俳優さんが演じているのを見ることがあります。この物語も最初から、彼ら小人症の大人の男が二人改造バイクに乗ってるところから始ります。
その映像の中の彼らは、なんら私たちと変わりなく健常者の人間と同じように生活しているわけで、小さく生れたことを受け入れ堂々と人生をエンジョイしている。
この物語は、最初は普通の人間同士のカップルのラブストリーかと思ってましたが、問題は彼女が妊娠してしまい、彼の一族が小人症だということ。
たまたま、キャロルの彼氏のスティーブンが普通の体で生まれ、それも双子!。お兄さんが小人症に生れたわけで、小さい頃から二人は仲が良いのです。でもスティーブンの方がやはり心に一族の血統を受け入れていないわけで、・・・・彼女が妊娠と分かると嫌な顔をして喜ばない。お兄さんのロルフが、自分の家に連れて行き現実を彼女に見せ納得させます。
本当だったら、彼女の方が動揺して子供を産まないことにしようと考えるのに、この物語では反対に彼なんですね。彼女に一族のことを隠してたわけで、生れてくる子供は確率で小人症の子供が生まれる確率が高いんですもの。
キャロルの両親も、彼の家族を見てまず、母親が驚くのですが父親が生れてくる子供のことを思って結婚を許すのです。それに、彼のお兄さんって無口だけど思いやりのある優しい人。子供が生まれても抱いてくれない彼。自分の子どもを見て拒絶する。それが分かってキャロルは、ロルフの家に子供を連れて生活することになるのですね。

彼となら、子供と一緒に穏やかな暮らしができると思う。彼女が兄のロルフに惹かれのは当然だと思う。この物語りの様々な不安に揺れ動くヒロインを、ケイト・ベッキンセールが等身大に演じ、恋人役にはマシュー・マコノヒーが。そして彼の心優しき小人病の兄に、名優ゲイリー・オールドマンが演じています。
エキセントリックな役を演じたら当代随一なオールドマンが、小人役に挑戦!__マッド・バイオレンス男役が多い彼が可愛く見えてしまう、とってもお茶目な作品。
そうそう、ロルフの小人症の友達の彼女役で、パトリシア・アークエットが始めっから、ヒッピー風のドレッドヘアーとミニスカートで出演している。
モーテルに泊まることになるのですが、3人を見てその支配人の言い草が、「大人1人に子供が二人だな」なんて差別用語を平気で言う。
小人病というシリアスなテーマを扱いながら、恋愛や親子の絆を巡って誰もが経験する心の葛藤を繊細かつ鮮やかに描き、さわやかな後味を残すハートフル・ラブストーリーです。

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真夜中のギタリスト★★

2016年05月13日 | DVD作品ーま行、や行、ら行
『トワイライト】旋風で、世界中の女性のハートを掴んだ、あのロバート・パティンソン主演作!禁断の恋におちるヴァンパイア役から一転!こんなにダメダメで可愛らしいロバート・パティンソンは見たことない。
『トワイライト』シリーズで世界的ブレイクとなる前のお宝作品!劇中で、ギター片手に歌声を披露しています!
あらすじ:ミュージシャンになる夢を捨てられず、恋人には捨てられたりと、アートの人生は完全に行き詰っていた。結局は、スーパーの品出しバイトでしかない、そんな彼が見つけた一冊の自己啓発本。感銘を受けたアートは筆者に手紙を書き、カナダからアートのいるロンドンのアパートへと彼を招きいれる。
彼は人生のコーチとしてアートの家に泊り込み、まずは身近なところから見直そうという事で、アートに無関心の両親との関係を修復していこうと試みる・・・が、それでも両親は取り合わず、悩みを相談しようにも親友達はマイペースな変わり者ばかりで・・・。2010年11月DVD発売、劇場未公開作品。原題「HOW TO BE 」

<感想>「トワイライト」シリーズで今や世界中の女性から追いかけられる存在となったロバート・パティンスンだけど、本来の彼は気取りのないシャイ・ボーイなのね。本作品では、そんな彼の素顔により近いのではないかしら、・・・と思わせる日本未公開のロブ様主演映画です。
タイトルが「真夜中のギタリスト」なんて邦題つけられてますが、と言っても本格的なギタリストではなくて、友人たちとバンド活動をしているだけの素人ギタリスト。
そのギターさえ、本当に真剣に目指しているのかといぶかってしまう、モラトリアム青年アートを演じているのが、「トワイライト」でブレイク前のロブ様なのです。

