パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞、未公開DVD、お気に入り自己所有のビデオ・DVDの感想などネタバレ有りで記録しています。

素晴らしきかな、人生★★★

2017年02月26日 | アクション映画ーサ行
ウィル・スミスが最愛の娘を失い絶望の淵に立たされた男を演じる異色のヒューマン・ドラマ。共演はエドワード・ノートン、マイケル・ペーニャ、ケイト・ウィンスレット、キーラ・ナイトレイ、ヘレン・ミレン。監督は「プラダを着た悪魔」のデヴィッド・フランケル。
あらすじ:ニューヨークで広告代理店を経営するハワード。彼の手腕で会社は業績を伸ばし、公私ともに順風満帆な人生を送っていた。ところが突然、6歳の愛娘が不治の病でこの世を去る。ハワードは深い悲しみで自暴自棄となり、仕事を放り出して自宅に閉じこもる日々。ハワードに頼り切りだった会社は急速に傾き始める。残された同僚役員ホイット、サイモン、クレアはそれぞれの事情も相まって、ハワードをどうにかして救わなければと思っていた。そんな時、ある奇策を思いつく。やがてハワードの前に、性別も年齢もバラバラな3人の奇妙な舞台俳優が現われるのだったが…。

<感想>クリスマスシーズンのニューヨークを舞台に、最愛の娘を失った男の絶望と再生を描く感動作であります。今度のテーマは、“人生の試練の乗り越え方”。挫折を経験したすべての人に贈る応援歌であります。
深い喪失感から立ち直れないハワードと、三人の奇妙な男女の交流を通して、悲しみを乗り越えるためのヒントを描いていく。原題は「不幸な出来事に付随して思いがけず生まれる素晴らしいこと」の意味。

とにかくキャスティングが豪華ですから、主演のウィル・スミスを筆頭にエドワード・ノートン、マイケル・ペーニャ、ケイト・ウィンスレット、キーラ・ナイトレイ、ヘレン・ミレンら豪華共演が実現。今回もプラダをはじめ、グッチ、クロエ、トム・フォードなどのハイブランドのファッションが物語を彩っていきます。
だから、40日間の撮影の大半は、NY各所でロケを敢行。5番街の高級デパート“バーグドルフ・グッドマン”などの定番スポットから、ホィットニー美術館など最新のスポットも登場する。クリスマスシーズンのNYを舞台に、キャストたちが身にまとう冬のトレンド・ファッションも見どころの一つです。

彼の唯一のコミュニケーションは、 “愛・時間・死”に宛ててハワードが怒りを込めて書く手紙だけ。彼は死を恨み、時間を悔やみ、愛に幻滅していた。ハワードを救いたいと思う3人は、奇想天外な計画を実行に移す。

それは、同僚役員ホイット、サイモン、クレアが、深い喪失感に苦しむハワードのために、死に宛てた手紙を握りしめる一人の女性ブリジット、ヘレン・ミレンなのだ。困惑するハワードに、彼女は自分こそが死であると名乗る。それがすべての始まりだった。

次に現れたのが、“時間”と名乗る青年ラフィ、ジェーコブ・ラティモア。そして“愛”と名乗る女性エイミー、キーラ・ナイトリー。いったい彼らは何者なのか。謎めいた3人の男女との交流の中で、ハワードは頑なな心を徐々に変化させていき、“愛・時間・死”の本当の意味と向き合っていくという物語。

不思議な3人の男女が現れて、他の人間には3人の姿が見えないということなのだが、意味不明であり、同僚役員ホイット、サイモン、クレアが依頼をした探偵のおばさんの他に、ただの金欲しさで舞台俳優があれこれと考えてハワードに“愛・時間・死”を演じて悲しみを乗り越える手助けをするというもの。

毎日会社へ来ては、ドミノを並べては帰り際に倒して帰るハワード。
それにしても、誰にでも親や兄弟、子供、などを亡くしたことがあり、そのたびに悩み苦しみ、生きる望みを失い、それでも前を向いて生きるしかないと考えるのに。
親友たちが考え出したプラン同様、作品自体もひとひねりあってつまらないと言えば嘘になるが、それでも私には面白くなかった。ハワードだけでなく周りの人間にもそれぞれと事情があり、群像劇スタイルを感じさせるのもポイント。

CEOのエドワード・ノートン扮するホイットも、妻と離婚をして娘から疎まれて嫌われるし、そして、結婚もしないで会社のために尽くしてきたクレアに扮するケイト・ウィンスレットは、40歳を迎えて子供が欲しくなり精子バンクへ登録するも、悩んでしまう。サイモン扮するマイケル・ペーニャは、余命幾ばくかという病気に冒され、残った家族のことが心配で死んでも死にきれないのだ。この3人の会社の同僚役員たちも、“愛・時間・死”という問題を抱えているのだ。

それに、ハワードの奥さん、娘が亡くなってから離婚をしてしまい、奥さんだって失意のどん底だし、毎日娘のことを考えない日はないのだ。夫のハワードは、妻の気持ちも考えず自分一人だけ苦しんでいると思い込んでいる。もう少し大人になってね、ハワード。やっと、元の奥さんの家へと行くも、同じ子供を亡くした仲間との集会でも、冷ややかな態度で「俺の気持ちはお前らに分かってたまるか」とばかりに怒りを露わにする。
ラストで”死”のブリジット、ヘレン・ミレンが、「人生にはオマケがある」と言うのだ。何だろうといろいろ考えてみたが、人によってそのオマケは違うものだろう。過去を振り返ってみて、いいことも悪いこともあるが、今になってはいい思い出ばかり。
結局は、少しずつ心の和らいできて、妻とも仲直りをする。予想外の展開に納得させられるラストにも、これまたひとひねりありますからね。
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クリミナル 2人の記憶を持つ男★★★・8

2017年02月26日 | アクション映画ーカ行
ケビン・コスナー主演で、CIAエージェントの記憶を脳に移植された囚人がテロリストとの戦いに挑む姿を描いたスパイアクション。米軍の核ミサイルをも遠隔操作可能なプログラムを開発した謎のハッカー「ダッチマン」の居場所を知る唯一の人物で、CIAのエージェントのビリーが任務中に死亡した。「ダッチマン」の脅威から世界の危機を救う最後の手段として、ビリーの記憶を他人の脳内への移植する手術が検討され、その移植相手として死刑囚ジェリコ・スチュアートが選ばれた。ジェリコは凶悪犯である自分自身と、脳内に移植されたCIAエージェントのビリーというまったく逆の2つの人格に引き裂かれながら、テロリストとの壮絶な闘いに巻き込まれていく。主演のコスナーほか、ゲイリー・オールドマン、トミー・リー・ジョーンズ、ライアン・レイノルズ、「ワンダーウーマン」のガル・ガドットら、新旧スターが顔を揃える。監督は「THE ICEMAN 氷の処刑人」のアリエル・ブロメン。

<感想>現代のロンドンを舞台に、世界秩序を揺るがしかねない恐るべき軍事プログラムを巡って、CIAとテロリストが熾烈な争奪戦を繰り広げるスパイアクション。極秘任務遂行中に死亡したCIAのエージェントだけが知る重要なハッカーの居場所を探り出すために、死亡したエージェントの記憶を脳に移植された凶悪な死刑因が想像を絶する運命を担うことになるとは。

亡くなったエージェントのビル・ポープには、ライアン・レイノルズが扮しており、冒頭から「ジェイソンボーン」のようなアクションが続く。

それに、死んだビルの脳を移植される男にケビン・コスナーが扮していて、今までにないおじさんパワー全開のアクションを披露。脳の移植手術で常に苦しむ頭痛持ちという設定では、「ラストミッション」(14)があるが、それよりもこちらの方がずっと良かった。

亡くなったCIAのビルは、極秘任務の最中に死亡ということになるが、その任務とは米軍のあらゆる兵器を遠隔操作し、核ミサイルさえ発射できるプログラムを持つ謎のハッカー、ダッチマン(マイケル・ピット)の居場所を知る唯一の人物だったため、ロンドン支局長(ゲイリー・オールドマン)は焦ってしまう。そこで、脳外科医のフランクス(トミー・リー・ジョーンズ)に協力を要請し、彼が研究中の“記憶の移植”実験で、ビルの記憶を他人に移すことを考える。

脳外科医のトミー・リー爺さんが選んだ移植相手は、死刑因の凶暴なジェリコで、ケビン・コスナーが演じているのだが、幼い頃に父親に乱暴されて人間的な優しさを失った死刑因ジェリコなのだ。実に相応しい風貌でいかにも凶悪人という感じがした。

それに、SF風な“記憶の移植手術”という奇抜な設定が目を引くが、実直なCIAエージェントのビルの脳細胞と、凶悪な死刑因という「2人の記憶」の狭間で葛藤する主人公のドラマは、シリアスかつスリリングであり、見応え十分であります。

主人公のケビン・コスナーを初めとする、ゲイリー・オールドマンにトミー・リー・ジョーンズといったベテランの大物俳優たちに、「デッドプール」のライアン・レイノルズも加わったキャストの顔ぶれも豪華で、女性陣にはビルの妻に「ワンダーウーマン」のガル・ガドットが、いつもは「ワイルド・スピード」などと、タフなヒロインを演じることが多い新進女優が、今回は未亡人という役どころに挑戦している。儚げな美しさで観る者を魅了するに違いありませんが、それでも突然家の中へ侵入してきた夫の記憶を持つ男、ジェリコに敵対心を燃やして娘を守るために闘うも、何せ頭脳が夫のものだから、何でも知っていて困惑してしまう。最後は、悪い人ではないと分かり、好意を持つようになる。

見どころは、ハッカーであるダッチマンを探すために、大金とパスポートの入ったカバンを何処かへ隠したビルの記憶を辿っていくジェリコ。CIAのゲイリー・オールドマは、ジェリコが直ぐに記憶を取り戻さないのに苛立ち、殺してしまえと部下に命じるも、ジェリコがビルの記憶で家へ帰り、ビルの妻と娘に会い、この二人には手をだすのはやめようと。

