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遊木民のアトリエ

現在は農業・木工業
                           

辛汁

2005-11-13 | 蕎麦の部屋


 ブログの記事にちょくちょく出てくる「辛汁」、「辛汁」って何?

 とのお問い合わせもあります。「辛汁」は「かけ蕎麦」の付け汁ですが、濃厚な
 
 出汁と「かえし醤油」で出来ていますので、応用範囲の広い万能調味料として便
 
 利なものです。

 材料です

  乾燥椎茸(国産の原木シイタケの乾燥品)
  出し昆布
  厚削りの鰹節

  かえし醤油(三温糖、味醂、丸大豆醤油を煮溶かし、半年以上寝かせた物)



 乾燥椎茸で出汁をとります。乾燥椎茸は国産の原木椎茸で天日乾燥の椎茸を使い

 ます。 中国産の菌床椎茸を温風乾燥した物とは別物です。

 少量でしっかりと出汁が出ますので、かえって、お得です。

 椎茸は水で洗い、傘の裏を下にして、10~15分置き、傘の裏に着いた汚れを

 落とします。

 ボールに入れ、水をはり、ラップして冷蔵庫に一晩置き出汁を採ります。

 冷蔵庫で出汁を採るのがコツです。



戻し汁に水を加え4Lとし、昆布を加えます。

 中火で加熱しますが、沸騰させてはいけません。

 昆布が伸びきったなら椎茸と昆布を取り出します。

 椎茸と昆布を取り除いてから強火にし、沸騰させます。



 出汁を沸騰させたところに厚削りの鰹節を入れ、沸騰前の状態で40分煮出しま

 す。


 
 サラシで出汁をこします。



 この間に「辛汁」を保存する瓶をアルコール殺菌します。




 出汁3に対し、かえし1の割合(割合は好みで)で混合します。

 鍋で80℃まで加熱し、瓶に詰め瓶ごと湯煎で90℃まで加熱し殺菌します。



 出し殻がもったいないので、二番出汁を採ります。

 出し殻に水を加え、沸騰したところに、追い鰹します。



 「辛汁」4Lと二番出汁2Lが出来ました。

  辛汁は冷蔵庫で1ヶ月程度保存できます。

 二番出汁は冷蔵庫で保存し、3日以内に使い切って下さい。

蕎麦打ち

2005-09-11 | 蕎麦の部屋


 蕎麦の部屋に蕎麦の画像が無いのはどうして?との意見をいただきました。

 新そばが出来てからご紹介しようと思っていたのですが、「蕎麦打ち教室の教材に使いたい」との要望がありましたので、新そばの収穫までに、数回に分けてご紹介します。

 今回は写真の撮り方のテストを兼ねてご紹介します。

 今回は会津地方の三島町、美坂高原のそば粉を使いました。当方が最も多く打っている(年間30~50kg)そば粉です。

今回はつなぎなしの、十割で打ってみました(加水率48%、1/3湯捏ね)。

 当然昨年(平成16年産)のそば粉ですが、ー25℃で冷凍保存しておいた粉です。
 
 右上からのライトでの撮影ですが、蕎麦のつやが出ていません。



 ストロボを使った撮影ですが、立体感と蕎麦の質感が出ていません、撮影に関しては今後一から検討が必要です。

 料理の撮影技術は、それだけで一つのジャンルとなっているほど独特のテクニックがあるとのことです。ご意見をいただければ幸いです。

 辛みダイコンを添えた、「もり蕎麦」です。

 新そばですと薬味は邪魔ですが、冷凍保存とはいえ、「梅雨越しのそば」ですので薬味を添えました。
 


 簡単に蕎麦打ちの一連の流れをご紹介します。

 蕎麦打ちの工程 1  「木鉢」です

 そば粉に水回し(水を加えながら水分含量を均一にする)、蕎麦玉にまとめます。
 


 蕎麦打ちの工程 2  「延し」です 

 こねた蕎麦玉を薄く(1.2~1.5mm)延ばします。



 蕎麦打ちの工程 3  「包丁」です

 延ばした蕎麦の生地を畳み、所定の幅に切りそろえます。

 因みに  木鉢3年、延し3月、包丁3日と言われています。

 

ソバの花

2005-09-09 | 蕎麦の部屋


 阿武隈山系のソバ畑です。

8月上旬に播種したソバが開花時期を迎えています。

ソバは湿害に弱く、今年は8月上旬に雨が続いたことから生育はあまり良くありません。

 本来ですと真っ白になる畑もムラがあります。



 手前の方は生育は良いのですが奥の方は生育が悪いようです。



 ソバは株ごとに、雌しべが長い長柱花と、雌しべが短い短柱花があり、自家受粉はせず、長柱花と、短柱花の間でしか授粉が行われません。

 従って花粉を運ぶ虫がいないと実はつきません。



 授粉で活躍する虫の代表がミツバチです。

養蜂家はソバの花が咲くシーズンはかき入れ時です。

 ソバ蜜は黒く、独特の香りが特徴です。 



 清楚なソバの花は大好きな花の一つです。


 因みに このような植物が      ソバ(ソバの花)
     前の記事のような穀物が  そば (玄そば、丸抜きそば、そば粉)
     麺にすると           蕎麦 (二八蕎麦、田舎蕎麦)

