山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

‘16年 東北春短か旅 レポート <第9回>

2016-05-24 04:44:04 | くるま旅くらしの話

【今日(5/24)の予定】 

  道の駅:いなかだて →(R102他)←田舎館村役場 →(R102・R7・K・R101他 )→ 五所川原市歴史民俗資料館 →(R101他)→ 道の駅:もりた →(R101)→ 鰺ヶ沢町焼きイカ店 →(K3・R7)→ 道の駅;碇ヶ関(泊)

 

【昨日(5/23)のレポート】   天気:晴れ

<行程>

道の駅:七戸 →(R4・R102)→ 奥入瀬渓流:石ケ戸 → 奥入瀬渓流散策 → 石ケ戸 →(R102)→ 道の駅:いなかだて(泊)

<レポート>

 起床3時半。直ぐにブログを発信しようとしたのだが、これがなかなかつながらない。何度やってもダメ。やむなく車を移動してチャレンジすることにした。それでもなかなかうまく行かなかったが、ようやくつながって、やれやれである。今日は先ず奥入瀬渓流に行って新緑の空気を目一杯吸いながら日頃のストレスをきれいに発散して、心身を浄化するつもりでいる。少しでも早く出発しようと思っていたのだが、少し手間取って焦った。それでも4時半には出発することが出来た。目指すは、奥入瀬渓流の中ほどにある石ケ戸という場所である。ここには休憩所もあり、道脇に駐車スペースもある。何時も奥入瀬渓流を訪ねる時は、近くにある道の駅:おいらせに泊り、朝一番で石ケ戸に行き駐車場所を確保し、それから朝食を済ませて散策を開始するのだが、今回は七戸から出向かうことにしたのである。それで、少し早目の出発を意図したのだった。

 車の流れは順調で、と言っても早朝の4時半なのだからこれは当たり前のことであり、邪魔なのは赤信号だけだった。予想よりもかなり早く着いて、5時半前には石ケ戸の駐車場所のベストポジションを確保することが出来た。その後は、これもいつも恒例となっているのだが、お湯を沸かし、コーヒーを淹れて、モーツアルトを聴きながら朝食を摂ることになる。今回は新しくCDカセラジオを持参しているので、スピーカーの性能は向上している。この緑の森の中では、モーツアルトが一番相応しいと信じている。ミルを回して豆を挽き、相棒がお湯を注いで完了。あとは静かにコーヒーを味わい、更に鮮緑のマイナスイオンを味わうだけ。パンも食べるけど、そんなものよりはこの森の中の雰囲気の方がずっと美味なのである。

    

モーツアルトを聴きながらというけど、その実態はこのように乱雑であり、自慢できるほど美しくはない。

 朝食の後は別行動。総じて相棒はペースが遅いので、とても調子を合わせているのは無理。ということで、自分の方は直ぐに渓流の散策に出発する。6時半である。既に日は上っているのだが、まだここまでは少ししか届いていない。近くにある休憩所を覗いたあと、ここから3kmほど離れた所にある雲井の滝まで往復することにして散策を開始する。直ぐ近くに「石ケ戸」の地名発祥の素となる小さな石の窟があり、それを覗く。伝説によれば昔この窟の中に鬼神のお松という美女盗賊がおり、通行の人たちから金品を巻き上げていたという。確かに人一人が住みつけるほどの広さはあるようだった。

    

石ケ戸の窟。こんな場所に巣食っていて、一体どんな美女だったのか。彼女の身の上話を聞いてみたいものだなと思った。

 そこから先は萌えるような緑の世界を、飛沫の弾ける渓流に沿って上流に向かう。ようやく届き始めた淡い日の光が木々の緑を照らし輝き始めて、何とも言えない心安らぐ世界が広がっている。ゆったりとした流れが少し続いているかと思うと、たちまち岩にぶつかった流れが純白の飛沫を上げているという、渓流独特の景観が続いている。マイナスイオンの溢れる世界を喜び湛えるかのように、名も知らぬ小鳥の囀りが渓流の飛沫の音を凌ぐほどに林間に響き渡っていた。日が上り、気温が上がるにつれて小鳥たちの鳴き声に目覚めたのか、エゾハルゼミの合唱がおちこちから湧きあがり、カジカガエルの哀調を帯びた鳴き声も届き始めた。

