爺つぁま日記

北緯40度北東北の美しい自然と爺つぁまが行く四季の釣り

11-03-30(水) 宮古市田老

2011年03月30日 | 東日本大震災



瓦礫の間を風が吹き抜け、もうもうと立ち込める砂塵の中でパワーショベルが唸り自衛隊のトラックが走る。
信じ難い高さに纏わり着いた浮遊物や漁船の破片、プレスしたようなクルマの残骸、捻じ曲がった橋梁、堆積した砂泥、生活の痕跡すら残さないまま街並みは消えた。
防犯のためか角ごとに立つ迷彩服の男たち、地域住民の姿は殆んど見ることがない。
二重の城壁に囲まれていた筈の田老の町は、ほぼ壊滅状態。
万里の長城にも似た世界に誇る10mの大防潮堤は、その役目を果たすことが出来なかった。
涙なくして見られないその光景は、後々まで私の脳裏に焼きついて離れることはないだろう。

 

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2 コメント

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Unknown (陸中海岸)
2011-05-03 18:01:32
私は神奈川県在住ですが、旧田老町出身者です。今回の津波で実家が跡形もなく流されてしまいました。今は誰も住んでいなかったため家族は被害を受けることはなかったのですが、知り合いが何人か犠牲になってしまいました。いきなり有無を言わさず命を奪われてしまうとは、なんて不条理なのでしょうか。憤りをぶつける相手も無く、ただただ悔しく悲しいだけです。私も鮎釣りが好きで毎年田代川、摂待川、小本川で楽しんできました。私は互いの竿がぶつかってしまうような都会の釣り場には馴染めないのです。あと数年で定年となるので、実家に戻り思う存分鮎釣りを楽しもうと計画していたのですが、それもままならなくなってしまいました。
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Unknown (Zさん)
2011-05-06 22:06:35
返信が遅くなってしまいました。

旧田老町に限らず三陸沿岸各地は、世界に誇る大防潮堤群と巨大湾口防波堤を過信するあまりに、昭和三陸津波の悪夢が薄れてしまい、気持ちの中にひとつの油断があったことは事実です。
我が田舎でも、昭和を経験したはずの多くの年配者が、避難を怠って犠牲になっております。
被災地が再興するまでは、気が遠くなるような時間を必要とします。
私が生きているうちに、新しい町の完成した姿は見られないかもしれません。
しかし私に出来る限りの復興への手助けは、今後も労を惜しまず続けていくつもりでおります。

今現在は私のホームグランドでもある小本川、或いは摂待川への釣行などは、たとえ上流部だとしてもとても出来ない状況です。
夏までには被災地復興への見通しがつき、是非とも笑顔でアユ解禁に臨みたいものです。
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