ミュージシャンにはなりたいけれどパワー不足。両親は彼をほとんど無視しているし、恋人にも捨てられ、バイトも順調とはいえない。何にしても自分に自信のないアートが見つけたのが一冊の自己啓発本。彼はその著者をカナダからロンドンの自宅に招き入れ、人生のコーチをしてもらうことに。
でも彼の深〜い悩みを両親も友人も真剣に取り合ってくれないし、元カノには新しい彼氏ができているし、何にも良いことなし!。本当にアートは幸せや生き甲斐を見つけることができるのだろうか?・・・。という青春ストーリーをオフビートな笑いで演出したのは、気鋭のオリヴァー・アーヴィング監督・兼脚本。
「トワイライト」のエドワードと同人物なの?と眼を疑っちゃうほどに、ダメダメのアート。それをどちらかというと、のんびり楽しんで演じているかのようなロオブ様。
肩の力が抜けている分、ダメダメのアートを演じているロブ様に、妙な親近感も湧いてしまうし、時折り見せる何気ない横顔に、隠せない美形ぶりにハッとさせられたりもする。
それにボーカル担当なので、ファンには有名な美声も冒頭やエンディングでたっぷり聞かせてくれるし、やっぱりロブ様ファンは絶対に見るべし!
2016年DVD鑑賞作品・・・38映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

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殿、利息でござる!★★★★

2016年05月12日 | アクション映画ータ行
『武士の家計簿』の磯田道史が江戸時代に貧しい町を救うために奇想天外なアイデアで藩主に立ち向かった実在の商人の知られざる感動歴史秘話を綴った評伝『穀田屋十三郎』を「予告犯」「残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-」の中村義洋監督、「舞妓 Haaaan!!!」「夢売るふたり」の阿部サダヲ主演で映画化した痛快人情時代劇コメディ。共演は瑛太、妻夫木聡、竹内結子、松田龍平、山崎努。また、フィギュアスケーターの羽生結弦選手が殿様役で映画初出演を果たしたことも話題に。

<感想>仙台藩の感動歴史実話である本作、1週間早くに先行上映で観ました。冒頭シーンで、瑛太さん演じる菅原屋篤平治が、可愛らしいお嫁さんを連れて吉岡宿に帰ってくるシーンから始まり、瑛太さんは京からお茶の葉っぱを仕入れて、新しく東北仙台藩でもお茶を栽培することに夫婦で尽力を注ぎます。
吉岡宿は、現在でも宮城県の北部にあり、この映画の主人公である穀田屋十三郎の家と、店も造り酒屋を営んでおります。その主人公であります穀田屋十三郎に、阿部サダヲが演じており、ドタバタコメディではなくお金が絡んだ真剣な人間模様を描く中で生まれる、面白さ、可笑しさを自然に体現する彼の名演技、抜群の表現力で演じているのがいい。

金策に困る仙台藩は、農民や町人への重税によって藩政の予算を捻出していたわけだが、藩内の小さな宿場町、吉岡宿の将来を憂う造り酒屋の穀田屋十三郎が、知恵者の茶師である菅原屋篤平治に相談するも、菅原屋が軽く言った奇策に光明を見出すのであります。
それは、藩に大金を貸し付けて利息を回収するという、「庶民がお上から年貢を取り戻す」逆転の発想から生まれたものだったのです。3億円もの大金を水面下で集める前代未聞の計画であり、お金が千両=現在の金で3億円相当、集まるまで藩に計画が知れたら関係者は”打ち首”確実になるということ。

「この行いを末代まで自慢してはならぬ」という“つつしみの掟”のもと、十三郎と弟の甚内(妻夫木聡)らは、私財を投じて千両を集めようと奔走するのであった。大好きな風呂も、井戸水を被ってガマンして、お酒も食事も、宝物も家財道具も売り払い、家族を奉公に出して、家を売り払ってでもとにかくひたすら小銭を貯めるのであった。
ですが、やっと仙台藩の財政担当役人である強欲の萱場杢(松田龍平)の許可を得たものの、金の小判で千両を出すなら良いというもの。嘆願書には金千両にあたる寛永通宝五千貫文(五百万枚)を献上すると記載していたのだが、少しずつ鋳造が進み銭相場が下がっていることに着目した、藩の財政担当の萱場は、寛永通宝ではなく金の小判で提出するようにと要請してきたのだった。
何とも悪どい萱場杢、かき集めた千両は、金の小判は、宿場では流通しておらず集めたのは寛永通宝のみ。貨幣価値の差額である、更に八百貫文を上乗せされ、意気消沈していた十三郎と菅原屋だった。これからその差額分を集めなければならなく、その金の工面はどうしたらよいものやら途方に暮れる十三郎であった。

