yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

カレーライス 考

2023-11-14 05:53:24 | 文化
日本では今や国民食と言っても良いようなカレーライスの話です。
カレーライスを最初に食べた日本人は、NHK大河ドラマ「八重の桜」の中にも出てきた、山川健次郎と言われています。明治維新の後、アメリカに留学する船中で、洋食に慣れていない健次郎は船医に食事をとるように言われ、「ライスカレー」を注文する。しかし、ご飯にかけるゴテゴテしたものを食べる気になれない。そこでアンズの砂糖漬けをおかずにしてご飯を食べ、餓えをしのいだという。山川健次郎は帰朝の後、明治の学界、教育界で活躍し、東京帝大、京都帝大、九州帝大の各総長を歴任しました。(異例にも東京帝大総長は2回務め、後に白虎隊総長と言われました。東大理学部、物理学科の基礎を築き、田中館愛橘や長岡半太郎らの俊秀を育てました。)彼の人となりは、外国人からもtrue and brave (至誠で勇猛)と称賛されました。
大学の講義では始業の鐘が鳴り終わらないうちに姿を現し、終業の鐘が鳴ると同時に講義をやめました。また、健次郎は「熱学」の講義を大声で行いましたので、その講義風景を次のような狂歌に詠まれました。(東大にある胸像 写真 下)

   打つ鐘のあとよりはいる山の川 声ぞ積もりて熱となりぬる

さて、その後、カレーライスの味も洗練されたせいか、昭和天皇は、かつて箱根の「富士屋ホテル」でカレーライスを召しあがり、おかわりを所望されたということです。上皇、天皇陛下もカレーライスを好まれるということです。
南極探検隊に同行した篠原洋一氏は、南極での料理人を務めました。毎週、金曜のランチ・メニューをカレーライスと決めていたそうです。帰国後、日本郵船グループ主催の豪華クルーズ船「飛鳥Ⅱ」で14年間シェフを務めましたが、元来、ドライカレーは日本郵船に伝わる伝統のメニューであったそうです。
また、日本海海戦の旗艦、「三笠」にちなんだ「海軍カレー」は、横須賀のレストランで現在も提供されているということです。
不肖も小学生以来、カレーライスが好きです。現代の小学生の間でもカレーライスは人気メニューだそうです。

         星亮一 「山川健次郎伝」 平凡社

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