yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

熊本城   原 雨城

2020-12-12 07:16:36 | 文学
明治時代の詩人、原雨城の七言絶句「熊本城」を紹介します。熊本城は言うまでも無く、加藤清正公が築いた名城です。(写真 下)


         熊本城
     
        蘇嶽東望西火海
        白川南下水潺湲
        藤公偉業城偕熾
        秋雨春風弔勇魂


蘇嶽ヲ東ニ望ミ 西ハ火ノ海
        白川南ニ下ッテ 水潺湲(せんかん)
        藤公ノ偉業 城ト偕(とも)ニ熾(さか)ンニ
        秋雨春風 勇魂ヲ弔ウ

      「訳」
     雄大な阿蘇の五岳を東の空に望み、西は洋々として不知火の海が広がる。
     白川の水は悠然と熊本平野を南にさらさらと音をのこして流れる。熊本城(銀杏城)が厳としてその威容を長久に示すように、加藤清正の赫々たる武勲、治水工事 による安民救済の功績は後世に燦然として輝くことである。そして、菩提寺本妙寺の苔深い石磴に降る蕭々たる秋の雨や、春の楠の若葉に嫋々と吹き来る東風も、清正のたけき魂をなぐさめることである。 

      「語釈」

    景行天皇が西巡の際、海上に点滅する火をご覧になり、供の者に聞かれたが、誰もその火を解明することができなかったといいます。蘇岳は、熊本県と大分県にまたがる二重式活火山で、カルデラ内に高岳、中岳、根子岳鳥、帽子岳、杵島岳の五岳があります。
         



詩の作者、原雨城は書と南画も得意としました。阿蘇山には生涯、幾度も登りました。


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