yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

ゴリラのように泰然自若

2015-02-24 05:27:03 | 文化
京都大学総長で霊長類学者の山極壽一教授は雑誌のインタービューで「ゴリラのように泰然自若でありたい」と語りました。
-霊長類研究の長いキャリアのなかで、転機となったことを教えて下さい。に対して
ゴリラと人間の違いが、ゴリラとニホンザルより小さいと気づいたことです。ゴリラを研究する前、私はニホンザルを研究していました。ニホンザルと人間のあいだで、相手の顔を見つめることは威嚇になる。それはニホンザルのルールです。しかし、ゴリラと人間は見つめ合える。ゴリラは私の顔を見つめてくるし、ゴリラ同士も見詰め合って親愛を伝えられる。それはゴリラの中に人間を見ることができ、自分の中のゴリラ性に気づいた瞬間でした。その発見
は、私がゴリラを研究するきっかけになり、社会学的、行動学的にもエポックメイキングな出来事でした。 中略
 -ゴリラの研究を通して、人間の社会や家族など集団のあり方について書かれた本を数多く
出版されています。専門分野の成果は総長として京都大学という組織を運営するために活かせますか。
に対して
 まず、私自身がゴリラのようにありたいと思っています。総長になることは直前までまったく意識しておらず、決戦投票で私が最多得票となり、いきなり記者会見で座右の銘を聞かれ、頭に浮かんだのが「ゴリラのように」であり、「(ゴリラのように泰然自若でありたい)と答え
ました。咄嗟の反応とはいえ、その言葉は正しく、実際に私の生活はゴリラにならうところが
多かった。家族をつくろうと思ったことも、子供との接し方も、ゴリラに学びましたから。
 もう一点は、総長は猛獣使いであるという認識です。これは尾池和夫先生が総長時代におっしゃったことですが、自分が総長になり、その通りだと思いました。大学にいる猛獣は猛獣なりにさまざまな特徴を表し、それぞれに世界一のことをやっています。その彼らを命令一下で従わせることなど無理ですから、彼らがやりたいことを、いかに心地よくやらせられるかが総長の仕事です。とはいえ間違った方向には行ってはいただきたくないので、その点だけはうまく引き寄せなければなりません。それには信頼関係が必要です。つまり、総長に問われるのは、信頼関係に基づくリーダーシップだと考えています。 以下略

学士会会報 U7 vol.59
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