山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

2010年西日本への旅 でこぼこ日記:第9日

2010-12-07 00:23:59 | くるま旅くらしの話

 

9日 <10月31日(日)>

 

行程】 道の駅:アリストぬまくま → (K47・53) → 内海町・横田港(広島県福山市) → (K53・47) → 新勝寺温泉 → (K47) → 道の駅:アリストぬまくま (泊)  <26km>

 

夜はよく眠った。眠り過ぎた感もする。邦子どのの調子も回復したようで、安堵する。明け方5時少し前から、やって来た軽トラのドアの開閉音と地元の人たちの人声が飛び交って、とても寝てなどいられない。この道の駅の売り場は、地元の新鮮な野菜等の農産物と直ぐ傍の海で取れる魚介類などが並んで、近隣から大勢の人たちがそれを求めてやってくる。特に今日は日曜日とあって、その賑わいは一層のようで、何時もは8時の開店も30分繰り上げての営業となるようで、生産者の方たちも朝から張り切っているようだ。

 

7時ごろにはもう買い物客が店の中に入って、思い思いに商品を選んで買い物籠だけの列が出来ていた。我々も負けじと中に入る。特に魅力的なのは海産物である。ここの海産物は半端ではない。魚屋までが買いに来ているのではないかと思うほどである。漁師さんは市場に出す代わりにこちらへ直行している感じがする。何時ものように先ずはワタリガニの目ぼしいものを探す。昨年は選定を失敗しているので、今年は慎重に選んだ。今回はカニの他の海産物は遠慮して、珍しく安納芋があったので、それとその他に野菜などを何点か買った。7時半にレジの人が来て販売は本格化したが、とにかく千客万来の大変な賑わいで、うっかりすると身動きが取れなくなるほどである。とにかくカニだけでも蒸かしておこうと早速それに取り掛かる。カニに関しては、邦子どのの世界であり、彼女はその母親からカニの蒸かし方を伝授されているので、自分が口出しする余地など全く無い。30分ほど蒸している内に焦げ臭い匂いがするので、慌ててコンロの所に飛んでいったら、水分が無くなっていて鍋が焦げ出していた。大急ぎ水を追加して、カニの方は無事終了したのだが、その後で鍋を元の状態に戻すのに苦労した。この失敗の原因は、邦子どのが最初に入れる水の量を少な過ぎたことによるものである。弘法も筆の誤りとでも言うべきか。そのあと、ついでに安納芋も蒸かしたのだが、ヤッパリ少し焦げの匂いが移ってしまっていた。

 

  

左は海産物の棚に並べられているシャコ。この他にも近海物の魚などがたくさん並べられている。右は蒸かし終えたワタリガニ。

 

そうこうしている間にも人と車はどんどん増え、このままここに居座っているのは目立つし、批難の対象となりかねないような気がしてきた。検討の結果、隣の内海町の方へ行ってみることにした。まだ行ったことがないのだけど、昨年ここに泊まった時、佐賀からの青年と知り合いになり、彼の話ではこの先の島に架かる橋を渡って行くとなかなか良い所があるということだった。もし本当にそうならば(本当に決まっている)、今日はそこで1日ゆっくり過し、その後でもう1泊この道の駅に泊まって、明日しまなみ海道へ向うことにしようということにした。

 

9時半過ぎ出発。沼隈には何度も来ているのに、道の駅より先に行ったことがなかった。内海町へは今日が初めてなのである。少し行くとここら辺りが沼隈町の中心街なのだろうか、かなり大きなショッピングモールのようなものがあり、何でも揃っているという感じだった。その中心街辺りにある道を右折して島に架かる橋を渡って少し行くと、かなり大きな橋があった。それが内海大橋だった。この橋を渡ると内海町となる。内海大橋は少し変わっていて、真ん中辺りからかなりの角度で曲がっているのである。普通の橋といえば、川でも海でも大抵は、向こう側に対して最短距離で架けられているのだと思う。ということは真っ直ぐに造られていることになるのだが、この橋はそうではない。恐らく架台を造るに際して、海の地形が影響したのだと思う。しかし、通行するには変化があって面白いなと思った。その橋を渡って田島という島に渡る。内海町はこの田島ともう一つの横島というので成り立っているようである。横島の方にも田島から橋が架かっており、その橋を渡るとそこに小さな港があって、その近くに駐車場付きの広場があったので、そこに車を停めることにした。どうやらこの港(=横田港)の辺りが町の中心部らしい。沼隈の方に較べると静かで落ち着いた雰囲気である。瀬戸内の小島にいるのと同じ環境である。