ここまできて諦めることは出来ないと、皆で相談して、先代の浅野屋甚内(山崎努)が、十三郎の父親であり、長男の十三郎を養子に出して、次男の甚内(妻夫木聡)が跡取りになった。だが、それには訳があって、実は弟は目が不自由であり、父親が健康な兄の十三郎を養子に出したと言うこと。それに、父親は銭の亡者、人でなし呼ばわりされるほどの強欲じじいとみんなに言われてきたのだが、実は、前々からカメの中に小銭を集めては、吉岡宿の行く末を案じて、何とか末代までこの宿場を残したいと思っていたということが解るのだ。このことが、最後で知った兄貴の十三郎は、今まで父親を恨み、弟を恨んでいたことを恥つつ、涙、涙のお話であります。
計画はなかなか進まず、悩める十三郎を勇気づけたのは、まだ若い息子・音右衛門(重岡大毅)が養子に出て残りの金を工面するという潔い決断であった。
私欲を捨てて、町お越しと子孫繁栄のために尽くすみんなの姿に感動します。

伊達の殿さまを演じた、羽生結弦くんの凛とした佇まいと、その立ち居振る舞いから目力の強さ、澄んだ声まで、殿様としての説得力に満ち溢れておりました。

”9人の同士がそれぞれ工面した金額”浅野屋甚内  銭二千貫文、 穀田屋十三郎 銭五百五十貫文、 菅原屋篤平治 銭五百五十貫文、千坂仲内   銭五百五十貫文、遠藤幾右衛門 銭五百五十貫文、 穀田屋十兵衛 銭五百五十貫文、
遠藤寿内   銭五百五十貫文、 早坂屋新四郎 銭三百貫文、 穀田屋善八  銭ニ百貫文。
浅野屋甚内には妻夫木聡、千坂仲内には千葉雄大、遠藤幾右衛門には寺脇康文、遠藤寿内には西村雅彦、穀田屋十兵衛にはきたろう、早坂屋新四郎には橋本一郎、穀田屋善八には中本賢、居酒屋のときには竹内結子、先代の浅野屋の妻には草笛光子など、豪華な配役でとても面白く、お金の話なのにギスギスとした展開にはならずに、それはまるで喜劇でも観ているかのようでした。
それにしても、小さな村で、よくぞ千両という大金を集めたものだと感心しつつ、そのことを口外せずに今まで、仙台に住んでいる私たちまでもが知らなかったなんてね、江戸時代の身分制度が映画の中から垣間見れて良かったですよ。
2016年劇場鑑賞作品・・・94映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
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マノレテ/情熱のマタドール★★★

2016年05月11日 | DVD作品ーま行、や行、ら行
『戦場のピアニスト』(主演男優賞)のエイドリアン・ブロディ、『それでも恋するバルセロナ』(助演女優賞)のペネロペ・クルス。アカデミー賞俳優競演による激情のトゥルーストーリー!!
監督は『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』<原案>、『マーシャル・ロー』<脚本>、『アドルフの画集』<監督・脚本>など幅広い作品を手がけるメノ・メイエス。
あらすじ:闘牛の家系に生まれ、十代で才能を開花させたマノレテ。天使のような壮麗な闘姿で大スターにのぼりつめ、恋人ルペとの激しい愛によって死への畏れを癒していた。
若手闘牛士が躍進するなか、31歳になったマノレテはもはや誰にも到達できない至高の技を極めていく。だが、ささいな気の迷いが突然の悲劇を招いてしまう…2008年の作品、劇場未公開作品(作品資料より)

<感想>一度はスペインに訪れて、競技場で闘牛士の華麗な姿を見てみたいと思っているが、果たして実現するだろうか。この作品は、生涯500回を超える競技で1590頭もの闘牛と対戦し、自らの芸術を頂点まで極めたマタドール、マヌエル・ロドリゲス・サンチェスの短い生涯を描いたものである。
冒頭では、モノクロ映像による彼の葬儀が盛大に行われた様子が映し出され、それと彼の闘牛士としての華やかな、まるで舞をみているかのようなムレータ(真っ赤なマント)を、右左とフレアスカートのように翻しながら、獰猛な牛を裁く姿が走馬灯のように映し出され、その本人の細身で長身の姿と顔がエイドリアンにそっくりなのに驚く。