そして、金の入ったカバンとダッチマンの居場所を探すのだが、カバンは意外な場所、大学の図書館にあったのだ。それに、ダッチマンが持っている米軍のあらゆる兵器を遠隔操作し、核ミサイルさえ発射できるプログラムと引き換えに、大金とパスポートが必要なのだと気付く。
マイケル・ピット
間に合うのかどうか、タイムリミットは“48時間”という設定に、ガンファイトはもちろんのこと、カーチェイスにジェリコとロシア・スパイとの肉弾戦もあり目が離せません。
ダッチマンが、中々連絡をしてこないビルに対して、核ミサイルを発射するも、米軍基地ではそれを自爆するように操作して爆発させてしまう。そのプログラムを狙っているロシアのスパイたちも、ジェリコを見つけてダッチマンと接近したくて襲撃してくる。
結局は、そのプログラムの入ったUSBはロシアの手に入るも、ダッチマンが核ミサイルを発射する側にユータンするように上手く操作をし直したのだった。

人間の記憶を他人に移植するという、ユニークな設定、近未来の未知のテクノロジーとテロの危機を結び付けた、意外性に満ちたストーリーの面白さに痺れる。主人公のケビン・コスナーの、激しい頭痛に襲われる元気溌剌さに驚き、それにCIA長官のゲイリー・オールドマンのマジ切れっぷりと、脳外科医のトミー・リー・ジョーンズの優しい老人っぷりを堪能できる、エンターティメント大作になっています。

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ヒトラーの忘れもの ★★★★

2017年02月25日 | アクション映画ーハ行
第2次世界大戦終了後、ドイツ兵捕虜がデンマークで地雷処理に動員されたという史実を基に描くドラマ。恐ろしい体験を共有するうちに、戦時中は敵同士だったドイツ兵捕虜とデンマーク人軍曹が次第に人間として距離を縮めていく過程を丁寧に描写する。デンマークのマルティン・サンフィリートが監督と脚本を担当。人間の善と悪の二面性を浮き彫りにする物語に引き込まれる。
あらすじ:ナチスドイツが降伏した後の1945年5月、デンマークの海岸にドイツ軍が埋めた地雷を撤去するため、ドイツ兵の捕虜が投入される。まだ幼さの残る10代の少年兵たちを監督するデンマーク軍軍曹ラスムスン(ローランド・ムーラー)は、徹底して彼らをこき使おうとする。だが、少年兵たちは誤爆や撤去作業の失敗で次々と命を落とし……。

<感想>今年になってやっと東北にも観たい映画が上映された。実話だと言うが、デンマークでの第二次世界大戦直後の5年間に、こんな不条理なことがあったこと自体に、まずは驚愕した。戦時中に、ナチが連合軍の上陸を阻止するため、デンマークの砂浜に数百万個の地雷を埋めたというもの。これを除去するのにドイツの捕虜少年兵にそれを担わすという物語。

憎しみに満ちたデンマークの鬼軍曹は、11名の少年兵たちに命がけの作業を命じる。少年たちが浜辺に埋められた無数の地雷を手探りで撤去していく。いつ爆発するか分からない。死と隣り合わせの作業が、デンマークの戦後処理の恥部というべき出来事を真っ向から描いた作品であります。

これは辛いだろうな、と覚悟して観ていたが、やはり非常に辛かった。暴力や死傷をリアルすぎるほどリアルに描写するのは、デンマーク映画の特徴なのか?しかし、その結果、目を背けるべきではないと、目を背けないという真摯な論理的姿勢が画面に宿っていたのだ。
主演のローラン・ムラが素晴らしい。彼の憮然とした表情の、刻々とした変化が、希望という微量なことを表現しているのだ。

それに、少年兵による少女救出のシーンでは、何も分からず地雷原に入ってしまった近所の少女を助けるべく、少年が手前の地雷を一つ一つ取り除きながら、たどり着くまでの間、逆の方向から別の少年が無謀にも地雷原に踏み込んで少女のもとに寄り添い、救出までの時間を共に過ごしてやるという、心が現れるような感じがした。もし、少女が地雷で死ぬのなら少年も一緒に死のうという心構えがあってのことだろう。

痛ましいシーンなのに、真っ直ぐに少女のもとへと歩み寄った少年の神々しさは忘れられない。実はその少年は、兄を地雷で亡くしていたのだった。

デンマークは大戦中ドイツに侵略され、支配されていたので、ナチに対する怨念は深いのだが、この映画では、一連の反ナチ映画とは大きく異なっている。デンマーク当局は、地雷の撤去に捕虜のナチス少年兵を使う。」
まだあどけなさの残った彼らに、課せられた労働の非人道的な残酷さはアウシュヴィッツに匹敵するであろう。十一人いた少年たちが、一人また一人と爆死していき、最後には4人になるも、その緊迫感は凄まじい。

戦勝国が無理を通してドイツの少年兵を、地雷撤去に当たらせたのだろう。ナチの被害者が今度は加害者になる。憎しみの連鎖だった。
隠された自国の恥ずべき歴史を正面から取り上げた企画が、素晴らしくて、少年たちの演技が心に残ります。ラストは夢なのだろうが、それこそが映画にできる唯一の救済なのだろう。

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ラ・ラ・ランド ★★★★★

2017年02月24日 | アクション映画ーラ行
『セッション』などのデイミアン・チャゼルが監督と脚本を務めたラブストーリー。女優の卵とジャズピアニストの恋のてん末を、華麗な音楽とダンスで表現する。『ブルーバレンタイン』などのライアン・ゴズリングと『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』などのエマ・ストーンをはじめ、『セッション』でチャゼル監督とタッグを組んで鬼教師を怪演したJ・K・シモンズが出演。クラシカルかつロマンチックな物語にうっとりする。

<感想>今度はジャズとミュージカルへの愛がいっぱい詰まった映画を、作り上げたデイミアン・チャゼルが、監督と脚本を務めた男女の恋物語。舞台は現在のLA。ジャズ・ミュージッシャンの男と女優志望の女が恋に落ち、夢と現実のはざまで揺れる姿を、数々のミュージカル・ナンバーと、カラフルな映像美で綴っている。

主人公のライアン・ゴズリング&エマ・ストーンが、代役なしで挑んだ歌と踊りも素晴らしく、見応え十分でした。特にライアン・ゴズリングの、ピアノ演奏が素晴らしくて、さすがにプロの俳優さんです。

冒頭部分でのハイウェイの、渋滞に業を煮やした人々が踊り出すプロローグのダイナミックなミュージカルシーンの圧巻なことといったら、それに、もう一人の主人公と呼ぶべきLAの街、ハモサビーチやグリフィス天文台などの名所でのロケを敢行している。劇中で登場するケーブルカーは、2013年に営業停止になっていたが、撮影のために特別動かしてもらったそうです。

ミュージカル作品はもちろんのこと、名作映画へのオマージュがいっぱいですから。「glee/グリー」のマンディ・ムーアの、振り付け師による華麗なダンス、ワンカット撮影のオープニングも彼女が振り付けしたそうです。
「シェルブールの雨傘」、「ミッドナイト・イン・パリ」などミュージカル以外の映画へのオマージュも。それに、「カサブランカ」が2人の恋の結末など様々な形で影響しています。

物語は、冬から始まり、最悪の出会いから運命の恋は始まった。女優を夢見て田舎からLAに出てきたミアは、ピアノの音色に誘われて入ったバーで、ピアニストのセバスチャンと出会う。店長の選曲を無視してクビになったばかりの彼は、話かけたミアを無視します。店長には、ちょっとだけれど、「セッション」のJ・K・シモンズが扮してました。

そして季節は春:偶然のイタズラで何度も再会をする二人。最初は嫌味を言い合っていたが、互いの夢を語るうちにいつしか恋に落ちる。ここでは、ロサンゼルスの夜景をバックに「バンド・ワゴン」のエレガントな公園のタップダンスから、グリフィス天文台のプラネタリウムでの、幻想的でロマンチックな飛ぶシーンが魅惑的。
全編を通してスクリーンを華やかに彩っている本作では、ミニワンピースやカラフルなドレスという心躍る衣装の数々ですね。とりわけインパクト大なのは、やはりエマ・ストーンの黄色のワンピースでした。

そして「世界中がアイ・ラヴ・ユー」のセーヌ河での空中浮遊まで、新旧ミュージカル映画のエッセンスが詰め込まれているのが最高です。ミアが別の男性とデート中に、セバスチャンが弾いていた曲を耳にした途端に、彼のもとへと向かう。

季節は夏:共に暮らし始めた二人。ミアは何度も女優のオーデションを受けるも失敗ばかり、それで一人芝居を上演しようと脚本執筆を開始する。

一方、セバスチャンは、ジャズ・クラブの資金稼ぎのため友人のバンドに参加する。ジャズ以外の演奏をする日々に、夢と現実のギャップに不満を募らせる彼。

季節は秋:ミアは一人舞台を上演するが、セバスチャンは上演に間に合わずに客席はほぞ空席が目立つ。落胆したミアは、女優を諦めて田舎に帰ってしまう。ミアは、心が折れそうにもなるけど、すごく強い女性なんですね。

彼はそれに振り回される感じがあって、彼女に去られたセバスチャンは、バンドを抜けて本来の夢を追うことに。二人の夢の崩壊に、恋の行方は?・・・。

ミアの田舎まで迎えに行くセバスチャン、二人はまた一緒に住んで夢を追うのですが、セバスチャンはお金を稼ぐために友達のバンドとツアー公演に行く。そして、彼のバンドが有名になりアルバムまで発売されて、仕事で忙しく飛び回るようになる。

だが、ミアの方も一人芝居の脚本が、芝居のプロデューサーの目に止まり、パリへ行くことになり、パリで成功を収める。別々の道へと進む二人なのだが、それがラストでまた出会うのですね。何でかセバスチャンの男の未練がましさとか、弱い部分が出ていてそれが観ていてすごく辛かったです。

