山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

‘14 東北春の旅レポート <第14回>

2014-05-22 07:50:40 | くるま旅くらしの話

今日(5/22)の予定】 

  道の駅:なかせん →(R105・R46)→ 角館・武家屋敷他散策 →(R46・R341他)→ 乳頭温泉郷で入浴 → その先未定  

 

【昨日(5月21日)のレポート】    

<行程>

道の駅:五城目 →(R285・R7)→ 道の駅:しょうわ →(R7)→ 道の駅:あきた港 →(R7・R13・R46)道の駅:きょうわ →(R46)→ 角館・安藤醸造元 → 西宮家 →(県道・R105)→ 道の駅:なかせん(泊)

 <レポート>

五城目の朝は、まだ雨は降り出さず曇り空だった。昨夜は近くの池に住む牛ガエルの咆哮が時々聞こえてきて、うるさい奴らだなあと思う間もなく爆睡となった。何しろ何種類もの肴に恵まれたため、ビールだけでは物足りなくなって酒も追加したため、アルコールがほど良く全身に回ってくれたのだった。肴の中では、冷めてしまったとはいえ、やはり一番は鰺ヶ沢の焼イカだった。これでしばらくはイカを食することもなかろうと、名残を惜しみながらじっくりと味わったのだった。バッケ味噌も美味かったし、アケビの芽も負けじと苦さと歯触りで勝負を挑んでいた。深浦の道の駅で買った飯寿司風の漬物も美味かったし、海草のオキュウトも美味かった。これで酒が進まぬはずがない。結局ご飯を食べるのは不要となった。朝なのに、昨夜の話になってしまって失礼。

さて、今日の予定だけど、昨日に引き続き南下をして、秋田市街を通過したら、内陸側の角館を訪ねることにしている。ここでは基地を道の駅:なかせんに置き、2~3日近郊の町や村などを訪ね、山の方にも行ってみようと考えている。山の方とは、田沢湖周辺ともう一つのR105の走る旧西木村の辺りのことである。これらの山の中には、山野草や山菜などの獲物が期待できるのではないかと思うし、久しぶりに秘湯の乳頭温泉郷の湯にも浸かって見たい。具体的には何も考えていないのだけど、それでいいのだと思っている。

五城目の道の駅を9時過ぎに出発して、秋田市方面へ向かう。先ずは一番近い道の駅:しょうわに寄ることにした。ここは何度か訪ねており、花や植え木の数々を取り揃えている少し珍しい道の駅である。どこの道の駅にも多少の花鉢や植木などは置かれているけど、ここは半端ではない。買わなくても目を楽しませてくれるありがたさがあるのである。今頃はどんなものがあるのかと、大いに期待しながらの来訪だった。間もなく道の駅:しょうわに到着。

道の駅の入口付近には常設の植木市なのか、たくさんの植木が並べられていた。その脇には薔薇の苗が賑やかに顧客を待っていた。売店の中に入ると、売り場の半分は花の苗や鉢物が占めていて、色とりどりの草花や小灌木などの花が咲き乱れていた。カーネーションなどは顧客ニーズの時期が終わってしまったからなのか、一鉢200円ほどで売られていた。持ち帰るには家に戻るまでの時間がかかり過ぎるので、買うのは止め、店内を一回りして花の色と香りを楽しんだ。名も知らぬ洋花が多くて、とても覚えきれないし、覚える気にもなれない。野草には関心大でも、なぜか洋花には関心が薄くて花の名は殆ど知らない。しかし、花の美しさは洋の東西を問わず不変である。店の中には魚類も少し売られていて、その中に赤魚の粕漬けの美味そうなものがあったので、たまらなくなって買うことにした。車の中で焼いたりしたら、臭いが寝床までしみ込んで相棒の鼻が曲がってしまう危険性があるので、外で焼かなければならず、場所を選ばなければならないのでちょいと面倒なのだけど、何とかなると思った。この旅でまだ焼魚を食べたことがない。外に出て見ると、チラついていた雨が本降りになりかけようとしていた。直ぐに出発する。

