yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

実学

2015-07-02 04:41:54 | 文化
実学は、人類の生活に役立つ学問です。この言葉からは、明治政府が欧米に追いつくために奨励した富国強兵政策を連想します。理系学問では、工学、理学。文系学問では法学。そして医学が実学の最たる学問でしょう。大学では、法学部、工学部、理学部、医学部が大きな役割を担っています。実学の反対語を知りませんが、直ちには生活の役に立つとは思えない人文学がそれに当たるでしょう。しかし、人類の知恵と叡智の多くは人文学が占めています。人文学を軽視したら、人類は叡智と文化を失ってしまうのではないでしょうか。

6月15日に文部科学省の有識者会議が国立大学交付金について次のような方針を決めたそうです。「運営交付金」約1.1兆円の配分を2016年度から見直す。重点的に取り組む教育や研究
の内容を三つに分け、大学に一つを選ばせる。取り組みへの評価が高いほど手厚く配分する仕組みです。3分類とは、「人材育成や課題解決で地域に貢献」「強みのある分野で全国的、世界的な教育研究」「世界で卓越した教育研究」。これを実施すると、実学には追い風となるでしょうが、人文学には逆風となるかも知れません。ある著名な学者は、人文知の研究は大学の根幹をなすことから文部科学省の上記の方針に異を唱えていました。私も同感です。
コメント
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