叶った夢なのだが、愛し合う二人と一緒ではなかった。それに男の方も叶った夢のジャズバーの店、別の男と結婚をして子供まで持ったミアがいる。誰もが経験するであろう哀しい人生の経験、そしてかけめぐる過去の幸せが走馬燈のように映し出されます。夢のシーン、ここでは二人は、結婚をして子供までもうけます。

ミュージカルというと声高らかに歌い上げる歌唱法が印象的ですが、この作品での2人は、声を張らずに優しくセリフを言っているような、そんな歌うシーンが多いですね。それがとてもこの映画には生きていて良かった。

ラストがハッピーエンドでなくても、二人の関係が余りにも切なくて、大人のラブストーリーでした。帰りの車の中で、二人のラブソング「A Lovely Night」が、いつまでも耳に残って余韻に痺れてました。

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一週間フレンズ。★★★・8

2017年02月23日 | アクション映画ーア行
TVアニメ化や舞台化もされた葉月抹茶の同名人気コミックスを川口春奈と山崎賢人の主演で実写映画化した青春ラブ・ストーリー。一週間で友だちの記憶がリセットされてしまうヒロインと、そんな彼女と毎回イチから友だち付き合いを始める青年の切ない恋の行方を描く。監督は「電車男」「赤い糸」の村上正典。

あらすじ:高校2年の長谷祐樹(山崎)は、いつも一人でいる同級生・藤宮香織(川口)のことがずっと気になっていた。ある日ついに“友だちになって下さい”と声をかけるが、断られてしまう。実は、香織には友だちのことを一週間で忘れてしまうという特殊な記憶障害があったのだった。祐樹はそれでも構わないと月曜日になるたびに、友だちの記憶がリセットされている香織と友だちになるところから繰り返していく。やがてふたりは交換日記を始めることで、少しずつ距離を縮めていくのだったが…。

<感想>50回目のファースト・キスでは、ドリュー・バリモアとアダム・サンドラーによるロマンティック・コメディ。事故で“前日のことをすべて忘れてしまう”記憶障害に陥った女性と、彼女に一途な想いを寄せる獣医が繰り広げる毎日が最初からやり直しの恋の顛末を描いている。

この作品にちょっと似ているような、でも本作での長谷祐樹を演じている山崎賢人の一途な熱意が観ている側にも伝わってきて、香織の記憶が一週間でリセットされていくために、香織の記憶を想いださせるために下駄箱の前で、祐樹が交換日記を書いて香織に渡すと言う。友達に見られないようにと隠れるシーンがとっても素敵ですから。

香織役の川口春奈が無表情で可愛くないし、彼女の記憶がリセットされていくという辛いシーンでは、祐樹が何度でもトライして、香織に自分のことを思い出させるようにと、諦めない精神が良かったですね。普通ならこんな冷たい女なんてやめればいいのにと思ってしまうから。でも、いつも思い切り走っている山崎賢人くんの姿に応援してしまう自分と、「何とか最後には一緒になるよ」と願っている自分がいました。

ですが、記憶障害の事件のことが明かされるシーンでは、事故の前に付き合っていた九条一( 上杉柊平)くんという前髪垂らした青年が転校してきて、香織は九条一くんのことはどういう訳か知っていて、再会する二人に「うそ、それはないよ、何でなの」と、一くんと元鞘に収まってしまうとはね。辛いよね。

その事故のことなんですが、一のことを好きで香織にヤキモチを焼いて、香織にずけずけと本音を言う幼馴染の沙希がいて、「私も一くんが大好きだから独り占めしないで」何て言われて駆け出して車に撥ねられてしまう香織。ですが、記憶障害になってしまい、一週間で記憶が忘れてしまうということに。

そのことを担任の先生から聞いて、いくら自分が「友達になって下さい」と手を差し伸べてもダメで、図書館で香織が図書カードを落としてそれを拾い、それをきっかけに香織に一目惚れして、祐樹が何度も想いをぶつけるシーンが、何故かあっさりと「無理」と断られる。しかし、香織が頑なに心を閉ざしていたのに、いつしか祐樹の想いによって変化していく。

そして、祐樹がその日の出来事や思いを綴った交換ノートを作って渡そうと思いつくんですね。それでも、交換ノートを渡しても一方通行で何も書いてないことが続く。それでも祐樹は根気強く、毎日毎日続けて交換日記を書いて渡します。それに、雨の下校の時に、自分には置き傘があるからと香織に傘を貸してしまい、それでもずぶ濡れで帰る祐樹の心はルンルンでしたね。

クラスメートでいつも居眠りばかりしていても、頭のいい将吾を演じている松尾太陽も、いい味を出して頑張ってましたね。それに、香織の元彼氏の一くんが転校してきてからは、祐樹のことなんかすっかり忘れられて辛い日々が続きます。クラスメートの女子が転校生の一を見て「きゃ、素敵」なんて言うから、上杉柊平くんが扮しているんですが、好みもあるけどね。益々、祐樹が引っ込み思案になって交換日記もやめてしまう。

図書館で分厚い難しい本を借りて、その本に祐樹が香織のことをパラパラ・マンガで描いて、卒業式の日に、祐樹のことをすっかり忘れていた香織に渡すシーンでは、「どうか思い出してよ」と、切なくなりましたね。

そのマンガなんですが、本当に良く描けていて、図書館の本にいたずら書きをするのは厳禁なんですが、それでも鉛筆で描いているので、後で消しゴムで消せばいいかもです。それに、香織がやっと祐樹のことを思い出してくれるんですね。ちょっと残酷な設定と展開でしたが、最後が本当に一安心で良かった。

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ナイスガイズ!★★★・5

2017年02月22日 | アクション映画ーナ行
ラッセル・クロウとライアン・ゴズリングが凸凹コンビを組んで大暴れする痛快バディ・ムービー。70年代のロサンゼルスを舞台に、冴えない私立探偵が、ひょんな成り行きから乱暴男の人捜しを手伝うハメになり、いつしか巨大な陰謀に巻き込まれていくさまが、70年代テイスト満載に軽妙なタッチで綴られていく。共演はアンガーリー・ライス、マーガレット・クアリー、マット・ボマー、キム・ベイシンガー。監督は「キスキス,バンバン」「アイアンマン3」のシェーン・ブラック。
あらすじ:酒浸りの日々を送るシングルファーザーの冴えない私立探偵マーチ(ライアン・ゴズリング)。ある日、死んだはずのポルノ女優の捜索依頼を受け、アメリアという若い娘の存在に辿り着く。しかしマーチは、自分を探られたくないアメリアから依頼を受けた腕力専門の示談屋ヒーリー(ラッセル・クロウ)にボコボコにされ、あっさり手を引くことに。ところが今度は、ヒーリー自身がアメリアを捜す別の男たちの襲撃を受けてしまう。そこで自ら事件の解明に乗り出したヒーリーは、嫌がるマーチを無理やり相棒にして失踪したアメリア捜しを開始する。そこにマーチの一人娘でおませな13歳ホリー(アンガーリー・ライス)も加わり、ダメ男2人としっかり者の少女が始めた人捜しは、やがて思いも寄らぬ事件へと発展していくのだったが…。

<感想>70年代のロサンゼルスを舞台に、凸凹コンビが銃を撃ちまくって車を壊してと、いわゆる「バディ・ムービー」であり、しかも残酷だという展開。だから“ナイス”でもないし、男二人によるズッコケコンビ活劇であります。

アル中のヘロヘロ私立探偵のライアン・ゴズリングと、金を貰って人を殴る示談屋のラッセル・クロウの、2人組のズッコケ・アクションコメディ映画。

舞台が1977年代のロスであり、ディスコ・ブームの中で、私立探偵マーチが妄想を見ながらポルノ業界に迷い込んだ、何でも屋と私立探偵の相棒もの。

法務省の大物のご令嬢を探す仕事が舞い込んで、この法務省のお偉いさんに、60過ぎのキム・ベイシンガーが本当に綺麗で出ているのにまたもや驚く。ラッセルとキムと言えば「L・A・コンフィデンシャル」(97)の暴力刑事もの映画を思い出す。

ラッセル・クロウのお腹の出たクマさんみたいなおっさんとライアン・ゴズリングの酒浸りのダメっぷり美男探偵がおかしくて、クロウの強さタフさと、ゴズリングの弱さダメさのコントラストが笑える。

それにしても、殺し屋のマット・ボマーのイケメンぶりと強いのにはびっくりした。

ゴズリングの酒に酔って車を運転中でもね、危ないから娘のホリーが車を運転していると言う設定。父親がどうしようもないと、娘がしっかり者で頼りになる。アンガーリー・ライスが演じているが、アガサ・クリスティを愛読してる賢い子供で、事件を次々と解決していくのだ。やたらとパパの捜査に絡みたがるマーチの娘ヒーリーが、可愛いので許す。
窓の置くに見えている車があれよあれよと近づいてきて、部屋のガラスを派手にぶち破る。室内の平和が一瞬にして壊れてしまう。冒頭からかまされるこうした豪快なクラッシャー描写は、その後もたびたび繰り返されるが、それが単なる乱暴さや粗雑さにしか見えず、上手く生かされていないのが残念。

拍車をかけるのがラッセル・クロウのおじさんの暴走。彼自身のイメージとも容易に重なって見えるも、コメディ風味で処理できるレベルを遥かに超えているのだ。事態の惨状と能天気なテンションが噛みあわずに乗り切れなかったね。