昭和の道の駅は潟上市にあって、隣は秋田市であり、その市街地も近い。少し走って、秋田港の中にあるその名もあきた港という道の駅に寄って見ることにした。ここは比較的新しい道の駅で、まだ訪ねたことがない場所である。行ってみると広い秋田港の中にかなり高い塔が立っており、その下の方に幾つか建物や駐車場があって、そこが道の駅だった。超近代風の建物だった。それは東京の中心街などの建物と同じように、鉄骨とガラスとコンクリートだけで造られていて、木の臭いや香りは殆どない直線の多い建物だった。面白そうだけど、自分にはなぜか心の落ち着かない違和感を感ずるものだった。ま、こんな時は野次馬になるしかない。塔には展望台があり、無料でエレベーターに乗ることができるというので、とにかく高所恐怖症を抑えながら行って見ることにした。相棒はいやだという。彼女は自分よりは恐怖度の少ない症状だったはずなのに。とにかく乗ってしまえばあとは運を天に任せるだけである。5階が展望台で、そこまで1分と少しかかっただろうか。途中がシースルーのエレベーターなので、外を見ないようにして5階に至る。5回といっても高さが100m丁度あり、一体どういう考えで階数を決めているのかなと思った。ちなみに階数表示があるのは3階から5階までしかない。5階は床があったので、少し落ち着いて展望をすることができた。大急ぎで一回りして、何枚か写真を撮ったが、正直生きた心地がしなかった。今日は雨降りで、見えるはずの男鹿半島辺りも何も見えなかった。直ぐに下りのエレベータに乗り、地上に戻る。しばらく心が揺れて落ち着かなかった。少しもワクワクしないのは、やはり老人となっている証なのか。

  

秋田港の道駅構内にあるセリオンの展望タワー。5階の展望台の部屋の高さが100m。鉄骨の塔がガラスのようなもので覆われている。

とんだハプニングに出会った感じであきた港の道の駅をあとにする。しばらく市街地の中を走り、途中で給油などをしながらR7からR13に入って郊外に出る。その後はひたすら大仙市の方へ向かって走る。秋田県の平成の大合併はすさまじくて、大仙市は元の大曲市を呑みこんでしまった。1市8町村の合併というのだから、これはもう新しいイメージで新しい市を覚えるしかない。しばらく走って、旧協和町にある道の駅に向かうためにR46に入る。ずっと本降りが続いており、今日は予報通りこれから終日の雨となるようである。間もなく道の駅:きょうわに到着。ここで昼食休憩。この道の駅も比較的新しいもので、山の中を切り開いて作ったようで、以前ここに泊ろうとして、相棒の反対を受けて他の道駅に向かったことがある。今日は雨だけど日中なので、周辺を見渡すことができる。周りには芝生の立派なグランドゴルフ場などがあり、この道の駅は、レクリエーション施設の一部なのかなと思った。かなりたくさんの車が泊っており、訪れている人も多いように見受けられた。地元の野菜売り場で山菜のウルイを買う。1時間ほど食事をしながら休む。

次は角館を目指して出発。角館は何度も来ているのだが、ここ数年はご無沙汰のしっ放しだった。角館といえば何といっても春の枝垂れ桜と武家屋敷が有名である。東北の小京都などとも呼ばれており、それなりに落ち着いた雰囲気のある町並みが残っている。重伝建指定エリアの中で現代につながって生活が息づいているのはこの町が一番なのかも知れない。そのようなことを思いながら、間もなく角館の街に入る。先ずは郊外にある味噌醤油の製造販売を手掛ける安藤醸造元の店で、買い入れる味噌醤油類の下見をする。これは相棒の仕事で、我が家では味噌の殆どはここで作られたものを使っている。何がどうなのかよく判らないので、下見はすべて相棒に任せて、自分は直ぐに車に戻って頂いてきたパンフを見ながら、角館の町並みを思い出すべくチエックすることにした。間もなく相棒が戻って、すぐに出発したのだが、途中道を間違えてしまい、武家屋敷側の駐車場に行けなくなってしまった。よく間違える場所を、しばらくぶりなので、同じように又間違えたのだった。やむなく反対側から細い道を入ると、直ぐに先ほど下見をした安藤醸造元の本店に出た。ここには駐車場があるので、そこに車を入れ、再度店の方に行って見ることにした。何のことはない、初めからこちらに来れば良かったのである。

