山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

孫と二人キャンプに行く(その2)

2020-08-11 02:52:12 | くるま旅くらしの話

さて、まず最初の仕事はテントの設営です。テントは寝るためのものではなく、食事やくつろぎ用のスクリーンテントです。これは新しく購入したもので、何軒か専門店を回って探してもなかなか気に入ったのが見つからず、少し大きそうだけど我慢して購入したものでした。何しろ使用するのは今日が初めてなので、果たしてうまく設営できるか少し心配がありました。孫にも予め手伝うように話してあったので、本人はやる気十分で僕も手伝うと大張りきりでした。ところがいざ取り掛かってみると、以前使っていたワンタッチタイプではないため、やり難いことこの上もなく、真に面倒な仕事となりました。孫に柱となるポールを抑えてくれるように頼んでも、かなりの重量があるため、テントに振り回されてふらふらしてなかなか定まりません。何度もやり直して、どうにかそれらしき姿になるまでには1時間もかかってしまいました。何しろ猛暑なのです。オートキャンプの指定区画は四方を樹木に囲まれた極上の環境なのですが、全くの無風で少し動いただけで汗が滲んできます。途中で投げ出したくなる気分でしたが、孫の前でそんなことが出来るわけでもなく、出来上がった時には全身汗まみれといった状況でした。

 一応それらしき基地が出来上がったので、車に戻って着替えを済ませ、二人で広い公園の中を散策することにしました。ここの自然公園は、涸沼の脇の小高い丘にあり、豊かな森や林に囲まれています。その中に散策の道が何筋かつくられており、樹木たちに日差しが遮られて、暑さを避けて歩くことが出来ます。1時間ほどゆっくりと散策を楽しみました。孫と手をつないで歩く気分は、傘寿のジサマにとってはこの上もないありがたく嬉しいことでした。

 散策を終え、基地に戻り夕食の準備に取り掛かりました。といっても未だ15時を少し過ぎたばかりです。夕食はバーベキューにすることに決めていましたが、16時ごろから取り掛かればいいと考え、その前にTVの設定をすることにしました。ところが地デジもBSも全く映らないのです。地デジの方は自作のアンテナなので、場所によって映らないこともあるのですが、BSの方は全国どこへ行っても滅多に映らないことなどないのですが、ここはダメでした。その理由は、樹木の中にあるので、枝葉が邪魔をしてアンテナが動かせないからでした。これではどうしようもありません。TVは諦めることにしました。ラジオも持参していないので、これは長い夜となるかも知れないと思いました。ま、本来のキャンプといえばTVなど無用の筈ですから、キャンプの原点に戻った姿なのだと考えることにしました。

 16時になって、夕食の準備に取り掛かりました。まだお天道様は健在で、厳しく照りつけており、早いように思うのですが、孫の方は食材などを見ると、早くもお腹が空いた!の連発です。焚火グリルでバーベキューを始める前に、まず先にご飯を炊いておこうと車の中のシンクで米をといでいたら、何だか足元が変なので、シンクの下の調理具入れを開けてみたら、何と水が漏れているではありませんか。長いこと使わなかったので、劣化が進んで排水パイプの取付口がおかしくなってしまっていたようです。キャンプ場の炊事場は少し遠いので、何とか騙しながら米をとぎ終わり、ご飯を炊きだしました。この間、孫の方は、テントの中でお腹が空いたとジサマを煽りたてていました。

 いよいよ焚火グリルに火を入れました。この用具も今回新しく購入したもので、まだまだ使い勝手に馴れていません。用意した薪や炭を小さな炉にくべて、先ずは炭を熾(おこ)すことにしました。薪は順調に燃えてくれたのですが、炭の方はなかなか熾きてくれません。ナラの木の炭なので、備長炭より早く熾きるのではないかと思っていたのですが、孫の空腹に応えるほどにはスピードが上がりませんでした。それでもどうにか大丈夫そうなレベルになったので、網の上にトウモロコシやサツマイモ、カボチャなどの食材を並べ、今回は特別に焼きリンゴもつくることにして、芯をくりぬきシナモンと砂糖を詰めてアルミホイルに包んで載せました。少し火が強くなってきたので、ソーセージを載せたのですが、孫はそのソーセージはダメだというのです。どうやらウインナーの方は苦手だったようです。これはジサマのビールのアテにすることにして、本命の焼き肉に取り掛かりました。