この種のオフビート・タッチのミステリー・コメディ劇は、よほどの技術とセンスがないと中々出来ないものなのだが、これはそれなりに成功しているようだ。美男のゴズリングが三枚目を演じて、坂を転げ落ちるシーンがやたらと多いのに、ケガ一つしてないのがいい。まぁ、先にクロウに腕を折られてギブスをしているので、それ以上は可愛そうだもの。不発のギャグも少ないし、上手く決まっているのが良かった。でもね、ちょっと言いたいのが、アメリアを助けたのに、彼女が道に出て車を拾い、その車に撥ねられたのが惜しいです。
サスペンスフルなストーリーの後半ではかなり盛り上がるが、事件それ自体の進み具合よりも場面ごとの演出を楽しむ映画のようですね。娯楽作品に徹しているのが良かった。

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セル ★★

2017年02月21日 | アクション映画ーサ行
スティーヴン・キングの同名ベストセラーをジョン・キューザックとサミュエル・L・ジャクソンの共演で映画化したホラー・サスペンス。携帯電話で謎の電波に感染した人々が次々と凶暴化していくパニック状態の世界で決死のサバイバルを繰り広げる主人公たちの運命を描く。監督は「ドア・イン・ザ・フロア」「パラノーマル・アクティビティ2」のトッド・ウィリアムズ。ボストンの空港で別居中の妻子に電話をかけるコミック作家のクレイだったが、途中で電池切れになってしまう。しばらくすると、携帯電話で話していた人々が一斉に凶暴化する。一瞬にしてパニック状態となった空港から地下鉄に逃げ込んだクレイは、車掌のトムと自宅アパートの階上に住む少女アリスと協力しあいながら、妻子のいるニューハンプシャーを目指すのだったが…。

<感想>スティーヴン・キングの原作は未読ですが、興味があったので鑑賞。このタイトルが示しているのは、スマホやケータイなど生活のために欠かせないものになっている。レシーバーから鋭い音が聞こえた途端に、ヘリのパイロットが死に墜落。この物語の発端となっている状態がリアルで怖い。ですが、アクションの編集が疑問であり、こけおどし的演出にあまり頼ってないのは良いとしても、画面的には昼間に活動するゾンビの大群から逃げつつも、スピルバーグの「宇宙戦争」を低予算でやっている感じがする。

「キャリー」や「シャイニング」など、スティーヴン・キングの原作には腕のいい監督の映画が多いので、つい比較してしまい点では辛くなってしまうのは仕方のないこと。携帯電話の電源が切れることから、人類の破滅が始まるという出だしの演出は、もたついてつまらなかったです。

その後は、携帯電話を持っている者が狂えるゾンビの群れと化すのも説明不足だし、キューザックたちが乗っている車で、彼ら(ゾンビ)を轢いていくシーンなどは、単なる悪趣味であり、主人公のキューザックはコミック作家と言うことで、彼のコミックに出てくる赤いフードの悪魔が夢に出てくるのだが、どうして、その他の人間の夢にも出てくるのかが変ですから。

こんな時にでも、別れた息子に会いたいとその場所へ車で行くのだが、ゾンビの群が押し寄せて来るし、夜には集団行動で超音波によって彼らは誘導されておとなしくなるのだ。キューザンクが主人公なのに、生きている正常な人間を集めて避難するような展開もなく、もう一人のサミュエル・L・ジャクソン爺さんが上手に作品を絞めている気がするのだが。

それに、ホラー映画の定番シーン、扉の向こう側に怖いものがいるという展開も古いパターンの繰り返しであまり効果がない。それにしても、ゾンビ映画にするには、98分に仕立てるために、いろいろと端折らざるを得なかったようで、SF調なのに原因が地球外生命体からの地球へのメッセージなのか、何だか展開が唐突すぎるように見えてしまう。

説明のつかないスーパーナチュラルな現象を描いた物語なのだろうか、最後まで取り残された感じがして、怪電波受信による民衆発狂とそれによるボストン地獄変など、ラストでひしめくゾンビたちを一斉焼殺するなど、それだけでは他の地域にいるゾンビはどうするのかとか、なげやりな感じが否めない。
ラストエンディングでは、二通りのような終わり方で、息子がゾンビと化しており助けられなくて、父親が車に積んでいる爆弾で息子もろ共に一斉焼殺することを止めて、自分もゾンビの群に並び輪になって行動している姿が映る。
ラストのまとめ方を観ると、クライマックスの悪夢的な赤いフードの悪魔のイメージは、中々の魅力でもあったのに、何故かしらどうにもならない希望のない結果となって終わるのにがっかりしてしまった。
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愚行録 ★★★★

2017年02月20日 | アクション映画ーカ行
貫井徳郎の同名ベストセラーを妻夫木聡主演で映画化したミステリー・ドラマ。一人の週刊誌記者が未解決の一家惨殺事件の真相を追う中で、理想の家族と思われた被害者一家の意外な評判が明らかになっていくさまを描き出す。共演は満島ひかり、小出恵介、臼田あさ美。監督は本作が長編デビューとなる石川慶。

あらすじ:ある日、閑静な住宅街で凄惨な一家殺害事件が発生する。被害者はエリートサラリーマンの田向浩樹(小出恵介)とその美しい妻・夏原友季恵(松本若菜)と一人娘という3人家族。近所でも評判の仲睦まじい理想の家族だったのだが、何者かに惨殺された。事件は世間を賑わせるが、未解決のまま1年が過ぎ、風化しようとしていた。週刊誌記者の田中武志(妻夫木聡)は、そんな事件に改めてスポットを当て、真相を探るべく取材を開始する。田中が浩樹の会社の同僚・渡辺正人(眞島秀和)、友季恵の大学時代の同期・宮村淳子(臼田あさ美)、浩樹の大学時代の恋人・稲村恵美(市川由衣)らから語られる。や夫婦の大学時代の知人に聞き取りを進めていくと、夫婦の意外な実像が浮かび上がってくる。そんな中、育児放棄の疑いで逮捕・勾留されている妹・光子(満島ひかり)のことが心に重くのしかかっていく田中だったが…。

<感想>まずは、映画の冒頭で、主人公の田中を演じている妻夫木聡が、バスの中で半ば強制的に老女に席を譲らされた田中が、席を立った瞬間にバランスを崩して派手に転んでしまう。不自由な足を引きずりバスを降りる彼の姿に、他の客は罪悪感に苛まれてしまう。と言うか、劇中で何度か田中は観客を驚かせる行動にでるのだ。もちろん足は悪くないのに、注意されたのが彼の気に障ったのだろう。

とにかく、妻夫木聡の無表情な演技で田中はどういう人生を送ってきたのかのヒントもない。訳ありとはいえ、最初っから表情が暗すぎるのだ。週刊誌の記者である彼が、惨殺された田向夫婦の関係者に一人一人訪ねて行って、話を聞きだすことで進んでいく。その過程において、彼の存在感を観客に印象ずけてはいけないし、記憶に残らないのもダメという役柄を妻夫木は上手く出しているのだ。

この映画の中では二つの事件が並行して描かれている。一つは田中の妹、光子で満島ひかりが扮しているのだが、3歳になる娘をネグレクト(育児放棄)したかどで逮捕された事件。もう一つは、一流大学を出て、一流企業に勤め郊外の一軒家で恵まれた生活をしている30代の田向一家の惨殺事件。田中は収監されている妹に寄り添いつつ、田向一家の惨殺事件の真相をも探っていく。

取材を重ねるごとに、美男美女の田向夫婦の裏の顔や、人としての計算高さが関係者の口から暴かれていくが、とは言え、死人に口無しの状況で、その暴露話もどこまでが真実なのかは分からない。語る人間の品性にも跳ね返り、次々と愚行の物語が積み重なっていくのだ。

ですが、それは若さゆえの過ちともいえ、誰の身にも一つや二つ覚えがある行為でもあったりすると思う。ただ、一つ言えるのは、強い立場にある者が取った優越感に満ちた行動は、彼らにとっては何でもない行為でも、弱者にとっては息の根を止めるほどの絶望に繋がり、その悲しみはまた弱者には届かないのだ。

まるでサスペンスミステリーのごとくに、観ている側では何が起きているのだろうと、田中と一緒に事件を覗いているような感覚に陥ってしまう。つまり、観客は想像力を刺激されることがこの映画の面白さだと思います。

ですが、事件を追う内に、妹への愛がより強く出ているように見えた。子供のころに母親が離婚をして再婚をした義父に、怒鳴られ殴られけられる毎日。それに妹の光子は、毎晩のように義父が寝床に入って来ては体を求める幼児性虐待である。母親がもっとも酷い、そんな我が子が再婚した夫に虐められているのを見ても、何も感じないし注意もしない。だから、いつの間にか、兄妹は体を寄せ合って息を潜めて暮らすようになる。そしてなるべくしてなったように近親相姦の間柄になってしまう。そして妊娠してしまう。

育児放棄をして光子が子供を死なせたのだが、それは自分が子供の頃に母親の愛情も受けずに育ったからであり、子供の育て方が分からないのだ。その子供の父親は義父なのか、それとも兄なのかは定かではないが、最後に光子から明かされる衝撃の告白に愚行をしてしまった兄妹がいることを知る。

それに、田向一家の惨殺事件も、実は妹の光子にも関係があり、妻の夏原友季恵は憧れの同級生であり、光子は義父に体を弄ばれても、いつか金持ちの青年を結婚するのだと希望をもち、その為にも一流大学へ入るために費用を出して貰うために、必死で我慢をして義父との関係も続けていたのだから。

それに、憧れの美女の同級生からも、どういうわけか男を紹介してもらう理由で、美人局のような感じで光子は紹介してもらった男と寝てしまうのだ。だから、公衆便所というアダナがついて回り、玉の輿どころか誰も男が寄り付かない。

底意地の悪い友達、出てくる人誰もが誰かを陥れたり、おとしめたりという連続でいかにも「ひっかけどころ」満載ミステリーを最初っから展開しているようだ。結構無茶苦茶な展開が待っていて、それが「愚行」の意味なのだろう。とはいえ妹に対して愚かじゃない兄ちゃんなんていないだろう。