この本店にはなんども来ており、店の方には相棒のなじみの人もいるようだが、今日は不在のようだった。この店の歴史も古くて、レンガ造りの倉は文化財としても取り扱われている。蔵の中で展示されるお雛様や五月人形は、相棒の関心の的なのだが、今は五月人形が飾られていたようである。自分はさほど関心がなく、中には入らなかった。結局店の方と話して、味噌類は持ち帰らずに送ってもらうことになった。7千円を超えると送料が無料となると聞いての相棒の判断だった。お土産に店の人のここの味噌で作ったバッケ味噌を1個プレゼントした。味噌屋の人に自家製の味噌の加工品をプレゼントするのは、何か優越感を覚えるものである。

  

安藤醸造元のレンガ造りの蔵の景観。角館は武家屋敷が表に出ているけど、その暮らしを支えた商家の存在もわすれることはできない。

味噌の一件が終わって、まだ少し時間があるので、近くにある西宮家というこれも文化財指定の旧商家を訪ねることにした。ここには10年来の知人のTさんが角館草履屋の実演販売の店を開かれている。その店の名をさけい屋という。Tさんに会うのも数年ぶりとなってしまっていた。行ってみると、あいにく外出されているようで、実演の道具はそのままに置かれていたので、直ぐに戻られるのだろうと思った。10分ほど経って戻られたようだった。さっそく挨拶に出向く。初めは自分に気づかず下を向いて作業をしながらの挨拶だったが、名乗って挨拶すると顔を上げられて、びっくりされたようだった。さもあらん、突然の来訪なのだから。それからあとは、震災以降のこちらの様子や、町のあれこれ、世の出来事などについての歓談となった。Tさんはここでの草履制作の実演販売を始められてからもう10年が近づこうとしているのだった。健康というテーマで足裏に直接かかわる履物の中で草履を選び、これを作りながら様々な工夫を加えて、Tさん流の草履を作り出されている。その特徴の最大のものは、土ふまずを刺激するように草履の中間が高くなっているということであろうか。足裏のツボが健康と深くかかわっているというのは既知のことだけど、履物の世界でそれらがどれだけ活かされているかは疑問である。ましてや日本古来の履物の草履においては、平べったいままのものが殆どだと思う。忙しい時期には、注文に追い付かず納期が遅れてしまうのだと話されていた。今はゴールデンウイークや桜が終わって、一息ついている時なのだとも話されていた。相棒も加わって、その後一時楽しい歓談が続いた。相棒は最新の作を一足手に入れていた。

Tさんの角館草履の店、さけい屋の作品のディスプレー。履き心地だけではなく、色とりどりの柄も美しい。

雨は一向にやむ気配もなく、車に戻って、今日の宿を予定している道の駅:なかせんに向かう。なかせんは中仙であり、旧中仙町の道の駅でここは今は大仙市に属している。角館とは6kmほどしかない。今回はここを基地にして2~3日過ごす考えなのだが、初日は全くの雨で、これじゃあ、とにかく早めに寝るしかない。ご飯を炊き、どこかで買っておいた比内鶏の卵かけごはんを食して、今夜もTVなどは見ずに早めの就寝となる。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ‘14 東北春の旅レポート ... | トップ | ‘14 東北春の旅レポート ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

くるま旅くらしの話」カテゴリの最新記事