山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

山陽・山陰の道ふらり旅: 第7日

2009-10-30 03:34:58 | くるま旅くらしの話
行程:道の駅:掛合の里→龍頭が滝→道の駅:さくらの里きすき→吉田の街並み(雲南市)→ゴールデンユートピアおおち(美郷町)→道の駅:インフォメーションセンターかわもと(泊)

昨夜真っ暗の中に着いた道の駅は、思ったよりは静かで良く眠れて良かった。ここは道の駅の発祥の地だとか。確か鳥取県にも同じようなことを言っている所があったけど、もしかしたら道の駅というのは、全国では同時期に幾つか造られたのかも知れない。駅舎の脇に水琴窟があるのだが、本物の音よりも大きな録音が鳴り響いているので、せっかくの本物をダメにしていた。文明の利器は古人の工夫した音の情緒をダメにしていた。駅舎の裏は緑地公園となっており、その中に竹下元総理の銅像が建っていた。彼の人はこの地の出身らしい。郷土の為にも貢献大の人物だったのであろう。そう言えば、相生の道の駅の脇にも河本敏夫代議士の銅像が建っていたのを思い出した。生前の活動の様子を多少なりとも見聞していると、少し複雑な感慨にもとらわれる。
今日は石見銀山を見学する予定だったのだが、駅の中にあった雲南市の観光案内パンフレットを見ていて、出雲の神話やたたら製鉄のことなどが気になり、石見銀山は明日にすることにして、今日は近郊をぶらつくことにする。
というわけです、先ずは近くにある龍頭が滝というのを見に行くことにする。出発してしばらく走って、相棒の話で気づいたのだが、どうやら反対の道を来たらしい。もう一度パンフレットを良く見ると、やっぱり違っていた。判りにくいパンフレットである。直ぐにUターンして向かう。15分ほどで到着。途中の道が良いのは、竹下さんの地元だからなのかと、良からぬ勘ぐりなどをしながらの運転だった。小人の悪い癖ではある。
滝は素晴らしかった。駐車場から滝まで300Mほどある散策路は、側を滝からの清流が流れていて、左には秋の深まりを感じさせる山の木々が茂っており、久しぶりに清新な空気を胸いっぱい吸うことができた。滝は雌滝と雄滝があり、下方が雌滝で落差も少なくて優しく、雄滝はその上にあって落差が40Mほどあり豪快に水を落とし続けていた。雄滝の下が大きな洞窟となっており、滝の裏側からも水を眺めることができるのは珍しい。しばらくその景観を楽しんだ。名瀑に相応しいなと思った。
滝の後はパンフレットにある神話コースというのを訪ねようと、案内図を見ながら行ったのだが、掲載されている八本杉や八俣大蛇公園など、それらしきものが出て来ない。パンフレットは派手だが、現地の方には何の案内板も表示も見つからず、ガッカリすると同時に少し腹が立ってきた。紙の上だけの作業が、この様な不親切につながっているのであろう。現地が直ぐに判らないようなパンフレットなど無用である。雲南市が観光行政に力を入れるのなら、為すべきは、調子の良いパンフレットを作って配ることではなく、旅人に迷うことなく現地を判らせ、じっくりその良さを解らせることではないか。もう曖昧な神話コースなどを訪ねるのは止めにして、近くの道の駅に行き、昼食休憩とする。
昼食の後は、さてどうするか。パンフの中では、誑(たぶら)かされる危険性が少ないだろうと、吉田という地区のたたら製鉄の史跡を訪ねることにする。そしてその後は、明日のことを考えて、途中で温泉に入りながら、川本町にある道の駅に行き泊まることに決める。
吉田地区の探訪は良かった。文明開化までの江戸時代では、鉄の需要はさほど多くは無かったと思うが、国内需要の7割をもこの地で賄っていたという。松江藩の工人のトップだった田部家を中心にこの地でたたらによる製鉄がおこなわれていたということで、その昔を偲ばせる白壁土蔵や赤い瓦屋根の一群の家並みが残っていた。たたらの工場跡地へは、道が狭くて行くことができず残念だった。
その後は、昨日来た道を辿り三瓶温泉の方に向かい、そこを通過して美郷町のゴールデンユートピアおおちという温泉施設へ。
温泉博士に載っていたので、ここにしたのだったが、どうやら温泉プールなどかメインの健康スポーツ施設のようで、温泉の方はさっぱりだった。文句をいうわけにはゆかない。早く出ただけである。車に戻ると先に帰っていた相棒が何やら騒いでいるので、良く見ると、何とカメ虫の襲来を受けており、後部にあるドアの辺りに何匹ものカメ虫が取り付いていたのだった。何年か前に白川郷の古民家に泊まった時にもカメ虫に悩まされたことがあつたが、ここのカメ虫の方が積極的のようだ。傍にクロガネモチの木があり、そこからやって来たらしい。とんだ騒動だった。
さて、その後もとんだ騒動となる。川本への道を間違えてR375を大田市の方へ行ってしまい、途中で気がついて引き返すはめになった。温泉施設から出て直ぐだった左折路を、あまりに近かったため標示板を見落としてしまったのだった。工事中と危険箇所だらけの道を往復15キロくらい走らされて、ストレスは倍化した。それにしても、国道とはいえR375は、あまり通りたくない道である。県道の方がずっと立派だという印象が、島根県のこの辺りにはある。その県道40号線も川本近くなって断然狭い道となり、離合を心配しながら、ようやく川本の道の駅に着いたのだった。明るい内にとの予定が、着いた時にはもう日は暮れかけていた。
あれこれ、変化の多い1日だった。変化の源は思い違いや見落としであり、もしかしたらこれには老人性の何とやらが、かなり混じっているのかも知れない。ちょっぴりそんなことを考えながら一杯やって、早めに寝床に潜り込む。
コメント
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