妹の光子は物語の間に差し挟まれた「独白」があります。それは光子が語りかけていた「お兄ちゃん」とは、その正体はすでに観客はおのずと分かってしまうでしょう。ですが、精神分析を受けている場面での光子の満島ひかりの姿が、ほとんど無垢にも見える表情での語りは素晴らしいとしか言えない。確かに光子は愚かな生き方をしてきたのかもしれません。でもね、光子は精一杯生きてきたことには間違いはないのですから。それが全部愚かな行為なのかと言う光子。何とも言えない悲哀感が胸を突き動かして来るし、やるせない。

迷宮入りした一家惨殺事件と、再び調査する週刊誌記者田中が迫る真相とは?それは、仕掛けられた3つのドンデン返しに、ただただ、あ然とし、また驚がくして、絶句してしまい、一筋縄にはいかない物語なのだ。
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キセキ ーあの日のソビトー ★★★★

2017年02月18日 | アクション映画ーカ行
異色の4人組音楽グループGReeeeNの代表曲「キセキ」誕生秘話を映画化した青春ドラマ。GReeeeNのプロデュースを手掛けてきたJINとその弟であるリーダーHIDEの青春期のエピソードを基に、兄弟が家族や仲間との衝突を経験しながら、音楽を志し突き進む姿を描く。JINとHIDEには、『ピース オブ ケイク』などで幾度も共演している松坂桃李と菅田将暉。『そして父になる』などの助監督を務めた兼重淳がメガホンを取り、脚本を『黄泉がえり』などの斉藤ひろしが担当する。
あらすじ:厳格な父の反対を押し切って音楽の道に進んだジン(松坂桃李)だったが、なかなか思うようにいかない。あるとき、父の期待に応え歯科医を目指していた弟のヒデ(菅田将暉)と仲間に音楽の才能があることに気付き、彼らに自分の夢を託す。そして、歯科医を目指しつつ音楽も諦めたくないということを父に言い出せない兄弟は、顔を出さずにCDデビューしようと考える。

<感想>歯科医とミュージシャンの二足のわらじを履く異色の4人組GReeeeN。彼らの代表曲「キセキ」の誕生エピソードと、その裏にある兄弟と家族の絆を、松坂桃李と菅田将暉の共演で描いている。監督は「そして父になる」などで助監督を務めた兼重淳。医者で厳格で亭主関白な父親に逆らって音楽の道に進むのだが、挫折をしてしまった兄のジン。一方では、父親の期待に応えようとして一浪をして歯科大学を受験した弟のヒデ。兄と違ってナイーブな心と母親想いの好青年を菅田将暉が演じている。

兄のジンには松坂桃李が、いくら音楽が好きでも冒頭からヘビメタのガンガンとうるさい音を聞かされてはたまらない。それに、レコード会社のプロデユーサーが言う様に、今時ヘビメタは流行らないのに、本人はその煩すぎる音楽で一花咲かせようと頑張っている。

だが、やはり売れないし食えないしで、CD一つ作れるわけでもなく、ただ毎日のようにライブでガンガンとがなって歌っているのだ。父親に音楽の道を進むと言う兄のジンに対して、ジンのことを殴る蹴るの挙句に日本刀振り回すのには驚いたわ。そして、出て行けの一言。

その点では、弟のヒデが父親の願い通りに医者になって親孝行をして、その合間に音楽をすると言うのだが、やはり片手間に音楽は無理で、ヒデは大学1年生の時に落第をしてしまう。やはり両立は無理なのか?・・・しかし、同じ歯科大学のバンド仲間は、学業と音楽を両立しているのだ。

そのヒデのバンドの曲を聞いて、ヒデたちの奏でる音楽に才能を感じた兄のジンは、自分の夢を彼らに託すことにするのだ。しかし、弟のヒデは1年留年してしまい、そのことで父親に怒鳴られ一時音楽を止める決心をする。

そのことで、兄のジンは自分の抱いていた夢が弟のヒデのバンドで叶うと思っていたのに、ヒデに対して怒り狂う兄のジンなのだ。それでも、弟のヒデは本当にいいやつであり、兄貴のことを想いまたバンドをやることにする。

それで、兄のジンが父親に頭を下げてヒデに音楽をやらせてくれと頼み込むも、ダメだとばかりにぶっ飛ばされる。音楽でめしが食っていけるのか、音楽は人のためになるのか、と昔気質の頑固親父は言う。医者が一番だと。それで、父親に知られるのを避けるために、顔出しなしのデビューを試みるのである。

CDショップの店員役の忽那汐里ちゃん、それに両親には、麻生祐未、小林薫が扮しており、ヒデがCDショップに通い“海援隊”のCDを買う場面で、忽那汐里ちゃんが絶対にヒデと恋仲になると思ったよ。

父親も病院で、心臓手術を受ける女子高生の心の支えが、音楽だと言うこと。そこで、ヘッドホーンをして聞いていたのが、息子ヒデのバンドでGReeeeNなのだ。それに、誰もが思い通りの人生を送れるわけではないと思う。でも、GReeeeNのように、二足のワラジを履いて両方とも成立させて、成功させている人たちもいるのだ。かなりの努力は必要ですが、好きなものを二つも叶えることが出来るのは生易しいことではないと思うから。これはGReeeeNという音楽グループのデビューまでの物語であり、実話なんです。素直にはいり込めるとても素敵な曲でした。帰りにCDショップでGReeeeNの「キセキ」を買って帰ることにしました。

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王様のためのホログラム★★★・5

2017年02月17日 | アクション映画ーア行
『クラウド アトラス』のトム・ハンクスとトム・ティクヴァ監督が再び組んで、デイヴ・エガーズの著書を映画化した人間ドラマ。がけっぷちの主人公が見知らぬ土地で奮闘するものの、異文化の中で次から次へと災難に見舞われる様子が、笑いを交えて描かれる。『しあわせへのまわり道』などのサリタ・チョウドリーが医者を好演。人生に行き詰まりながらも、必死に頑張る男の姿に元気をもらう。
あらすじ:大手自転車メーカーの取締役を解任され何もかも失ったアラン・クレイ(トム・ハンクス)は、何とかIT企業に再就職する。早速出張を言い渡された彼は、祖国から遠く離れたサウジアラビアのジッダにやって来る。アランはまな娘の大学の学費を稼ぐためにも、何とかして国王に最新鋭のテレビ会議システムである「3Dホログラム」を売り込もうとするが……。

<感想>家も家族もなくし、エリート人生から転落した主人公が、娘の養育費を払うため一念発起してIT業界に転職した彼が、サウジアラビアの国王の甥と知り合いだというだけで、一発逆転を懸け、サウジアラビア国王に最新デジタル映像機器である3Dホログラムを導入させるべく彼の地を訪れるが、そこには劣悪な環境とカルチャー・ギャップの嵐が待っていた……。

飛行機の中で、サウジアラビアの人々の中にスーツ姿のアランがぽつんと座っているユーモラスなシーンがあったり、時差の関係かすっかり寝坊してしまい、砂漠へ行くバスに乗り遅れてしまいタクシーで行くことに。そのタクシーの運転手兼、ガイドなので、目的地を言っても直ぐにそこへは行かずに遠回りをしたり、食事を食べようと誘ったりする。

目的地のオフィスは砂漠に立てられたテントで、Wi-Fiもつながらない。さらに、プレゼン相手の国王がいつ現れるのかもわからず、上司からはプレッシャーをかけられる毎日。またもや追いつめられるアランだったが、予想もしない人物から救いの手が差し伸べられる。

目的地の工業地帯は、砂漠でマンションが建っていて、1階には看板だけマックやケンタッキー、それにスタバの看板とかがずらりと。5階にこのマンションの営業マンがいるというので、エレベーターはまだ付いてなく階段を上ると錆びついてボロボロの階段。そして5階のドアを開けるとそこはエアコンが効いた豪ジャスな部屋で、スーツを着こなした営業マンが酒を飲んでいるのだ。その砂漠地のサウジアラビアは、お酒は法律で禁じられていて、酒瓶を持っていたり、飲んでいるのを見つかると刑務所に入れられる。

それに、サウジアラビアの王様が所有している会社の立派なことといったら、それでもただの営業マンだと足元を見られて、王様に面会したいのに、常に王様は海外を転々としていてつかまらないので困惑しきり。フロントの女性の進めでデンマークのパーティへ出るも、そこで中年美女に摑まりセックスを迫られるし。

いつになっても王様にプレゼンできない。予想外のトラブルの数々に見舞われながらも、せめて砂漠のテントのエアコンに昼の食事とかを改善して欲しいと言うと、突然王様が来るというので、ジュータンを敷き詰めたテントにエアコンや食事も、立派な椅子までもが。

ですが、タクシーの運転手ユセフには、コメディアンのアレグザンダー・ブラックが扮していて、面白いのなんのとタクシーの中では1980年代にヒットしたロックバンド「トーキング・ヘッズ」や「シカゴ」の楽曲が流れて楽しい雰囲気にもなる。

道路を間違って聖地モスクへも連れて行くし、自分の家にも連れて行くのはいいが、ついカメラで家の周りを撮り始め、それを見ていた者がアメリカのFBIなのかと厳しく質問し、つい出来心でそうだと言ってしまい、見張りの者たちが拳銃を持ちアランを撃とうとする。運転手ユセフに助けられたからいいものを、冗談半分に物を言うのは良くない。

ベテランのハンクスが演じる営業マンは、見知らぬ地へ営業にいってもガンバルというセールスマンを上手に演じているのが最高。過酷な砂漠のド真ん中に建っている大きなテント。
苦労の末にやっと王様に逢えてホログラムのプレゼンをするも、そのホログラムにあの少しだけベン・ウィショーが出てきます。

王様にホログラムが気に入られて購入ということになるも、またもや中国の業者が出てて来て値引きのホログラムを売りつけ、アランは負けてしまう。

それでも、悪いことばかりじゃあない。背中にできたコブを自分で切ってしまい、ばい菌が入って膿んでしまう。それにストレスで倒れてしまい、病院へと行くも、親切な女医さん(サリタ・チョウドリー)が付き添って優しく看護してくれる。それに、コブが悪性の腫瘍なので手術しないとダメだと言われ、手術をして美人の女医さんと仲良くなってしまう。

