村雨庵 茶の湯日記

日々是茶の湯

東下り

2015-05-10 22:52:56 | 懐石・料理
今日は久しぶり
自宅でする懐石料理教室
内容は五月の末にする茶事の献立
出しを引く
ああそうだ
この香り
その美味し香りに堪能
サヨリ
鱚 蛍烏賊
青豆 蚕豆
初夏の材料の爽やかさ
時間はかかったが
そのあとの大吟醸での一杯
至福の時間だ



掛軸は東下りの図


伊勢物語の九段
東下り

ある男が京にはいられないと思い
友人の一人二人と東の方へ行く
道を知っている人が居ないので迷いつつ進んだ
三河の八橋についた
八橋というのは川が蜘蛛の足のようで
橋を八つ渡しているから
八橋と言う
その沢のほとりの木陰で乾飯を食べた
そこに
かきつばた が素敵に咲いている
それを見て

「かきつばたといふ五文字を句の上(かみ)に据ゑて、旅の心をよめ。」
と言ひければ、よめる。
唐衣(からごろも)
きつつなれにし
つましあれば
はるばるきぬる
旅をしぞ思ふ
  
とよめりければ、
皆人(みなひと)、
乾飯の上に涙落として、
ほとびにけり。




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コメント
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