そばの実の料理

2005-09-05 | 蕎麦の部屋


一般にはあまり馴染みのない「そば」についてご紹介します。

 右側が「玄そば」いわゆる蕎麦の実です。

 左側が「剥きそば」、「玄そば」から殻を取り除いたもので「抜き」ともよばれています。

 これを粉にした物が「そば粉」で製粉の方法、歩留まりで粉の性質が大きく変わります。 

 「そば粉」については後日にします。



 「抜き」とよばれ、そば粉にするほか、色々な「そば料理」に使われます。

 表面が緑掛かっているのが香りも高く、良い「抜き」です。

 今回は「抜きそば」の和え物を作りました。



 「抜きそば」をたっぷりのお湯で柔らかくなるまで炊きます。

 時々食べてみて、「プリッ」とした食感になれば火から下ろします。



 冷水で冷やし、水を切ります。



 「そばの実」の和え物の材料です。

 そばの実、エノキ茸を軽く茹でた物、山芋の千切り、青じその千切り、

 細削りの鰹節、梅干しの裏ごし。

 これらの材料を大きめのボウルに入れ和えます。




 「そばの実」のプリッとした食感、エノキの歯触り、山芋のシャリシャリとした食感が楽しい和え物です。

 梅干しの塩気と酸味、青じその香り、鰹節の旨味がうまくマッチします。


遊木民のオリジナルです。 多分!!?

そば豆腐

2005-08-31 | 蕎麦の部屋


 そば豆腐を作りました。

 暑い日にはそばの香りの高い、口当たりと喉ごしが良い、そば豆腐が食べたくなります。

 材料です    
      水      400ml(できれば浄水器を通した水)
      そば粉     40g
      葛粉       4g

  今回使ったそば粉は信州産のそば粉で、かなり白い(そばの中心部が多い)
  ものです。

  葛粉は吉野の本葛です、やはり他の葛粉(葛粉とは名ばかりでジャガイモの澱粉の物が多い)  とは別物です。



 鍋に水とそば粉、葛粉をいれ、良くかき混ぜ、ダマが出来ないようにします。



 弱火にかけ、良くかき混ぜながら加熱します。

 最初濁っていた液が、透明感が出るまで加熱します。



 火が通ったなら容器に流し込み、水を張ったバットにいれ、荒熱をとります。

 荒熱をとった後、冷蔵庫で4~5時間冷却します。



 貝割ダイコン(そばモヤシも美味しい)、ワサビを載せます。



 蕎麦の辛汁(もり蕎麦の付け汁)をかけます。



 スプーンでそば豆腐と汁を一緒にすくって頂きます。

 口の中にそばの香りが広がります。

ソバ菜

2005-08-10 | 蕎麦の部屋


 ソバの種を播いて2週間後の画像です。
夏の間の野菜にでもと、播種しました。

 ソバは成長が早く、3、4日で発芽し、発芽後2、3日はソバモヤシとして、
それ以降2週間程度はソバ菜としてたのしめます。

 1週間間隔で少量づつ播種しておくと重宝です。



 ソバ菜の収穫です。



 まずは、おしたしから、しゃきしゃきした歯ごたえで、初めて食べた人は何だか
わからないでしょう。
 
 爽やかで美味しいものです。

 ルチンも多く、血管を丈夫にします。

 因みに、ソバ、そば、蕎麦の区別は?

宿根ソバ(多年草)

2005-07-03 | 蕎麦の部屋


 宿根ソバ(タデ科ソバ属)

 ソバは大きく分けて3種類あります。

1.普通ソバ(栽培種)

  通常我々が食しているソバで、花は通常白ですが、
 ヒマラヤ原産の赤い花が咲くソバもあります。

2.ダッタンソバ(栽培種、通称苦ソバ)
  
  ヒマラヤなど標高の高い所で栽培されており、近年
 ルチンの含有量が格段に高いことから、健康食品として
 注目を集めています。通常、そば茶に加工されている
 ようです。

3.宿根ソバ(野生種)

  普通ソバ、ダッタンソバが1年草であるのに対し、
 宿根ソバは中央アジア原産の多年草です。

  冬に茎葉部は枯れますが、根茎部は越冬し、春に
 芽生えます。この若葉が食用となることから「野菜ソバ」
 とも呼ばれているようです。

  この宿根ソバは蕎麦打ち仲間から頂いたものです。
 1株だけですので大切にし、採種して殖やしたいものです。

  あれ?宿根ソバは自家受粉しましたっけ?

  普通ソバは「短柱花」と「長柱花」との間でしか受粉しな
 いのですが(自家受粉はしない)、宿根ソバは?

  提供者の、「S兄ゃ」恐れ入りますが、コメント下さい。

夏ソバ?

2005-06-29 | 蕎麦の部屋
 

   先日、山間部を車で通っていると、白い花畑が見えました。

  まさか、「ソバには早いよなー」と思いながら傍まで行ってみました。
 
 なんと、ソバでした。しかし「当地では夏ソバの栽培は無いはず。」
 と思い、近くの人に聞いてみました。

  「去年の収穫の時、こぼれたソバが、メー出したんだべー」
 
とのことでした。
 


 
  当地では、秋ソバの播種は8月上旬ですので、その前に鍬込まれるでしょうが、
 蝶々さんと、ミツバチさんにとっては、思いがけないごちそうだったのでしょう。
団体でお出でになり、蜜を採っていました。
 
        8月下旬、秋ソバの開花時期には是非来たいものです。