彼女の海辺の別荘へ連れていかれて、つかの間のバカンスを楽しみ、女医と愛し合うようになり暫くはサウジアラビアで暮らすことにするというハッピーエンドの物語です。
誠実な人柄で前向きに進んでいく主人公をトム・ハンクスが好演しているが、そこには笑いもあり、周囲の人々に助けられながらも再び人生を取り戻してくアランの姿に、観ていて心地のよい安心感に浸りますから。

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君と100回目の恋 ★★★

2017年02月15日 | アクション映画ーカ行
シンガーソングライターのmiwaと「ヒロイン失格」の坂口健太郎の共演で贈るファンタジー・ラブストーリー。時間を巻き戻せる青年が、事故に遭うヒロインの運命を変えるために一途に奮闘する姿を描く。監督は「黒崎くんの言いなりになんてならない」の月川翔。
あらすじ:女子大生の日向葵海は、幼なじみの長谷川陸と組んでバンド活動に励んでいた。本当は陸のことが好きなのに、なかなか言い出すことができず煮え切らない日々を送っていた。そんな中で迎えた誕生日の7月31日。ライブが上手くいかずに激しく落ち込む葵海は、事故に遭ってしまう。ところが葵海が次に目覚めたとき、彼女は1週間前の教室にいた。やがて戸惑う葵海に陸が思いも寄らぬ事実を打ち明ける。なんと彼は時間を巻き戻すことができるというのだ。そして陸は愛する葵海の運命を変えるために奔走していたのだったが…。

<感想>シンガーソングライターのmiwaと、若手注目株の坂口健太郎の共演によるラブストーリーなんですが、交通事故に遭った葵海(miwa)と、彼女を救うためにタイムリープを繰り返す青春ラブストーリーもの。

彼氏役の陸の坂口健太郎の爽やかでかっこいい青年に、誰でもが惚れてしまうような感じがする。ギターも練習をして自分で弾いていたというし、劇中のバンド、"The STROBOSCORP"で歌を披露するところが見どころの一つでもある。「女の子を優しく守ってやるよ」という、胸キュンなセリフに、それが出来なかったからこそ、悔しくて何度もその過去へとタイムリープを繰り返すわけ。それくらいに、全面でスクリーンに映えていて素晴らしかった。
それに、前作「マエストロ!」(2015)に出演してから2作目となるmiwaは、さすがに作曲・歌はプロフェッショナルであり、彼女の音楽があってこその本作なんですね。でも演技の方は、まだ素人っぽい感じでいいんだけれども、そのところをカバーしているのが、恋人の坂口健太郎でもあるんですよ。

昔の古いレコードの音と同時に、時も刻むレコードを、過去に戻る装置に選んだのが良かったと思う。その古いレコードをかける度に過去へとタイムリープする。2016年7月31日18時10分の 夏祭りが、何回も、何回もですからね。小道具としてのアナログプレーヤー、それが落として割れてしまい過去へとループできなくなってしまう。陸は分かるんですね、葵海の生きている過去に何度も戻れても、亡くなってしまった彼女が未来にはいけないことを。

陸のおじさんが、陸のためにとお手製のチョコレート製のレコードが登場する場面。これって食べられるんじゃないの。実際にチョコレートのレコードは音が出るんですね。おじさんに扮した田辺誠一さんも、何となくチョコレートでレコードを作るなんてことは、普通じゃないってことなの。
確か以前の映画、「100回泣くことでも、交通事故で4年間記憶喪失の恋人と彼女が末期癌で1年という命の物語で、少し似ていましたね。

バンド仲間のベース松田直哉に竜星涼、ドラムに中村鉄太の泉澤祐希と、また直哉が葵海をずっと片思いをしていることも、何か切ない感じで観てました。しかし、4人といつも一緒で友達で、いろいろ世話をしてくれるのが葵海の親友の相良里奈に扮している真野恵里菜で、彼女はマネージャーみたいなもんだった。実は真野恵里菜はベース松田直哉が大好きで、でも彼は葵海に夢中なのね。

恋って、上手くいかないものかと思っていたら、なんと、葵海が留学することになり、日本を離れるにあたって好きな陸に告白をしたいと思ってたんですね。
ところが、先に直哉が葵海に「好きだ」と告白をしてしまう。それを、本当に好きな陸に相談してしまう。彼は「あいつはいいやつだ」としか言わない。煮え切らない陸に怒りを覚えて、つい里菜の前で「直哉でもいいか…」と言ってしまう。これは、直哉が好きな里菜が、怒って口を聞いてくれなくなってしまうのは当たり前ですから。

それが事故のきっかけではなくて、バラバラになった4人の親友が、ライブで上手く弾けなかったこともあり、その後に葵海がトラックに轢かれて亡くなってしまうんですけどね。背が高い健太郎と背が低いmiwaとのラブシーンはどうするのかと心配したが、図書室でハシゴを使ってのキスシーンに、なるほどねナイス・アイデアだと感心しました。
今まで、自分の目の前にいつもいた彼女が、突然に居なくなってしまうってことは、悲しいし忘れられないし、もう一度やり直したいと思ってしまうことは良くあることです。しかし、過去に何度戻っても、現在には、彼女はもういないんですから。泣ける映画と言うよりも、現在生きている人が、過去を忘れることなく前に進んで生きるという、ラブストーリーでありながら、SFでもあり青春に音楽と盛りだくさんな作品です。

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相棒-劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断★★★★

2017年02月14日 | アクション映画ーア行
水谷豊主演の大人気TVドラマの劇場版第4弾。50万人の観衆がつめかける日本選手の凱旋パレードに危機が迫る中、杉下右京とその4代目相棒・冠城亘が事件解決に奔走する。共演は反町隆史、仲間由紀恵、及川光博、六角精児ら新旧のレギュラー陣に加え、北村一輝、鹿賀丈史、山口まゆらが出演。監督は「探偵はBARにいる」「王妃の館」の橋本一。

あらすじ:ある日、英国で日本領事館関係者の集団毒殺事件が起こり、唯一の生き残りの少女・鷺沢瑛里佳が国際犯罪組織“バーズ”に誘拐される。しかし事件は表沙汰になることなく闇に葬り去られる。7年後、バーズのリーダー、レイブンが日本に潜伏しているとの情報を受け、国連犯罪情報事務局の元理事マーク・リュウが来日、特命係の杉下右京と冠城亘が案内役を務めることに。そんな中、何者かにより外務省のホームページがハッキングされ、鷺沢瑛里佳の現在の姿と日本政府に身代金を要求する動画が公開される。日本政府はテロ組織に対して毅然とした態度を示そうとするが、折しも銀座では、日本選手団の凱旋パレードが行われ、つめかけた50万人の見物客を標的にした大量無差別テロの可能性が明らかとなる。タイムリミットが迫る中、真犯人へと近づいていく右京だったが…。
相棒 -劇場版III- 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ

<感想>2000年の誕生以来、毎回かかさず観ているので、それに再放送も現在TVで放送中であり、劇場版第4弾「相棒」を心待ちにしていました。今作では、少女誘拐事件を発端に、日本政府にレイブンは人質身代金9億円を要求するが日本政府はこれを拒否。謎の国際的犯罪組織が、無差別テロの対象としてクライマックスの「世界スポーツ競技大会」の祝勝パレードで、50万人を標的とした無差別テロ事件が展開されるさなか、特命係の杉下右京と相棒の冠城が事件解決のため、死力を尽くすさまを描いたもの。

主人公の杉下右京を演じる水谷豊の大ファンであり、彼のシビアで頭脳明晰なところと、ユーモアもある人情派でもある右京さんの演技にも感心しきり。それに相棒の4代目となる冠城亘の反町隆史さんの、背が高くてイケメンで飄々とした性格、それに主人公を出しゃばって喰ってないところも好きですね。

今回の物語では、戦前の歴史の裏側で苦悩した人たち。憎しみが倍増し日本政府に対しての哀しみに怒り、愛、いろいろな想いに葛藤しながら、それでも前に進まなければならない。日本人として忘れてはいけない部分をテーマ性にして盛り込み「相棒」らしい作品に仕上がっています。とにかく、ラスト近くでの50万人が集う「世界スポーツ競技大会」の祝勝パレードを狙ったテロという展開は、以前の日本では考えられなかったと思います。情報社会の現在、個人情報の悪用など犯罪の質も多様化している。そうした状況下で、人間はどうやって身を守るかを、今回も考えさせられました。

TV版のドラマでも「相棒」は、よく男同士の対等な関係とみなされる。だから、息の合った二人が、男同士の絆を深めて行く過程も映されます。そのなかでも鹿賀丈史さん扮する、国際犯罪組織「バーズ」を追って来日する「国連犯罪情報事務局」の元理事マーク・リュウを演じており、白髪で貫禄十分であります。

さらには北村一輝がバーズの主要メンバーで、すべてがベールに包まれた“黒衣の男”であり、スナイパーとして登場し、クライマックスでは冠城亘扮する反町隆史さんと激しいバトルを展開します。足の長い反町隆史のスマートなアクションに期待。

そして、右京さんたちの捜査をサポートするのが及川光博演じる2代目相棒であり、現在は警察庁勤務の神戸尊役の歴代相棒の共演も見どころの一つですね。

それに、冒頭のシーンで10歳で誘拐され行方不明となっていた少女・鷺沢瑛里佳に扮する「くちびるに歌を」の山口まゆらが熱演している。また、“相棒ファミリー”も勢ぞろいしており、甲斐峯秋役の石坂浩二、そして「Season15」で参戦した警視庁総務部広報課課長・社美彌子役の仲間由紀恵の姿をとらえていた。

それに、映画の見どころの一つが、頭脳明晰な推理はもちろんのこと、スクリーンでも走る右京さんの姿が、オープニングの雨の埠頭からクライマックスでの銀座のパレードまで各所で全力疾走を披露しています。