ドキュメントというよりもヒューマン・ラブストリーに近いですね。エイドリアンが選ばれたのが分かるような気がする。本人の姿に生き映しのようなエイドリアン、恋人のルペには情熱的で妖艶なペネロペ・クルスも、その彼女にぴったりでさすがの演技。

物語では、ホテルで寝ているエイドリアン、女がベットにいない。洗面所の鏡に「ガキのような抱き方」と口紅で殴り書きして出て行ったのだ。怒ったエイドリアンはピストルを持って彼女の家へ行き、寝ている女目がけてピストルを向ける。撃つ気はないのだが、怒りが治まらないのだ。女に「帰って」と言われすごすごと帰るエイドリアン。それから、ペネロペが真っ赤なドレスで赤いハイヒールを履いてホテルへと急ぐ姿が。これもスタイル抜群のペネロペならでは、ドレスが映える。

これまでが序奏で、これからがわずか30歳で命を落とし、スペイン闘牛界の英雄として永遠に語り継がれることとなった愛称マノレテ(=牛の攻撃をかわす闘牛の技のこと)の生涯が描かれていく。彼の家は代々闘牛士だったが、破産していた。
とにかく飢えから逃れるために闘牛士になるわけだが、はるばるゴルドバから歩いて、ドン・エンリケの屋敷に着く。ここで闘牛士として訓練を受け、偉大な闘牛士が持つ資質を、彼の中に見出すマネージャーのペペ。
ペペ・カマラの法則:1、マネージャーのいうことを聞くこと。
2、試合の後にモルヒネを使わないこと。痛み止めの薬を使用。モルヒネは使い続けると依存症になる。
3、女は無しだ。性に執着するから。
この3つの規則を守ればコルドバで闘牛が出来る。いやマドリード、セビリア、バルセロナと、これから未来が開けるのだ。だが、彼の母親や親族たちが彼の金目当てに寄りついてくる。「寄生虫どもめが、たかりやがって」と苦々しい口調でいうペペ。
それから恋人ルペとの運命の出会いが、ホテルの回転扉で一目惚れ。ペペがあの女は娼婦だ、お前には不釣り合いだと言うのだが。
バーで彼女を口説くのだが、黒いドレスに豹柄の毛皮のペネロペが素敵です。じっと見つめて「美しい」と言う。それだけ、「偉大な闘牛士が退屈な男とはね」と言われても平気な男。前歯を金で縁取っている女、「闘牛は嫌い。無情な見世物だから、見たことないわ」、すると明日見に来ないかと誘う。「衣装を見に行くわ」確かにマタドールの衣装は金銀で刺繍して豪華である。
その衣装を見に来た彼女が「あなたは魅力的な醜い男ね」なんて嫌味を言う。本当は眩しいくらい素敵な彼を見て、彼女も惚れてしまったに違いない。
ラスベンタス闘牛場にて更なる栄誉を目指し、その唯一無二の才能は、真の闘牛士であることを示して、彼が左側でムレータを翻す。牛の角が彼の腿をかすめ右1回、2回とムレータで裁く、そしてまた2回と翻しゆっくりとムレータを背中へもっていく。その華麗な姿が浮かび上がり、昔の本人のモノクロ映像が映し出される。
鮮やかにムレータが翻る様は、まるで天使が舞っているような、観衆が総立ちになり、スペイン最高の闘牛士と称えられます。

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ヒーローマニア−生活− ★★

2016年05月10日 | アクション映画ーハ行
人気漫画家・福満しげゆきの「生活【完全版】」を実写化したアクションコメディー。ひょんなことから町の小悪人たちを撃退する自警団を結成した青年が、さまざまな戦いを経て成長していく。メガホンを取るのは、『花宵道中』などの豊島圭介。『GONIN サーガ』などの東出昌大、テレビドラマ「デスノート」などの窪田正孝、『近キョリ恋愛』などの小松菜奈、ベテラン片岡鶴太郎らが顔をそろえる。彼らが繰り出す体を張った見せ場の数々に注目。
あらすじ:会社をリストラされてしまい、コンビニのバイトで生計を立てている中津(東出昌大)。ある日、彼は驚異的身体能力を持つニートの土志田(窪田正孝)、圧倒的な情報収集力を誇る女子高生カオリ(小松菜奈)、両腕に忍ばせたハンマーを自在に操る定年が近い会社員・日下(片岡鶴太郎)と出会い、それぞれの能力を生かした自警団を結成する。その活躍を住民から賛同され、彼らは自警団を警備会社へと拡大。しかし、メンバーとして新たに迎え入れた者たちの一部の振る舞いによって、秩序が乱れ……。