ところがどうも火力が思ったよりも弱くて、なかなか肉が焼けないのです。つい時間をかけてしまい、焼き肉大好きとの前宣伝の大きかった孫に、この肉は硬いなどとコメントされてしまいました。我慢して食え!というのがジサマの檄(げき)であります。それにしても炭の火力が思ったほどではなく、もっと量を増やして熾すべきだったのか、或いは炭の質が良くなかったのか。反省しきりでした。孫はそれでも満腹になったらしく、デザートの焼きりんごはもうギブアップということで、明日に持ち越すことになりました。

夕食が終りあと片付け済んで、あまりに暑いので、車に戻りしばらくエンジンをかけて涼をとることにしました。ここのオートキャンプサイトは56区画もあり、どの区画にも電源が備わっています。キャンカーにエアコンが付いていればそれを利用できるのですが、付けていないのでエンジンをかけるしかありません。今日の泊りの客は5組ほどで、それぞれ離れて利用しており、三密とは全く無縁の環境なので、コロナの方はまず大丈夫だと思いました。未だ18時を過ぎたばかりなので、エンジンの騒音もそれほど迷惑にはならないだろうと思いました。車の中は既にベッドも出来上がっており、孫との会話も話のネタは尽き果てるレベルとなっています。少し涼しくなって汗も引っ込んだので、エンジンを切って横になったのですが、そうするとあっという間に熱気が開け放っている窓から入り込んで、再びエンジンをかけずにはいられないという状況でした。まさか自然界の中の今の時刻が、これほど暑いものだとは気付きませんでした。家にいる時はエアコンのおかげで、外の様子は気付かなかったのでした。

19時くらいになって、とにかく寝ることにしようと、孫に懐中電灯を渡して、明かりを消したのですが、何やらイタズラしていたらしく、孫が懐中電灯を落とす音がしました。ところがその後スイッチを幾ら入れても点灯せず、調べてみるとどうやら落としたショックで運悪く電球が切れてしまったようで、使用不能となってしまいました。非常時に明かりがないと困るので、もう一個の予備の小さな方を渡すことにしました。お互い、なかなか暑くて寝つけず、ゴロゴロやっている内にほんの少し眠りが来たらしく、次に目覚めて時計を見ると未だ21時になったばかりなのでした。

孫は眠っているようなので、そっと車を抜け出し、テントの中でしばらく過ごすことにしました。ビールを持って来て一人の時間に浸ることにしました。今日の来し方の振り返りや明日の予定などをあれこれ考えていると、車に明かりが灯っており、どうやら孫も目覚めて起き出したようです。驚かせてはいけないと行ってみると、孫が、僕もテントへ行くというので、それからはしばらく、二人でテントの中で過ごすことになりました。ランタンの明かりを小さくして、キャンプの気分に浸りながら、孫とあれこれ言葉少なに会話を交わし時間を過ごしました。こんなに暑くなければ、焚火を挟んでもっともっとアウトドアの楽しみを体験させてやれるのに、と思いました。

ようやく外の空気も暑さから抜け出し始めたようなので、車に戻って眠ることにしました。22時近くになっていました。今度は比較的楽に眠りに就くことが出来ました。孫も直ぐに寝息を立て始めたようでした。ようやく寝苦しさから解放されて、その後は一気にあの世に旅立ち、立ち戻ったのは朝の4時頃でした。

