東京多摩借地借家人組合

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追い出し屋規制法案は継続審議に 全借連が国土交通委員会の議員に要請書

2010年12月02日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
 通常国会から継続審議になっていた「追い出し屋規制法案」は、衆議院国土交通委員会で11月19日に馬淵国土交通大臣が趣旨説明を行なって以降国会の混乱と馬淵大臣への問責決議が可決される状況の中で、全く審議が行なわれないまま来年の通常国会に継続審議になる見込みです。

 全国不動産政治連盟は「悪質な家賃の取立て行為は規制されてしかるべきだが、家主全体に取り立ての網をかけることは問題」として個人家主を適用除外とする修正を行うことを求めて署名運動を実施し、与野党の国会議員に要請行動を行ないました。全国追い出し屋対策会議では、85%の個人家主を適用除外にすれば規制の意味がないと11月に個人家主の適用除外に反対する集会を衆議院の議員会館で開催しました。全借連では、11月25日に衆議院国土交通委員・理事全員に「個人家主を適用除外とすることに反対し、家賃等弁済情報のデーターベース禁止を求める要請書」(以下の文書)をFAXで送付しました。


  追い出し屋規制法案の悪質な取立て行為について個人家主を適用除外と
  することに反対し、家賃等弁済情報のデーターベース禁止を求める要請書

 議員各位におかれましては、日頃より国民生活を守るためにご活躍されておられることに敬意を表します。さて、国会審議が予定されています「賃借人の居住の安定を確保するための家賃債務保証業の業務の適正化及び家賃等の取立て行為の規制等に関する法律案(通称追い出し屋規制法案)」について、全国不動産政治連盟は法案61条の不当な取立て行為の禁止に関して、一定の規模の個人家主を適用除外とするなど法案の修正を求めて動いています。
 しかし、鍵の交換や動産類の搬出保管、深夜未明の訪問・電話等の追い出し行為は一部の悪質業者だけでの問題ではなく、個人家主においても起きている問題であり、例外を設けることは規制を意味のないものにするものです。法で禁止をするのは、居住の安定確保を妨げる悪質な取り立て行為であり、賃借人の生活の平穏を脅かすことのない適正な家賃の督促や集金行為まで禁止するものでないことは明白です。これまで、家賃保証会社や管理会社の悪質な行為が社会問題になる以前にも、個人家主の中には家賃を滞納した借主の家から家財道具等を無断で運び出し、滞納家賃を支払わないまで家財道具を返さない等の悪質な行為が発生していました。これらの行為は現行法では処罰ができず、多くの賃貸住宅居住者は泣き寝入りしていたのが実態です。法案1条の家賃債権の不当な取立て行為を規制する目的の意義を家主の規模の大小で例外をもうけて緩和することのないよう要請いたします。
 また、法案57条から60条の家賃等弁済情報のデーターベースの登録制度に関しては、データーベースによる賃借人のブラックリストづくりに利用され、あらたな入居差別と住居喪失の危険性をまねき、結果として賃借人の居住の安定確保に反するものです。法案62条では、保証委託契約を拒否されため賃貸住宅への入居が困難となった者に対して、国や自治体は他の家賃債務保証会社又は保証委託契約の締結を必要条件としない賃貸住宅に関する情報の提供や公営住宅・公的な賃貸住宅への入居等必要な措置を講ずるよう努めるとされています。これらの措置が全く整備されていない現状においてデーターベースづくりのみが先行され、このままでは家賃滞納等に伴って入居を拒まれ路頭に迷う賃借人が続出し、居住不安が拡大することになりかねません。家賃を滞納したというだけで、賃貸住宅への入居を拒まれることは人権擁護に反して許されないことです。これらの家賃等弁済提供事業者が賃貸人のリスク排除のためにあらゆる賃借人の個人情報を収集し、入居差別を拡大することに直結する問題であり、データーベースの禁止を強く求めます。
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