警察組織の枠組みを超えて活動する特命係は、捜査一課よりも早く現場に到着することが多々ある。伊丹刑事&芹沢刑事ら一課の縄張りを、右京さんは我が物顔で捜査してしまうのですから。それに、刑事部長に煙たがられる右京さんは、捜査会議からつまはじきされるも、かつての相棒の神戸さんらの協力を得て、またもや捜査本部より先に真実へと突き進むわけ。

警察庁と警視庁のお偉方が顔を揃える会議にも、臆することなく突入するのが右京流であります。誤った捜査方針を覆すため、理路整然と正論を言い放つ右京さんには、拍手を贈りたいですね。

そして、犯行声明の動画に映り込んだわずかな手がかりを頼りに、今は警察学校にいる元監視官の六角精児に、動画の中に聞こえる列車の音を調べてもらい、鷺沢瑛里佳が監禁されている、犯行グループ・パーズのアジトを見つけ救出するのだ。そこで、右京はすでに逃亡している犯人の標的が、大規模な凱旋パレードでの無差別大量テロだと気付くのですから。

そのアジトで見つけた戦時中と思しき古い写真から、それが今回の犯行動機を指す鍵とにらんだ右京は、事件の核心へと迫っていくのです。つまり、首謀者である真犯人は、あの白髪の○○○・リュウであり、追い詰めて行く右京が、50万人分の致死量がある化学物質をレイブンが、パレードでばら撒くことを阻止するために、右京さんがスナイパーに対して体を張って制するのは、お見事としか言いようがありません。

さすがに、クライマックスでのパレードのシーンですが、北九州市小倉の目抜き通り6車線を半日間封鎖して、3000人のエキストラを動員しての撮影。未曽有のテロの危機に向き合う右京と冠城の姿勢、“諦めない気持ち”が、事件に立ち向かう時に2人は決して諦めません。それが警察官である我々の使命なんだと言う。
劇場版「相棒」が描き続けてきた社会派なテーマ、2008年に公開された第1作から第4作にあたる今作まで、「相棒」劇場版が一貫として描いてきたのが、“国家の正義”であり、官僚の隠蔽工作や国防問題などといった、現代の世相をは反映した骨太なテーマに挑戦しつづけており、今作ではそのスケール感がアップしており、半端じゃないですからね。どうか劇場でご覧ください。

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マリアンヌ ★★★・8

2017年02月13日 | アクション映画ーマ行
俳優だけでなくプロデューサーとしても活躍するブラッド・ピットと、アカデミー賞受賞監督ロバート・ゼメキスがタッグを組んだラブストーリー。第2次世界大戦下を舞台に、ある極秘任務を通じて出会った男女が愛し合うものの、過酷な運命に翻弄(ほんろう)されるさまを描く。ブラピふんする諜報(ちょうほう)員と惹(ひ)かれ合うヒロインをオスカー女優マリオン・コティヤールが演じるほか、『127時間』などのリジー・キャプラン、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』などのマシュー・グードらが共演する。
あらすじ:1942年、極秘諜報(ちょうほう)員のマックス(ブラッド・ピット)とフランス軍レジスタンスのマリアンヌ(マリオン・コティヤール)は、ドイツ大使暗殺という重大な任務のためカサブランカで出会う。二人は、敵の裏をかくため夫婦を装い任務の機会をうかがっていた。その後、ロンドンで再会し次第に惹かれ合った二人は愛を育んでいくが、マリアンヌは愛するマックスにも打ち明けられない秘密を持っており……。

<感想>第二次大戦下を背景に展開される“信頼”と“疑惑”のラブストーリーであります。任務でカサブランカで夫婦を装った二人のスパイに、本当の愛情が芽生えて結婚をする。だが、やがて妻には信じられない疑惑が向けられ、苦悩する夫は何とか妻の潔白を証明しようとするのだが、・・・。「白い帽子の女」のブラッド・ピットが主人公の英国秘密諜報員に扮していて「マクベス」のマリオン・コティヤールとの初共演によるラブストーリー。

偽装夫婦とはいえ、一緒に住んでいる部屋で美しいマリアンヌの身体を見せつけられるマックスは、次第に好きになっていくのが分かる。初めはマックスを屋上に寝かせて、自分は寝室を占領する強欲な女を演じているマリアンヌ。

目の前に美しいドスレ姿のマリアンヌが立っていれば、誰だって惚れてしまうだろう。それに、マックスを演じたブラピだって53歳なのに、目じりの皺が消えて若返ってイケメンに戻っていた。皺とりの整形をしたという噂もあるが、何しろもともと美男子なので、昔のブラピを観ているような変身したいい男、またまた惚れ直したような、そんな感じがした。

そして、周囲の反対をよそに、マックスがマリアンヌにプロポーズをして諜報員同士がロンドンで結婚する。現場任務を外れ、デスクワークにいそしみながら、娘のアンも授かり平穏で穏やかな幸せな日々を送るのだが、ところがその幸せも束の間、マックスが上司に呼ばれて行くと、妻にドイツ軍スパイの嫌疑がかけられていることを知る。

しかけられた罠によって、72時間以内に真相を解明しそれが事実ならば、自身の手で彼女を始末するように命じられるマックス。懸命に妻のドイツ軍スパイの容疑を晴らすべく奔走する内、上司から禁じられてていたにも関わらずマリアンヌの潔白を証明しようと独自の行動を取る。

パリ時代のマリアンヌを知る負傷した軍人を訪ね彼女の写真を見せる。さらには単身フランスにまで飛んで証拠をつかもうとするのだが、やはり妻は二重スパイであることが分かり、ドイツ軍将校の前でピアノを弾いていたという情報を手に入れて、妻にピアノの前で弾けを命じるマックス。
マリアンヌは、娘を預けていた中年のおばさんが、実はドイツのスパイであって娘を人質に取り、マリアンヌに夫のイギリスの情報を知らせないと娘を殺すと脅迫されていたことを話すも、そこへイギリスの情報員たちが車で押し寄せて、やむなく妻を銃殺してしまうマックス。

それにしても、マリアンヌが脅されていたとは、夫のマックスに話していれば何とかなったであろうに。マックスの心は踏みにじられズタズタになって、結局はマリアンヌの言い逃れに過ぎないのか、とも思われる。
疑心暗鬼にとらわれるマックスは、最終的には真実を探ろうと決意し調べて行くうちに妻への愛も失せて行く。実際に映画を観ていればマックスの妻に対する認識が変わっていくに従い、ブラピの演技も変わっていくというのが分かる。ラストが切ない、飛行場へ娘を乗せて車で来て、妻に本当のことを言えと迫るマックスの悲痛な声が聞こえてくるような気がした。
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サバイバルファミリー★★★★

2017年02月12日 | アクション映画ーサ行
「ウォーターボーイズ」「WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~の矢口史靖監督が、ある日突然世の中から電気がなくなった、との奇想天外な設定の下、ある一家の決死のサバイバルの行方を、リアルなシミュレーションとユーモアを織り交ぜ、スケール感いっぱいに描き出した異色のロード・ムービー・コメディ。主演は小日向文世、深津絵里、『過ぐる日のやまねこ』の泉澤祐希、『罪の余白の葵わかな。

あらすじ:東京に暮らす鈴木家は、父・義之(小日向文世)、母・光恵(深津絵里)、息子の賢司(泉澤祐希)、娘の結衣(葵わかな)の4人家族。仕事一筋の父親・義之はどこか頼りなく、家族の心はすっかりバラバラ。そんなある日、いきなり電気が消滅するという原因不明の異常事態に遭遇、電池も使用不能で、電化製品ばかりか電車や自動車に加え、ガスや水道といった全てのライフラインも止まってしまう。最初はしばらくすれば復旧するとタカを括っていた一家だったが、状況はいよいよ深刻の度を増していく。水も食料も容易には入手できず、義之は東京を離れることを決断する。そして一家は自転車で、祖父のいる鹿児島を目指して旅立つのだったが…。

<感想>「もし電気がなくなったら」をテーマにオリジナル脚本で描いたコメディなんですが、平凡な一家が壮絶なサバイバルを展開していくのを描いています。今年で6年になりますが、私たちが住んでいる仙台では、大震災を経験しており、その時でも前々から町内会やTVなどで、もう1回(昭和53年6月に大きな地震が来ている)大きい大地震が起きると案じていたので、常に水をケースで買い置きし、米や乾パンにカセットコンロにボンベ、レトルト食品に缶詰など。それにトイレの消毒剤、お風呂にはいつも水を貯めておくとか、そんなのは震災が来る前から準備をしていたので、なんとか家にいて一家全員で3か月間生き抜きました。こんな時こそ、家族の団結というか、カレンダーの裏にマジックで計画を立てて、家族全員で仲良く暮らすようにしておりましたね。

だからって分けで、この映画に興味があったので鑑賞したのですが、やっぱ映画だからか、観ていて危機管理がなってないし家族もバラバラで、一番の大黒柱の父親がてんでなってない。でもこんな時こそ母親が力を出して家族をまとめる役をする。
子供たちも、こんな非常事態の体験は初めてであり、両親に頼り切りになっていないで、自分たちが出来ることは自分でやるというのもいいですね。まずは自転車で妻の実家である鹿児島へと、初めは大阪では電気がついているという情報があったので、高速道路を自転車で大阪まで向かう。

その間にこの危機的状況を楽しむ斎藤一家に出会うのですが、それが家族揃ってアウトドアが趣味であり、サバイバル術に長けた彼らから、食べられる雑草とか栄養価の高い虫の情報を仕入れます。

斎藤一家には、夫に時任三郎、妻には藤原紀香、息子に大野拓朗、志尊淳が演じている。でもね、いいカッコしいして、なんですかこの家族にはムカつきますから。しかし、道端の雑草は知らないと、毒草もあるのでやめましょう。それと、虫もダメですから。

