寄る年波には勝てず、ある時を境に危険を伴う荒瀬や深場のチカラ技をきっぱりと諦めた。
それでもアユ釣りへの思慕も意欲も衰えることはなく、安全安心のポイントと優しく無理のない釣り方を求めての日々は続いた。
安全安心のポイントとはヘチやチャラ瀬などの浅場であり、優しく無理のない釣り方とは泳がせ釣りである。
枯葉釣法は特別なものではなく、長い経験で培った勘を最大限に働かせてポイントを探りだし、丁寧かつ繊細な泳がせテクニックを以て野アユを絡め獲る釣りである。
即ちこれまで見過ごしていた浅場のスポットから宝の山を見つけだし、静の釣りたる「泳がせ釣り」を以て若手に肉薄する釣果を叩き出そうと言う、老い先短い爺つぁまアユ師の最後のあがきなのである。
<仕掛け>
- 仕掛け全長: ハナカンまでが竿尻+10~15センチが操作性がいい。
- 天井糸: PE0.3号4.5mで調整シロ15センチほどで水中イトとのジョイントに撚り戻しは不要。
- 水中イト: 両端をチチワにして3.5m、色で号数判別できる目印を4個結ぶ。
- 中ハリス: ハナカン移動またはサカサ鈎移動のノーマル仕掛け。
- 3本イカリ鈎: ハリス長を尾ビレ+1センチを標準とし、野アユの活性度合いで調整。
<カミ泳がせ>
- オトリを上流に向けて足元から放ってみる(意外に楽な直上泳がせ)。
- 元気オトリならそのままカミに向かって泳ぎだすが、通常は立て竿の状態から水中イトの重さ分だけのオバセを与えたり、竿先でほんの僅かの負荷を加えて泳ぎだす手助けをする。
- 一度オトリが動き出したら、目印を水中に出し入れしてオバセ量を加減してみたり、竿先を僅かにスイング(煽り)させてリズムよくオトリを泳がせ続ける。
- 竿先を連続的にリズムよくスイングさせることで、常にオトリの状態が把握できるようになることが大切。
- 連続的にオトリのコントロールをすることで、釣り人との間に一体感が生まれ、水中がイメージできるようになれば、もういつ野アユが掛かってもおかしくない。
- 当初行先はオトリ任せ(通称泳がれ釣りとも言うが・・・)でいい。 釣行を重ねるうちに自然に方向づけもできるようになる。
- 竿の仰角60度(オトリ到達位置は竿全長程度)で、狙いのスポットを通過できるような立ち位置であればベスト。
- カミ泳がせの上限は竿の仰角45度(オトリ到達位置は竿全長の1.4倍程度)まで、この位置でオトリにブレーキがかかる訳だが、この時のオトリの動きが野アユへの誘いになる場合が多い。
- 立ち位置を変えずに、あらゆる方向にオトリを泳がしてみると、この釣りの守備範囲が瀬の引き釣りに比して如何に広いかが納得できる。 即ち動きの鈍った爺つぁまアユ師にはうってつけの釣りスタイルであることが判る。
と言うことで上手下手はあっても誰にでもできるカミ泳がせ。
この釣りのキモはヘンに川の中を漕ぎ回らず1本の杭になって、オトリに無用な負荷を与えることなく、根気よく丁寧なコントロールに終始することだけである。
さて上手に泳がせることができても肝心の野アユが居なければ友釣りは成り立たない。
次回はA級ポイントを若手に譲った後の爺つぁまアユ師が次に狙うポイントを考える訳だが・・・、その考察は明日の宝の山のココロだぁ。
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