山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

ボランティアを開始する

2010-05-19 04:14:41 | くるま旅くらしの話

連休明けから週に2日ほどボランティアを始めました。多くの場合、ボランティアと言えば、地元の名所旧跡のガイドや公共施設の清掃などがイメージとして浮かび上がりますが、私のボランティアはそのような公共性のあるものではなく、私と同世代同年齢の知人の夢を実現するための手助けなのです。その夢とは、簡単に言えば実験農園の運営ということなのです。従って、私のボランティアというのは、農園のお手伝いということになります。そのことについて触れたいと思います。

キャンピングカーに興味・関心をお持ちの方なら、AC(オートキャンパー)誌などをご覧の方なら、RVランドというビルダー会社をご存知の方が多いのではないかと思います。RVランドは、私が現在住む守谷市に拠点を置いておられたのですが、数年前丁度私が守谷市に越してきた直後の頃、隣の常総市に引越しをされました。RVランドは、単なるキャンピングカーのビルダーというだけではなく、この業界では日本一と思われる広大な常設のキャンピングカーの展示場を持っておられ、自社製のキャンピングカーは勿論、何社かのキャンピングカーの展示をはじめ、多数の各種中古車が広大な敷地の中に展示されています。又展示場だけではなく、会員制のキャンプ場もその中に設けられており、キャンピングカーを用いたくらしの体験ができるような工夫も施されています。車だけではなく、車を使ったくらしの実際を体験できるというところまで手の届いているという会社は、この業界の中では数少ないのではないかと思います。

私のボランティアの知人というのは、このRVランドの社長のAさんなのです。Aさんとは、守谷市に越してきて間もなく、「くるま旅くらし心得帖」という拙著を著わした頃に、「キャンピングカースーパーガイドオンライン」の町田編集長を介して知り合いとなった間柄で、その後時々常総市に越されたRVランドをお邪魔して話を交わすという関係でした。Aさんは私と同年同月の生まれであり、その経歴も実務経験も全く違いますが、人生の考え方については賛同し合うものが多く、ご近所に心を許して(?)話の出来る知己を得たと、嬉しく思っています。

そのAさんが、一昨年だったかのお邪魔した時に、「今度八郷町(現在は茨城県石岡市)に土地を買って、農場を作ることにしました。遊びに来てください。又時々一緒に手伝ってください」という話をされました。かなり広大な土地のようで、この土地を使って果樹や野菜などを作り、キャンピングカーのお客様などにもお越し頂いて、一緒に土の生み出す成果を味わい、大自然の良さを感じて頂きたいというような話でした。もともと野菜や果樹栽培などに興味・関心のある自分にとっては、このAさんの話は、実に面白そうな魅惑的な話だったのです。

ところが、そのお話を伺ってから、気になりながらも現地をお邪魔しないでいる内に、あっという間に1年以上が経過してしまいました。そして連休前の4月末に、思い立ってその農園を訪ねたのです。ちょっぴり道に迷いながら、たどり着いたそこは、想像を超える広さでした。一辺が約120mもある正方形の土地で、面積は約1万5千㎡(4500坪)もあるのです。入口に「八郷フルーツランチ ・果樹総合研究農園 ・会員制滞在型体験農園」という看板がありました。

   

RVランドフルーツランチ(果樹農園)の案内板。一見、キャンピングカーとは無縁のように思われるけど、この農園の目指すところは、キャンピングカーライフにもつながっている。

扉を開けて頂き、中に入って農園と各施設をご案内頂いたのですが、その内容は想像を遙かに超えるものでした。園内には様々な果樹や樹木が植えられ、所々の畑には何種類かの野菜が作られていました。又ビニールハウスもあり、その中では南国系の果樹や野菜などが栽培されていました。その他に果樹の加工の研究を行なう施設があり、様々な用具などが所狭しと置かれていました。いやあ驚きました。来る前まではこれほど本格的に取り組まれているとは想像していなかったものですから、Aさんの夢の大きさに圧倒された感じがしました。

   

RVランドフルーツランチの景観。広すぎてとても1枚の写真には収まらない。向うに見える林は筑波颪(おろし)から農園を守る防風林である。

   

園内にあるブルーベリー園。まだ幼木の面影を残しているが、昨年もジャムを作れるほどの収穫があったという。今年も豊作が期待されている。

その後いろいろとお話を伺いましたが、この広い農園を、現在は週に3日間泊りがけで出向いて来ておられ、この間何人かのお手伝いの方の力を得て面倒を見ているということでした。トラクターやユンボなども備えられて、力作業は大丈夫のようでしたが、細かな作業となると、なかなか行き届かない現実があるようで、見たところでは、例えば木の苗の植樹の後の支柱なども、不安の残る手当ての状態なのでした。農業というのは、細かなところに如何に手を届かせるかというのが勝負の一つとなるのは、私自身も農家の出であり、遠い少年時代の経験ではあっても、その大切さを思い出すのはそう難しくはありません。Aさんは農業経験が殆ど無い方のようですから、ご苦労の大きさを察することができます。

私は、Aさんの夢の実現のお手伝いをすることを決心しました。二人の老人が(このような言い方をすると、Aさんは気に入らないに違いありませんが)意気投合して果樹や蔬菜の園芸栽培に汗を流すという光景があってもいいように思ったのです。私には旅がありますので、100%のお手伝いはできませんが、都合のつく時間には必ず来て、一緒にこの樹木たちの手入れや野菜作りに汗を流そうと決めたのです。思ったのではなく、決めたのです。それほどに、Aさんのこの農園経営に傾ける情熱と、そのベースにある考え方に同感、同意を覚えたのでした。(これらの考え方については、おってご紹介したいと思っています)

ということで、その第1回目を先週開始したのですが、第一番目の作業は、約400本もある果樹の幼木に確実な支柱を設えるということでした。このために、事前に5日間ほど毎日小貝川の堤防脇に出向いて、支柱用の女竹を採りました。支柱は1本の苗木に3本必要なので、もし400本全てならば、1200本の女竹が必要となります。これはかなりの数です。とりあえずは約500本ほどを採取して持参しました。

2日間で約100本ほどに支柱をあてがいましたが、実に楽しい時間でした。一本一本、幼木たちと対話しながら、女竹を地に打ち込み、その3本を紐で結い、木が一番風雨に耐えられやすいポジションに落ち着かせるという作業は、単純なようで結構味わいがあり、退屈無しの作業でした。100本の木では、百回の対話を楽しむことができるのです。この後、数年は彼らと毎年対話をしながらメンテナンスに取り組むことになるのだと思います。

   

支柱を添えた後の樹木たち。このあたりには各種のサクランボが植えられている。実がなるまでには、あと数年はかかるかもしれない。

第1回目はそのような作業に終始しましたが、夜になってAさんとの一杯やりながらの歓談は、まさにお互いが生きていることの楽しみを味わえるひと時でした。これから先、このような時間がずっと続くことを、そしてAさんの夢が私の夢と重なって、見事に実現することを願っています。これからもこのボランティアの話は時々出てくることでしょう。何だか旅の一場面のように思えるのです。

<今回はここまでです。なお、これからはブログを時々休むのは、泊りがけのボランティアの時が該当することになると思います。今日は第2回目の出発日です。>

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