<感想>この作品も原作が漫画なんですね。見てませんでしたが、それなりにハリウッド映画の「スーパー!」をパクったような感じがするような。弱者がヒーローになり、強者になって悪者になる。そりゃそうだろうなんて客観視するしかない物語なのだ。
「この街の正義は俺たちが守る!・・・なんて、世直しヒーロー集団であり、ヘタレな妄想ニートのフリーター中津に、東出昌大がなり背が高いのでそれなりに見えましたが、なにせヘタレなもんで金属バットで殴りつけるだけの、やったフリしている、ただの妄想癖の男なのだ。

そして、女性のパンツ・ドロボーのトシダに窪田正孝が扮しており、中津が見つけて自警団に仲間入りし、赤い毛糸帽子を被って、それはもうワイヤーアクションでカッコいいしで決めまくってました。

中年サラリーマンの日下に扮した片岡鶴太郎は、両手に金槌を隠して持っており、それを武器に戦うのだが、若者に囲まれると頑張るけどヘタレでダメなのが欠点。

そこへ、紅一点のJK情報屋カオリに小松菜奈ちゃんが、メガネをかけた女子高生役で、足がスラリとして美人で文句ないのだ。暴走族に向かって「ママのおっぱいでも吸ってろ!」なんて啖呵を切る場面なんかスッキリしますよ。

主人公が中津の東出昌大なんだろうけども、やっぱりニートの土志田を演じた窪田正孝くんのキレキレのアクションと鉄のヨーヨーを放つ瞬間のキメポーズが最高なんですね。
こんなイケメン俳優と美少女の小松菜奈ちゃんに、片岡鶴太郎オジサンの集まりという配役にギャップがあるようですね。自警団がゴロツキと化す展開もちょっとね、好きになれない。警察は何をしているんだろうか?・・・。

見て見ぬふり。触らぬ神に祟りなし、ってね、普通なら一般庶民が困っていることに目をつむっている民間人。世間で迷惑行為をする連中を、その時は放っといで、あとでこっそりと制裁を加えている自称、自警団の面々もたたけば埃のでる身体なのだ。
捕まえた悪者たちを吊るして、名付けて、「つるし魔」と言う、世の中のためって言っているけど、吊るすの好きなんですね。だから、真面目で、パロディーのような演出にも気が引けてくるし、最後までこの連中はもつのかなぁ、なんて思ってしまう。
だから、ハリウッドの「キック・アス」より「スーパー!」に近い、小さな街の日常系のお手製のヒーローもんだが、主人公の日常生活もあまり見えてこないのが難点。荒廃とした街も、主人公が働くコンビニのレジから見える程度しか提示されていないので、やっぱし妄想ばかりが肥大化するというコンセプトじゃないと、観客には受けないようだ。

このヒーローたちを会社化する設定は、面白いものの急に飛躍し始め、ピンクのジャンパーを着た若者たちが大勢自警団として街をパトロールして、何故か主人公だけがそこから外れてしまい、周囲も急に冷たくなるのもね。
それと、黄色の雨合羽を着たもの凄く強い男が、自警団の人たちを襲ってくるのが恐怖です。この黄色レンコートの男は、会社化した船越英一郎が雇っている殺し屋で、初めにやっていた自警団の4人を襲って殺すように命令している。
中でも鶴太郎が金槌を振り回し暴れるところが、ハツラツとしていいが、最後が黄色レンコート男にやられてしまうのも、それと、若者たちの頭を金槌で殴れば普通は死ぬだろうに、それもなしで復帰する若者たちにはゲンナリした。

悪役の船越英一郎が、自警団を利用して「ともしび」という警備保障会社を設立して、金儲けをする親父の役どころ。中津の東出昌大を捕まえて、「浣腸注射をするゾ!」って、変態ですから。
社長秘書として働く女子高生カオリの小松菜奈ちゃん。そんな悪ジジイの股間を蹴りあげる小松菜奈ちゃんにスカットしました。それに、大阪のおばちゃんみたいな感じで、しずちゃんがマジ、統合失調症みたいな感じで襲ってくる顔が恐ろしかったです。
それと、雨の決闘シーンも西部劇のようで中々情感たっぷりでいいんだけど、劇場版としての映画としては物足りなさがあり、満足感がなかったですね。

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