それにしても、一体どうしてなのか、原因も分からずにただ家の中で家族が愚痴を言い合って暮らすよりは、外へ出て自然と向き合い、昔の時代の暮らしぶりを体験するのもいいでしょう。戦時中はお金よりも米と交換するのに、母親は田舎へリュックを背負って行き、自分の嫁入りの着物や家財道具など贅沢品を持って米に変えてもらったそうです。ここでも、米屋の渡辺えりこさんは、高級時計ローレックスに金のネックレスなどとは交換しないといい、鈴木家の母親は父親が大事にしていた高級ウィスキー2本に、水と米一俵に裏に放置していた自転車と交換してもらうのだ。頭がいい、母は強しってことだね。

この家族は高速道路から外れて、田舎道を自転車で歩いていたら、田んぼに豚がいるのを見つけて捕まえて食べようと奮闘する場面がある。だが、その豚は飼い主がいて、農家で爺さんが一人で住んでいる家で、豚をみんなで捕まえてくれたら、燻製にした豚肉を分けてあげるからと。そして、3か月ぶりにお風呂(五右衛門風呂)に入り、水は井戸水で飲み放題で、美味しいご飯に漬物と豚肉の燻製までご馳走に成り、柔らかい布団で寝るという幸せな時間を過ごす一家。

そこでは、養豚業を仕事とし、強面な印象をもつ男の田中善一を「じんじんの大地康雄が演じております。長男夫婦が外国暮らしで、田舎に一人で寂しい暮らしをしている田中さんは、鈴木家の父親に、この田舎に残ってみんなで暮らしてくれないかと相談を持ちかけてきます。でも、父親は妻の実家の鹿児島めがけて行く計画を立てて、これからも鹿児島めがけて行くということに。

しかしですよ、せちがらいというか、水もコンビニで初めはぼったくりの1600円だったのが、暫く自転車で走るとスーパーでは同じ500ミリペットボトルが2500円と跳ね上がり足元を見てのあこぎな商売をしているのだ。しかし、そこで母親の深津絵里さんが、そこにある水を全部買うから値引きを交渉するのですね。
もっと驚いたのが暗いトンネルを通る時に、手前で地元のお婆さんたちがトンネルの道案内をしてやると料金を取るのだ。金を払わずに家族は自転車を押して暗いトンネルへと入ると、中には車が止まっていたり何かぐにゃとする物を踏んだり、人間が死んでいるというのだ。お婆さんたちは、家族の首に鈴を付けてロープで体を結んで、トンネルの中の障害物を避けながら見事に抜け通せたのだ。

それに、水族館の魚を捌いて料理して炊き出ししているのにはびっくりした。しかし、鈴木家が気が付くのが遅いので、炊き出しには間に合わなかった。

マッチもなくなり、必死の形相で火を起こそうとする小日向文世演じる父親と、彼を虚ろな目で見つめる深津絵里演じる母親。手には餅を持っているし、スーパーの横で火を起こしているという不思議なシーンになっています。それに、子供たちはスーパーに入って、残っていた猫缶とバッテリー液をたくさん持って帰ってきます。

猫缶はツナ缶なので食べられますが、なにせ味付けがされていないのでまずい。マヨネーズとか塩、醤油、砂糖とか、常備してこなかったのでしょうかね。バッテリー液は、中身は精製水だそうで飲めるんですね。その前に、父親が川で顔を洗ったりして、その川の水を飲んでしまうんですよ。「うんめえ~」なんて言ってね、それからが大変で気の毒に下痢をして水当たりですよ。

ちょうど夏の季節で良かったですよね。着る物も薄着で野宿するにもビニールを被ったりして、嵐が来て避難するにも川の橋のしたは増水して危険なのに、自転車が飛ばされてパンクになり、荷物もビニール袋に入れとけば良かったのに、吹き飛ばされて汚くなり食べ物も飛ばされて無くなってしまう。

とにかく、家を出る時にもう少し計画的に持ち物を考えるべき。ゴミ袋は結構役に立つし、新聞紙も、かさ張らないポケットテッシュも大量に買って置くと便利ですよ。それに、餅とかチョコレート、飴、ガム、常備食にいいですよね。でも、家族全員自転車を押しながら一列で歩いているシーンに、どこか哀愁が漂ってよかった。

それにしても、仙台から山口に九州と日本全国をロケして回り、撮影の過酷さでも話題になった『サバイバルファミリー』ですが、その過酷さが感じられるシーンがたくさんあり、家族総出で豚を追い回したり、川を渡るのにイカダを作って流れの急な川を渡るシーンでは、大雨も降ってきて川が増水し、父親が流されてしまうというショッキングな事態が。お母さんも足を骨折して、それでも、父親はドザエモンにならずに助かって、108日目に蒸気機関車に乗って鹿児島へと無事家族揃って行き着くのですから。
釣りが趣味という祖父に柄本明が演じていて、鹿児島で娘夫婦の家族を食の面で支えてくれるのがいいですね。こんなことが無ければ、祖父のいる遠い鹿児島まで来ることはなかったに違いない。鈴木家の父親の小日向文世さんの演技の巧いことといったら、それに母親の深津絵里さんも、どこか飄々としてのんびり感が癒しで実に良かった。
観ていてツッコミどころが満載なんですが、病院とか老人ホームとか、亡くなった人たちも大勢いるのに、何故か知らされていない。こんな時に政府は何をしているのか、何年間もの間、人間は自給自足をして生きるべく努力をし、みんな力を合わせて暮らすのでしょうかね。ラストで原因が明らかにされていません。政府もなんとか政策を立てないと、その内に暴動が起きますからね。
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ダーティ・グランパ ★★★

2017年02月09日 | アクション映画ータ行
名優ロバート・デ・ニーロと、『恋人まで1%』などのザック・エフロンの共演で放つ痛快バディムービー。真面目過ぎる孫と奔放過ぎる祖父が旅に出て、行く先々で大騒動を巻き起こす様子を生き生きと描写する。メガホンを取るのは『ブルーノ』などサシャ・バロン・コーエン作品に携わってきたダン・メイザー。デ・ニーロの体当たりのギャグ、祖父と孫の珍道中に笑いがこみ上げる。
あらすじ:1週間後に挙式予定のカタブツ弁護士ジェイソン(ザック・エフロン)は、祖母の逝去の知らせを受けて葬儀に参列する。彼は一人残された祖父ディック(ロバート・デ・ニーロ)に半ば引きずられるように、祖父母の思い出の場所フロリダへと旅に出る。ところが、ディックは40年ぶりの独身生活をエンジョイし、朝から酒浸りで葉巻を吹かし、ナンパに明け暮れ……。

<感想>もう自由すぎるグランパと、生真面目すぎる孫との二人旅という設定は、正直いって使い古されたパターンですが、セリフのセンスと演技の味でなんとか勝負しています。そして、それはかなり上手くいっていると思う。

下品で違法下ネタ満載のギャグは、相当におかしくてデ・ニーロとザック・エフロンの息の合った掛け合いで愉しませてくれます。デ・ニーロと言うと、大御所ですからね、昔はギャング映画の親分を演じて大受けしたり、今じゃコメディでしか見かけなくなったデ・ニーロ爺さん。しかし、どんな役柄でもインパクトがあり過ぎて、若いザック・エフロンはタジタジで霞んで見えましたよ。

アメリカン・コメディ映画の「ハングオーバー」作品を、彷彿とさせるような花婿の孫であるジェイソン君の、バチェラーパーティをお祖父ちゃんであるデ・ニーロが、主導権を握って物語を展開させている。

長年連れ添った妻を亡くして落ち込むどころか、妻亡き後のリビングで、堂々とAVビデオを見て興奮しきりで男を爆発させていた。それからと言うものの、男の自由を取り戻して意気盛んなグランパが、孫との旅の途中で真面目過ぎる孫を焚きつけてやりたい放題ですから。

下ネタを炸裂させるわ、孫役のザック・エフロンの肉体美を見せつけるも、結局はグランパ役のロバート・デニーロがエッチな場面も含めて、全部持って行ってしまったという感じがぬぐえない。

デ・ニーロ爺さんったら、女性と見ればすぐに声を掛け、スキあらば体を密着させてニヤつくし。さらには過激なベッドシーンまで披露するなんてね。思わず心配しちゃうハチャメチャ・シーンの連続ですから。ラストでひ孫の洗礼式かと思いきや、あのベッドシーンの女性と結婚して、子供ができたということなの。ひ孫じゃなくて自分の子供なのね。これにはびっくりでした。

それにデ・ニーロ爺さんが、アイス・キューブの名ナンバー「It Was A Good Day」のカラオケに挑戦します。ザック・エフロンも、見事な歌とダンスをきっちりと披露するのも感心しきりです。それに、バカ真面目に冒頭で婚約パーティをしていた場面があり、それから爺ちゃんと旅に出るのだが、旅先で出会った元カノとよりを戻したような、最後にはその彼女と結婚することになるとはね。

爺さんの親友も今では老人ホームで車椅子生活。現実を突きつけられてしょんぼり。その親友を演じるのはダニー・グローバー。すっかり老いてしまった彼を見て、ちょっと寂しさを意識する。デ・ニーロ爺さんが、実は特殊工作員でしたみたいなネタは「ミートザペアレンツ」で大ウケでしたね。

父親と祖父ではワンクッションあるとはいえ、同じようなエピソードでも人が変わればここまで違うものかと感動してしまった。それにしても、デ・ニーロ爺さんの、やりたい放題のキャラクターになりきり演技に、下ネタ満載のセリフや裸体を披露しての、ザック・エフロンと共に体を張った演技に拍手です。

とにかく際どい脚本はないとデ・ニーロが言うが如く、際どくて破天荒な老人映画ですから。張りぼてを股間に付けた男や、顔に○○スを描いた父親が乱舞し、卑語猥語が盛大に飛び交う映画ですが、H大好きなお客さんには、きっと楽しめること間違いなし。

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