 

今朝は天気が心配だったが、今のところはチョッピリ青空も覗いたりして、どうにか大丈夫のようである。日曜日とあって、親子連れで釣りに来ている人もいるようで、この先の堤防では時折喚声も上がっていた。ここは絶好の釣り場らしい。あちこちに太公望らしき人物が目立った。この辺に来るときには釣りの出来る用意をしてくる必要があるなと思った。とにかくこれといってやることはないので、少し溜まりかけている旅の記録の整理に取り掛かる。自分がパソコンを扱っている間は、邦子どのは殆ど何もできなくなるので、結構ストレスが溜まるようである。さりとて、TVを見たり、CDの賑やかなのを聞かされたのではたまったものではない。知らんふりしてパソコンに集中する。

 

そうこうしている内に昼近くなったので昼食にする。今日はここで夕方近くまで過すことにして、先ほどのカニを早速やっつけることにした。折角なので、日本酒で一杯やることにする。夕方までには醒める程度の酒で、1合程度に止める。久しぶりのワタリガニである。今回の分の中身はまあまあだった。去年はスカスカの中身で、大いに落胆したのを思い出す。その分まで挽回すべく、じっくりと味わう。美味なり。文句なし。カニはワタリガニが一番だと思っている。毛ガニも、松葉ガニも、タラバも、ワタリガニの繊細な味には及ばない。今回のには味噌はホンの少ししかなかったけど、それでも大満足である。カニを腹いっぱい食べたいとは思わない。美味の結晶をホンの少し口に入れ、美酒を1杯口に含むだけでいいのだ。

 

少しでも酒が入ると、話し相手がいないときには、これはもう寝るだけである。邦子どのから見れば、しらふのままで何時もの酔っ払いのご託を聞かされたのではたまったものではないというところであろう。ま、その様な気持ちを斟酌して、しばらく寝床の中へ。丁度その頃から雨が落ち出し、天井が騒がしくなり出した。少し我慢をして雨音を聞いている内にたちまちあの世へと旅立つ。邦子どのが何をしていたのかは分からない。よく眠った。

 

目覚めたらかなりの雨降りとなっていた。もう一度パソコンに向おうかと思ったけど、雨降りではソーラーは役立たず、バッテリーは減るばかりである。諦めることにした。16時半を過ぎていたので、昨日入らなかった新勝寺温泉にもう一度行くことにして出発。17時ごろに着いたのだが、ものすごい混みようで、車を停める場所が無い。今日は日曜日なので、一日温泉を楽しもうという人たちが大勢押しかけてきているようだ。入浴だけではない時間も楽しもうというからには、車が空くはずが無い。待っていても無駄というものである。二度も振られて、チョッピリ忌々しい気がしたけど、無理して車を留め、芋の子を洗うような風呂に入るのは真っ平ご免だと、自分の中で啖呵を切って道の駅まで引き返す。

 

日中はごった返していた道の駅も隣の広場もすっかり静まり返っていて、雨の中を隣の広場に後片付けをしている人が何人か残っているだけだった。泊りの車は殆ど無く、我々の他にはバンコンが1台きりだったようだ。ここはTVの映りが悪くて、邦子どのの楽しみの大河ドラマも、ラジオでの音声だけしか入らない。邦子どのは倅に録画を頼んでいたようである。自分の方は焼酎を一杯やって、たちまち眠りの中へ。いつでも、何処でも眠れるというのは、真にありがたいことである。

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