Con Gas, Sin Hielo

細々と続ける最果てのブログへようこそ。

「ソウルサーファー」

2012年06月17日 01時13分38秒 | 映画(2012)
前へ、前へ、前へ。


あまりによくできた話というのは、見ている方が恥ずかしくなってしまうことがあるのだが、エンドロールを観るかぎり、この映画はどうやら事実をほぼ忠実に再現しているようだ。

神は乗り越えることができる者にこそ試練を与える。

近視眼的なアプローチでは物事の本質は見えない。

これは全篇を通して主張している本作のシンプルかつ強いメッセージだ。

ヒロイン・ベサニーは、ハワイに生まれ、両親も兄も親友も日常=サーフィンという環境の中で育ち、何の迷いもなくプロサーファーを目指すサーフィン漬けの日々を送っていた。

そこでの突然の事故。

自分にサーフィン以外の道はないと一度は再起を目指すも壁にぶつかり、改めて突きつけられる人生の選択。

しかし彼女は、自らの強い意志と冷静な判断、周囲の深い愛情により正しい道を導き出す。

一度はサーフィンの道を諦めかける設定になっているが、本当にそんな迷いがあったのか信じられないほど、それ以外のベサニーは強く見える。

それはやはり彼女にとっての海の存在の大きさにほかならない。

冒頭で、自分の血管には海水が流れているという言葉があったとおり、すべての土台であり、創造主=神にも近い存在なのだろうと推測すると同時に、信じることの強さを思い知らされる。

翻ってわが国は、まさにいま震災後の混乱の中を生きている。

進むべき道を決められず未だ迷い続けているが、我々はできると信じることが何より大切だ。同時に、近視眼的に些細なことを妄信してしまうことは避けなければいけない。

シンプルで強い物語を彩るのは、美しいハワイの海と華麗なサーフィンのパフォーマンスだ。

A.ロブH.ハントD.クエイドといった演者たちは、地元のサーファーとしてスクリーンにぴったりハマっていた。

かなり差し替えもあったのだろうと想像するが、超一流のサーファーの演技も充実。大きな波が次々に押し寄せるハワイの海のスケールの大きさも実感した。

あとの注目はC.アンダーウッドだろう。ようやく日本版のアルバムが発売された既にスーパースターの彼女だが、ベサニーの指南役といういきなりの重要な役で出てきたのには驚いた。

(70点)
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2 コメント

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こちらにも (なな)
2012-07-02 23:34:12
>神は乗り越えることができる者にこそ試練を与える。
まさにそうかもしれません。
神は決して負えない荷は負わせない,試練とともに逃れる道も備えてくださるという聖句が新約聖書にあります。
実話とは信じがたいほどの前向きな物語ですが
エンドロールの実在のハミルトン家の人々の映像を見て,やはりベサニーだからこそ乗り越えた試練なのだと思いました。しかし片腕でサーフィンって・・・・運動音痴の私には想像もつかない凄い事です。
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神を信じ、自分を信じる (クラム)
2012-07-07 06:08:24
ななさん、おはようございます。

新約聖書の話、参考になります。
「試練とともに逃れる道も備えてくださる」
と思えば、試練に立ち向かっていこうという気持ちを持てそうな気がします。
彼女の場合も、外国での慈善活動参加に象徴されるように
他の生き方を選ぶこともできたわけですよね。
個人的に、次に試練にぶち当たった時のために
心にストックしておきたいと思います。

サーフィンは、運動神経以上に独特のセンスが必要な気がしますね。
ぼくにも到底縁のない世界の話でした。
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