4時といえば、自分の普段は、朝の歩きの準備をする時間です。いつも4時半には歩きに出かける毎日なので、起きるのは全く苦になりません。孫はまだ眠りの中なので、外に出てテント以外の用具等を片付けることにしました。早朝の空気は澄んで清浄となっており、気分爽快です。昨夜の残骸を整理しながら処分し、用具類を片付けました。大方仕事が終わりかけた頃、孫も起き出して顔を出しました。直ぐに洗顔に行くことにしました。テントは食事のあとにたたむことにして、朝食に取り掛かりました。メニューはチーズを挟んだバンを焼いたもの(キャンプ用のバン焼き器で、孫はそれをどう使うのか興味を示していた)と昨夜の残りの飯で作ったおにぎり、茹で卵、それに牛乳とお茶だけの簡単なものでした。昨夜の焼きリンゴを出したら、アルミホイルを開けてみてリンゴがしわしわになっているのを見て、孫は怖気づいたのか食べるのを止めるという結果となりました。今の子どもは、見てくれだけでものを判断する傾向にあるようです。これが自分の育った戦後間もない頃だったら、形振(なりふ)り構わず食べられるものなら飛びついて口に入れ、そのうまさにびっくりする筈なのになあ、などと少し複雑な気持ちとなりました。

今日の予定は、釣りをするのがメインイベントです。それを一番楽しみにしていた孫なので、食事を終えると、早くテントを片付けようとせかされました。今のところ空は一面雲に覆われていて、暑さもそれほどではなかったので、テントの撤収は設営するよりははるかに楽で、15分ほどで完了しました。孫もポールをたたんだりペグを引き抜いたりして手伝ってくれて大いに助かりました。8時少し前には全ての撤収作業が完了して出発可能となりました。

8時10分、受付にお世話になった挨拶をしてキャンプ場を後にし、直ぐ近くにある涸沼の釣り場に向かって出発しました。3分ほどで駐車場に着き、先ずは釣り場の確認をしました。孫は生まれて初めての釣りなので、興味津々で興奮気味でした。今までの釣りといえば、父親とザリガニ釣りに行った経験しかなく、餌もゴカイなどは知らず、割きイカなどを考えていたようでした。

昨日餌を買った店での情報では、今はハゼとシーバスがメインの獲物だとのことでした。本当は投げではなく舟での釣りの方が釣果が期待できるのですが、今回は投げの用意をして来ました。しかし、小学1年生の孫には、投げるのは無理だし危ないので、今回は投げたがっていてもそれは止めさせることにして、只リールを巻くだけの作業をさせることにしました。

道具一式を岸辺まで運び、リールや仕掛けの取り付けなどのステップの準備が完了すると、孫の竿の方に餌をつけて投げ込みました。リールを巻く要領を教えて魚の当りの感触などを話しても、なかなか覚えては貰えず、竿を寝かせたり、すごいスピードでリールを巻いたりして、それらの誤動作が一段落するまでに時間がかかり、自分の方はなかなか竿を投げるには至りませんでした。ようやく自分も釣りを開始できるかなと思っていたら、孫の3度目の投げた竿に、何と小さなハゼが掛って来ていました。合わせのタイミングが遅かったので、針をかなり飲みこんでしまっていて、外すのが難しく生かすことができませんでした。孫は大喜びというよりも不思議といった複雑な顔をしているようでした。

    

 孫の人生初めての釣りは、さてさてどんな記憶となって残るのでしょうか?

さて、それからあとは自分の方は使用したリールに問題があり、糸がこんがらかってしまい、落ち着いて釣りをするどころではなくなってしまいました。何しろこのリールを使うのは10年ぶりくらいなので、事前にチエックをしていなかったのが失敗の原因でした。この間に孫の方は、少しリールの扱いにも慣れてきたようで、間もなく2匹目が掛ってきました。今度はタイミングも合っていたらしく釣り上げたハゼも元気でバケツの中を泳いでいました。自分の方は釣りをするのは諦め、孫の釣りの手助けに専念することにしました。いつの間にか空の雲は無くなり、炎暑が覆いかぶさってきました。時計を見ると10時を少し過ぎており、これ以上の釣果は望めそうもないので、そろそろ止めにして引き上げるか、と孫に言うと、孫も同意してくれたので、釣りはここで終わりとすることにしました。釣果は孫がハゼ2匹、ジサマは坊主で、孫の勝ちとなりました。釣ったハゼと残った餌のゴカイは、そのまま沼に戻してやりました。短い時間でしたが、孫にとっては大きな楽しい経験だった様です。

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