yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

伯楽

2010-11-14 07:16:13 | 文化
伯楽(はくらく)は中国名の星座(危宿、洋名・ペガスス座)において天帝の馬を守る星であり、転じて、周代には馬を見分ける名人を指しました。人物を見抜き、その能力を引き出して育てるのが上手な人のことを言います。伯楽については荘子の馬蹄篇にも記述があります。
さて、現代の伯楽はというと、日本ではプロ野球の名監督や、シドニー・オリンピックのマラソンの金メダリスト、高橋尚子を薫陶した小出義雄氏などが挙げられます。アメリカではアップル社を創業したスティーブン・ジョブ氏が先ず挙げられます。アメリカの経済誌「フォーチュン」は2009年11月に「過去10年間の最も優れたCEO(最高経営責任者)にジョブ氏を選び」、マイクロソフト社のビル・ゲイツを上回る評価をしました。主に、携帯音楽プレーヤー iPodや携帯電話 iPhoneなどの成功が認められたものと思われます。ジョブ氏の功績はこれだけではありません。1972年頃、コンピューターは、大学や官庁のエリートだけが使える大型で使い勝手の悪い物でした。1979年のある日、ジョブ氏はゼロックス社のバロアルト研究所を見学する機会がありました。ジョブ氏がゼロックス社のコンピューター「アルト」の画面を見ていた時、ガイドの技術者が「マウス」を使ってコンピューターの画面上のアイコンを自由自在に動かしていました。これを見てジョブ氏はその便利さに腰を抜かす程驚いたという事です。その瞬間、ジョブ氏はマウスの技術を使えば今日のようなパソコンが創れることを直感したのでした。彼はコンピューター・マニア達を集めて、直ちにパソコンの開発を開始しました。このようにコンピューター・マニアを巧みに使い、時には過酷な開発・研究をやり抜いてアップル社はパソコン「マッキントッシュ」の開発に成功しました。アメリカのシリコンバレーには多くのベンチャー企業があり、IT技術を牽引して来ました。また、こうした会社では、当時は社風が自由で、ノーネクタイやカジュアルな服装でお構いなしということでした。インテル社もその一つで、平社員も役員も全員にストック・オプション(自社株優先購入権)が平等に与えられ、社員のやる気を引き出していたそうです。アップル社もこうした西海岸の企業の一つです。

岸野正剛著 「エピソードでたどるパソコン誕生の謎」電気学会
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