Con Gas, Sin Hielo

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「アイアンスカイ」

2012年10月07日 07時36分34秒 | 映画(2012)
品性なくコーティングされた未来。


戦争や世界征服といった雰囲気と全く異なるゆったりした音楽が予告篇で流れるのを見て、ちょっとおもしろそうかもと思ってしまった。

結果としては、作品自体は下品だしどうにも笑えない。主役の女性がとにかくかわいいのを除けば、どうにも不快感ばかりが残った。

S.バロン・コーエンが笑えてこちらはダメということには自分でも上手く説明できないが、とにかく序盤の方で入り込めなかった時点で終わった感じだ。

とかく政治をおちょくるのは難しい。通り一遍のことを言えばそれなりの社会風刺の体裁が整うだけに、やりようによってはどうにも安直な出来上がりになってしまう。

こう言えば何か体制批判っぽくてクールじゃない?という性根が透けて見えてはいけないということだ。

本作はフィンランド映画らしい。北欧といえば、世界のごたごたから一歩距離を置いて独自の幸せを追求している印象があるのだが、そんな国が米国をはじめ世界中を具材にしているところが意外。

例えば予告篇で「ナチが地球襲来?」と笑っていた対象が、実は違う発言に対してだったところには驚いた。北欧でもそう捉えられているのかと。

映画自体はあまり好きではないが、所詮世界はこんなものという展開には賛同する。

新興国の台頭もあってますます複雑で混沌とする世の中、思うように物事を進められないリーダーたちが求めるのが分かりやすい徹底した敵というのは、たぶん正解だし、ナチの設定を地上のとんでもない国に当てはめれば、これはリアリティたっぷりだ。

ところで、世界中がこっそり核開発に励んでいたと吐露する中で、馬鹿正直に約束を守っていたのが自国フィンランドだけだったという下りは、本音なのか皮肉なのか。

(50点)
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