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将棋 電王戦

2013-04-26 06:28:24 | 将棋
パソコンと将棋のプロ棋士が戦う将棋電王戦という棋戦があります。パソコンの将棋ソフトを開発している人(および大学で人工知能を研究している人)と、「多くの人に将棋に興味をもって欲しい」という日本将棋連盟の意図が一致して開催されました。この棋戦の結果は、その夜のテレビの全国放送で報道されるまでになりました。

昨年(2012年)に第1回電王戦が開催され、故・米長邦雄元将棋連盟会長と将棋ソフト「ボンクラーズ」が対戦し、将棋ソフトが勝利をおさめました。

先日、行われた第2回電王戦は5対5の団体戦でした。結果は次の通りでした。
 第1局 阿部光瑠四段 ○ 対 習甦(しゅうそ)   
 第2局 佐藤慎一四段 ● 対 ポナンザ 
 第3局 船江恒平五段 ● 対 ツツカナ 
 第4局 塚田泰明九段 △ 対 プエラα 
 第5局 三浦弘行八段 ● 対 GPS将棋
ここでは、コンピューター側の3勝1敗1引き分けで、コンピューターの勝ちとなりました。コンピューターが現役のプロ棋士に初めて勝利をおさめた画期的な出来事でした。尚、GPS将棋は、昨年の「世界コンピューター将棋選手権」で優勝した戦績がありました。

第5局では、三浦八段は「悪手を指していない」と言っているにもかかわらず、敗れたことに私は衝撃を受けました。
電王戦を全部通して見た訳ではありませんが、対局条件の中の持ち時間について、大いに「不公平感」を懐きました。
第2回電王戦の持ち時間は、パソコン、棋士、各々4時間でした。対局終了時の残り時間は、棋士が約5分、コンピューターが約2時間でした。  
第5局に登場したGPS将棋のマシン(アップルのパソコンimacなどで構成)は689台を結合したオバケみたいな物で、1秒間に2億5千万手を読めるということです。対戦した三浦弘行八段は、プロ棋士の中では大将格ですが、人間ですから、失礼ながら1秒に2億5千万手を読むことは難しいのではないかと推察します。689台のマシン群と人間の持ち時間が同じというのは、いかにも不公平に思われます。1対1で戦うという勝負の原則を適用してマシン側の持ち時間を考えてみました。今回の持ち時間、4時間をパソコンの台数で割るのが公平であるとして計算しますと、4X60X60÷689=20.9秒となります。マシン側の持ち時間は20.9秒を切り上げて1分程度とするのが公平なのではないでしょうか。
強いパソコンソフトの開発はこれからも続くと思われます。これは人工知能の研究分野における一つのテーマだということですから、それは結構なことです。しかし、いわゆる器械が人間と対戦して勝ち負けを争うことに、積極的な意義を見いだすのは難しいような気がします。もっとも、棋士の能力をコンピューターに換算した場合、どれだけの思考速度と記憶容量を持っているかが解明されることに関して、私は大いに興味があります。
チェス界については詳しくありませんが、この世界では既にコンピューターがチェスチャンピオンより優位にあることが定説のようであり、今や人間とコンピューターの対戦については、あまり注目されなくなっているということです。
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