 しばらく渓流に沿って造られた散策の道を歩くと、やがて雲井の滝に到着した。雲井の滝は奥入瀬渓流の中では一番規模の大きな落差のある瀧で、凡そ50mほどであろうか。本流とは別の流れの岩場を落ちて、滝の水は本流に注いでいる。カメラに同じ迫力を持って取り込もうとするのだが、滝というのは普通のカメラではどうもうまく撮るのは難しいようだ。更に上方には渓流では一番規模の大きい銚子大滝というのがあるのだけど、今日はそこまで行くのは止めることにした。既に歩き始めてから1時間以上が経過している。引き返すことにした。

      

平らな箇所に来ると流れは穏やかになり、渓谷の優しげな表情を示してくれている。

   

川岸にはブナの大樹が数多くあり、春の喜びを大空に向かって告げていた。

   

段差のある岩場に来ると、穏やかだった流れは豹変し、岩をも砕く白い激流となって流れ下る。

   

雲井の滝。それほど大きな滝ではないけど、二段に落ちて流れる白い水の筋は、いかにも滝らしい風情を醸している。

それから再び1時間以上をかけて新緑に染まりながらの散策を楽しんだ。8時半過ぎに車に戻ったのだが、相棒もどこかに出かけているようで、不在だった。しばらくして相棒が戻り、お茶の時間を過ごした後、今度は二人で休憩所の下流の方へ行って見ることにした。この方向へ行くと、ちょうど今山ツツジが開花の最盛期を迎えている場所があり、撮影のスポットとなっていると聞いた。途中、足元の植物や木々などを観察しながら20分ほど歩いて、その場所に着く。確かにツツジの赤が、緑の水流に映えて、絵になる風景だった。何枚かカメラに収めた。そこから引き返して車に戻った時は10時15分となっていた。既に1万歩以上を歩いており、やや疲れを感じたので、しばらく眠ることにした。

   

豊な水の流れの岩場に自生した山つつじは、今が花の盛りのようで、緑一面の森の中に淡い赤色が映えて、一段と美しい。

 寝床に入って、それから2時間以上惰眠を貪る。特に相棒にとっては、今朝は普通でない早や起きだったので、寝不足の感は拭われない。自分も眠気を覚えていたので、眠ることにした。こんな場所でこんな時間帯に眠りを自在に出来るなんて、何という贅沢なのか。これはくるま旅の者に与えられた最高のプレゼントだな、などと言いながら至福の時間を過ごしたのだった。

 12時過ぎに目覚めて、軽く昼食を摂る。相棒は目覚めてから元に戻るのに時間がかかって、しんどそうだった。ようやく正気に戻った時は13時をかなり過ぎていた。もう緑の世界の散策は止め、次に向かうことにした。今日のこれからは、十和田湖湖畔をしばらく走って、急坂を上り、滝沢峠を越えて黒石方面へ下り、途中温湯(ぬるゆ)温泉の鶴の湯というのに入った後、道の駅:いなかだてに行って泊るだけの行程である。とにかくゆっくりと車の中からも新緑の世界を楽しみながら行くことにして出発する。

 少し走って十和田湖畔に出て、そこから今回は左へのコースで行くことにした。十和田湖観光の中心地を通り抜けて行くコースである。しばらくは緑のトンネルの中を走り、やがて坂道を登り始める。途中何時も春には見かけるキクザキイチゲやニリンソウなどの花が残っていないかと期待したのだが、これはもう全く見当外れの期待だった。滝沢峠の辺りには少しはフキノトウが残っていないかと探したが、これもまた見当違いの探しものだった。いつもはこの峠辺りでフキノトウを摘み、バッケ味噌を作るのを楽しみにしているのだが、今回はあまりにも時期が遅かったようである。その後は黒石方面に向かってひたすら坂を下る。

 間もなくダムが現れ、その脇に道の駅:虹の湖があり、立ち寄ってしばらく休憩する。3時半になっていた。もう入浴してもいい時間だと見計らって、出発する。直ぐに温湯温泉のいつもの駐車場に着いて車を留める。この道を通る時はこの温泉に必ず入ることにしている。石鹼やシャンプーはないけど、たった200円の料金で、源泉かけ流しの本物の温泉に入れるというのはありがたいことである。1時間ほど温泉を楽しみ、今日のゴールの道の駅:いなかだてへ。

田舎館は個性のある村で、弥生時代の米作りの跡が残っており、それに因んでなのか、毎年田んぼアートでは多くのファンを魅了してやまない。昨年は富士山に天女の米の稲穂で描かれた見事な絵が田んぼを飾っていた。今年はどんなものが見られるのか楽しみである。もう何度も来ている道の駅なので、親近感代である。今夜も早目の夕食を済ませ、ほんの少しTVなども楽しみながら夜を迎える。明日の予定は一応書いてはあるけど、実のところはっきりしない。今夜の課題である。

コメント
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